JPH0741473U - 放電レベル表示機能を有する放電棒 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高圧コンデンサの残留電荷を表示しながら高
圧コンデンサの放電を行うことができる放電レベル表示
機能を有する放電棒を提供する。 【構成】 高圧受電設備の高圧コンデンサ１に蓄積され
た高電圧を放電用高圧抵抗２、放電電流検出用抵抗３を
介して大地に放電する場合の放電電流を放電電流検出用
抵抗３で電圧降下として検出し、この検出した電圧を第
１、第２および第３の比較回路５ａ，５ｂ，５ｃにおい
て第１、第２および第３の基準電圧とそれぞれ比較し、
この比較結果に基づいて第１、第２および第３の発光ダ
イオード６ａ，６ｂ，６ｃを駆動し、これらの発光ダイ
オード６ａ，６ｂ，６ｃの発光状態により高圧コンデン
サ１に残留している電圧を識別することができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、高圧受電設備の力率改善用コンデンサ、すなわち高圧進相用コンデ ンサ等のコンデンサの残留電荷を高圧抵抗を介して放電させる放電棒に関し、更 に詳しくは、前記コンデンサに残留している残留電荷を表示する放電レベル表示 機能を有する放電棒に関する。

【０００２】

【従来の技術】

高圧受電設備は、原則として毎年、その操業を停止し、絶縁抵抗や保護継電器 等の性能の試験を実施している。

【０００３】 このような作業を行うに当たっては、安全確保のために、高圧コンデンサに残 留している高電圧を放電させるために、高圧コンデンサに放電棒を接続し、該放 電棒の高圧抵抗を介して高圧コンデンサに残留している高電圧を大地に放電させ る作業を行っている。

【０００４】 この放電作業では、高圧コンデンサに残留している電圧が所定の安全な低電圧 以下に低下するまで、放電棒を高圧コンデンサに接続しておくことが重要である 。このために、従来は、高圧コンデンサの静電容量と放電用高圧抵抗とから放電 に要する時間を算出し、この時間の間、高圧コンデンサに放電棒を接続するよう にしている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

上述したように、従来の放電棒を利用した場合には、高圧コンデンサの静電容 量と放電用高圧抵抗とから算出した放電時間の間、放電棒を高圧コンデンサに接 続して、高圧コンデンサの放電作業を行っているため、高圧コンデンサに残留し ている電圧の有無に関わらず、常に一定時間の放電作業が必要であるとともに、 確実に放電されたことを確認することができないという問題がある。

【０００６】 本考案は、上記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、高圧コン デンサの残留電荷を表示しながら高圧コンデンサの放電を行うことができる放電 レベル表示機能を有する放電棒を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案の放電レベル表示機能を有する放電棒は、高 圧受電設備に設けられている高圧コンデンサの残留電荷を高圧抵抗を介して放電 させる放電棒であって、前記高圧抵抗に直列に接続され、該高圧抵抗を介して放 電する放電電流を検出する電流検出抵抗と、該電流検出抵抗で検出した放電電流 に基づいて前記高圧コンデンサに残留している電荷を表示する表示手段とを有す ることを要旨とする。

【０００８】

【作用】

本考案の放電レベル表示機能を有する放電棒では、高圧抵抗を介して放電する 高圧コンデンサの放電電流を電流検出抵抗で検出し、この検出した放電電流に基 づいて高圧コンデンサに残留している電荷を表示している。

【０００９】

【実施例】

以下、図面を用いて本考案の実施例を説明する。

【００１０】 図１は、本考案の一実施例に係わる放電レベル表示機能を有する放電棒の構成 を示す回路図である。同図に示す放電レベル表示機能を有する放電棒は、高圧受 電設備の操業を停止し、絶縁抵抗や保護継電器等の性能の試験を実施しようとす る場合に、該高圧受電設備に設けられている力率改善用コンデンサである高圧進 相用コンデンサ、その他の高圧コンデンサ等に残留している電荷、すなわち蓄積 されている高電圧を安全性の立場から放電させるために使用するものであり、図 １において１０で示す放電棒は高圧受電設備の高圧コンデンサ１の端子１ａにリ ード線９を介して接続され、該高圧コンデンサ１に残留している電荷である高電 圧を端子１ａからリード線９、放電用高圧抵抗２、放電電流検出用抵抗３を介し て大地に放電するようになっている。

【００１１】 そして、この場合に、放電電流が放電電流検出用抵抗３を流れることにより、 該放電電流検出用抵抗３に発生する電圧を放電電流として検出し、この検出した 電圧に基づいて高圧コンデンサ１に蓄積されている電圧を判定するようになって いる。更に詳しくは、放電電流検出用抵抗３に発生する放電電流に比例する電圧 は、フィルタ４によってノイズ分を除去された後、第１、第２および第３の比較 回路５ａ，５ｂ，５ｃに供給され、それぞれ第１、第２および第３の基準電圧と 比較される。この第１、第２および第３の比較回路５ａ，５ｂ，５ｃからの出力 信号は第１、第２および第３の発光ダイオード６ａ，６ｂ，６ｃに供給され、こ の発光ダイオード６ａ，６ｂ，６ｃの表示により高圧コンデンサ１に蓄積されて いる電圧がどの程度まで放電したかがわかるようになっている。なお、図１にお いて、７は放電棒１０の各部に動作電圧を供給する電源である。

【００１２】 このように構成された放電レベル表示機能を有する放電棒においては、第１、 第２および第３の比較回路５ａ，５ｂ，５ｃの第１、第２および第３の基準電圧 は、それぞれ高圧コンデンサ１に蓄積されている電圧が例えば１００Ｖ，３０Ｖ ，５Ｖである場合の各電圧に相当する電圧Ｖ₁ ，Ｖ₂ ，Ｖ₃ に設定されていると すると、第１、第２および第３の比較回路５ａ，５ｂ，５ｃは、フィルタ４を介 して供給される放電電流検出用抵抗３に発生する電圧（以下、被比較電圧と称す る）を第１、第２および第３の基準電圧Ｖ₁ ，Ｖ₂ ，Ｖ₃ とそれぞれ比較し、被 比較電圧が第１、第２および第３の基準電圧Ｖ₁ ，Ｖ₂ ，Ｖ₃ よりも大きい場合 には、各比較回路５ａ，５ｂ，５ｃは出力信号を第１、第２および第３の発光ダ イオード６ａ，６ｂ，６ｃに供給し、これにより第１、第２および第３の発光ダ イオード６ａ，６ｂ，６ｃを発光させる。

【００１３】 今、仮に高圧コンデンサ１に蓄積されている電圧（以下、残留電圧と称する） が例えば２００Ｖとすると、この残留電圧２００Ｖに相当する放電電流検出用抵 抗３の両端の被比較電圧は、残留電圧１００Ｖ，３０Ｖ，５Ｖに相当する比較回 路５ａ，５ｂ，５ｃの前記基準電圧Ｖ₁ ，Ｖ₂ ，Ｖ₃ よりも大きいので、各比較 回路５ａ，５ｂ，５ｃは出力信号を各発光ダイオード６ａ，６ｂ，６ｃに供給し 、これにより各発光ダイオード６ａ，６ｂ，６ｃが発光し、高圧コンデンサ１の 残留電圧は少なくとも１００Ｖよりも大きいことがわかる。

【００１４】 次に、高圧コンデンサ１の残留電圧が放電棒１０の放電用高圧抵抗２および放 電電流検出用抵抗３を介して更に放電し、この結果高圧コンデンサ１の残留電圧 が例えば７０Ｖに低下したとすると、この残留電圧７０Ｖに相当する放電電流検 出用抵抗３の両端の被比較電圧は、残留電圧１００Ｖ，３０Ｖ，５Ｖに相当する 基準電圧Ｖ₁ ，Ｖ₂ ，Ｖ₃ と比較回路５ａ，５ｂ，５ｃでそれぞれ比較されるが 、この場合には第１の比較回路５ａの基準電圧Ｖ₁ よりは小さく、第２および第 ３の比較回路５ｂ，５ｃの基準電圧Ｖ₂ ，Ｖ₃ よりも大きいので、第１の比較回 路５ａは出力信号を第１の発光ダイオード６ａに供給せず、第２および第３の比 較回路５ｂ，５ｃのみが出力信号を各発光ダイオード６ｂ，６ｃに供給する。こ の結果、第１の発光ダイオード６ａは発光せず、第２および第３の発光ダイオー ド６ｂ，６ｃのみが発光し、これにより高圧コンデンサ１の残留電圧は少なくと も１００Ｖよりも小さく、３０Ｖよりも大きいことがわかる。

【００１５】 また、高圧コンデンサ１の残留電圧が更に放電し、高圧コンデンサ１の残留電 圧が例えば２０Ｖに低下したとすると、第１、第２および第３の比較回路５ａ， ５ｂ，５ｃにおける同様の比較動作により、第１および第２の発光ダイオード６ ａ，６ｂは発光せず、第３の発光ダイオード６ｃのみが発光することになるので 、これにより高圧コンデンサ１の残留電圧は３０Ｖよりも小さく、５Ｖよりも大 きいことがわかる。

【００１６】 そして、高圧コンデンサ１が更に放電し、この結果放電棒１０の第１、第２お よび第３の発光ダイオード６ａ，６ｂ，６ｃのいずれも発光しない場合には、高 圧コンデンサ１の残留電圧は５Ｖ以下に低下したことがわかるのである。

【００１７】 以上のように、第１、第２および第３の発光ダイオード６ａ，６ｂ，６ｃの発 光状態により、高圧コンデンサ１の残留電圧がどの程度まで放電したかを識別す ることができるので、安全性を確保し得るとともに、放電棒による放電作業を高 圧コンデンサ１の静電容量と放電用高圧抵抗２とから算出される時間の間ずっと 連続して行わなくても、発光ダイオード６ａ，６ｂ，６ｃの発光表示により残留 電圧が所定電圧以下に低下したことがわかった時点で適宜停止することができ、 放電作業の短縮化を図ることができる。

【００１８】 なお、上記実施例では、第１、第２および第３の発光ダイオード６ａ，６ｂ， ６ｃは高圧コンデンサ１の残留電圧が高い場合に発光し、該残留電圧が低下する に従って、第１の発光ダイオード６ａから順次発光停止するように構成されてい るが、逆に高圧コンデンサ１の残留電圧が低下するに従って、順次発光させるよ うにしてもよい。

【００１９】 また、発光ダイオード６ａ，６ｂ，６ｃを使用する代わりに、他の表示手段、 例えば電圧計のようなメータを使用したり、またはディジタル表示を使用したり 、種々の方法が考えられるものである。

【００２０】 更に、上記実施例では、放電電流検出用抵抗３を使用して、高圧コンデンサ１ の残留電圧を検出しているが、これに限定されるものでなく、例えば変流器等を 使用することも可能である。

【００２１】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、高圧抵抗を介して放電する高圧コンデ ンサの放電電流を電流検出用抵抗で検出し、この検出した放電電流に基づいて高 圧コンデンサに残留している電荷を表示しているので、放電作業しながら、高圧 コンデンサに残留している電圧を識別することができ、安全性を確保し得るとと もに、放電作業の効率化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係わる放電レベル表示機能
を有する放電棒の構成を示す回路図である。

【符号の説明】

１ 高圧コンデンサ ２ 放電用高圧抵抗 ３ 放電電流検出用抵抗 ５ａ，５ｂ，５ｃ 第１、第２および第３の比較回路 ６ａ，６ｂ，６ｃ 第１、第２および第３の発光ダイオ
ード １０ 放電レベル表示機能を有する放電棒

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｈ０２Ｊ 1/00 ３０９ Ｊ 7429−5Ｇ 3/18 Ｃ 7522−5Ｇ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 高圧受電設備に設けられている高圧コン
   デンサの残留電荷を高圧抵抗を介して放電させる放電棒
   であって、前記高圧抵抗に直列に接続され、該高圧抵抗
   を介して放電する放電電流を検出する電流検出抵抗と、
   該電流検出抵抗で検出した放電電流に基づいて前記高圧
   コンデンサに残留している電荷を表示する表示手段とを
   有することを特徴とする放電レベル表示機能を有する放
   電棒。