JPH0739028U - 液晶表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 バックライトとしてＥＬを用いてＬＣＤと一
体型とした液晶表示装置であって、組立時の作業性改善
とともに、製品の薄型化を可能とする。 【構成】 液晶物質１８を封止してなるＬＣＤ部１０の
背面側のフィルム基板と、ＥＬ発光物質２６を封止して
なるＥＬ部２０の封止フィルム２１の表面側部分とを、
共通の分離基板１１で形成する。さらに、この分離基板
１１の表裏面の一面側にＬＣＤ用の透明電極１３を、他
面側にＥＬ用の透明電極２４をそれぞれ形成する。そし
て、この分離基板１１を含んでその表裏面の一面側にＬ
ＣＤ部１０を、他面側にＥＬ部２０をそれぞれ構成して
一体化する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、液晶表示パネル（ＬＣＤ）のバックライトにエレクトロルミネセン ス（ＥＬ）を用いた一体型の液晶表示装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

近年、表示装置として液晶を用いた液晶テレビ等が実用化されている。液晶は 薄型、軽量で低消費電力のため、携帯用に適している。しかし、液晶は受光型素 子のため、照明用のバックライトが必要である。しかして、従来、バックライト として蛍光管を使用しているが、蛍光管は円筒形をしているため、発光が蛍光管 部のみとなり、液晶表示画面全体に均一な光が行き渡らない。

【０００３】 そこで、光が均一に液晶表示画面全域に行き渡るようにするため、反射ケース と反射シートを設けて、蛍光管から発する線光源を全体に行き渡るようにした直 下方式のバックライトがある。また、透明導光体の側端面に直管形の蛍光管を配 置し、導光体内部の多重反射を利用して一面側を面光源とするエッジライト方式 のバックライトもある。

【０００４】 さらに、最近、薄型・軽量の面光源でフレキシビリティがあるなど構造的にも 液晶表示用バックライトとして優れているエレクトロルミネセンス（ＥＬ：Ｅｌ ｅｃｔｒｏｌｕｍｉｎｅｓｃｅｎｃｅ、以下、ＥＬと呼ぶ）が使用されるに至っ ている。このようなＥＬをバックライトとして用いた液晶表示装置の一例を図３ に示している。

【０００５】 図３において、３０は液晶表示パネル（ＬＣＤ：Ｌｉｑｕｉｄ Ｃｒｙｓｔａ ｌ Ｄｉｓｐｌａｙ、以下、ＬＣＤと呼ぶ）部、４０はＥＬ部である。ＬＣＤ部 ３０は、上下の透明フィルム基板３１，３２、透明電極３３，３４、配向膜３５ ，３６間に、シール材３７，３７により液晶物質３８を封止してなるもので、３ ９は下電極端子部である。

【０００６】 ＥＬ部４０は、封止フィルム４１内において、その背面側の背面電極４２およ び絶縁物質４３と表面側の透明電極４４間に、シール材４５によりＥＬ発光物質 ４６を封止してなるもので、４７は下電極端子部、４８は上電極端子部である。 このＥＬ部４０は、両電極端子部４７，４８から背面電極４２および透明電極４ ４に交流電圧を印加することにより、ＥＬ発光物質４６を発光させて点灯するも のである。

【０００７】 このようなＬＣＤ部３０およびＥＬ部４０において、一体型のものにする場合 、これらＬＣＤ部３０およびＥＬ部４０を互いに貼り付けて構成することが従来 考えられていた。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】

このように、従来考えられるＥＬバックライト一体型ＬＣＤは、ＬＣＤ部３０ とＥＬ部４０が独立して存在し、これらＬＣＤ部３０およびＥＬ部４０を互いに 貼り付けて一体化させるため、作業工数が増加し、製品が厚型化する等の欠点が あった。

【０００９】 そこで、本考案の目的は、組立時の作業性改善とともに、製品の薄型化を可能 としたＥＬバックライト一体型の液晶表示装置を提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

以上の課題を解決すべく本考案は、液晶物質を表裏のフィルム基板間に封止し てなるＬＣＤの背面側に配置するバックライトを、ＥＬ発光物質を封止フィルム 内に封止してなるＥＬで構成した液晶表示装置において、前記ＬＣＤの背面側の 前記フィルム基板と前記ＥＬの前記封止フィルムの表面側部分とを共通の分離基 板で形成し、この分離基板を含んでその表裏面の一面側に前記ＬＣＤを、他面側 に前記ＥＬをそれぞれ構成して一体化したことを特徴としている。

【００１１】 なお、前記分離基板の表裏面の一面側に前記ＬＣＤ用の透明電極を、他面側に 前記ＥＬ用の透明電極をそれぞれ形成したことも特徴としている。

【００１２】

【作用】

ＬＣＤの背面側のフィルム基板とＥＬの封止フィルムの表面側部分とを共通の 分離基板で形成したので、この分離基板の表裏面の一面側にＬＣＤ用の透明電極 を、他面側にＥＬ用の透明電極をそれぞれ形成することにより、この分離基板を 含んでその表裏面の一面側にＬＣＤを、他面側にＥＬをそれぞれ構成して一体化 できる。

【００１３】 これにより、従来考えられるＥＬバックライト一体型ＬＣＤのように、互いに 独立して存在するＬＣＤ部およびＥＬ部を貼り付ける必要がなく、構成が簡略化 し、従って、作業工数の削減、製品の薄型化が可能となる。

【００１４】

【実施例】

以下に、本考案に係る液晶表示装置の実施例を図１および図２に基づいて説明 する。

【００１５】 先ず、図１は本考案を適用した一例としてのＥＬバックライト一体型の液晶表 示装置を示すもので、１０はＬＣＤ部、２０はＥＬ部である。ＬＣＤ部１０およ びＥＬ部２０は、透明フィルムによる共通の分離基板１１を境界部として、表裏 一体構造の関係となっている。

【００１６】 ＬＣＤ部１０は、裏面側の分離基板１１と表面側の透明フィルム基板１２の対 向面にＬＣＤ用透明電極１３，１４をそれぞれ形成して、その内側面に配向膜１ ５，１６をそれぞれ貼り合わせて、さらに、その間にシール材１７，１７，…に より液晶物質１８を封止してなる。また、分離基板１１の端面方向に延設した突 出部上面には、前記ＬＣＤ用透明電極１３からのＬＣＤ下電極端子部１９が形成 されている。

【００１７】 ＥＬ部２０は、裏面側の封止フィルム２１と表面側の分離基板１１の対向面に ＥＬ用背面電極２２およびＥＬ用透明電極２４をそれぞれ形成して、その封止フ ィルム２１の内側面に絶縁物質２３を印刷により係止して、さらに、その間にシ ール材２５，２５，…によりＥＬ発光物質２６を封止してなる。また、絶縁物質 ２３の端面方向に延設した突出部上面には、前記ＥＬ用背面電極からのＥＬ下電 極端子部２７が形成されている。そして、分離基板１１の端面方向に延設した突 出部下面には、前記ＥＬ用透明電極２４からのＥＬ上電極端子部２８が形成され ている。

【００１８】 以上により、ＬＣＤ部１０の背面側フィルム基板とＥＬ部２０の封止フィルム ２１の表面側部分とを透明フィルムによる共通の分離基板１１で形成して、この 分離基板１１を境界部とするＥＬバックライト一体型の液晶表示装置２９を構成 する。

【００１９】 ここで、封止フィルム２１は、三フッ化塩化エチレンフィルムとポリエチレン との重合物からなり、ＥＬ部２０の周縁を熱圧着することにより、内部にＥＬ発 光物質２６を密封する。ＥＬ用背面電極２２は、アルミ箔等からなる不透明性の 金属箔を用い、ＥＬ発光を効率良くＬＣＤ１０部側に反射させる機能を持つもの である。絶縁物質２３は、高誘電率を有する材料を用い、例えば、シアノエチル セルローズにチタン酸バリウムを混合したものを、背面電極２２上にスクリーン 印刷後、乾燥させて形成する。ＥＬ発光物質２６は、シアノエチルセルローズに 硫化亜鉛を分散させたものを、絶縁物質２３上にスクリーン印刷し、乾燥してな る発光層である。ＥＬ下電極端子部２７は、銅もしくはアルミニウムの箔片を用 い、背面電極２２との接続には、導電性ペースト等の導電物質を用いて、双方を 圧着することによって導通を図る。

【００２０】 以上において、分離基板１１としては、水分の不浸透性を持つ透明性の高分子 フィルムを用い、例えば、ＰＥＳ（ポリエーテルサルフォン）のような材料を用 いている。このような透明フィルムによる分離基板１１は、ＬＣＤ部１０の配向 膜１５に面した側（上面側）に、ＩＴＯ（Ｉｎｄｉｕｍ Ｔｉｎ Ｏｘｉｄｅ） 等によるＬＣＤ用透明電極１３を形成して、他方のＥＬ部２０に面した側（下面 側）にも、同様にＩＴＯ等を用いたＥＬ用透明電極２４を形成している。

【００２１】 次に、図２は以上のＥＬバックライト一体型の液晶表示装置２９の回路基板１ との接続例を示したもので、２はＥＬ用電源回路素子、３はＬＣＤ下電極駆動素 子、４はＬＣＤ上電極駆動素子、５はＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ Ｐｒｏｃｅｓｓ ｉｎｇ Ｕｎｉｔ）素子、６，７，８，９は接続用ＦＰＣ（Ｆｌｅｘｉｂｌｅ Ｐｒｉｎｔｅｄ Ｃｉｒｃｕｉｔ）である。図示のように、回路基板１上には、 ＥＬ用電源回路素子２、ＬＣＤ下電極駆動素子３、ＬＣＤ上電極駆動素子４、Ｃ ＰＵ素子５が搭載されている。

【００２２】 先ず、ＬＣＤ部１０の表示駆動をするためには、図示しないＬＣＤ上電極端子 部にＬＣＤ上電極駆動回路接続用ＦＰＣ６を、前記ＬＣＤ下電極端子部１９にＬ ＣＤ下電極駆動回路接続用ＦＰＣ７を、それぞれ異方導電性接着剤を介して接続 する。そして、これらＬＣＤ上電極駆動回路接続用ＦＰＣ６およびＬＣＤ下電極 駆動回路接続用ＦＰＣ７を、ＥＬ用電源回路素子２、ＬＣＤ下電極駆動素子３、 ＬＣＤ上電極駆動素子４、ＣＰＵ素子５を搭載した回路基板１にそれぞれ接続し ている。ＬＣＤ部１０は、ＬＣＤ下電極駆動素子３とＬＣＤ上電極駆動素子４か ら出力される駆動信号によって表示する。

【００２３】 また、ＥＬ部２０の点灯駆動をするためには、ＥＬ上電極端子部２８にＥＬ上 電極接続用ＦＰＣ８を、ＥＬ下電極端子部２７にＥＬ下電極接続用ＦＰＣ９を、 それぞれ異方導電性接着剤を介して接続する。そして、これらＥＬ上電極接続用 ＦＰＣ８およびＥＬ下電極接続用ＦＰＣ９を、回路基板１上にそれぞれ接続して いる。

【００２４】 この回路基板１に搭載されているＥＬ用電源回路素子２は、直流電圧を交流電 圧に変換するインバーター機能を有している。このＥＬ用電源回路素子２は、図 示しない電池からの直流電圧を受け、交流電圧を発生した後、前記ＥＬ上電極接 続用ＦＰＣ８およびＥＬ下電極接続用ＦＰＣ９を介して、ＥＬ部２０の両電極２ ２，２４に交流電圧を印加することによって、ＥＬ発光物質２６を発光させ、Ｅ Ｌ部２０を点灯させる。

【００２５】 以上の通り、ＥＬバックライト一体型の液晶表示装置２９によれば、ＬＣＤ部 １０とＥＬ部２０の境界層を透明フィルムによる分離基板１１で形成して、この 分離基板１１の表裏面をＬＣＤ用透明電極１３およびＥＬ用透明電極２４として 使用することにより、従来考えられたものより構成の簡略化が可能であり、組立 の作業工数の削減、製品の薄型化が可能となる。

【００２６】 なお、以上の実施例においては、ＥＬバックライト一体型ＬＣＤを接続用ＦＰ Ｃにより回路基板に接続する構成としたが、これに代えて、例えば、ＴＡＢ（Ｔ ａｐｅ Ａｕｔｏｍａｔｅｄ Ｂｏｎｄｉｎｇ）方式によるテープキャリアを用 いてもよい。また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であ ることは勿論である。

【００２７】

【考案の効果】

以上のように、本考案に係る液晶表示装置によれば、ＬＣＤの背面側のフィル ム基板とＥＬの封止フィルムの表面側部分とを共通の分離基板で形成したため、 請求項２記載のように、この分離基板の表裏面の一面側にＬＣＤ用の透明電極を 、他面側にＥＬ用の透明電極をそれぞれ形成することにより、この分離基板を含 んでその表裏面の一面側にＬＣＤを、他面側にＥＬをそれぞれ構成して、ＥＬバ ックライト一体化ＬＣＤを得ることができる。

【００２８】 従って、従来のように、互いに独立して存在するＬＣＤ部およびＥＬ部を貼り 付ける必要がなく、構成を簡略化できるため、組立時の作業工数を削減して、作 業性を改善することができるとともに、製品の薄型化を達成することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案を適用した一例としてのＥＬバックライ
ト一体型の液晶表示装置を示す縦断側面図で、回路基板
との接続例を示す図２の矢印Ａ−Ａ線に沿った断面図で
ある。

【図２】本考案を適用したＥＬバックライト一体型の液
晶表示装置の回路基板との接続例を示す概略斜視図であ
る。

【図３】ＥＬをバックライトとして用いた従来の液晶表
示装置の一例を示す縦断側面図である。

【符号の説明】

１ 回路基板 ２ ＥＬ用電源回路素子 ３ ＬＣＤ下電極駆動素子 ４ ＬＣＤ上電極駆動素子 ５ ＣＰＵ素子 ６，７，８，９ 接続用ＦＰＣ １０ ＬＣＤ部 １１ 分離基板 １２ 透明フィルム基板 １３，１４ 透明電極 １５，１６ 配向膜 １７ シール材 １８ 液晶物質 １９ 電極端子部 ２０ ＥＬ部 ２１ 封止フィルム ２２ 背面電極 ２３ 絶縁物質 ２４ 透明電極 ２５ シール材 ２６ ＥＬ発光物質 ２７，２８ 電極端子部 ２９ ＥＬバックライト一体型の液晶表示装置

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 液晶物質を表裏のフィルム基板間に封止
   してなる液晶表示パネルの背面側に配置するバックライ
   トを、発光物質を封止フィルム内に封止してなるエレク
   トロルミネセンスで構成した液晶表示装置において、 前記液晶表示パネルの背面側の前記フィルム基板と前記
   エレクトロルミネセンスの前記封止フィルムの表面側部
   分とを共通の分離基板で形成し、 この分離基板を含んでその表裏面の一面側に前記液晶表
   示パネルを、他面側に前記エレクトロルミネセンスをそ
   れぞれ構成して一体化してなることを特徴とする液晶表
   示装置。
2. 【請求項２】 前記分離基板の表裏面の一面側に前記液
   晶表示パネル用の透明電極を、他面側に前記エレクトロ
   ルミネセンス用の透明電極をそれぞれ形成したことを特
   徴とする請求項１記載の液晶表示装置。