JPH0740669U - ブロックの吊り装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ブロックの大水深海域への据付作業時におけ
るワイヤーの取り外しを遠隔操作で行なうことのできる
ブロックの吊り装置を提供する。 【構成】 ブロック１に設けられた矩形断面状の吊り孔
２の上方をテーパ斜面３で小さく形成すると共に、その
吊り孔２に挿入可能な吊り治具１０には、四隅にガイド
を有するガイド部材１１の上部側面に、下方が開閉自在
な開閉部材を配設し、かつガイド部材１１の内部に、油
圧シリンダー１３による上下動により開閉部材を開閉す
る角錐台状部材１５を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、主として大水深の防波堤の底部の洗掘防止などの目的で根固めブロ ックなどのコンクリート製のブロックを所定位置に据付けし、そして据付後のブ ロックからワイヤーの取り外し作業を遠隔操作で行なうためのブロックの吊り装 置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、上記のごとき根固めブロックの据付作業時におけるワイヤーの取り外し 作業は、潜水士によって行なわれているが、大水深海域では、潜水士の潜水可能 時間が非常に短かくなり、作業効率が低下するという問題がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、前記従来の問題点を解決するためになされたものであり、ブロック の大水深海域への据付け作業時におけるワイヤーの取り外しを遠隔操作で行ない 得るブロックの吊り装置を提供することを目的としたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するため、本考案のブロックの吊り装置は、ブロックに設け られた矩形断面状の吊り孔と、その吊り孔に挿入可能な吊り治具とからなり、上 記吊り孔は上方がテーパ斜面で小さくなるように形成されると共に、上記吊り治 具は、例えば四隅にガイドを有するガイド部材の上部側面に下方が開閉自在な開 閉部材を配設し、かつそのガイド部材の内部に、油圧シリンダー等による上下動 により上記開閉部材を開閉可能とする例えば角錐台状部材を設けることにより構 成される。

【０００５】 すなわち、上記の吊り孔に吊り治具を挿入した状態で角錐台状部材を油圧シリ ンダーで上昇させることで開閉部材がテーパ斜面に押し付けられてブロックが吊 り上げ可能となり、この状態でブロックを所定位置に据付けた後、角錐台状部材 を油圧シリンダーで下降させると開閉部材が閉じ、吊り孔から吊り治具を取り外 すことができる。

【０００６】

【実施例】

以下図面を参照して本考案の実施例を説明するが、図１は本考案のブロックの 吊り装置の一実施例に係る吊り上げ時の状態を示す縦断面図、図２は図１の吊り 装置のブロックへの挿入時の状態を示す縦断面図、図３は図２の吊り治具のＡ− Ａ方向の側面図、図４は図３の角錐台状部材の側面図、図５は図４のＢ−Ｂ方向 の側面図、図６は図３のプレートの側面図、図７は図６のＣ−Ｃ方向の側面図で ある。

【０００７】 まず、この実施例の吊り装置は、図１および図２に示すごとく根固めブロック などのコンクリート製のブロック１の上面に設けられた矩形断面状の吊り孔２と 、その吊り孔２に挿入可能な図３に示すごとき吊り治具１０とから構成されてい る。 次に、上記吊り孔２の上方はテーパ斜面３で上方に向けて小さく形成されてお り、上部開口が小さいきんちゃく状になっている。

【０００８】 また、上記吊り治具１０は、その四隅に挿入時のガイドを有するガイド部材１ １を有し、そのガイド部材１１の上部側面に、図６、図７に示すごとく、上部が ピン１２で軸支され、下方が開閉自在なプレート１６が４枚、開閉部材として配 置されている。 さらに、このガイド部材１１の内部には、油圧シリンダー１３による矢印Ｕ， Ｄ方向の上下動により、上記プレート１２を開閉可能とするウェッジ部１４を有 する角錐台状部材１５を設けている。

【０００９】 なお、上記吊り治具１０の角錐台状部材１５の上端には、図１に示すクレーン などのフック３０に係合させるシャックル１７が連結されている。 次に、上記の構成からなる吊り装置の作動につき図１と図２とで説明すると、 吊り治具１０ををクレーンなどのフック３０で吊ってブロック１の吊り孔２内に 挿入し、油圧シリンダー１３を上昇させることで、角錐台状部材１５を矢印Ｕ方 向に上昇させると、プレート１６がウェッジ部１４により押し広げられて吊り孔 ２内のテーパ斜面３に図１のごとく押し付けられ、この状態でブロック１を吊り 上げ可能になる。

【００１０】 この状態でクレーンなどを使用してブロック１を所定位置に移動し据付けた後 、油圧シリンダー１３を矢印Ｄ方向に下降させることにより、図２のごとくプレ ート１６からウェッジ部１４が下方に離れ、プレート１６は閉じるので、この状 態で吊り治具１０を吊り孔２から取り外すことができる。 なお、上記油圧シリンダー１３は、図１、図２に示すように油圧ポンプ３２な どの油圧装置により作動することになり、この油圧シリンダー１３の上下動の操 作は海面上から遠隔操作で行なうことができる。

【００１１】

【考案の効果】

以上に説明した本考案のブロックの吊り装置によれば、吊り孔に対する吊り治 具の取り外しが油圧シリンダーの遠隔操作により行なえるので、大水深海域で潜 水士を使用する必要がなく、作業効率が向上する。 また、ブロックが海底に着底するなどにより、クレーンの吊りワイヤーが緩ん でも、油圧シリンダーで角錐台状部材を開閉部材に押し付けているので、吊り治 具が吊り孔から外れることがなく安全な作業ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のブロックの吊り装置の一実施例に係る
吊り上げ時の状態を示す縦断面図である。

【図２】図１の装置のブロックへの挿入時の状態を示す
縦断面図である。

【図３】図２の吊り治具のＡ−Ａ方向の側面図である。

【図４】図３の角錐台状部材の側面図である。

【図５】図４のＢ−Ｂ方向の側面図である。

【図６】図３のプレートの側面図である。

【図７】図６のＣ−Ｃ方向の側面図である。

【符号の説明】

１ ブロック ２ 吊り孔 ３ テーパ斜面 １０ 吊り治具 １１ ガイド部材 １３ 油圧シリ
ンダー １５ 角錐台状部材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ブロックに設けられた吊り孔と、その吊
   り孔に出し入れ可能な吊り治具とからなり、該吊り孔は
   上方がせまくなるテーパ斜面で形成されると共に、該吊
   り治具は、ガイド部材の上部側面に下方が開閉自在な開
   閉部材を配設し、かつそのガイド部材の内部に、上下動
   により上記開閉部材を開閉可能とする部材を設けたブロ
   ックの吊り装置。