JPH0739921B2 - 内歯歯車の歯形測定装置 - Google Patents

内歯歯車の歯形測定装置

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JPH0739921B2
JPH0739921B2 JP9196291A JP9196291A JPH0739921B2 JP H0739921 B2 JPH0739921 B2 JP H0739921B2 JP 9196291 A JP9196291 A JP 9196291A JP 9196291 A JP9196291 A JP 9196291A JP H0739921 B2 JPH0739921 B2 JP H0739921B2
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清七 大野
茂雄 片桐
茂 高瀬
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日昭精工株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば総型カッターで
仕上加工する内歯歯車等のワークのピッチ誤差、歯筋誤
差等を適正に測定するのに最適な内歯歯車の歯形測定装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば直径が1mを越えるような
大径なリング体から例えば内歯歯車を歯切加工するのに
は、ピニオンカッターやホブカッターを使用して歯切を
行うための歯取機があった。そして大径なリング体に対
して歯を歯切後、歯車の歯形の上下縁に生じたバリを面
取りすることによって仕上げ加工をしていた。
【0003】この時、使用する面取機には、従来、例え
ばワークが内歯歯車である場合を例とすると、加工テー
ブルの上に相互に相対回転する内歯歯車と、この内歯歯
車の歯形に追従するスタイラス・ピンの検知による倣い
加工によって自転しながら半径方向に進退自在になって
研摩を行うカッターとより形成されるものがあった。
【0004】ところで、例えば歯切機等を用いる加工誤
差としては、ワークに対するピニオンカッター等の切味
の差による歯筋方向の曲がりに起因する歯形の誤差、ま
た周方向へのカッターの移動に伴う補正が正しいか否か
によって生ずる歯形の誤差、ワークWが加工熱(切削
熱)によって変化するのに起因するピッチ誤差等が考え
られる。
【0005】このように、従来、例えば1mを越える大
径のリング体の歯切後または面取後に内歯歯車の内周に
形成される任意の歯形の加工精度の測定装置には例えば
図7に示すものがある。すなわち、先ず、位相を180
度、異にするワークとしての内歯歯車Gの2つの歯隙H
1,H2内にスケール表示がなされた内径マイクロNの
杆部nの両端に設けた測定ボール13′,13′を2人
掛かりの人手によって挿入することにより、その測定ボ
ール13′,13′の両側周面を歯形の歯隙H1,H2
内の左右両側面に挾持させる。そして対向する2つの歯
隙H1,H2の歯切または面取の加工精度の変化に応じ
て歯隙H1から歯隙H2までの測定ボール13′,1
3′の当接距離L′の大小によってピッチ円PCを測定
する。この操作を180度毎に異なる位相の数カ所おけ
る歯隙毎に順次、繰り返して測定することによってワー
ク全体の特に加工熱に起因したり、カッターの切味に起
因する半径方向におけるピッチ円の誤差を測定する。
【0006】その後、内歯歯車Gの歯隙H1,H2内に
挾持されている測定ボール13′,13′の中心点1
3′aに交叉するピッチ円PC上における各歯形におけ
る歯幅やピッチ誤差、歯溝のフレに起因する歯筋誤差を
測定していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の測
定法は、人手によって測定を行うので手間と時間が多く
かかり、また測定には相当の熟練度を必要としていた。
しかも測定を行うのに、先ず、機械中心に一致してワー
クとしての内歯歯車の中心をセットし、それから測定具
としての内径マイクロの基準点を機械中心に一致するよ
うにセットしなければ、精度が高いピッチ誤差、歯幅誤
差、歯筋誤差等を測定をすることはできなかった。
【0008】そこで本発明は、ピッチ誤差、歯筋誤差、
ワークの内径面、さらにピッチ円を人手によらずに自動
的に高精度に測定するようになした内歯歯車の歯形測定
装置を提供するのを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題に鑑
みてなされたものであり、加工テーブル上にセットされ
るワークとしての内歯歯車と、該内歯歯車に対して間欠
的に相対回転する回転テーブルと、該回転テーブルの中
心と割出開始位置とを結ぶ半径方向の結線を基準線とし
て該基準線に沿って半径方向に進退自在に前記回転テー
ブル上に設けた移動ベースと、該移動ベースの前記基準
線に一致する線上に位置する支点により略水平方向に揺
動自在に枢支され、内歯歯車の歯形の大小に応じて選択
的に着脱自在に測定ボールを先端に設けた歯面位置測定
子杆と、前記移動ベースに設けた第1、第2の測定子と
から成り、前記測定ボールは前記内歯歯車の歯隙内に挾
持されることにより歯形の略中心位置を決定可能に設け
られ、前記第1の測定子は前記測定ボールが挾持される
任意の歯隙に隣接する他の歯隙の側面に接触可能に且つ
昇降自在に設けられることにより測定ボールの中心点か
ら他の間隙の前記接触点までの距離にて歯形のピッチ誤
差および歯形誤差を測定可能に設けられ、前記第2の測
定子は前記内歯歯車の歯先内面に当接して内歯歯車の内
径に測定可能に設けられるという手段を採用した。
【0010】
【作用】加工テーブル上にセットしたワークとしての内
歯歯車に対して回転テーブルの中心と回転テーブルの割
出開始点とを結ぶ半径方向に伸びた基準線に沿って移動
ベースが半径方向に進出すると、この移動ベースの前記
基準線上に位置する支点によって略水平方向に揺動自在
で且つ半径方向に進退自在に枢支された歯面位置測定子
杆の先端の測定ボールは、測定すべき任意の歯形の歯隙
内に挾持されることによって測定ボールの中心点が決定
される。従って前記基準線からの測定ボールの中心点ま
での変位量から測定の開始の基準位置が決定されて歯形
の測定が行なえる。
【0011】また移動ベースの先端に設けたピッチ誤差
測定子は測定ボールが挾持されている任意の歯隙に隣接
する他の歯隙の側面に接触するので、ピッチ誤差測定子
から測定ボールの中心点までの距離を検知することによ
ってピッチ誤差を自動的に測定する。
【0012】また移動ベースの先端に設けた内径測定子
が内歯歯車の歯先面に当接することによって内歯歯車に
対するカッターの半径方向の移動に伴うピッチ誤差を測
定し、ワークのピッチ円を演算可能とする。
【0013】このようにしてピッチ誤差を測定した後
に、移動ベースがワークから後退すると、測定ボールは
測定すべき歯形の歯隙内から抜け出る。次に再び移動ベ
ースが前進して隣接する歯形における歯隙の一側にピッ
チ誤差測定子が接触しながら、昇降することによって歯
筋誤差を測定する。
【0014】
【実施例】以下本発明を、図1乃至図6に従って内歯歯
車の面取機に適用した場合を一実施例として説明する。
図1および図2において1は加工テーブルであり、この
加工テーブル1上には面取装置部2と歯形測定装置部3
とが組付けられている。
【0015】図1および図2において前記加工テーブル
1は外周側にワークWとしての内歯歯車Gをセットする
ための固定テーブル4と、該固定テーブル4の内周側に
設けられ、ワークWとしての内歯歯車Gに対して180
度/歯数の割合で間欠的に相対回転する回転テーブル5
とにより形成される。該回転テーブル5は回転角度の割
出用のモータM1によって回転される。
【0016】図1および図2において前記面取装置部2
は前記回転テーブル5に設けた摺動テーブル6と、この
摺動テーブル6上に設置した駆動部7と、該駆動部7に
着脱自在に且つ昇降自在に装備されるとともにワークW
としての内歯歯車Gに対して相対的に例えば矢印イに示
す方向に回転する工具としてのカッター8とから形成さ
れる。前記カッター8は前記駆動部7に内蔵された駆動
源としてのモータによって回転される。
【0017】図1および図2において前記摺動テーブル
6はシリンダ9の駆動力によってワークWの半径方向に
進退可能に移動することによってワークWに対して回転
テーブル5が相対的に回転するのと協同して内歯歯車G
の歯形の上下縁に形成されるバリを切削して面取りを行
う。
【0018】また図1、図2、図3および図4において
前記歯形測定装置部3は回転テーブル5の中心Oと回転
テーブル5の割出開始位置とを結ぶ中央二等分線に位置
するX軸Xを基準線として前記加工テーブル1の回転テ
ーブル5上に半径方向に進退自在に設けた移動ベース1
0と、該移動ベース10の基準線としての前記X軸X上
に位置する支点Pとしての軸11によって前記X軸Xと
交叉するY軸Y方向(周方向)としての略水平方向に揺
動自在に枢支され、且つ半径方向に進退自在になる歯面
位置測定子杆12と、該歯面位置測定子杆12の先端に
取付けられ且つY軸方向Yへの前記基準線としてのX軸
Xからの変位量xkにより測定すべき内歯歯車Gの歯形
の略中心位置Cを決定する測定ボール13と、前記測定
ボール13が挾持される任意の歯隙Hに隣接する他の歯
隙H′の側面14に接触可能に前記移動ベース10の先
端部に昇降自在に設けられるとともに歯筋誤差と前記測
定ボール13の中心点13aから前記他の歯隙H′の接
触点15までの距離Kにて歯形のピッチ誤差を測定する
ピッチ誤差測定子16と、前記内歯歯車Gの歯先内面1
7に当接可能に前記移動ベース10の先端に設けられ、
前記内歯歯車Gの内径を測定する内径測定子18とから
形成される。
【0019】図3および図4において前記移動ベース1
0は、前記回転テーブル5に設けた駆動源としてのサー
ボ・モータMのモータ・シャフトmに連結されることに
より、その回転力を受動して回転するボール・ネジ軸1
9に螺挿されるナット部10aを下面に設けることによ
って内歯歯車Gの半径方向に対向したガイド枠20に案
内されながら、回転テーブル5の中心Oと歯形の測定に
際しての回転テーブル5の任意の割出開始位置Qとを結
ぶ半径方向の基準線としてのX軸X線に沿って進退自在
になる。21は前記移動ベース10の上面に設けられた
歯筋位置測定用の駆動シリンダであり、この駆動シリン
ダ21は前記ボール・ネジ軸19の回転によって半径方
向に進退する前記移動ベース10と一体に進退する。
【0020】そして図3および図4において前記歯面位
置測定子杆12を枢支するために基準線としてのX軸X
線上に設けられた前記軸11は、保持枠22の上下方向
に設けられることによって前記駆動シリンダ21の上面
に枢支される。23は前記歯面位置測定子杆12の揺動
を円滑になすためにその歯面位置測定子杆12の下面に
装設された摩擦緩衝部品としてのローラ部品である。
【0021】図2および図4において前記ピッチ誤差測
定子16は前記保持枠22に例えばシリンダ24のロッ
ド24aの先端に固着することによって測定すべき歯形
の歯隙H内に挾持される測定ボール13の中心点13a
から隣接する他の歯隙H′の一側面への接触点15まで
の距離Kを測定することによって1/2ピッチ誤差を測
定するほか、ピッチ誤差の測定後に移動ベース10を後
退後に歯隙Hから測定ボール13を抜出し後に前記駆動
シリンダ21を再び駆動させて前進させるとともに前記
シリンダ24を駆動させることによってピッチ誤差測定
子16を歯隙H′の一側面14に接触しながら上下動す
ることによって歯筋誤差の測定を行う。
【0022】前記内径測定子18はスプリング、または
油圧等の緩衝体を介して前記移動ベース10の先端に設
けられている。
【0023】図2,図3,図4において25はピッチ誤
差の測定値を記録するために前記測定ボール13とは反
対側の前記歯面位置測定子杆12の他端に設けられた記
録子であり、この記録子25はこの実施例においては接
触可能に対向して設けた記録ドラム26にピッチ誤差測
定子16によって測定した測定値を拡大して自動的に記
録するようになっている。
【0024】図4においてS1はセンサーであり、この
センサーS1は回転テーブル5の中心Oを通る基準線と
してのX軸Xから測定ボール13の中心点13aまでの
変位量xkを間接的に読取るために、歯面位置測定子杆
12の測定ボール13とは反対側において支点Pから測
定ボール13の中心点13aまでの線分m1またはその
整数倍の線分m2のガイド枠20位置に設けている。
【0025】図4においてS2は歯面位置測定子杆12
の支点Pの半径方向の誤差△ρを測定するためのセンサ
ーであり、このセンサーS2は例えば歯筋測定用の駆動
シリンダー21に取付けることによりガイド枠20に取
付けたスケールの基準位置に対してどの程度進退すれば
よいか否かの測定を行なう。
【0026】本発明の一実施例は以上のような構成から
なり、図1および図2において内歯歯車Gの面取を行う
のには固定テーブル4にワークWとしての内歯歯車Gを
セット固定する。この際、ワークの中心O′が、固定テ
ーブル4の中心Oに可能な限り、一致させるように、ワ
ークWをセットするのが加工精度を高くするのに好まし
い。そして回転テーブル5が180度/歯数の割合で間
欠的に回転することにより、カッター8がワークWに対
して相対的に図2の矢印イに示す方向に回転するととも
にスタイラス・ピンSPが内歯歯車Gの歯形形状に追従
することによって駆動するシリンダ9の駆動力によって
摺動テーブル6が半径方向に前進または後退することに
より、内歯歯車Gの歯形の上縁または下縁に形成されて
いるバリを切削して面取りを行う。
【0027】このようにして面取加工を行った内歯歯車
Gの歯形の加工精度を測定するのには、図1,図2,図
3および図4においてサーボ・モータMの駆動によって
ボール・ネジ軸19が回転すると、このボール・ネジ軸
19に挿入されているナット部10aを下面に有する移
動ベース10は、回転テーブル5の中心Oを通る半径方
向の線、すなわちX軸Xを基準線に内歯歯車Gの測定す
べき任意の歯形における歯隙Hの方向に前進する。そし
て移動ベース10の上に設けられた駆動シリンダ21、
この駆動シリンダ21の上面に軸11および保持枠22
によって枢支されている歯面位置測定子杆12は移動ベ
ース10と一体に前進する。
【0028】そして図4において歯面位置測定子杆12
の先端に設けた測定ボール13は内歯歯車Gの面取加工
後の測定すべき歯形の歯隙H内に挿入されてその左右の
周面が歯隙Hの左右の側面に接触する。従って如何なる
大きさ及び如何なる種類の誤差を含んで加工された歯形
であったとしても歯面位置測定子杆12の先端に設けた
測定ボール13はその左右の周面が歯隙Hの左右の内側
面に接触することによって測定ボール13の中心点13
aが決定され、中心点13aは歯隙Hの略中心位置Cに
一致する。
【0029】図4および図5において、この回転テーブ
ル5の中心Oを通る基準線としてのX軸Xから測定ボー
ル13の中心点13aまでの変位量をxkとすれば、こ
の変位量xkの値を測定することによって回転テーブル
5によって回転される移動ベース10のワークWとして
の測定すべき歯形における歯隙Hの割出角度に関するピ
ッチ円PC上の誤差L1の近似値となる。この場合の変
位量xkの直接の読取りは実際上、測定ボール13が歯
隙H内に入ってしまって困難であるので、歯面位置測定
子杆12の支点Pから測定ボール13の中心点13aま
での線分m1またはその整数倍の線分m2を支点Pから
測定ボール13の反対側位置に設けたセンサーS1によ
って間接的に読取ればよい。
【0030】移動ベース10の前進によってその先端の
保持枠22に昇降自在に設けたピッチ誤差測定子16
が、測定ボール13が挾持されている歯隙Hに隣接する
歯隙H′の一側面14に接触するので、この一側面での
接触点15から測定ボール13の中心点13aまでが測
定すべき歯形の1/2ピッチとなり、ピッチの測定を行
なえる。
【0031】そして基準線としてのX軸Xから測定ボー
ル13の中心点13aまでの変位量xkの測定値の大小
によって周方向のピッチ誤差の大小を測定することにな
り、ピッチ誤差が0であれば工具としてのカッター8を
備えた回転テーブル5の中心Oに対して固定テーブル4
上に載置したワークWの中心O′が一致することにな
る。従って試し切り等をすることにより、回転テーブル
5の中心Oに対してワークWの中心O′が一致してセッ
トされているか否かを知ることができる。この結果、ワ
ークWのセット時の測定値としての前記変位量xkの絶
対値の大小によって、変位量xkが一定値を越す場合に
は、固定テーブル4上にセットするワークWの中心O′
のセット位置を回転テーブル5の中心Oに一致させるた
めの補正をすることも可能である。この際の補正は、チ
ェンブロック等の吊具を使用し、ワークWを吊り上げた
り、人手によってワークWを移動したり、設置位置を修
正したりして行う。
【0032】また移動ベース10が前進することによっ
てその先端に設けた内径測定子18がワークWとしての
内歯歯車Gの内径面、すなわち歯先面に当接して回転テ
ーブル5の中心Oから内歯歯車Gの内径面までの半径方
向の距離Lを測定することができる。
【0033】図5、図6に従ってピッチ誤差の一因とな
るピッチ円PC上の上記割出角度に伴うピッチ誤差L1
の理論値について考えると、固定テーブル4上の中心O
と、ワークWの中心O′とが不一致である場合、本来、
回転テーブル5の中心Oを通る基準線としてのX軸Xに
一致して測定ボール13が進出し、加工したワークWの
歯形に誤差がなく、さらに歯形の中心位置Cと測定ボー
ル13の中心点13aとが一致している想像線に示され
ている状態から、実際上は歯車の歯隙Hが実線によって
示されているように、X軸Xから変位した状態の歯隙H
内に測定ボール13が挟持されている場合に、割出角度
によるピッチ円PC上のピッチ誤差L1はX軸Xと変位
したX軸X′とを挟角とする三角形s1,O,s2にお
いて次式1が成立する。
【式1】 L1=(Dp/2)×ΔHk となる。ここにDpはピッチ円PCの直径であり、ΔH
kは割出し等の誤差角であり、ピッチ円PC上の円弧線
分上のピッチ誤差L1の2倍を直径Dpで除した値、す
なわち2L1/Dpになるが、これは図5において割出
誤差のカッター8の動きが右歯側ならば負値、左歯面側
ならば正値になる。
【0034】測定ボール13の中心点13aとピッチ円
PCまでの半径方向の差ΔRは、図5におけるピッチ円
PCの半径、(すなわちDp/2)から回転テーブル5
の中心Oと測定ボール13の中心点13aまでの距離R
kを差引いた値、すなわち三角形s2,13a,s3に
おける高さに相当する。ここに、測定ボール13の直径
をd1、また工具圧力角度を∠αhとすると、三角形s
2,13a,s3の高さは、(d1/2)×sinαh
である。
【0035】従って上記式1、図5を参照すると、回転
テーブル5の中心Oを通る基準線としてのX軸Xから測
定ボール13の中心点13aまでの前記変位量xkにつ
いて、図5からxk≒L1であり、下記式2が成立す
る。
【式2】 xk≒{Dp/2−(d1/2)×sinαh}×2L1/Dp =L1−(d1・L1/Dp)×sinαh となる。
【0036】そして上記式1および式2をまとめて整理
すると、下記の式3を得る。
【式3】 L1=xk/{1−(d1/Dp)×sinαh} となる。上記式3において、工具圧力角αhが図5のピ
ッチ円PC上の円弧線分上のピッチ誤差L1を決定する
要因になるので、例えば歯切加工時には切味を管理した
総型カッターを用いて一歯づつ、ミーリング加工をすれ
ば精度が高い歯切加工が行なえることが判る。
【0037】次に図5および図6に従ってワークWの歯
形が、回転テーブル5の中心Oに描かれた理想のピッチ
円PCよりも外側に有るかまたは内側に入ったかによる
ピッチ誤差のほかの一因になる半径方向の誤差L2につ
いて考えると、図6においてワークWの歯形の中心位置
Cが今、回転テーブル5の中心Oを通る基準線としての
X軸Xに一致し且つピッチ円PCに一致して歯形が形成
されている場合を実線で示し、想像線イは半径方向にお
ける歯形の出過ぎである場合を示し、また想像線ロは半
径方向における歯形の入り過ぎを示す。
【0038】そして図6の実線に示す状態から想像線ロ
に示すように入り過ぎの場合の半径方向の誤差L2は基
準線X軸X上において実線位置から想像線ロに示すよう
に変位量△rkを生ずる。従って歯隙H内に挾持する測
定ボール13も実線の歯形内に挾持している状態から想
像線ロに示す状態に挾持されることになるので、前記変
位量△rkもX軸X上において変位する。そしてこの変
位量△rkをピッチ円PCに対して工具圧力角αhの頂
角が交叉する個所まで平行移動することによって形成さ
れる三角形s5,s6,s7に投影できる。
【0039】そして図6においてこの三角形s5,s
6,s7に点対称となる隣接の三角形s6,s7′,s
8の高さから、変位量Δrkを知ることができ、この三
角形の高さは、歯形が実線に示す位置から半径方向の内
側(または外側)に入ったかどうかによる誤差L2に近
似し、次式4を得る。
【式4】 L2≒Δrk×tanαh
【0040】ところで前記変位量Δrkにつき図5およ
び図6について考察すると、測定ピッチ円PCの半径方
向における基準線としてのX軸線X上に、歯面測定子杆
12の支点Pが存在するので、この半径方向における誤
差の変位量Δρは、図5において基準線としてのX軸X
上に中心点13aを有する想像線で示す測定ボール13
が、実線に示すように半径方向に変位した場合には支点
Pを通る交線Eの基準線としてのX軸Xとにより形成さ
れる夾角θkを有する三角形13a,P,13aにおい
て下式5が成立する。
【式5】 Δρ=m(1−cos θk)
【0041】ところが実際に測定ボール13の中心点1
3aをセンサーSで検知する検知量Δρkについて、
基準線としてのX軸Xにおける変位量Δrkに対して測
定ボール13が変位する場合には、過大な検知量になる
ため、支点Pを通る交線Eとの夾角θkを有する三角形
13a,P,13aに対し、半径方向の誤差Δρの修正
が必要となり、下式を得る。 Δrk=Δρk−m1(1−cosθk) ここにm1は測定ボール13の中心点13aから歯面位
置測定子杆12までの支点Pまでの距離である。そして
上記式を変換すると、下記式6を得る。
【式6】 Δrk=Δρk−m1(1−cosθk)=Δρk−m1(1−Y) ここに式を簡略する上で、式6の右辺においてcosθ
kを便宜的にYとして代位させた。以下の式7、式8に
おいても同様である。なおθkは、測定ボール13の中
心点13aから歯面位置測定子杆12の支点Pまでの距
離m1と、支点Pから歯面位置測定子杆12の他端まで
の距離m2と、基準線としてのX軸Xから変位した場合
の測定ボール13の中心点13aの変位量xkと、その
変位量xkをP点に対して測定ボール13を設けた側と
は反対側において拡大される拡大量xkとから求められ
る値であり、θkは変位量xkを距離m1で除した値と
等価であるし、また拡大量Xkを距離m2で除した値と
も等価であり、計算により求められる。
【0042】ゆえに半径方向の誤差L2については下記
式7を得る。
【式7】 L2=〔△ρk−m1(1−Y)〕tanαh ここに半径方向の誤差の変位量△ρkの符号は支点P位
置の半径がρを越えると正値となり、またρ未満の場合
は負値になる。
【0043】従って図5および図6においてK番目の歯
面位置の誤差Lkについて下式8を得る。
【式8】 Lk=L1+L2=〔Xk/(1−d1/Dp×sinαh)〕+〔△ρk− m1(1−Y)〕tanαh ここにd1は測定ボール径、Dpはピッチ円PCの直
径、αhは工具圧力角、m1は支点Pから測定ボール1
3の中心点13aまでの長さである。これらの測定ボー
ル径d1、ピッチ円直径Dp、工具圧力角αh、支点P
から測定ボール13の中心点13aまでの長さm1はそ
れぞれ既知数である。そしてこれらの既知数を予めコン
ピュータの記憶部に記憶させておけば、K番目の歯面位
置のピッチ誤差Lkを任意の歯形に関してそれ以外の測
定ボール13が基準線としてのX軸Xから変位した場合
の中心点13aの変位量xkおよび半径方向の誤差の変
位量△ρkを実測値を実測することによって演算して容
易に知ることができる。
【0044】従ってコンピュータの演算部にて演算処理
し、制御部を介してサーボ・モータMの駆動によって移
動ベース10を進退させ、また駆動シリンダ21の駆動
を補正して駆動することにより内歯歯車Gのピッチ誤差
と歯筋誤差との誤差値が少ない高精度の面取加工が行な
える。
【0045】このようにしてピッチ誤差を測定後は、サ
ーボ・モータMを逆回転してボール・ネジ軸19を逆転
すれば、移動ベース10は後退する。そして移動ベース
10上に設けた歯面位置測定子杆12の先端に設けた測
定ボール13がワークWの歯隙Hから抜出た位置で移動
ベース10の後退が停止する。この時、移動ベース10
の先端に設けた内径測定子18はワークWの歯先面17
から離れている。
【0046】次いで移動ベース10の上面に設けた駆動
シリンダ21が駆動することによってそのシリンダ・ロ
ッド21が伸長するので、そのシリンダ・ロッド21a
の先端に設けた保持枠22に設けられているピッチ誤差
測定子16は歯隙H′の一側面に接触することにより保
持枠22に設けたシリンダ24の駆動によって昇降する
ことにより歯筋を測定する。
【0047】さらに回転テーブル5の中心Oを通る基準
線としてのX軸Xから測定ボール13の中心点13aま
での変位量xkは支点Pとしての軸11によって枢支さ
れている歯面位置測定子杆12の測定ボール13の反対
側に設けているので、拡大されてその拡大量Xkが記録
子25によって記録ドラム26に記録される。
【0048】
【発明の効果】本発明は、ピッチ誤差、歯筋誤差、ワー
クの内径面、ピッチ円を人手によらずに自動的に高精度
に測定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例を示す側面図である。
【図2】図2は同じく平面図である。
【図3】図3は要部の縦断面図である。
【図4】図4は本実施例の歯形測定装置部を示す平断図
である。
【図5】図5は本実施例において割出角度に関するピッ
チ誤差を測定する場合の説明用の平面図である。
【図6】図6は本実施例において半径方向の遠近に関す
るピッチ誤差を測定する場合の説明用の平面図である。
【図7】図7はこの種、従来の測定装置の一例を示す平
面図である。
【符号の説明】
1 加工テーブル 2 面取装置部 3 歯形測定装置部 4 固定テーブル 5 回転テーブル 6 摺動テーブル 8 カッター 10 移動ベース 12 歯面位置測定子杆 13 測定ボール 13a 中心点 15 接触点 16 ピッチ誤差測定子 18 内径測定子 21 駆動シリンダ 22 保持枠 24 シリンダ G 内歯歯車 M1 サーボ・モータ M モータ P 支点 W ワーク

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加工テーブル上にセットされるワークと
    しての内歯歯車と、該内歯歯車に対して間欠的に相対回
    転する回転テーブルと、該回転テーブルの中心と割出開
    始位置とを結ぶ半径方向の結線を基準線として該基準線
    に沿って半径方向に進退自在に前記回転テーブル上に設
    けた移動ベースと、該移動ベースの前記基準線に一致す
    る線上に位置する支点により略水平方向に揺動自在に枢
    支され、内歯歯車の歯形の大小に応じて選択的に着脱自
    在に測定ボールを先端に取付けた歯面位置測定子杆と、
    前記移動ベースに設けた第1、第2の測定子とから成
    り、前記測定ボールは前記内歯歯車の歯隙内に挾持され
    ることにより歯形の略中心位置を決定可能に設けられ、
    前記第1の測定子は前記測定ボールが挾持される任意の
    歯隙に隣接する他の歯隙の側面に接触可能に且つ昇降自
    在に設けられることにより測定ボールの中心点から他の
    歯隙の前記接触点までの距離にて歯形のピッチ誤差およ
    び歯筋誤差を測定可能に設けられ、前記第2の測定子は
    前記内歯歯車の歯先内面に当接して内歯歯車の内径を測
    定可能に設けられることを特徴とする内歯歯車の歯形測
    定装置。
  2. 【請求項2】 歯形測定装置部を内歯歯車の面取を行う
    歯車加工機械に備えたことを特徴とする請求項1に記載
    の内歯歯車の歯形測定装置。
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