JPH0739322U - 施肥機，播種機または施肥播種機における線引きマー ク装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】線引きマーク装置の操作性を向上する。 【構成】機枠の両側部に左右の線引きマーカー２の基部
をそれぞれ支軸により左右回動可能に枢着して該線引き
マーカー２の内側位置に受金を固設し、その左右の線引
きマーカー２の中間部と受金の間に正逆回転の直流モー
タとロツド付きシリンダより成る電動シリンダａ１を介
装し、トラクタＡの運転席１６の近傍には左右の線引き
マーカー２を互いに反対に起倒させる第１切替スイツチ
１７、および左右の線引きマーカー２の起倒作動側と起
立収納側に切替える第２切替スイツチ１８を設けた制御
盤１９を設置し、電動シリンダａ１の直流モータ制御盤
１９および電源２０の間に電気回路を形成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、施肥機，播種機または施肥播種機の左右の線引きマーカーの作業時 における起倒と、道路運行時における収納を作業者がトラクタの運転席に座乗し たまま行うことができる施肥機，播種機または施肥播種機における線引きマーク 装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

施肥機，播種機または施肥播種機の線引きマーク作業は、圃場端で機械を旋回 させるたびに左右の線引きマーカーの起倒操作を繰返して行わなければならない 。

【０００３】 そこで、従来のこの種の施肥機，播種機または施肥播種機における線引きマー ク装置は、機枠の両側部に線引きマーカーをそれぞれ起倒可能に支軸により枢着 してその左右の線引きマーカーをワイヤにより連結し、トラクタの運転席の近傍 に設けた左右操作レバーに上記ワイヤの中央部を連結する。

【０００４】 そして、人手によつて操作レバーを左方へ操作すれば、ワイヤを介して左側の 線引きマーカーが自重により倒伏すると共に右側の線引きマーカーが起立し、上 記と反対に操作レバーを右方へ操作すると、ワイヤを介して左側の線引きマーカ ーが起立すると共に右側の線引きマーカーが自重により倒伏するように構成して いる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来の施肥機，播種機または施肥播種機における線引きマーク装置は、

【０００６】 （１） 線引きマーカーを自重によつて倒伏させるから、その線引きマーカー の起立を垂直近くまで行うと次回に線引きマーカーを倒伏させるときに自動的に 倒伏しなくなる。

【０００７】 そのために、線引きマーカーの起立角度を線引きマーカーが自重によつて倒伏 可能なるように適宜小さくしなければならないから、線引きマーカーが側方へ突 出して作業および道路運行時に邪魔になる。

【０００８】 （２） 左右の線引きマーカーの起倒を切替えるとき、作業者が手を伸ばして レバーを操作しなければならないため、

【０００９】 （イ） 操作し難くて作業上不便である。

【００１０】 （ロ） 大きな力を要して作業者の疲労が大である。

【００１１】 （３） 機械の道路運行時には、作業者が運転席から降り、倒伏している一側 の線引きマーカーを人手により垂直近くまで持上げて固定し、また、起立してい る他側の線引きマーカーも人手により固定して左右の線引きマーカーを収納しな ければならない。

【００１２】 （４） 作業再開のときには、人手によつて上記と反対に左右の線引きマーカ ーの固定を解いた後、一側の線引きマーカーを倒伏させなければならないから、 その操作に労力を要し手間が掛つて作業性が悪い点である。

【００１３】

【課題を解決するための手段】

本考案は、作業者がトラクタの運転席に座乗したまま、その運転席の近傍の制 御盤の切替スイツチを操作するだけで、任意に両側の線引きマーカーの起倒およ び収納を行うことができ、操作が簡易で取扱い易く、作業性を向上して作業者の 疲労を減少し、且つ、左右の線引きマーカーの起立を垂直近くまでなし得て起立 した線引きマーカーが邪魔にならないようにする施肥機，播種機または施肥播種 機における線引きマーク装置を提供することを目的とする。

【００１４】 すなわち、機枠（１）の両側部に左右の線引きマーカー（２）の基部をそれぞ れ支軸（３）により左右回動可能に枢着して該線引きマーカー（２）の内側位置 に受金（４）を固設し、伝動筐（５）の一側に正逆回転の直流モータ（６ａ）ま たは（６ｂ）とシリンダ（７）を並設してそのシリンダ（７）内に摺動のみ自在 に嵌合したロツド（８）のねじ孔（９）にはシリンダ（７）の基端板（１０）に 回転のみ自在に嵌着したねじ軸（１１）を螺合し、直流モータ（６ａ）または（ ６ｂ）のモータ軸（１２）およびねじ軸（１１）の伝動筐（５）内突入部を伝動 機構（１３）により連結して成る左右の電動シリンダ（ａ１），（ａ２）の基部 を受金（４）に、ロツド（８）の先端部を線引きマーカー（２）の中間部にピン （１４），（１５）によりそれぞれ枢着し、トラクタ（Ａ）の運転席（１６）の 近傍には左右の線引きマーカー（２）を互いに反対に起倒させる第１切替スイツ チ（１７）、および左右の線引きマーカー（２）の起倒作動側と起立収納側に切 替える第２切替スイツチ（１８）を設けた制御盤（１９）を設置し、左右の電動 シリンダ（ａ１），（ａ２）の直流モータ（６ａ），（６ｂ），制御盤（１９） および電源（２０）の間に電気回路（２１）を形成して施肥機，播種機または施 肥播種機における線引きマーク装置を構成し、作業者がトラクタの運転席に座乗 したまま、その運転席の近傍の制御盤の切替スイツチを操作するだけで、任意に 両側の線引きマーカーの起倒および収納を行うことができ、操作が簡易で取扱い 易く、作業性を向上して作業者の疲労を減少し、且つ、左右の線引きマーカーの 起立を垂直近くまでなし得て起立した線引きマーカーが邪魔にならないようにす る目的を、機枠両側の起倒可能な左右の線引きマーカーと受金の間にそれぞれ電 動シリンダを介装してトラクタの運転席の近傍に設置する第１切替スイツチおよ び第２切替スイツチを備えた制御盤，上記左右の電動シリンダおよび電源の間に 電気回路を形成し、作業者が任意に制御盤の第１切替スイツチおよび第２切替ス イツチを操作すると、各別に左右の電動シリンダが電気的に作動して左右の線引 きマーカーの起倒および収納が行われるようにしたことにより実現した。

【００１５】

【実施例】 図面は、本考案の一実施例を示し、その構成を図面について説明すれば、（Ａ ）はトラクタを示し、（２２）はその車体、（１６）は運転席、（１９）は運転 席（１６）の近傍において車体（２２）上に設置した制御盤で、交互に左右に倒 伏する第１切替スイツチ（１７）と第２切替スイツチ（１８）を設ける。（２０ ）は車体（２２）上に搭載したバツテリの電源である。

【００１６】 （Ｂ）はトラクタ（Ａ）の後方に連結した多条施肥播種機を示し、（１）はそ の機枠、（ｂ）は機枠（１）の前部上に左右方向に４個並設した施肥機、（２３ ）はその肥料タンク、（２４）は施肥用溝切器である。

【００１７】 （ｃ）は各施肥機（ｂ）の後方にそれぞれ配設した播種機、（２５）はその種 子タンク、（２６）は両側の車輪で、その車軸（２７）と施肥機（ｂ）および播 種機（ｃ）の駆動軸とを無段変速機（２８），（２９）を介装したチエン伝動機 構（３０）により連結する。（３１）は両側覆土円盤、（３２）は鎮圧ローラで ある。

【００１８】 （２）は機枠（１）の両側部に設ける左右の鉤形の線引きマーカーで、その基 部を支軸（３）により機枠（１）に左右回動可能に枢着する。（４）は線引きマ ーカー（２）の内側位置において機枠（１）上に固設した受金である。

【００１９】 （ａ１），（ａ２）は左右の電動シリンダを示し、（５）はその伝動筐で、該 伝動筐（５）の一側に正逆回転の直流モータ（６ａ）または（６ｂ）とシリンダ （７）を上下に並設して他側に突片（３３）を設ける。

【００２０】 （８）はシリンダ（７）内に摺動のみ自在に嵌合したロツドで、該ロツド（８ ）のねじ孔（９）にはシリンダ（７）の基端板（１０）に回転のみ自在に嵌着し たアクメねじ軸（１１）を螺合し、直流モータ（６ａ）または（６ｂ）のモータ 軸（１２）とアクメねじ軸（１１）の伝動筐（５）内突入部を減速歯車伝動機構 （１３）により連結して電動シリンダ（ａ１）および（ａ２）を構成する。

【００２１】 そして、電動シリンダ（ａ１），（ａ２）を両側の受金（４）と線引きマーカ ー（２）の間にそれぞれ配置してその伝動筐（５）の突片（３３）を受金（４） にピン（１４）により枢着し、ロツド（８）の先端部は線引きマーカー（２）の 中間部にボルト（３４）により枢支した接続金（３５）にピン（１５）により枢 着する。

【００２２】 また、電動シリンダ（ａ１），（ａ２）の直流モータ（６ａ），（６ｂ），制 御盤（１９）および電源（２０）の間に電気回路（２０）を形成する。（３６） は機枠（１）の両側端部の前面に突設した線引きマーカー（２）のストツパーで ある。

【００２３】 その作用を説明する。

【００２４】 肥料タンク（２３）内に肥料を、種子タンク（２５）内に種子をそれぞれ投入 し、トラクタ（Ａ）の運転を開始して機械を前進させると、車輪（２６）および 鎮圧ローラ（３２）が接地回転すると共に、溝切器（２４）および両側覆土円盤 （３１）が適度に土中に喰込んで接地回転し、その車輪（２６）の車軸（２７） より伝動機構（３０）および無段変速機（２８），（２９）を介して施肥機（ｂ ）および播種機（ｃ）の駆動軸に伝動される。

【００２５】 従つて、順次、肥料タンク（２３）内の肥料が作溝器（２４）で作つた施肥溝 内に落下して施肥され、その施肥された肥料上に種子タンク（２５）内の種子が 落下して播種され、その後、後続の両側覆土円盤（３１）によつて上記施肥溝上 に覆土し、その覆土上を鎮圧ローラ（３２）により鎮圧して施肥播種作業が行わ れる。

【００２６】 その際、機械の左側の線引きマークを行う場合には、両側の線引きマーカー（ ２）が図６に示すように起立して収納された状態より、制御盤（１９）の第１切 替スイツチ（１７）および第２切替スイツチ（１８）を図９および図１０の実線 で示すように左へ操作すれば、電動シリンダ（ａ１）の直流モータ（６ａ）のモ ータ軸（１２）が逆回転し、該モータ軸（１２）より伝動機構（１３）を介しね じ軸（１１）が逆回転してロツド（８）が前進するから、電動シリンダ（ａ１） がピン（１４）を軸として下方へ回動しながら線引きマーカー（２）が支軸（３ ）を軸として下方へ回動しストツパー（３６）に当つて静止し、図７に示すよう に左側の線引きマーカー（２）が倒伏して該線引きマーカー（２）により土上に 線引きマークする。

【００２７】 その後、機械の右側の線引きマークを行う場合には、第２切替スイツチ（１８ ）を上記の左へ操作した状態のまま第１切替スイツチ（１７）を右へ操作すると 、該第１切替スイツチ（１７）が図１０に鎖線で示す状態となり、電動シリンダ （ａ１）の直流モータ（６ａ）のモータ軸（１２）が正回転して電動シリンダ（ ａ２）の直流モータ（６ｂ）のモータ軸（１２）が逆回転するから、その電動シ リンダ（ａ１）および左側の線引きマーカー（２）が上記と反対に作動し起立し て収納されると共に、電動シリンダ（ａ２）および右側の線引きマーカー（２） が上記と同様に作動して該線引きマーカー（２）は倒伏し、左右の線引きマーカ ー（２）は図８に示す状態となつてその右側の線引きマーカー（２）により土上 に線引きマークする。

【００２８】 機械の道路運行時には、両側の線引きマーカー（２）が図８に示す上記状態か ら、第２切替スイツチ（１８）を右へ操作すれば、左側の線引きマーカー（２） が上記の収納された状態のまま、電動シリンダ（ａ２）の直流モータ（６ｂ）の モータ軸（１２）が正回転するから、その電動シリンダ（ａ２）および右側の線 引きマーカー（２）が上記と反対に作動して該線引きマーカー（２）は起立し、 左右の線引きマーカー（２）は図６に示す状態となつて収納される。

【００２９】 なお、上記接続金（３５）を設けることなく、シリンダ（７）のロツド（８） の先端部をピン（１５）によつて線引きマーカー（２）の中間部に枢着してもよ い。

【００３０】 本装置は、施肥機または播種機の機枠に設けても、上記と同様に作用する。

【００３１】

【考案の効果】

本考案の施肥機，播種機または施肥播種機における線引きマーク装置は、下記 のような利点がある。

【００３２】 （１） 第１切替スイツチおよび第２切替スイツチを備えた制御盤をトラクタ の運転席の近傍に設置し、該トラクタに連結した施肥機，播種機または施肥播種 機の機枠の両側部の受金と線引きマーカーの間に電動シリンダをそれぞれ介装し 、その制御盤，左右の電動シリンダの直流モータおよび電源の間に電気回路を形 成して制御盤の第１切替スイツチにより左右の線引きマーカーを互いに反対に起 倒させ、第２切替スイツチにより左右の線引きマーカーの起倒作動側と起立収納 側の切替えを行う。従つて、

【００３３】 （イ） 作業者がトラクタに座乗したまま制御盤の切替スイツチを適宜に操作 するだけで任意に両側の線引きマーカーの起倒および収納を電気的に行うことが でき、労力を要することなく、容易安楽に操作して作業性を向上する。

【００３４】 （ロ） 線引きマーカーは電動シリンダによつて強制的に起倒および収納され るため、線引きマーカーを垂直近くまで起立させて収納することができ、収納し た線引きマーカーが作業および道路運行時の邪魔にならなく、運転し易くて安全 上有益である。

【００３５】 （ハ） 線引きマーカーの作動は円滑適確である。

【００３６】 （ニ） 作業中における左右の線引きマーカーの起倒の切替えは第１切替スイ ツチの操作だけであるから、取扱上便利である。

【００３７】 （２） 構造は簡単で、容易安価に製作できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係る多条施肥播種機をトラ
クタの後方に連結した状態の側面図である。

【図２】その多条施肥播種機の正面図である。

【図３】その左側の線引きマーカー支持部の拡大正面図
である。

【図４】同上展開平面図である。

【図５】電動シリンダの拡大正断面図である。

【図６】両側の線引きマーカーを収納した状態の要部の
正面図で、中間部を切欠して示す。

【図７】左側の線引きマーカーを倒伏させた状態の要部
の正面図で、中間部を切欠して示す。

【図８】右側の線引きマーカーを倒伏させた状態の要部
の正面図で、中間部を切欠して示す。

【図９】制御盤の拡大平面図である。

【図１０】電気回路図である。

【符号の説明】

Ａ トラクタ Ｂ 多条施肥播種機 ａ１，ａ２ 電動シリンダ ｂ 施肥機 ｃ 播種機 １ 機枠 ２ 線引きマーカー ３ 支軸 ４ 受金 ５ 伝動筐 ６ａ，６ｂ 直流モータ ７ シリンダ ８ ロツド ９ ねじ孔 １０ 基端板 １１ ねじ軸 １２ モータ軸 １３ 伝動機構 １４ ピン １５ ピン １６ 運転席 １７ 第１切替スイツチ １８ 第２切替スイツチ １９ 制御盤 ２０ 電源 ２１ 電気回路 ２２ 車体 ２３ 肥料タンク ２４ 施肥用溝切器 ２５ 種子タンク ２６ 車輪 ２７ 車軸 ２８ 無段変速機 ２９ 無段変速機 ３０ チエン伝動機構 ３１ 両側覆土円盤 ３２ 鎮圧ローラ ３３ 突片 ３４ ボルト ３５ 接続金 ３６ ストツパー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 機枠の両側部に左右の線引きマーカーの
   基部をそれぞれ支軸により左右回動可能に枢着して該線
   引きマーカーの内側位置に受金を固設し、伝動筐の一側
   に正逆回転の直流モータとシリンダを並設してそのシリ
   ンダ内に摺動のみ自在に嵌合したロツドのねじ孔には該
   シリンダの基端板に回転のみ自在に嵌着したねじ軸を螺
   合し、上記直流モータのモータ軸および上記ねじ軸の上
   記伝動筐内突入部を伝動機構により連結して成る左右の
   電動シリンダの基部を上記受金に、ロツドの先端部を上
   記線引きマーカーの中間部にピンによりそれぞれ枢着
   し、トラクタの運転席の近傍には上記左右の線引きマー
   カーを互いに反対に起倒させる第１切替スイツチ、およ
   び上記左右の線引きマーカーの起倒作動側と起立収納側
   に切替える第２切替スイツチを設けた制御盤を設置し、
   上記左右の電動シリンダの直流モータ，制御盤および電
   源の間に電気回路を形成してなる施肥機，播種機または
   施肥播種機における線引きマーク装置。