JPH0740442B2 - 車輌用前照灯 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明車輛用前照灯を以下の項目に従って詳細に説明す
る。

A.産業上の利用分野 B.発明の概要 C.従来技術［第９図］ D.発明が解決しようとする課題［第９図］ E.課題を解決するための手段 F.実施例［第１図乃至第８図］ Ｆ−1.第１の実施例［第１図乃至第６図］ a.ランプボディ、レンズ b.反射鏡 c.フランジ付電球 d.シェード e.作用［第６図］ Ｆ−2.第２の実施例［第７図、第８図］ G.発明の効果 （A.産業上の利用分野） 本発明は新規な車輛用前照灯に関する。詳しくは、略円
筒状のガラス球のうちピンチシール部寄りの部分が後方
に行くにつれて窄まり曲面部が形成された電球部を有す
る電球を取り付けて使用する車輛用前照灯において、電
球部の曲面部からガラス球外に出射される光を反射面に
対して遮光する遮光部を設け、配光上不要な光をカット
し、対向車の運転者や歩行者に眩惑感を与えないように
した新規な車輛用前照灯を提供しようとするものであ
る。

（B.発明の概要） 本発明車輛用前照灯は、ランプボディの内部に反射面を
有する反射鏡を設けるか又はランプボディの内面に反射
面を形成すると共に、略円筒状のガラス球のうちピンチ
シール部寄りの部分が後方に行くにつれて窄まり曲面部
が形成された電球部を有する電球と、該電球部をとり囲
むように略円筒状をしたシェードとを備えた車輛用前照
灯において、電球部の周辺部で、かつ、フィラメントよ
り後方の部分に対応した位置に、電球部の曲面部からガ
ラス球外に出射される光を上記反射面に対して遮光する
遮光部を配置するとともに、該遮光部は上記シェードの
後端から反射面の近傍にかけて延長された一対の脚部に
よって支持され、更に上記一対の脚部と上記遮光部及び
上記シェードの縁によって囲まれることで形成された孔
が前記電球の上方部に位置するように形成したものであ
り、電球部の曲面部を通して射出される光を遮光部によ
りカットして反射面に入射されないようにして配光上不
要な光に起因するグレアの発生を防止することができる
ようにしたものである。

（C.従来技術）［第９図］ 第９図は従来の車輛用前照灯の一例ａを示している。

図中ｂはランプボディであり、その内面の一部は回転放
物面とされ、その表面には反射層が形成されて反射面と
されている。

ｃはランプボディｂの前面開口を覆うレンズであり、所
定の配光パターンを得るための図示しないレンズステッ
プが形成されている。

ｄはフランジ付電球であり、そのソケット部ｅに形成さ
れたフランジｆをランプボディｂに設けられた取付筒ｇ
に嵌め込み、ソケット部ｅを所定の方向に回転させるこ
とでフランジｆが取付筒ｇにより保持されるようになっ
ている。

ｈはガラス球であり、その内部のコイル状フィラメント
ｉは、その軸が灯具の光軸ｘ−ｘに沿うように配置され
ている。

ｊはシェードであり、フランジ付電球ｄの光がランプボ
ディｂ内面の平旦面に照射されないように設けられてい
る。そして、シェードｊの取付脚ｋ、ｋはランプボディ
ｂに形成されたボスｌ、ｌにビス止めされている。

しかして、フィラメントｉから後ろ斜め上方に出た光ｍ
や後ろ斜め下方に出た光ｎは、第９図に実線で示すよう
に本来ランプボディｂの反射面により前方に反射され光
軸ｘ−ｘに平行に進んだ後レンズｃのレンズステップに
より所定の方向に制御される。

（D.発明が解決しようとする課題）［第９図］ ところで、電球は通常、円筒状をしたガラス管の一端部
を封止すると共に、他端部をピンチシールして作られる
ので、ガラス球ｈの円筒部ｏからピンチシール部ｐにか
けての部分が不定形、かつ、肉厚の一定していない曲面
部ｑ、ｑとして形成されている。

よって、第９図に示すように、前照灯ａの側方から見た
ときに曲面部ｑ、ｑが現われるような状態でフランジ付
電球ｄが取付筒ｇに取り付けられていたとすると、フィ
ラメントｉからの光はこれら曲面部ｑ、ｑで屈折し、同
図に破線ｒ、ｒ、・・・で示すように予定した光路（つ
まり、灯具の光軸ｘ−ｘに平行な光路）からは外れた光
となってしまう。

即ち、このような不要な光のうち、レンズｃを経ること
によって光軸ｘ−ｘに対して斜め上方に出射される光が
グレアの要因となり、対向車の運転者等に対して眩惑を
与えてしまうという問題がある。

そこで、従来は、このような眩惑光が顕著にならないよ
うにフランジ付電球ｄの取付筒に対する取付角度を常に
特定の角度範囲内に選定していたが、この事が電球の保
持に関する設計上の制約となっていた。

（E.課題を解決するための手段） そこで、本発明車輛用前照灯は前記した課題を解決する
ために、ランプボディの内部に反射面を有する反射鏡を
設けるか又はランプボディの内面に反射面を形成すると
共に、略円筒状のガラス球のうちピンチシール部寄りの
部分が後方に行くにつれて窄まり曲面部が形成された電
球部を有する電球と、該電球部をとり囲むように略円筒
状をしたシェードとを備えた車輛用前照灯において、電
球部の周辺部で、かつ、フィラメントより後方の部分に
対応した位置に、電球部の曲面部からガラス球外に出射
される光を上記反射面に対して遮光する遮光部を配置す
るとともに、該遮光部は上記シェードの後端から反射面
の近傍にかけて延長された一対の脚部によって支持さ
れ、更に上記一対の脚部と上記遮光部及び上記シェード
の縁によって囲まれることで形成された孔が前記電球の
上方部に位置するように形成したものである。

従って、本発明によれば、ガラス球の曲面部によって屈
折されガラス球外に出射される光の反射面への入射が遮
光部により遮られるので、このような予定しない光がレ
ンズを通して上向きの光となってしまうという不都合が
軽減され、グレアの発生を防ぐことができ、また、電球
の取付角度に関する制約から解放される。

（F.実施例）［第１図乃至第８図］ 以下に、本発明車輛用前照灯の詳細を図示した各実施例
に従って説明する。

（Ｆ−1.第１の実施例）［第１図乃至第６図］ １は車輛用前照灯であり、照射部1aは、前面が開口した
ランプボディ２と、該ランプボディ２の開口を覆うよう
に取着されたレンズ３と、これらによって画成される灯
具空間４内に設けられた反射鏡５とを有すると共に、反
射鏡５に支持されたフランジ付電球６から反射鏡内面の
平坦面への光をカットするためのシェード７が、フラン
ジ付電球６のガラス球の周囲を取り囲むように配置され
ている。

（a.ランプボディ、レンズ） 合成樹脂製のランプボディ２は正面から見て左右方向に
長い四角形状をしており、図示しない別の照射部を構成
するランプボディと一体に形成されている。

８はランプボディ２の前面開口縁に形成され前方に向っ
て開口した据付溝であり、レンズ３の周壁部3aから後方
に向って突設された突条９が、この据付溝８内に嵌合さ
れた後図示しない押えバネ等によりランプボディ２に固
定される。尚、該据付溝８内には適当なシール材が充填
されている。

ランプボディ２は、その後端寄りの部分が後方に行くに
従って窄っており、その末端には円筒状の筒部10が形成
されている。

（b.反射鏡） 反射鏡５は合成樹脂により形成されており、回転放物面
状をした部分11の内面にはアルミ蒸着により反射面11a
が形成されている。尚、反射鏡５は図示しない支持部材
によりランプボディ２に対して傾動自在に支持されてい
る。

12は反射鏡５の下半部に前方を向いて形成された段差部
であり、シェード７を支持するステー（後述する）をビ
ス止めにより反射鏡５に固定するための取付部13、13が
設けられている。そして、これら取付部13、13の中央に
は前面に開口した螺孔13a、13aが形成されている。

14は回転放物面部11の略中央に形成された挿通孔であ
り、この孔を通してフランジ付電球６の電球部が灯具空
間４内に位置されるようになっている。

15は上記挿通孔14の開口縁から後方に向って突設された
取付筒であり、挿通孔14を形成する内周壁15aと、該内
周壁15aを取り囲むように位置した外周壁15bとから成
り、外周壁15bの方が内周壁15aより後方に突出してい
る。

16は保持リングであり、外周壁15bの後端面にビス止め
により固定されている。保持リング16には挿通孔14より
大径の円孔17が形成されており、その周囲には切欠17
a、17a、17aが形成されている。

18はゴム材料等により形成されたカバー体であり、その
円孔18aが取付筒15に外嵌されると共に、その外周縁部1
8bの内側に形成された溝18cがランプボディ２の筒部10
の外周面の後端に形成された係合突条10aと嵌合される
ことによって筒部10を覆うように取り付けられている。

（c.フランジ付電球） 19は合成樹脂製のソケット部であり、その主部20の前端
寄りの部分から外方に向けて突出された円板状のフラン
ジ21はその外径が保持リング16の円孔17の径より僅かに
小さくなっている。そして、フランジ21にはその外縁か
ら外方に向って突設された突起21a、21a、21aが形成さ
れており、その形成間隔や周方向の大きさは保持リング
16の切欠17a、17a、17aの形成間隔や周方向の大きさに
適合している。

22はコネクタ部であり、主部20の後端から主部20に対し
て略直角の角度で突出されている。

23は電球部であり、そのガラス球24内に設けられたフィ
ラメント25は、その軸がフランジ付電球６の前後方向に
沿うようにして一対のリード線間に張設された、所謂Ｃ
−８シングルフィラメント配置とされている。

ガラス球24は、その大半の部分が円筒状に形成されてい
るが、その先端部は封止部24aとされ、この封止部24a寄
りの部分には黒色の遮光塗膜24b（梨地で示す。）が付
与されている。そして、ガラス球24の他端部はピンチシ
ールされているため、ピンチシール部24c寄りの部分は
不定形かつ、肉厚が均一でない曲面部24dとなってい
る。

26はピンチシール部24cを保持する保持バンドであり、
ソケット部19から立設された支持ピンに溶接により固定
されている。

しかして、フランジ付電球６の反射鏡５への取付に際し
ては、まず、フランジ21の突起21a、21a、21aが保持リ
ング16の切欠17a、17a、17aに合うようにフランジ21ま
での部分を円孔17に挿入する。

それから、フランジ付電球６を所定の方向に回転させる
と、突起21a、21a、21aが取付筒15の外周壁15bの後端面
と保持リング16の前面との間で保持され、また、フラン
ジ21の外周面が取付筒15の外周壁15bの内周面に当接さ
れ、かつ、フランジ21の前端面が内周壁15aの後端面に
当接された状態でフランジ付電球６が取付筒15に取り付
けられる。

この状態を側面から見ると第１図に示すようにガラス球
24の曲面部24cが現われている。

（d.シェード） シェード７はアルミ鋼板等を用いて略円筒状に形成され
ており、第５図（Ａ）に示すように展開して見たとき、
一点鎖線で示す中心線に関して対称に形成されている。

即ち、シェード７の主部27の長手方向における一方の縁
は直線状をしており、反対側の縁はその中央部27aが略
円弧状をしている。そして、該中央部27aからは一定の
間隔を保って互いに平行に延びる脚部28、28が形成され
ており、これらの脚部28、28の端部に跨がるように帯状
の遮光部29が脚部28、28と一体に形成されている。

30は中央部27a、脚部28、28、遮光部29に囲まれること
で形成された孔である。

主部27は、その幅が中央部27aから両端部に行くに従っ
て一旦狭くなった後再び両端部に近づくにつれて広がる
ように形成されている。

31、31、・・・は主部27の両端部にそれぞれ形成された
突片である。

しかして、第５図（Ｂ）に示すように、主部27を筒状に
丸め、両端部の突片31、31、・・・のうち対応するもの
同士を重ね合わせて、これらを溶接することによりシェ
ード７が筒状になり、この状態において遮光部29は円筒
状の主部27に対応した曲率をもって湾曲されている。

32はシェード７を支えるステーであり、一対の脚片33、
33の上端に跨がった支持部34が設けられており、その中
央に形成された係合孔34a、34aにシェード７の突片31、
31が嵌合され、この状態でシェード７が支持部34に溶接
されている。

脚片33、33の下端部の後縁からは外方へ突出した支持片
33a、33aが形成され、該支持片33a、33aに取付孔33b、3
3bがそれぞれ形成されており、取付ビス35、35がこれら
の取付孔33a、33aを通して反射鏡５の取付部13、13に形
成された螺孔13a、13aに螺合され、これによってシェー
ド７がステー32を介して反射鏡５に取り付けられる。

（e.作用）［第６図］ しかして、第６図に示すように、シェード７は、円筒状
の主部27がフランジ付電球６のガラス球24の前半部を取
り囲むように位置され、その遮光部29はガラス球24の曲
面部24dによる屈折光をカットするように該曲面部24dの
後ろ斜め上方の位置に配置される。

従って、フィラメント25から発生された光のうち、曲面
部24dを通して屈折された光ｒ、ｒ、・・・は、遮光部2
9により反射面11aに対して遮光されるため、このような
光が反射面11aを経た後レンズ３を通して照射部1aの光
軸ｘ−ｘに関して上向きの光となり、グレアを惹き起こ
す可能性が低減される。

（G.発明の効果） 以上に記載したところから明らかなように、本発明車輛
用前照灯は、ランプボディの内部に反射面を有する反射
鏡を設けるか又はランプボディの内面に反射面を形成す
ると共に、略円筒状のガラス球のうちピンチシール部寄
りの部分が後方に行くにつれて窄まり曲面部が形成され
た電球部を有する電球と、該電球部をとり囲むように略
円筒状をしたシェードとを備えた車輛用前照灯におい
て、電球部の周辺部で、かつ、フィラメントより後方の
部分に対応した位置に、電球部の曲面部からガラス球外
に出射される光を上記反射面に対して遮光する遮光部を
配置するとともに、該遮光部は上記シェードの後端から
反射面の近傍にかけて延長された一対の脚部によって支
持され、更に上記一対の脚部と上記遮光部及び上記シェ
ードの縁によって囲まれることで形成された孔が前記電
球の上方部に位置するように形成されたことを特徴とす
る。

従って、本発明によれば、ガラス球の曲面部によって屈
折されたガラス球外に出射される光の反射面への入射が
遮光部により遮られるので、このような予定しない光が
レンズを通して上向きの光となってしまうという不具合
が軽減され、グレアの発生を防ぐことができ、また、電
球の取付角度に関する制約から解放される。そして、更
に、孔が電球の上方部に位置するために、電球から発生
する熱がシェード内部に蓄積されることを防止してシェ
ードの熱変形を防ぐことも可能になる。

尚、前記した実施例は本発明の実施の一例として挙げた
ものにすぎず、本発明の技術的範囲がこれらによって狭
く解釈される訳ではない。例えば、前記実施例において
は、遮光部を電球部の後部上方のみに設けたが、上方に
限らず、下方に設けるようにしても良く、また、フィラ
メントの配置としてはその軸が灯具の光軸に略平行に配
置されるようなものだけを示したが、本発明はこれに限
らず、フィラメントの軸が光軸に直交する方向に配置さ
れるような、所謂Ｃ−６タイプのフィラメント配置の電
球等を光源とする前照灯に適用できることは勿論であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第６図は本発明車輛用前照灯の実施例を示す
ものであり、第１図は前照灯の縦断面図、第２図は水平
断面図、第３図は背面図、第４図はシェード及びフラン
ジ付電球を示す分解斜視図、第５図はシェードを示して
おり、（Ａ）は展開図、（Ｂ）は側面図、第６図は要部
の拡大縦断面図、第７図は従来の車輛用前照灯の一例を
示す縦断面図である。 符号の説明 １……車輛用前照灯、 ２……ランプボディ、５……反射鏡、 ６……電球、７……シェード、 11a……反射面、23……電球部、 24……ガラス球、 24c……ピンチシール部、 24d……曲面部、28……脚部、 29……遮光部、 30……孔

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ランプボディの内部に反射面を有する反射
   鏡を設けるか又はランプボディの内面に反射面を形成す
   ると共に、略円筒状のガラス球のうちピンチシール部寄
   りの部分が後方に行くにつれて窄まり曲面部が形成され
   た電球部を有する電球と、該電球部をとり囲むように略
   円筒状をしたシェードとを備えた車輛用前照灯におい
   て、 電球部の周辺部で、かつ、フィラメントより後方の部分
   に対応した位置に、電球部の曲面部からガラス球外に出
   射される光を上記反射面に対して遮光する遮光部を配置
   するとともに、該遮光部は上記シェードの後端から反射
   面の近傍にかけて延長された一対の脚部によって支持さ
   れ、更に上記一対の脚部と上記遮光部及び上記シェード
   の縁によって囲まれることで形成された孔が前記電球の
   上方部に位置するように形成された ことを特徴とする車輛用前照灯