JPH0739805B2 - タ−ビンのシ−ル部間隙調整装置 - Google Patents

タ−ビンのシ−ル部間隙調整装置

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JPH0739805B2
JPH0739805B2 JP61092666A JP9266686A JPH0739805B2 JP H0739805 B2 JPH0739805 B2 JP H0739805B2 JP 61092666 A JP61092666 A JP 61092666A JP 9266686 A JP9266686 A JP 9266686A JP H0739805 B2 JPH0739805 B2 JP H0739805B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明はタービンのシール部間隙調整装置に係り、特に
タービンの静止部とフィンセグメントとを連結する密閉
室の内側および外側のいずれにもタービンの作動流体を
供給し、両者の作動流体の差圧により密閉室を伸縮させ
るようにしたタービンのシール部間隙調整装置に関す
る。
(従来の技術) 近年、燃料価格の高騰に対応してタービン性能の向上が
益々重要視されており、種々の性能向上対策が提案され
ているが、この性能向上対策として最も効果的なもの
は、タービンの各部に不可避的に存在する静止部と回転
部との間隙から漏洩する蒸気量を減らすことにある。
第19図はこの種の従来の蒸気タービンの組立断面の上半
部を示す図であって、タービン車軸51に固設された動翼
52とノズル外輪53との間、タービン車軸51とノズル内輪
54との間、およびタービン車軸51とノズル内輪54との
間、およびタービン車輪51とケーシング55との間には、
それぞれチップフィン、ノズルパッキン、グランドパッ
キンと呼ばれる蒸気漏洩防止用のシール装置が設けられ
ている。
第20図は、これらのシール装置の一例を示したものであ
り上記動翼52とノズル外輪53との間のチップフィンを示
した断面図である。静止部であるノズル外輪53には、動
翼52の外周端と対向する部分に周方向に延びる蟻溝状の
取付溝56が形成されており、その取付溝56には前記動翼
52の外周面に向って突出した複数個の周方向に延びるシ
ールフィン57を設けたセグメント58が装着されている。
上記シールフィン57と回転体である動翼52の先端部との
間には所定の微少間隙が形成され、この間隙から蒸気漏
洩を最少限に保持している。
ところで、この種の非接触型のシール装置において、蒸
気の漏洩防止効果を決定する最大の要因は、シールフィ
ン57の先端と回転体との間隙の大きさであり、この間隙
が小さいほど漏洩量は少なくなるが、この間隙を余り小
さくすると運転中にシールフィンと回転部が接触し、回
転部やシールフィンが破損したり、接触により軸振動が
増加して運転の続行が不可能となったり、接触による発
熱で回転部に曲がりを生じたりする等の問題があった。
このような接触は、タービンの運転状態により間隙値が
変化するためで、そのような変化はケーシングの不均一
な熱変形、圧力による変形、あるいはタービン車軸を支
承する軸受の支持特性等の種々の要因により生じ、特
に、タービンの起動時や停止時あるいは負荷変化時に集
中して発生する。定常運転時には変形量や変化量が時間
とともに一定値に落ちつくため、間隙の変化量はきわめ
て小さく、起動停止、負荷変化時の間隙状態を考慮して
設定した間隙で運転すると、長時間にわたる定常運転時
には不必要に大きな間隙となり、蒸気の漏洩量が増大す
る。
このような不具合を解消するため、従来、フィンセグメ
ントと静止部との間に駆動機構を設け、運転状態に応じ
て、または、シール部の間隙の実測値に応じて間隙を変
化させる可動型のシール機構を設けたものが提案されて
いる。
第21図はこの種の従来の可動型のシール部間隙調整装置
の一例を示しており、取付溝56に装着されたセグメント
58は伸縮自在な内圧式のベロー60を介してフランジ体61
に連結され、このフランジ体61は取付ボルト63を介して
ノズル外輪53に螺着されている。ノズル外輪53には作動
流体の導入孔64が穿設され、この導入孔64の一端は取付
ボルト63に穿設された連通孔65を介してベロー60の内部
室67と連通し、導入孔64の他端は途中に電磁弁が組込ま
れた蒸気導入管(図示せず)に接続されている。ベロー
60の外側に位置する外部室68は、セグメント58とノズル
外輪53との間隙から流入するタービンの作動流体によっ
て満たされ、この外部室68内の作動流体の圧力と上記内
部室67内に蒸気導入管から供給された作動流体の圧力と
の差圧によって、ベロー60を半径方向に伸縮させるよう
になっている。上記内部室67内の圧力P1が外部室68内の
タービンの作動流体による圧力P2より高いとその差圧に
よってベロー60が伸長し、セグメント58に設けられたシ
ールフィン57の先端と動翼52との間隙が狭められ蒸気の
漏洩が防止される。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、この種の従来の可動型のシール部間隙調
整装置は、ベロー60の駆動力を得るため、外部に蒸気源
を求め、配管等を通してベロー60内に導く方式であっ
た。この方式は、外部配管等が多く、構造上複雑になり
信頼性が低下する欠点がある。また、外部から導く蒸気
条件の設定が難しく、導かれる蒸気量を制御するため配
管途中に電動バルブ等が必要になり、個々の部品の信頼
性に問題があった場合に、タービン負荷に応じたベロー
60の駆動力を充分に得ることができないという問題があ
った。
そこで、本発明の目的は、簡単な構造で、シール部の間
隙をタービン負荷に応じて充分に調整できるタービンの
シール部間隙調整装置を提供することにある。
〔発明の構成〕
(問題点を解決するための手段) 上記目的を達成するために、本発明は、タービンの回転
部に対向させ周方向に配列された複数のシール用のフイ
ンセグメントを、それぞれ弾性復元力が伸縮自在なベロ
ーを介してタービンの静止部に装着し、このベローの内
外に供給される作動流体の圧力差で前記各フインセグメ
ントをタービンの半径方向に移動可能にしたタービンの
シール部間隙調整装置において、上記ベローを静止部に
取付ける各取付ボルトに穿設され、上記ベロー内に開口
する連通孔を、静止部に設けられた環状孔に通孔及び取
付ボルトの外周に形成された環状室を介して連通し、上
記環状室の一つに静止部の上流側に連通する導入孔を連
通させるとともに、上記静止部に設けられたフインセグ
メント取付溝の側壁部に周方向に延びる凹溝を形成し、
その凹溝に、上記フインセグメントの両端縁部をそのフ
インセグメントが所定範囲半径方向に移動可能に係合さ
せたことを特徴とするものである。
(作 用) 上記構成に基づいて本発明の作用を説明すると、ベロー
の内側には静止部の上流の高圧蒸気が流入し、ベローの
外側にはフィンセグメントの装着部の近傍における、上
記内側に流入する蒸気圧より低い圧力の蒸気が流入し、
両者の差圧によりベローが伸長しフィンセグメントはタ
ービンの半径方向に押出され回転部と静止部との間隙が
狭くなる。
このベローには初期に設定された寸法まで収縮しようと
するばね力が常時作用するため、上記静止部の上流側の
圧力と、フィンセグメントの装着部の近傍の圧力との差
圧が上記ばね力に打負けるとベローが収縮しフィンセグ
メントはタービンの半径方向に引き込まれ前記間隙が広
くなる。
しかして、ベローの内外に供給されるタービンの作動流
体の圧力差およびベローのばね力のつりあい関係により
ベローの伸縮が決定され、タービンの設計段階で上記ば
ね力を適宜設定すれば、あらゆるタービン負荷に応じた
適切な間隙を維持することができる。
(実施例) 以下、添付図面を参照して本発明の一実施例について説
明する。
第1図において符号1はタービン車軸2にホイール3を
介して設けられた動翼であってこの動翼1の先端はシュ
ラウド4によって複数群につづられている。動翼1の上
流側にはノズル外輪5およびノズル内輪6の間に固設さ
れたノズル翼9が配設され、上記ノズル外輪5はタービ
ンの静止部10に固着されている。
上記ノズル外輪5には、動翼1の先端外周部と対向する
位置に周方向に延びる蟻溝状の取付溝11が形成され、こ
の取付溝11内には複数個の周方向に延びるシールフィン
12を穿設したフィンセグメント13が、第2図に示される
ように周方向に配設されている。上記各フィンセグメン
ト13は上記取付溝11に対して半径方向に移動可能に装着
され、取付溝11の内面と各フィンセグメント13との間に
はそれぞれ複数個のベロー15が介装されている。
このベロー15は第3図に示されるように、その一端面が
上記フィンセグメント13に固着され、他端面がフランジ
体16に固着され、密閉室構造を形成している。このフラ
ンジ体16は中央にボス17を有し、このボス17にはめねじ
孔17aが形成され、上記フランジ体16は取付ボルト18に
よってノズル外輪5に螺着されている。また、取付ボル
ト18には連通孔19が穿設され、この連通孔19の一端はベ
ロー15の内部室20内に開口し、他端は取付ボルト18の周
囲に形成された環状室21に連通している。
しかして、本発明によれば、第1図に示されるように、
上記環状室21内に一端を連通する導入孔23がノズル外輪
5を貫通して穿設され、この導入孔23の他端は上記ノズ
ル翼9の上流側に開口されている。ノズル翼9の上流側
の高圧蒸気は、上記導入孔23、環状室21、連通孔19を順
次通ってベロー15の内部室20内に流入し、ベロー15の外
側に位置する外部室25内にはノズル翼9を通過したター
ビンの作動流体がフィンセグメント13とノズル外輪5と
の間隙から流入する。これによって、内部室20内の圧力
P1と外部室25内の圧力P4との差圧によりベロー15が伸縮
し、フィンセグメント13はタービンの半径方向に移動す
る。
この際の、フィンセグメント13の作動原理を第3図を参
照して説明する。フィンセグメント13を押し出すのに要
する駆動力をFSとすると、 FS=P4(A0−AB)+P1・AB −PI・A0−δ・KB+W ……(1) の関係式が成り立つ。
ここでP1…内部室20内の圧力、 P4…外部室25内の圧力、 PI…シールフィン12の先端とシュラウド4との間の平均
圧力、 KB…ベロー15のばね定数、 δ…フィンセグメント13の移動量、 W…フィンセグメント13の1個当りの重量、 A0…フィンセグメント13の外周の全面積、 AB…ベロー15の取付面積。
なお、A0=b×l ……(2) ここで、b…フィンセグメント13の幅寸法、 l…フィンセグメント13の外周寸法、 de…ベロー15の有効径寸法、 n…フィンセグメント13に取付けられたベロー15の個
数、(第4図(a)(b)参照) 一方、上記圧力PIおよびP4は次の関係式で求められる。
PI=f(P2,P3,k1) ……(4) P4=f(P2,P3,k2) ……(5) ここで、k1…シールフィン12の数量および形状、シール
フィン12の先端とシュラウド4との間隙値、シュラウド
4の外周形面状によって総合的に決定される形状係数、 k2=取付溝11の形状、フィンセグメント13の形状等によ
り決定される形状係数、 P2…動翼1への入口側圧力、 P3…動翼1からの出口側圧力、 上記(1)の関係式に基づいて説明すると、通常時、フ
ィンセグメント13にはベロー15のばね力によるタービン
の半径方向外側へ向かう付勢力が作用しているから、フ
ィンセグメント13を移動量δだけ押し出すには、δ=
δと置換えたとき、FS>0を満足させる条件が必要に
なる。
反対に、圧力P1乃至P4およびPIの関係から、FS<0の条
件が満足されるとフィンセグメント13は上記ばね力によ
り元の状態に復帰する。
第5図は上記圧力P1乃至P4およびPIとタービン負荷との
関係を示した線図であり、タービン負荷が10%程度の場
合にはP1乃至P4は零であり(ただし、PI=0)、その
後、タービン負荷の増大に比例して圧力P1乃至P4は増大
する。
第6図はタービン負荷10%程度におけるフィンセグメン
ト13の状態を示したものであり、その負荷における圧力
はP1 (10)乃至P4 (10)およびPI (10)で示されている。
この場合に、P1 (10),P2 (10),P3 (10),P4 (10),PI (10)=0
を上記(1)の関係式に代入すると駆動力FS (10)は次の
ようになる。
FS (10)=−δ・KB+W ……(6) フィンセグメント13の1個当りの重量Wは小さいから
(6)式はFS (10)<0となり、押し出す駆動力はフィン
セグメント13に作用しない。したがって、ベロー15は元
の長さLを保ち、フィンセグメント13は取付溝11の内周
壁から距離δだけ浮き上っている。
一方、タービン負荷が50%のときには、第5図に示され
るようにP1 (50)乃至P4 (50)の圧力が生じ、PI (50)とな
り、それぞれには圧力差が生じる。(1)の関係式にP1
(50)乃至P4 (50),PI (50)を代入すると駆動力FS (50)は次
のようになる。
FS (50)=P4 (50)(A0−AB)+P1 (50)AB −PI (50)A0−δ・KB+W ……(7) ここで、タービン負荷が25%のときの圧力P1 (25)乃至P4
(25)およびPI (25)で、FS (25)>0となるようにベロー15
のばね定数KBを設定しておけば、上記(7)式はFS (50)
>0となる。すなわち、この場合にはタービン負荷が25
%を超えると常にFS>0の関係が成立し、第7図に示さ
れるように全長lまでベロー15は伸長し、フィンセグメ
ント13は押し出され、シールフィン12の先端とシュラウ
ド4との間隙Sは狭くなる。
しかして、ベロー15のバネ定数KBを適宜に選定すること
により、ベロー15の伸びはじめるタービン負荷を任意に
設定できるとともに、タービンの運転状態に応じてベロ
ー15を伸縮させることができる。
第8図はタービン負荷とフィンセグメント13の移動量と
の関係を示した線図であり、パラメータにベロー15のば
ね定数KBをとっている。
図中、パラメータはKB (3)>KB (2)>KB (1)の関係を有
し、ばね定数KBを大きくすると、ベロー15の伸びはじめ
るタービン負荷も大きくなることを示している。
次に、第20図に示した従来の固定式のシール装置と比較
した、本発明によるシール部間隙調整装置の効果を説明
する。
シールフィン12の先端とシュラウド4との間隙はタービ
ン運転中に変化し、定常変位差(以下変位差とは静止部
との半径方向変位の差をいう)は以下の(a)乃至
(e)の要因により決定される。
(a)…遠心力によるホイール3と動翼1の伸び、 (b)…羽根植込部の組立時におけるクリアランスと遠
心力による変形、 (c)…遠心力によるシュラウド4の変形、 (d)…定常時の温度にもとづく静止部と回転部との間
の熱膨張差、 (e)…タービン車軸の移動量、 タービンが100%負荷の定格負荷運転されているとき、
シールフィン12の先端とシュラウド4との間隙値はそれ
ぞれ次の関係式で決定される。
従来例では間隙値S1とすると、 S1=S0−(a)−(b)−(c)−(d) −(e) ……(7) 本発明では間隙値S1 (A)とすると、 S1 (A)=S0 (A)−(a)−(b)−(c)−(d) −(e)−δ ……(8) ここで、S0,S0 (A)…それぞれの組立時のシールフィン12
の先端とシュラウド4との間隙でありS0 (A)>S0、 δ…フィンセグメント13の移動量、(a)乃至(e)
…上述の要因による変位量、 しかして、δ>(S0 (A)−S0)の関係が成り立つよう
に設定すれば、上記(7)(8)の式から明らかなよう
に、タービン運転中は常にS1 (A)<S1の関係を維持でき
る。したがって、本発明によれば、従来例に比較してタ
ービン運転中の上記間隙からの漏洩蒸気量を少なくでき
タービン性能の向上を図ることができる。
一方、タービン起動・停止時の非定常変位差は上記要因
(a)乃至(e)に加えて次の2つの要因を加味して決
定される。
(f)…静止部の非定常円周方向温度分布による熱変
形、 (g)…回転部と静止部の非定常温度分布による熱膨張
差、 すなわち、タービンが低負荷運転されているとき、シー
ルフィン12の先端とシュラウド4との間隙値はそれぞれ
次の関係式で決定される。
従来例では間隙値S2とすると、 S2=S0−(a)−(b)−(c)−(d)−(e) −(f)−(g) ……(9) 本発明では間隙値S2 (A)とすると、 S2 (A)=S0 (A)−(a)−(b)−(c)−(d) −(e)−(f)−(g) ……(10) ところで、S0 (A)>S0の関係が成り立つから、(9)(1
0)式から明らかなように、S2 (A)>S2となる。したがっ
て、本発明によれば従来例に比較し低負荷運転時に上記
間隙が大きくなり、シールフィン12の先端とシュラウド
4との接触を回避することができる。
第9図は上述の従来例との比較を線図で示したものであ
り、従来例におけるフィンセグメント組立時のシールフ
ィン12の先端とシュラウド4との間隙S0はタービン負荷
に応じて変化することなく常に一定に保たれている(同
図x線)。本発明によれば、組立時に設定されたシール
フィン12の先端とシュラウド4との間隙S0 (A)は、ター
ビン負荷に応じて徐々に狭くなり、その後、一定に保た
れる(同図y線)。なお変位差はタービン負荷の低い領
域で大きくなる(同図z線)。
しかして、本発明によれば、従来例と比較してタービン
負荷の小さい領域Iでシールフィン12の先端とシュラウ
ド4との間隙が大きく、反対に、タービン負荷が大きい
領域IIで上記間隙が小さくなる。
そのため、上記領域Iはシールフィン12の先端とシュラ
ウド4との接触を確実に防止するための信頼性向上領
域、領域IIは性能向上を達成できる領域となり優れた効
果を得ることができる。
また、x線とy線とが交差する点に相当するタービン負
荷は第8図に示されるようにベロー15のばね定数KBを適
宜変化させることにより簡単に調整することができる。
次に、本発明によるシール部間隙調整装置を適用する際
の変形例を説明する。
第10図はその変形例を示し、ノズル外輪5に形成された
取付溝11の側壁部にはフィンセグメント13の移動量を制
御するための周方向に延びる凹溝30が形成されている。
フィンセグメント13はその両端側を上記凹溝30に挟まれ
るようにして装着され、上述のものと同様に伸縮自在な
ベロー15を介してノズル外輪5に固着されている。ター
ビンが高負荷運転される際には、第11図に示されるよう
にベロー15が伸長しフィンセグメント13が押し出され、
低負荷運転時には第10図に示されるようにベロー15が元
の状態に収縮する。
このように構成すれば、低負荷運転中に発生するベロー
15およびフィンセグメント13からなる振動系の振動を、
第10図中に示した間隙δ4の範囲内に押えることが
できる。
一方、フィンセグメント13の取付時に設定されるフィン
セグメント移動量δ(第6図)はベロー15製作時の長
さLの精度に大きく左右され、長さLが長いと移動量δ
は少なく、短いと移動量δが大きくなる。
第12図および第13図はこのベロー15製作時の長さLの誤
差を吸収するための変形例を示し、この変形例が適用さ
れるノズル外輪5には第10図に示したものと同様に凹溝
30が形成されている。製作時にはベロー15の長さL1は設
計長さLよりやや短く製作され、取付溝11の深さはベロ
ー15の設計長さLと同じく形成されている。
組立て前の状態において第12図中に示されるそれぞれの
間隙には次の関係が成立している。
α=δ−δ ……(11) ここで α=L−L1 ……(12) 次に、上記フランジ体16は取付ボルト18によってノズル
外輪5に第13図に示されるように螺着される。この際に
は、δ>δの関係に設定しておくと(11)式から明
らかなようにベロー15に対してαに相当するだけの初期
の引張力が作用する。そして、このときの第13図に示さ
れるフィンセグメント13の移動量δは次のようにな
る。
δ=δ+δ ……(13) しかして、ベロー15は強制的に伸ばされて取付溝11内に
装着されているから、上記(1)式に示される駆動力PS
は次式のようになる。
FS=P4(A0−AB)+P1・AB+α・KB−PI・A0 −δ・KB+W ……(14) この変形例によれば、α・KBの力を考慮する必要が生
じ、フィンセグメント13を移動させるためには、上記
(1)式で示したようなFS>0となる圧力とバネ定数と
のつりあいだけでなく、α・KB分の力をキャンセルする
だけの力が必要になる。
したがって、(1)式の場合よりタービン負荷が高いと
きベロー15は伸びはじめ、このベロー15の伸びはじめの
タービン負荷は上記ばね定数KBを変更することなく寸法
差αのみを変えることによって設定できる。
第14図は寸法差αを変えることにより、ベロー15の伸び
はじめるタービン負荷を変化させたものを示した線図で
あり、寸法差α(a)(b)(c)に設定すると、図中a,
b,cで示した位置に相当するタービン負荷からそれぞれ
ベロー15が伸びはじめ、フィンセグメント13が動きはじ
めることを示している。この場合、寸法差αはα(a)
α(b)<α(c)の関係にあり、寸法差αを小さく設定すれ
ば上記ばね定数KBを変化させることなくタービン負荷の
低負荷時からフィンセグメント13を動かすことが可能に
なる。
このように、この変形例によれば、寸法差αの変更によ
り簡単にベロー15の伸びはじめるタービン負荷を設定で
きるとともに、組立時にすでに、ベロー15には引張力が
作用しているので低負荷運転時におけるベロー15および
フィンセグメント13からなる振動系の振動を低減させる
ことができる。
なお、第15図はベロー15が伸びた状態を示しているが、
ベロー15の全長L2は、L2=L1+α+δとなり、ベロー
15は製作時よりα+δだけ伸びる。
ところで、ベロー15の伸びによる応力は、ベロー15の伸
び量に比例するため、αの値をあまり大きくすることは
応力上不利となる。したがって、α+δのトータル伸
び量を押えるように、αとδを適当に設定することが
望ましい。
第16図および第17図は本発明によるシール部間隙調整装
置の実施例を示し、第17図に示されるようにフィンセグ
メント13とノズル外輪5との間には、各々2個のベロー
15,15が介装されている。そして、第16図に示されるよ
うに、2個のベロー15,15はそれぞれフランジ体16,16に
固着され、これらのフランジ体16,16はそれぞれ取付ボ
ルト18を介してノズル外輪5に固着されている。
しかして、本実施例によれば、ノズル外輪5に、周方向
に連続する環状孔35が穿設されるとともに、この環状孔
35と、周方向に配設されたそれぞれの上記環状室21とを
連通させる通孔36が複数穿設されている。
このように構成すれば、第16図に示されるように導入孔
23から流入する蒸気は環状室21を通って内部室20内に流
入するとともに、残りの一部は通孔36を通り上記環状孔
35内に流入する。環状孔35内に流入した蒸気は第17図に
示されるように各通孔36を介してそれぞれの環状室21内
に順次流入し、それぞれの連通孔19を通って各内部室20
内に流入する。蒸気の流入速度は非常に速く、蒸気は瞬
時に全ての内部室20内に送給される。
第1図に示した構成では、周方向に適当な間隔をもって
形成された複数の環状室21内に、それぞれ蒸気を導入す
るため導入孔23を複数個穿設しなければならないが、本
実施例によれば、いずれか1つの環状室21に連通する導
入孔23を1個穿設すればよく、ノズル外輪5の加工工数
の減少、およびその強度の向上を図ることができる。
以上、タービン車軸2とノズル外輪5との間に装着され
たフィンセグメント13に本発明を適用した実施例を説明
したが、第1図に示されるように、タービン車軸2とノ
ズル内輪6との間に装着されたノズルパッキン40に本発
明を適用することも可能である。
このノズルパッキン40は上述したものと同様にベロー41
を介してフランジ体42に固着され、このフランジ体42は
取付ボルト43によって周方向に延びる環状のパッキンホ
ルダー45に螺着されている。パッキンホルダー45はノズ
ル内輪6の内周面6aに嵌合され、図示を省略したボルト
を介して螺着されている。
また、パッキンホルダー45には導入孔46が穿設され、導
入孔46の一端はノズル内輪6の上流側に開口し、他端は
ノズル内輪6とパッキンホルダー45とで囲まれた連通室
48内に開口している。ノズル内輪6の上流側の高圧蒸気
は、導入孔46を通して連通室48内に流入し、さらに、上
記取付ボルト43に穿設された貫通孔50を通してベロー41
の内部室51内に流入する。
このように構成すれば、上述のフィンセグメント13と同
様に効果的にノズルパッキン40の間隙調整をすることが
できる。
また、本発明は、蒸気タービンに限らず、他のガスター
ビン、圧縮機等のターボ機械一般に適用できることはい
うまでもない。
前記実施例においては、予め製作されたベローがフィン
セグメントとフランジ本体とに固着されているが、弾性
復元力を有し、密閉構造の内部室を備えた密閉室が形成
されるものなら、前記ベローに何ら限定されないことは
明らかである。
第18図はこの技術によって解決された従来のタービンの
かかえていた問題を示している。
静止部と回転部との接触問題は原子力発電の補助的エネ
ルギー源としての火力タービンにDSS運用(Dairy Start
Stopの略)等の厳しい運用条件が求められている現
在、最も深刻な問題の一つであり、これを解決できる本
発明の効果は非常に大きい。
性能向上の面からみると、700MW級の蒸気タービンにお
いて、高圧で0.6%、中圧で0.4%、低圧で0.3%のター
ビン内部効率向上が達成でき、これはタービン熱消費率
改善量として0.4%が達成できる。この0.4%は年間1〜
3億円の燃料節約量に相当するものであり、この効率向
上量も非常に大きく、また構造をシンプルとしたため
に、部品点数が少なくなり信頼性がきわめて向上する。
〔発明の効果〕
上述のように構成したので、本発明によれば、タービン
の負荷に応じてシール部の間隙をきわめて簡単に調整す
ることができる。
タービンの低負荷時には間隙を広くして回転部と静止部
の接触を回避するのでタービンの信頼性が向上し、さら
には回転部と静止部の接触によるラビング振動が防止さ
れタービンの運転性が向上する。
タービン高負荷時には間隙を狭くしてタービンの内部効
率を向上させ、最終的にはタービン熱消費率の改善を図
ることができる。しかも、本発明においては各取付ボル
トに穿設され各ベロー内に開口する連通孔を静止部に設
けられた環状孔に通孔を介して連通させたので、静止部
の上流側に連通する導入孔を1個穿設すればよく、ノズ
ル外輪の加工工数を減少でき外輪の強度低下防止を図る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のシール部間隙調整装置の一実施例を示
す縦断面図、第2図は同タービン動翼部の横縦断面図、
第3図はタービン動翼部のシール装置の一実施例を示す
拡大縦断面図、第4図(a)(b)はフィンセグメント
の寸法を示す図、、第5図はタービン負荷とシール部間
隙調整装置のまわりの圧力との関係を示す図、第6図お
よび第7図はタービン動翼部のシール部間隙調整装置の
作動を示す縦断面図、第8図はタービン負荷とフィンセ
グメントの移動量との関係を示す図、第9図はタービン
負荷とフィンセグメントの移動量および回転部と静止部
の変位差の関係を表わす線図、第10図および第11図は本
発明の変形例のタービン動翼部のシール部間隙調整装置
の作動を示す縦断面図、第12図および第13図は本発明の
変形例のタービン動翼部のシール部間隙調整装置の取付
け状態を示す縦断面図、第14図は第12図および第13図で
示した本発明の変形例にもとづくタービン負荷とフィン
セグメントの移動量との関係を示す線図、第15図は第13
図および第14図で示した本発明の変形例のタービン動翼
部のシール部間隙調整装置の作動を示す縦断面図、第16
図は本発明における蒸気の導入孔の変形例を示す縦断面
図、第17図は第16図のA−A線矢視図、第18図は本発明
の実施による効果を説明する図、第19図はタービンの一
部縦断上半部図、第20図は従来のタービンにおける固定
式シール部の構成を示す縦断面図、第21図は従来の可動
型シール装置を示す縦断面図である。 1……動翼、2……タービン車軸、5……ノズル外輪、
6……ノズル内輪、11……取付溝、12……シールフィ
ン、13……フィンセグメント、15……密閉室、18……取
付ボルト、20……内部室、21……環状室、23……導入
孔、25……外部室、30……凹溝、35……環状孔、36……
通孔。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タービンの回転部に対向させ周方向に配列
    された複数のシール用のフインセグメントを、それぞれ
    弾性復元力が伸縮自在なベローを介してタービンの静止
    部に装着し、このベローの内外に供給される作動流体の
    圧力差で前記各フインセグメントをタービンの半径方向
    に移動可能にしたタービンのシール部間隙調整装置にお
    いて、上記ベローを静止部に取付ける各取付ボルトに穿
    設され、上記ベロー内に開口する連通孔を、静止部に設
    けられた環状孔に通孔及び取付ボルトの外周に形成され
    た環状室を介して連通し、上記環状室の一つに静止部の
    上流側に連通する導入孔を連通させるとともに、上記静
    止部に設けられたフインセグメント取付溝の側壁部に周
    方向に延びる凹溝を形成し、その凹溝に、上記フインセ
    グメントの両端縁部をそのフインセグメントが所定範囲
    半径方向に移動可能に係合させたことを特徴とする、タ
    ービンのシール部間隙調整装置。
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