JPH0739560U - 装飾具の取付装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ハンドバック等の鞄類やブーツ等の靴類、又
は革製の衣服等の表面に各種の異なる装飾具を取付るこ
とを可能にし、それら物品の意匠を多種多様に変化させ
ることが可能な装飾具の取付装置を提供する。 【構成】 装飾具4側の一端に鍵部8を設け、またハンド
バック1側の面には着脱部3を取付けておく。着脱部3は
前記鍵部8に対応した鍵孔を有すると共に、その内部に
鍵部8が挿入されて所定角度だけ回転されたときに鍵部8
を弾発的にロックするロック機構を内蔵している。装飾
具4は鍵部8を着脱部3の鍵孔へ挿入して回転させること
で取付けられ、取付け状態から逆方向に回転させるだけ
で取り外すことができる。装飾具4の意匠を多数用意し
ておくことにより、ＴＰＯに応じてハンドバック1の全
体的意匠を変更することができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は装飾具の取付装置に係り、ハンドバック等の鞄類やブーツ等の靴類、 又は革製の衣服等の表面に各種の異なる装飾具を取付ることを可能にした装置に 関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来から、ハンドバック等の鞄類では、その表面に金属や樹脂等からなる装飾 具が施されていることが多く、当然に装飾具は意匠の一部として重要な意義を有 している。 そして、その装飾具はハンドバック等に対してネジ止めやカシメ付けや接着等 の手段で固定的に取付けられている。

【０００３】 従って、需要者がハンドバック等を購入する際には、装飾具を含む意匠全体を 見て趣向に合ったものを選択して購入するが、装飾具が前記のように固定的な取 付手段によって施されているため、一般的にはその変更が不可能である。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、最近では、消費者の趣向が多様化し、ハンドバック等についても多 種多様な意匠が施されたものが販売されているが、形状や色彩等の基本的な意匠 は気に入っているものの、装着されている装飾具が好ましくない印象を与えると 感じる場合が少なくない。

【０００５】 また、趣向にあったハンドバックを購入したが、基本的意匠はそのままで、所 謂ＴＰＯや衣装に合わせて装飾具を変化させたいと思うことがある。 特に、若年層向きのハンドバックでは装飾具の如何によって売行きが顕著に異 なる傾向があり、換言すれば、装飾具を自由に交換して恰も多数のハンドバック を所有しているかのように見せたいという潜在的な要求があるものと考えられる 。 更に、前記のように、装飾具によって趣向が大きく左右される問題や、装飾 具を変更させたいという要求は、単にハンドバック等の鞄類だけでなく、ブーツ 等の靴類や革製の衣服類等に関しても同様である。

【０００６】 そこで、本考案は、物品に対して装飾具を簡単な操作で自由に着脱できる取付 装置を提供し、もって前記の問題や要求に応えることを目的として創作された。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、装飾具に鍵部を連結構成しておき、一方、装飾対象となる物品の表 面に対して、装飾具側の前記鍵部を嵌入させる鍵孔を有すると共に、嵌入された 前記鍵部が所定角度だけ回転せしめられた状態で弾発的に前記鍵部をロックする 機構を内蔵した着脱部を装着し、前記物品に対して異なる装飾具を着脱自在に取 付けられるようにしたことを特徴とする装飾具の取付装置に係る。

【０００８】

【作用】

装飾具はその鍵部を着脱部側の鍵孔へ嵌入させ、鍵部を所定角度だけ回転させ ることにより着脱部に取付けられる。 鍵部は所定角度回転されると着脱部に内蔵されているロック機構で弾発的にロ ックされ、その状態では鍵部の自由な回転が拘束されると共に鍵孔が形成されて いる板部と鍵部が係合し、鍵部が抜け外れることはなく、装飾具は物品の表面に 安定的に取付けられる。

【０００９】 一方、装飾具を取り外す場合には、装飾具側の鍵部を前記と逆方向に回転させ ればよく(ロック機構がストッパーを有していない場合には同方向への回転であ ってもよい)、着脱部側のロック機構は弾発的にそのロック状態を解除させ、鍵 部が鍵孔に対応する位置まで回転せしめられた状態で鍵部を引き抜けば足りる。

【００１０】 尚、本考案における「装飾具」の概念には物品の機能要素であって装飾的な意匠 が施されるものも含む。例えば、鞄類であれば把手等も「装飾具」に含まれる。

【００１１】

【実施例】

以下、本考案の「装飾具の取付装置」の一実施例を図面を用いて詳細に説明する 。 先ず、図１はハンドバックに対して本考案を適用した場合の装飾具側と着脱 部側の対応関係を示す。 同図において、1は革製ハンドバックであり、その開閉部の前面側へ折り曲が る平板部分2に３個の金属製着脱部3が等間隔で取付けられている。 また、4は装飾具であり、その意匠は連珠部5と房部6で構成されていると共に 、連珠部5の一端が円盤状の装着板7の表面に取付けられている。 そして、装着板4の裏面には、本考案の一方の機素である鍵部8が装備されてい る。

【００１２】 前記の装飾具4と鍵部8の詳細は図２の(Ａ)[正面図]と(Ｂ)[側面図]と(Ｃ)[平 面図]に示される。 各図に示すように、装飾具4が取付けられている装着板7の裏面にはＵ字状の支 持部9が一体的に立設形成されており、そのＵ字状部分で鍵棒10の中央部分を揺 動自在に把持させている。 即ち、支持部9と鍵棒10を貫通するピン11が設けられており、円柱状の鍵棒10 が支持部9のＵ字状部分でピン11を中心に揺動できる態様で取付けられている。 尚、鍵棒10の両端部は球面状に形成されている。

【００１３】 一方、前記のハンドバック1側の着脱部3の構造は図３の(Ａ)[垂直断面図]と( Ｂ)[正面図]と(Ｃ)[水平断面図]に示される。尚、図３において(Ａ)は(Ｂ)にお けるＹ-Ｙ矢視断面であり、(Ｃ)は(Ａ)におけるＸ-Ｘ矢視断面に相当する。 先ず、着脱部3は、円盤状の取付け面板12,13と、表面側に装着されるキャップ 部14と、キャップ部14の内部に構成されるロック機構とから構成されている。

【００１４】 ここに、キャップ部14の正面板部分には前記の鍵部8が嵌入する鍵孔15が形成 されている。即ち、鍵部8を構成している支持部9と鍵棒10を正面から見た場合[ 図２の(Ａ)に相当]の形状に対応した孔15が形成されており、鍵部8がその孔15に 内嵌してキャップ部14の内部へ差し込めるようになっている。 また、キャップ部14に内蔵されたロック機構は、前記の鍵部8をキャップ部14 に差し込んで回動させる場合に、その９０°回動分の領域16a,16bに空間を構成 すると共にその回動角範囲で鍵部8に対するストッパーの役割を果たす内蔵ブロ ック17と、内蔵ブロック17における前記領域16a,16bの内周面に取付けられてお り、内向きに小突起18a,18bを突出させた板バネ19a,19bとからなる。

【００１５】 そして、ハンドバック1の平板部分2を取付け面板12,13で挾んだ状態で、予め 取付け面板12,13とハンドバック1の平板部分2に穿設されている孔にネジを貫通 させ、内蔵ブロック17に形成されているネジ孔20a,20bを利用して取付け面板12 と内蔵ブロック17をネジで螺着し、ハンドバック1の平板部分2と取付け面板13を 挾圧した状態で着脱部3を取付ける。 また、内蔵ブロック17に形成されているネジ孔20a,20bは内蔵ブロック17に対 してキャップ部14を取付けるためにも利用されており、キャップ部14は内蔵ブロ ック14に対して皿ネジ21a,21bで螺着されている。

【００１６】 以上に説明した装飾具4側の鍵部8及びハンドバック1側の着脱部3の構造におい て、図１に示すように鍵部8を着脱部3へ取り付ける際には、先ず鍵部8の支持部9 と鍵棒10を着脱部3側の鍵孔15へ挿入して回転させる。 すると、キャップ部14の内部において、鍵棒10は内蔵ブロック17との関係で図 ３(Ｃ)の実線で示すような位置に嵌装された後に回転せしめられることになり、 ９０°回転された状態で図３(Ｃ)の点線で示すように内蔵ブロック17の壁面に当 接して停止する。

【００１７】 そして、その回転過程において、鍵棒10の両端部分は板バネ19a,19bの突起部1 8a,18bに接触するが、回転力によって突起部18a,18bを押圧し、板バネ19a,19bを 撓ませて９０°回転位置に達した段階で停止するが、前記の突起部18a,18bは鍵 棒10の両端部分をその停止位置に係止させる。 その結果、鍵部8が着脱部3の内部で固定され、図４に示すように装飾具4が装 着板7を接合させてハンドバック1側の着脱部3に取付けられた状態となり、鍵部8 は軽い回転トルクでは前記の停止位置から回転しないため、鍵部8とキャップ部1 4が係合して装飾具4はハンドバック1側から容易に外れない状態となる。

【００１８】 一方、装飾具4を取り外す場合には、鍵部8を前記と逆方向に回転させる。 その場合、鍵棒10の両端部分は板バネ19a,19bの突起部18a,18bを押圧して前記 の係止状態から解除され、更に回転せしめられて元の差し込み位置[図３(Ｃ)の 実線位置]まで回転すると内蔵ブロック17の壁面に当接して停止し、その状態で 引き抜かれるとキャップ部14の鍵穴15を通じて鍵部8を取り外すことができる。

【００１９】 以上のように、本実施例では、ハンドバック1に対して図５(Ａ)に示すような 態様で装飾具4を施す場合を例にとって説明したが、図１に示したようにハンド バック1には着脱部3が３個装着されているため、装飾具の意匠を工夫することに よってハンドバック1全体の意匠を趣きが異なる各種の態様に変化させることが できる。 例えば、２個の着脱部3を利用して、２個の鍵部8の間に鎖類や連珠等からなる 装飾具を構成してハンドバック1へ取付けた場合には図５(Ｂ)〜(Ｃ)のような全 体的意匠を構成することができ、また鍵部8にブローチ類を取付けておくと図５( Ｅ)〜図(Ｇ)のような全体的意匠を構成させることができる。 その場合、前記の実施例で説明したように、鍵部8は一定の角度で着脱部3へ固 定されるため、取付けた際に一定の方向性が要求される装飾具[例えば、図５(Ｆ )や図５(Ｇ)]も、装飾具と鍵部8の角度を適当に設定しておけば、装飾具を所望 の角度でハンドバック1へ取付けることができる。

【００２０】 従って、１個のハンドバック1を基本意匠として、各種の装飾具を用意してお くことにより、多種多様な趣きを有した意匠に見せて携帯することが可能になり 、その利用目的を大きく拡大することができる。 尚、本実施例では、着脱部3を図３に示した構造で構成し、板バネ19a,19bの突 起部18a,18bを鍵棒10に対する係止要素としたロック機構を採用しているが、そ の機能が実現できる限りにおいて、他の慣用手段を適用してもよい。また、装飾 具4側の鍵部8の構成に関しても、図２の構造に限定されるものではなく、要する に着脱部3側に嵌入・掛止される鍵機能としての構成を有していれば足りる。

【００２１】

【考案の効果】

本考案の装飾具の取付装置は、以上の構成を有していることにより、物品に対 して極めて簡単な操作で各種の装飾具を着脱できるようにし、物品の全体的意匠 を多種多様な趣きで見せることを可能にする。 特に、鞄類や靴類や革製の衣装等に適用することにより、それらの全体的意匠 をＴＰＯに応じて変化させることができ、その利用態様を拡大する。 また、基本的な意匠を施した物品とその装飾具を別売することにより、需要者 の多種多様な趣向に応えることができ、需要者の選択自由度を大きくするという 利点も有している。

【図面の簡単な説明】

【図１】ハンドバックに対して本考案の「装飾具の取付
装置」を適用した場合の装飾具側と着脱部側の対応関係
を示す外観斜視図である。

【図２】装飾具と鍵部の詳細構造を示す図［(Ａ);正面
図,(Ｂ);側面図,(Ｃ);平面図］である。

【図３】着脱部の詳細構造図[(Ａ);垂直断面図,(Ｂ);正
面図,(Ｃ);水平断面図]である。但し、(Ａ)は(Ｂ)にお
けるＹ-Ｙ矢視断面、(Ｃ)は(Ａ)におけるＸ-Ｘ矢視断面
に相当する。

【図４】着脱部に装飾具が取付けられた状態を示す側面
図である。

【図５】ハンドバックに各種の装飾具を取付けた場合に
おけるハンドバック本体の正面側意匠を示す図である。

【符号の説明】

1…ハンドバック、2…ハンドバックの開閉部の平板部
分、3…着脱部、4…装飾具、5…連珠部、6…房部、7…
装着板、8…鍵部、9…支持部、10…鍵棒、11…ピン、1
2,13…取付け面板、14…キャップ部、15…鍵孔、16a,16
b…鍵部の回動領域、17…内蔵ブロック、18a,18b…突起
部、19a,19b…板バネ、20a,20b…ネジ孔、21a,21b…皿
ネジ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 装飾具に鍵部を連結構成しておき、一
   方、装飾対象となる物品の表面に対して、装飾具側の前
   記鍵部を嵌入させる鍵孔を有すると共に、嵌入された前
   記鍵部が所定角度だけ回転せしめられた状態で弾発的に
   前記鍵部をロックする機構を内蔵した着脱部を装着し、
   前記物品に対して異なる装飾具を着脱自在に取付けられ
   るようにしたことを特徴とする装飾具の取付装置。