JPH0740110Y2 - 駆動シャフト機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、断面非円形のシャフトに歯車を嵌着した駆動
シャフト機構に関する。

［従来技術］ 上述のシャフト機構に関しては、従来、例えばシャフト
に歯車が以下のように固定されていた。

一つには、第１図に示すように円柱状のシャフト１にピ
ン２を貫装させ、ピン２の上下突出部分に歯車３の一部
に形成された凹部４を係合させることにより両者間の回
転止めを行ったものである。また、そのシャフト１に歯
車３をピン２と凹部４が係合するまで挿嵌した状態で、
歯車３の端面より突出するシャフト１の端部のうち、歯
車３の端面と外接する外周部分には溝５が形成されてお
り、その溝５に止め輪６を嵌着し、前記ピン２と止め輪
６で歯車３を挾持することにより、歯車３がシャフト１
の軸線方向にガタつかないように構成されている。

他の例としては、第２図に示すように円柱状のシャフト
10の端部における外周の一部を平らに成型し、その部分
に挿嵌される歯車11の軸穴12も同様の形状に成型するこ
とにより両者間の回転止めを行ったものである。また、
このシャフト10にも第１図と同様に溝13が形成されてお
り、その溝13に止め輪14を嵌着し、その止め輪14とシャ
フト10の段面15で歯車11を挾持することにより、歯車11
がシャフト10の軸線方向にガタつかないように構成され
ている。

［考案が解決しようとする問題点］ しかしながら、上述のように構成される駆動シャフト機
構では、前者の場合にはピンを使用する分だけ部品点数
および製造工程が多くなり、また、後者の場合にはシャ
フトの端部を平削りする分だけ加工工程が多くなるた
め、手間がかかりコスト高となった。

［考案の目的］ 本考案は、前述したような従来の駆動シャフト機構の問
題点を解決するためになされたもので、その目的とする
ところは、部品点数および製造工程等が少なく、且つ組
付けの容易な駆動シャフト機構を提供することにある。

［問題点を解決するための手段］ 前述の目的を達成するために本考案の駆動シャフト機構
は、非円形の軸穴（26）を有する歯車（25）と、 前記歯車の軸線方向における端面（28）から突出し、そ
の先端が軸心に向って屈曲したＬ字型をなし、その先端
と歯車の前記端面との間に側方へ開放した開口を形成す
る突起部（29）と、 前記歯車の軸穴に挿嵌する断面非円形をなし、端面を前
記突起部（29）の先端に当接し、前記開口と対応する外
周部に溝部（24）を有するシャフト（21）と、 前記開口を通して前記溝部（24）に嵌着し、歯車（25）
の前記端面（28）と当接する止め輪（23）とを備える。

［作用］ 上記構成によれば、本考案の駆動シャフト機構は、シャ
フトに歯車を当該シャフトの端面が突起部と当接する位
置まで挿嵌した状態で、歯車と突起部の間の開口を通し
てシャフトの溝部に止め輪を嵌着させる。その結果、止
め輪が歯車の端面と当接しかつシャフトの端面が突起部
と当接することにより歯車をシャフトに固定している。

［実施例］ 本考案の一実施例について図面を参照しながら以下に説
明する。

第３図に示すように、21は円柱状のシャフトであり、そ
の外周面上には軸線方向に沿って２本の溝22が形成され
ている。このシャフト21の形状は引抜き加工により成型
されたものである。また、シャフト21の端部近傍の外周
部分には止め輪23を嵌着するための溝24が形成されてい
る。25は樹脂材料により一体に形成された歯車である。
その歯車25には軸線に沿って前記シャフト21の外径と同
一径の軸穴26が形成されており、その軸穴26の内周面上
には軸線に沿って２つのリブ27が突設されている。これ
らのリブ27は、軸穴26に挿嵌される前記シャフト21の溝
22と係合し、シャフト21と歯車25の間の回転止めを行う
ためのものである。また、歯車25の端面28には軸線方向
に突出し、その先端が軸穴26に向って屈曲したＬ字型の
突起部29が一体に形成され、その突起部29の先端と歯車
25の端面28の間に、側方へ開放した開口が形成されてい
る。次に上述のように形成されたシャフト21に歯車25を
組付ける過程を説明する。まず、歯車25の軸穴26にシャ
フト21を両者の溝22とリブ27を係合させつつ、シャフト
21の端面30が突起部29に当接する位置まで挿嵌する。こ
の状態において、シャフト21の溝24は歯車25の前記開口
と対応しかつその開口側の端面28とほぼ同一平面上にあ
り、止め輪23を前記開口を通して溝24に嵌着することに
よりシャフト21に歯車25を固定させる。この構成によれ
ば、止め輪23は歯車25の端面28と当接し、その突起部29
はシャフト21の端面30と当接することにより、歯車25が
シャフト21の軸線方向にガタつかないようになってい
る。

［考案の効果］ 以上に詳述したことから明らかなように、本考案の駆動
シャフト機構は、断面非円形のシャフトを歯車に、その
端面が突起部に当接するまで挿嵌し、この状態で歯車と
突起部の間の開口を通してシャフトの溝部に止め輪を嵌
着させて、その止め輪が歯車の端面と当接しかつシャフ
トの端面が突起部と当接することにより歯車をシャフト
に固定するものである。従って、従来の駆動シャフト機
構、例えば第１図のものと比べ部品点数が少なく、また
第２図のものと比べ平削りする加工工程が省略できる効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は従来の駆動シャフト機構を示す分
解斜視図、第３図は本考案の駆動シャフト機構を示す分
解斜視図である。 図中、21はシャフト、23は係止部材としての止め輪、24
は溝、25は歯車、29は突起部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】非円形の軸穴（26）を有する歯車（25）
   と、 前記歯車の軸線方向における端面（28）から突出し、そ
   の先端が軸心に向って屈曲したＬ字型をなし、その先端
   と歯車の前記端面との間に側方へ開放した開口を形成す
   る突起部（29）と、 前記歯車の軸穴に挿嵌する断面非円形をなし、端面を前
   記突起部（29）の先端に当接し、前記開口と対応する外
   周部に溝部（24）を有するシャフト（21）と、 前記開口を通して前記溝部（24）に嵌着し、歯車（25）
   の前記端面（28）と当接する止め輪（23）と を備えたことを特徴とする駆動シャフト機構。