JPH0738168B2 - データ処理装置 - Google Patents

データ処理装置

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JPH0738168B2
JPH0738168B2 JP3266970A JP26697091A JPH0738168B2 JP H0738168 B2 JPH0738168 B2 JP H0738168B2 JP 3266970 A JP3266970 A JP 3266970A JP 26697091 A JP26697091 A JP 26697091A JP H0738168 B2 JPH0738168 B2 JP H0738168B2
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信仁 宮内
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、不要なデータ領域を
回収するガーベジコレクション処理が必要な論理型や関
数型などのプログラミング言語によるプログラムを実行
する処理系を実装した単一プロセッサおよびマルチプロ
セッサ構成のデータ処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的な計算機の中央処理装置のハード
ウェア構成は、算術論理演算装置と、処理対象のデータ
を頻繁に一時的に保持するレジスタ群と、通常のデータ
全てを記録しておく主記憶をアクセスするための主記憶
制御装置から構成されている。これらの資源は、データ
バスやアドレスバスを介して連絡されており、ワイヤー
ドロジックやマイクロプログラムによる制御装置によ
り、その処理操作が行われる。
【0003】主記憶を処理系によってどのように管理す
るかについては、プログラミング言語が手続き型,関数
型,論理型などのいづれかの型であるかによって大きく
決定される。また、各種プログラミング言語の処理系に
おける効率をあげるための主記憶の管理手法として、様
々なアプローチが試みられている。最近、プログラミン
グ言語の処理系の開発では、各プログラミング言語の処
理に固有な主記憶の消費の特性を考慮して主記憶の管理
手法が設計されている。
【0004】プログラミング言語の扱う仕事の中でも、
数値計算のように、扱うデータの構造が変化しない場合
には、主記憶上の使用領域の割付けをプログラマが行っ
てもさほど負担にならないが、記号処理のように、計算
の進行に伴いデータ構造そのものが変化する対象を扱う
場合には、主記憶の管理は非常に大変な作業になる。そ
こで関数型あるいは論理型プログラミング言語の処理系
では、使用済みのデータ領域を回収する処理が実行を継
続するために必要になる。その処理がガーベジコレクシ
ョン機能であり、その機能は主記憶の管理手法の設計
上、考慮すべき重要な項目となる。
【0005】ガーベジコレクションの機能を実行する方
式としては、使用可能な主記憶を全て消費してしまって
から行う一括型のものが一般的である。この一括型のガ
ーベジコレクションの処理時間は、主記憶を広範囲にわ
たりアクセスするために、数秒から数分というオーダの
長さになるのが通例であり、ガーベジコレクション処理
に中央処理装置が占有されるため、通常の計算処理がか
なり長い時間中断することを意味する。このガーベジコ
レクションの処理時間の長さがもたらす通常実行処理の
中断は、リアルタイム処理を事実上不可能にし、会話型
操作に対しても不快感を与え、総合的な実行性能をも左
右する。また、マルチプロセッサ構成のデータ処理装置
の場合、1つのプロセッサが一括型ガーベジコレクショ
ンにより他プロセッサからの処理要求に対して長い時間
沈黙し続けることになり、マルチプロセッサ全体の実行
性能に影響を及ぼす。また、最悪の状態となれば、その
処理要求に対する応答処理を他のプロセッサが待機する
だけでなく、応答処理が早ければ行う必要のない余分な
処理を、他のプロセッサが行う状況も起こり得る。
【0006】この一括型のガーベジコレクション処理
を、主プロセッサとは別のプロセッサで、並列に実行す
る例も発表されている。これは、主記憶の空間をブロッ
ク単位にわけ、ブロックごとのガーベジコレクション処
理を行って、それぞれの処理の独立性を向上させるもの
である。しかし、主記憶の空間をブロックごとにわける
ためのオーバヘッドが存在し、プログラミング言語の特
性により、その主記憶空間のブロック単位の取扱いがつ
ねに適切なものとなるとは限らず、また、処理系の性能
の優劣が分かれるので、全てのプログラミング言語にお
ける処理系について万能な方式とはいえない。
(〔1〕:公開特許公報、昭61−105653、接続
されたユーザのプロセッサとは独立の並列ガーベッジコ
レクション機能を有するコンピュータ記憶装置)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】一括型ガーベジコレク
ション処理をあるプロセッサで行うと、中央処理装置
が、ガーベジコレクション処理に占有され、マルチプロ
セッサ構成の他プロセッサからの、処理要求および自プ
ロセッサの通常実行処理は、一切受け付けない。このこ
とは、単一プロセッサの場合は長期にわたって通常処理
を中央処理装置に実行させないし、マルチプロセッサの
場合は、周辺のプロセッサの処理要求を全く無視して周
辺のプロセッサの実行効率にも悪影響を与える。
【0008】この発明は、上記のような問題点を解消す
るためになされたもので、一括型のガーベジコレクショ
ン処理をプロセッサが行っているときでも、ガーベジコ
レクション処理に影響を与えずに、通常実行処理につい
ても独立して並列に行い、一括型のガーベジコレクショ
ンによる全体実行性能へのオーバヘッドを軽減できるデ
ータ処理装置を得ることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】この第1の発明に係るデ
ータ処理装置は、図1で示すように、ヒープ領域が旧領
域と新領域とに分けられた主記憶3と、この主記憶を同
時に独立してアクセスするように接続された第1および
第2の中央処理装置とを設け、上記第1の中央処理装置
(通常実行処理専用中央処理装置1)は外部プロセッサ
への応答処理を含めた通常処理を行い、上記第2の中央
処理装置(一括型ガーベジコレクション処理専用中央処
理装置2)はアクティブなデータ構造を実行型のデータ
構造ごとに、実行優先度の順番に、主記憶上の上記ヒー
プ領域の旧領域30から新領域31にコピーすること
で、不要なデータ領域を解消する一括型ガーベジコレク
ション処理を行い、このガーベジコレクション処理中
は、上記第2の中央処理装置の処理が上記第1の中央処
理装置の通常処理に優先され、上記第2の中央処理装置
が上記第1の中央処理装置の処理を妨害することなく、
実行優先度の順番に上記コピーを含む実行処理を行う。
この第2の発明に係るデータ処理装置は、図5で示すよ
うに、第2の中央処理装置が一括型ガーベジコレクショ
ン処理中に、計算を実行する実行型のデータ構造の全て
の部分が主記憶の新領域にコピー済みの場合には、上記
第1の中央処理装置は上記データ構造の通常処理を主記
憶の上記新領域上で実行し、上記計算を実行する実行型
のデータ構造の全ての部分がまだ完全に新領域にコピー
されていない場合には、上記第1の中央処理装置は上記
一括型ガーベジコレクションの処理のあとに実行できる
ようなデータ構造を新たに上記新領域上に構築する。こ
の第3の発明に係るデータ処理装置は、図6で示すよう
に、上記第2の中央処理装置は、一括型ガーベジコレク
ション処理中に計算を実行する実行型のデータ構造が主
記憶の新旧両領域に分散して不完全な状態でコピーされ
ていても、実行型のデータ構造の計算実行を行い、上記
計算実行に伴ってデータ構造が変更される場合には、新
しく割り当てられるデータ構造を上記新領域に構築する
とともに、ガーベジコレクションのコピー操作を、上記
データ構造に留意して上記旧領域のデータ構造に対して
実行する。
【0010】
【作用】この第1の発明におけるデータ処理装置は、一
括型ガーベジコレクションと通常実行処理とを行うため
に、主記憶を同時にアクセスする中央処理装置を2台用
意する。第2の中央処理装置は、一括型ガーベジコレク
ション専用のものであり、第1の中央処理装置は、通常
実行処理専用のものである。それぞれの処理が最適に行
われるように、中央処理装置のハードウェアはそれぞれ
専用のキャッシュメモリやレジスタ群などの回路により
構成され、同一の構成をとる必要はない。一括型ガーベ
ジコレクションが起動されると、優先的にガーベジコレ
クション用の第2の中央処理装置が主記憶をアクセスし
ながら、一括型ガーベジコレクション処理を行う。第1
の中央処理装置は、一括型ガーベジコレクション処理の
妨げとならないように、アクティブなデータ構造をアク
セスして通常実行処理を行う。一括型ガーベジコレクシ
ョン処理の妨げとならない処理は、かなり限定される。
ユニフィケーションやサスペンションやリジュームのよ
うにデータ構造を変更するような処理はガーベジコレク
ション後の状態になっているものに対してのみしか実行
できないので、ガーベジコレクション前の状態のアクテ
ィブなデータ構造に対してはこれらの処理を行う実行形
のデータ構造を生成し、一括型ガーベジコレクションの
あとに実行できるようにする。ただし、ガーベジコレク
ション途中の状態のデータ構造を変更する方式も、処理
は複雑になるが、設計することは可能である。また、こ
の第1の発明でのデータ処理装置による一括型ガーベジ
コレクションのアルゴリズムは、ガーベジコレクション
処理途中でもそのデータ構造の論理的正当性を確認しや
すいコピー方式を採用している。並列に行う通常実行処
理は、ガーベジコレクション後の状態になったものから
行えるように、実行優先度が高い実行形のデータ構造か
ら順番に旧領域から新領域にコピーしていく。以上説明
したように、比較的効率がよくガーベジコレクション処
理と並列に通常実行処理が行える。この第2の発明にお
けるデータ処理装置は、第2の中央処理装置が旧領域か
ら新領域へのコピーの際に、計算を実行する実行型のデ
ータ構造の全ての部分がコピー済みのときには、第1の
中央処理装置が上記データ構造で新領域で通常処理を実
行し、計算を実行する実行型のデータ構造の全ての部分
がコピーされていないときには、第1の中央処理装置が
第2の中央処理装置による一括型ガーベジコレクション
処理のあとに処理を実行できるようにする。この第3の
発明におけるデータ処理装置は、第2の中央処理装置に
よって新旧両領域に分散して不完全な状態でコピーされ
ていても、実行型のデータ構造の計算を行う。また、計
算に伴ってデータ構造が変更される場合には、新しく割
り当てられるデータ構造を、上記新領域に構築する。さ
らに、第2の中央処理装置による一括型ガーベジコレク
ション処理の上記旧領域から上記新領域へのコピー操作
行う。
【0011】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図1はこの第1の発明の一実施例による通常実行
処理専用と一括型ガーベジコレクション(以下、略して
GCという)処理専用の2つの中央処理装置を実装する
データ処理装置を示す概略構成図、図2は図1のデータ
処理装置に実装される中央処理装置内部の概略構成図、
図3は図1のデータ処理装置のKL1処理系におけるコ
ピー方式のガーベジコレクションの概念図、図4は図1
のデータ処理装置のKL1処理系におけるガーベジコレ
クションの、マーキングルートであるゴールスタックで
のゴールレコードのコピーする順番を示す図である。
【0012】以下で実現するデータ処理装置が実装する
処理系のプログラミング言語は、並列論理型言語KL1
である。KL1(核言語第1版)は、通産省が企画推進
している第5世代コンピュータ・プロジェクトにおいて
開発された並列推論計算機が実行するプログラミング言
語として並列論理型言語GHC(Guarded Ho
rn Clauses)に基づき設計された。KL1処
理系の実行モデルは、処理の実行形の1単位を、実行処
理に有効なデータ構造(すなわち、アクティブなデータ
構造)としての1つのゴールとし、プログラムの実行過
程で得られるAND関係で結合されたゴールの集合を実
行待機プールに蓄え、中央処理装置はこの実行待機プー
ルからゴールを1つづつ取り出して、ゴールの実行即ち
リダクションを試行する。ゴールの実行とは、引数デー
タを対象として計算や同一化(ユニフィケーション)の
処理を行うことである。このゴールの実行に伴い、新た
なゴールを生成して実行待機プールに蓄えたり、ゴール
実行に必要な引数データが未定義なために実行中断プー
ルに保留したりする。実行待機プールは、ゴールのスタ
ックを構成しており、実行中断プールは中断の要因とな
った変数にゴールが束縛されるしくみで実現される。
(〔2〕:(財)新世代コンピュータ技術開発機構、電
子計算機基礎技術開発成果報告書 推論サブシステム
編、平成元年3月)尚、上記「アクティブなデータ構
造」が意味しているデータ構造の例としては、1つの数
値データや文字データだけでなく、リスト構造やベクタ
構造など様々な形態を含んでいる。
【0013】プロセッサ上のゴールプールの実現は、ゴ
ールスタックエントリテーブルという表による管理で行
う。ゴールは主記憶上ではゴールレコードという実行形
のデータ構造で記憶され、このゴールスタックエントリ
テーブルはこのゴールレコードの実行優先度に対応した
エントリをもつ図4に示すようなテーブルである。すな
わち、ゴールスタックエントリテーブル11は優先度が
高いエントリ40から、エントリ41,42,43と優
先度の低いエントリへと順に並べられており、各エント
リには、ゴールレコードがチェーン状に並べられてい
る。エントリ40には、ゴールレコード12,12
、エントリ41にはゴールレコード12〜12、
エントリ42にはゴールレコード12、エントリ43
にはゴールレコード12,12が並べられている。
【0014】プロセッサの中央処理装置は、この実行優
先度が最高位のゴールスタックからトップのゴールレコ
ードを1つ取出し、このゴールレコード情報を環境レジ
スタ群に読出して、算術論理演算やユニフィケーション
などの実行を行う。このゴールの実行が新たなゴールレ
コードを生成し、また、同じゴールスタックにゴールレ
コードをプッシュする場合もあれば、消費されゴールス
タックから新しいゴールレコードが取り出される場合も
ある。
【0015】この第1の発明の一実施例におけるデータ
処理装置は、2つの中央処理装置が主記憶を共有してア
クセスを行うマルチプロセッサ形態のデータ処理装置で
あり、その構成の概略図を図1に示している。すなわ
ち、図1において、1は第1の中央処理装置としての通
常実行処理専用中央処理装置(以下、通常処理装置とい
う)、2は第2の中央処理装置としての一括型ガーベジ
コレクション処理専用中央処理装置(以下、GC(ガー
ベジコレクション)処理装置という)、3は主記憶、4
はキャッシュメモリ、5は主記憶データバス、30はヒ
ープ領域の旧領域、31はヒープ領域の新領域である。
【0016】上記の2つの中央処理装置は、それぞれ図
2で示すように構成されている。図2において、6はA
LU(算術論理回路),マイクロ制御装置,タグ処理装
置よりなる主要処理部、7は環境情報レジスタ,引数レ
ジスタ,汎用レジスタよりなるレジスタ群、8はキャッ
シュメモリ,TLB(変換索引バッファ)よりなる主記
憶制御部、9はキャッシュデータバスである。上記構成
の中央処理装置は、並列プログラミング言語KL1の処
理系を実行できるものであり、中央処理装置に、特にデ
ータのタイプを判別するタグを各データに付し、そのタ
グにより高速にデータのタイプ別の処理を行えるハード
ウェアを組み込んだものである。
【0017】一括型ガーベジコレクションが起動される
と、GC処理装置2が優先的にコピー方式のガーベジコ
レクション処理を行う。ガーベジコレクションのコピー
方式のアルゴリズムは広く知られており、このKL1処
理系での新旧の領域でのデータ構造のコピー状況の概念
図を図3に示す。図3では、旧領域30から新領域31
に、ゴールスタックエントリテーブル11の優先順位に
従って、ゴールレコード12A〜12Dがコピーされて
いる状況が示されている。ここで、一括型ガーベジコレ
クション処理を行う対象のヒープ領域は、新旧2つの領
域に分けられており、ゴールスタックエントリテーブル
11は、ヒープ領域以外のシステムエリアの一部として
主記憶上に割り当てられる。この第1の発明でのコピー
方式のマーキングルート、つまり、コピーを行っていく
データの順番は、図4に示すようなゴールレコードの実
行優先度の順番に従う。
【0018】GC処理装置2がコピー方式のガーベジコ
レクション処理を行うのと同時に、通常処理装置1が実
行優先度の高い順番にゴールの実行を行っていく。各ゴ
ールレコードは、コピーされる前であっても、コピーさ
れた後であっても、論理的なデータ構造の内容をコピー
方式では把握できるので、GC処理装置2でガーベジコ
レクション実行中であっても、通常処理装置1で任意の
ゴールレコードを実行できる。マルチプロセッサ構成の
場合でも、外部プロセッサからの要求処理をガーベジコ
レクション処理とは独立に実行できる。
【0019】なお、このコピー方式の一括型ガーベジコ
レクション処理を実行中に、たとえデータ構造の完全な
コピーが終了していなくても、新旧どちらの領域のマー
キングルートからアクセスしても論理的に内容が正しい
全く同一のデータ構造を読出すことができる。また、こ
のコピー方式の一括型ガーベジコレクション処理がアク
ティブなデータ構造で部分的なデータセルを1つ1つ旧
領域から新領域へコピーしていく過程で、各データセル
がコピー済みであるかどうかはそのデータセルを調べれ
ばわかる。
【0020】第2の発明の一実施例によるデータ処理装
置でガーベジコレクションのコピー処理を行った途中の
状態を図5に示す。図5では、アクティブなゴールレコ
ード12A,12B,12Cが存在し、ゴールレコード
12A,12Bが旧領域30から新領域31へコピーさ
れ、ゴールレコード12Bから参照されるデータセル2
0のコピーはまだされていない状態を示している。第2
の発明によるデータ処理装置の場合は、このゴールレコ
ード12A,12B,12Cの3つの状態によって、実
行される処理が異なる。ゴールレコード12Aでは、ま
ずゴールレコード自体が新領域にコピーされているの
で、各ゴール情報の内容もコピー済みかどうか調べ、コ
ピー済みなので、ゴールの実行を行う。ゴールレコード
12Bでは、参照するゴール情報のコピーがまだなの
で、ゴールの実行処理は制限のあるものとなる。つま
り、データ構造に変更をもたらす処理は、ガーベジコレ
クション後に実行する実行形のゴールレコードをつく
り、実行処理を待機させる。ゴールレコード12Cで
は、ゴールレコード自体がコピーされていないが、参照
するゴール情報のコピーはされており、ゴールレコード
12Aと同様に、ゴールの実行を制限なく行える。
【0021】ただし、第2の発明によるデータ処理装置
の場合は、実行対象のゴールレコードに属するデータ構
造が全て新領域にコピーされていないと、データ構造の
変更を伴う実行処理はガーベジコレクション処理の簡便
化のために行わない。ここで、データ構造変更を伴う実
行処理は、ユニフィケーションや、サスペンド、リジュ
ームというような処理であり、ユニフィケーションを直
接行うようなゴールレコードを新たに新領域に生成し、
ガーベジコレクション処理後に実行するようにする。
【0022】一方では、GC処理装置2は、通常処理装
置1が実行を開始するよりも若干早くコピーを開始すれ
ば、通常処理装置1は、コピー後のゴールレコードの実
行をすることができる。これは、ゴールレコードが実行
優先度順にコピーされるからであり、コピーされてか
ら、実行が行われるパイプライン処理に近い状況とな
る。一般に、一括型ガーベジコレクションの処理時間に
相当する間に全てのゴールレコードの実行を行えること
は、実際にはないので、ゴールレコードのコピーが進む
にしたがって、ゴール実行はコピー後のものばかりをア
クセスすることになり、コピー前のゴールレコードをア
クセスすることはあまりないことが予測される。
【0023】第3の発明の実施例によるデータ処理装置
で新領域を別々にアクセスしていく状況を図6に示す。
図6で、20は新領域のトップを示すポインタ(NH
P:New Heap Pointer)を記憶するレ
ジスタである。通常処理装置1とGC処理装置2は、独
立に新領域に書込みを行っていくために、新領域を一本
として両処理装置で交互にアクセスしていく場合には、
新領域のトップNHP,を指し示すポインタを独自
に更新していく必要があり、新しい新領域のトップの位
置を読出して更新をするまでの間に、他の処理装置にア
クセスを許さないようにロックをかけておく必要があ
る。ただし、ヒープの新領域を2つに分けて、通常処理
装置1の新しいデータ構造の割り付けを、コピー先の領
域と区別するのであれば、共通のトップポインタを使用
する必要はない。
【0024】以上説明したように、この第1〜第3のデ
ータ処理装置では、データ処理装置が一括型ガーベジコ
レクションの処理中にも、通常実行処理を同時に行うこ
とができ、長時間にわたって通常実行処理を滞らせるこ
とがなくなり、外部のプロセッサの要求処理を遅らせて
実行性能を落とすことはなくなる。
【0025】
【発明の効果】以上のようにこの第1の発明によれば、
一括ガーベジコレクション処理を専用に行う第2の中央
処理装置を設けたため、実現される一括型ガーベジコレ
クション処理と通常実行処理との並列実行方式が、一括
型ガーベジコレクションの実行性能を全く悪化させずに
通常実行処理を並列に効率よく実施でき、また、コピー
方式の一括型ガーベジコレクションを採用しており、通
常実行処理で実行したい実行形のデータ構造から順番に
新領域にコピーしていくので、通常実行処理も長時間待
機することなく実施できる効果がある。この第2の発明
によれば、一括型ガーベジコレクション処理によるコピ
ー操作の処理状態によって、実行型のデータ構造を対応
させる構造としたため、アクティブなデータ構造を1度
コピーしてしまえば、同じデータ構造をアクセスするこ
とはほとんどない。すなわち、通常実行処理を行うデー
タ構造は基本的に新領域にコピー済みのものが多く、ガ
ーベジコレクション処理後の実行形のデータ構造を新領
域に生成する場合も、ガーベジコレクションのコピーす
る新領域とは異なるので主記憶に対するアクセスの競合
はかなり少なくなり、効率のよいマルチプロセッシング
方が得られる効果がある。この第3の発明によれば、新
旧両領域にコピーが分散して不完全な状態であっても、
また、データ構造が変更される場合でも対応できる構造
としたため、実行性能を高める効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この第1の発明の一実施例による通常実行処理
専用と一括型ガーベジコレクション処理専用の2つの中
央処理装置を実装するデータ処理装置を示す概略構成図
である。
【図2】図1のデータ処理装置に実装される中央処理装
置の内部の概略構成図である。
【図3】図1のデータ処理装置のKL1処理系における
コピー方式のガーベジコレクションの概念図である。
【図4】図1のデータ処理装置のKL1処理系における
ガーベジコレクションのマーキングルートであるゴール
スタックでのゴールレコードのコピーする順番を示す図
である。
【図5】この第2の発明の一実施例におけるKL1処理
系のデータ構造をコピー方式のガーベジコレクションに
よりコピーを行っている途中経過を示す図である。
【図6】この第3の発明の一実施例における通常処理装
置とGC処理装置が新領域にデータ構造を割り付けると
きに新領域のトップポインタの更新操作を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 通常実行処理専用中央処理装置 2 一括型ガーベジコレクション処理専用中央処理装置 3 主記憶 4 キャッシュメモリ 5 主記憶データバス 6 主要処理部 7 レジスタ群 8 主記憶制御部 9 キャッシュデータバス 11 ゴールスタックエントリテーブル 12 ゴールドレコード 20 レジスタ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒープ領域が旧領域と新領域とに分けら
    れた主記憶と、この主記憶に接続されて外部プロセッサ
    への応答処理を含めた通常処理を行う第1の中央処理装
    置と、上記主記憶に接続されて上記第1の中央処理装置
    と同時に独立して上記主記憶にアクセス可能であり、か
    つ有効なデータ構造を実行型のデータ構造ごとに、実行
    優先度の順番に従って、上記主記憶上のヒープ領域の旧
    領域から新領域にコピーすることで、不要なデータ領域
    を解消する一括型ガーベジコレクション処理を行う第2
    の中央処理装置とを備え、 上記第2の中央処理装置は、
    上記一括型ガーベジコレクション処理中は、上記第1の
    中央処理装置の通常処理に優先して、上記実行優先度の
    順番に上記コピーを含む実行処理を行うことを特徴とす
    るデータ処理装置。
  2. 【請求項2】 上記第1の中央処理装置は、上記第2の
    中央処理装置が一括型ガーベジコレクション処理中に、
    計算を実行する実行型のデータ構造の全ての部分が主記
    憶の新領域にコピー済みの場合には、上記データ構造の
    通常処理を主記憶の上記新領域上で実行し、上記計算を
    実行する実行型のデータ構造の全ての部分がまだ完全に
    新領域にコピーされていない場合には、上記一括型ガー
    ベジコレクションの処理のあとに実行できるようなデー
    タ構造を新たに上記新領域上に構築することを特徴とす
    る請求項第1項記載のデータ処理装置。
  3. 【請求項3】 上記第2の中央処理装置は、一括型ガー
    ベジコレクション処理中に計算を実行する実行型のデー
    タ構造が主記憶の新旧両領域に分散して不完全な状態で
    コピーされていても、実行型のデータ構造の計算を行
    い、上記計算に従ってデータ構造が変更される場合に
    は、新しく割り当てられるデータ構造を上記新領域に構
    築するとともに、一括型ガーベジコレクション処理のコ
    ピー操作を、上記データ構造に留意して上記旧領域のデ
    ータ構造に対して実行することを特徴とする請求項第1
    項記載のデータ処理装置。
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