JPH0738071U - 長尺物吊具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、段積用スキッドビームの地上から
の吊上げ、及び下段鋼材上への並べ置き操作を自動化す
ることが可能な長尺物吊具を提供するものである。 【構成】 長尺物抱え機構２を備えた吊具の吊ビーム１
下面にＩ型走行軌条１３を介し又は介さないで２個の連
動フックを有するホイスト３を設け、上記ホイスト３に
ツイストロック付き吊ビーム４を装備し、上記ツイスト
ロック付き吊ビーム４によりツイストロック受金２４を
有するスキッドビーム５を着脱搬送操作するようにした
長尺物吊具。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は長尺物吊具、特に長尺物段積用のスキッドビームを搬送操作する機能 を備えた長尺物吊具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

鋼材等の長尺材を段付みしストックする場合、段付みする上下の長尺材の間に 枕木（スキッドビーム）をはさんで積重ねている。このスキッドビームの挿入は 、下廻りの地上作業者の人手により行なっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前述の従来技術には次のような問題点がある。 大径の鋼管など大型長尺材の段付みに用いるスキッドビームは、重量も大きく なり、人手だけでは取扱いが困難となる。従って、クレーンほかの機械力を併用 するが、時間が掛かり、非能率である。

【０００４】 また長尺材の運搬の方は自動化された吊具による遠隔制御で吊上げ、積降しさ れるが、吊具の下での地上作業であるから危険が大きい。 本考案は、上記した段積用スキッドビームの地上からの吊上げ、及び下段鋼材 上への並べ置き操作をすることが可能な長尺物吊具を提供することを目的とする ものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

長尺物抱え機構を備えた吊具の下面に、走行軌条を介してホイストを設け、上 記ホイストにより、スキッドビームを着脱搬送操作する。

【０００６】

【作用】

長尺物の段積みストック場所には、あらかじめ地上に最下段の長尺材を受ける スキッドビームが固定配置されている。走行クレーンの横行トロリーに吊下げた 長尺物吊具は、クレーン運転室からの遠隔制御で、ヤード内の製品溜り場から所 定数の長尺材を抱え上げ、段積みストック場所へ移動し、地上のスキッドビーム 上に遠隔制御で積付ける。長尺物吊具からホイストを降下し、段積みストック場 沿いに段積みされたスキッドビーム上に位置合せ結合させて吊上げ、ホイストの 移動又はクレーンの横行トロリーの移動で、上記スキッドビームを地上の積付け られた長尺物上の一定の間隔位置に着床させ、遠隔解放させる。再びクレーンを ヤード内製品溜り場へ戻し、同様の順序で長尺材を段積みストック場へ運搬し、 第２段、第３段の段積みを行なう。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の好ましい実施例について説明する。 図１は本考案にかかる長尺物吊具の実施例の正面、図２、図３は平面と側面を 示す。図において、吊具は、図示しないクレーンのトロリーに巻上索１０及びシ ーブ１１を介し吊下げた吊ビーム１の両端に夫々一対の旋回フォーク１２を持つ 長尺物抱え機構２，２を備えた既存の自動化された部分と、吊ビーム１下面に固 着したＩ型軌条１３，１３を走行するように設けた２ケの連動フックを有する型 のホイスト３と、ホイスト３に吊支え装着したツイストロック付き吊ビーム４， ４とからなるものを示している。既存の吊ビーム１及び抱え機構２部分は、他の 構成のものが組合せ使用されて良い。２ケの連動フック型ホイスト３，３は、軌 条１３を介さず吊ビーム１下面１乃至２ケ固定して設けられても良く、又軌条１ ３を設ける場合にも、軌条１３の配列は、直線だけの場合、十字形に交叉させて 中央に旋回切換え軌条を設ける場合など任意の配置とされて良いものである。

【０００８】 図１乃至図３に戻って、抱え機構２，２は、図１、図２に示すフォーク１２の 向きで各抱え機構２が長尺材を跨ぐように降下され、床に置かれた長尺材の下側 空隙高さ位置をセンサが検出して、フォーク１２を図３で示すように旋回し、抱 え機構２，２の上昇で長尺物を持上げる。１４はフォーク１２に抱えた長尺鋼管 、１４ａは最も大径の長尺鋼管の場合である。長尺材１４を降すときは抱え手段 ２の降下着床をセンサが検出し、軟着床させ、フォーク１２が長尺材１４から下 へ離れたことが検出されてフォーク１２が図２の位置へ戻され、抱え機構２を上 昇させて長尺材１４の積置きを終える。軌条１３は、図では吊ビーム１の両端側 で軸線方向に延び、吊ビーム１中央部で幅方向へ彎曲し突出す配置に、対称な２ 条の軌条１３，１３を設け、各軌条１３上に夫々１台ずつホイスト３及びツイス トロック付き吊ビーム４を設けた。

【０００９】 図４はツイストロック付き吊ビーム４の実施例を示す。ツイストロック付き吊 ビーム４は、十字形に結合した上下２本のＩビーム１５，１６を本体部材とし、 下部ビーム１６両端にツイストロック１７，１７を備え、操作シリンダ１８の伸 縮で２ケのツイストロック１７，１７を９０°旋回させる。下部ビーム１６下面 には、コーン形の突出ガイド１９を設け、上部ビーム１５上に設けたブラケット ２０を介し、ホイスト３の２ケのフックシーブ２１に吊支えている。図５には、 上記ツイストロック付き吊ビーム４により、着脱搬送できるようにしたスキッド ビーム５を示し、中空の角形鋼材２２上面に上記コーン形ガイド１９と整合する ガイド孔２３及びツイストロック受金（受け孔）２４を設けている。スキッドビ ーム５を木製するときにはメタル製のガイド孔２３及びツイストロック受金２４ を埋設して取付ければ良い。

【００１０】 図６は、大径の鋼管長尺物１４を一例として多段積みするストック場の構成例 である。２５…は一定間隔で設けた荷崩れ防止用のスタンション、５はストック 場沿いにガイド２６内に積重ねて置かれたスキッドビーム、５Ｂはスタンション ２５に接してストック場を横切る方向へ地上に設けてあるスキッドビーム、５− １，５−２はストック場に置かれた１段の長尺鋼管列の上、２段目の長尺鋼管列 の上に順に置場から運び上げて横置きしたスキッドビームである。

【００１１】 図７は、図６で示した長尺材ストック場を対象とし、図１乃至図３で示した長 尺物吊具により長尺物の段積み、スキッドビーム５の運搬配置を行なう要領を示 す。図において、長尺鋼管１４、４個の１段目１４−１は、前述した抱え機構２ の昇降と旋回フォーク１２の操作で、ヤード内の製品溜りから図のストック場へ 運ばれスタンション２５…内に降下して地上のスキッドビーム５Ｂ上に置かれる 。

【００１２】 抱え機構２が、長尺鋼管１４−１列を離した状態で、２台のホイスト３，３を 軌条１３，１３の突出部へ移動させ、この位置でツイストロック付き吊ビーム４ ，４を地上に積重ね置かれたスキッドビーム５の１つ５−１上に降下し、遠隔制 御下でツイストロック１７を結合させ吊具全体をスタンション２５より若干上の 高さへ上昇させ、同時に抱え機構２のフォーク１２を抱え位置に旋回し、かつホ イスト３，３をそれぞれ吊ビーム１の両端寄り位置へ移動させる。ホイスト３の この移動で、スキッドビーム５−１は、吊ビーム１とクロスする方向へ９０°向 きが換わり、トロリーの僅かな前進横行で前方のホイスト３をスタンション２５ 内側に位置合せし、ツイストロック付き吊ビーム４を降下させて、スキッドビー ム５−１を１段目長尺鋼管１４−１上に置き、同様にトロリーを後進して後方の ホイスト３を後方スタンション２５内側へ位置合わせし、長尺鋼管列１４−１上 に他のスキッドビーム５−１を置く。

【００１３】 ツイストロック付き吊ビーム４，４を上限まで上昇させフォーク１２を開き位 置へ戻して、クレーンがヤード内の製品溜りへ移動し、第２段目の長尺鋼管１４ −２列を抱えて上記鋼管段積ストック場へ運び、スタンション２５内へ鋼管１４ −２を降し、前記と同様に、２段目鋼管１４−２列上に次のスキッドビーム５− ２を載せる作業を繰返えす。

【００１４】 上述した図６の長尺材段積みストック場の構成の違い、例えばスキッドビーム ５の地上置き場が長尺材の端部側であったり、向きが変ったりすると、それに合 わせて、吊具上の軌条１３の配置、及び図７の操作要領も適当に変更することが 必要となる。 なお、スキッドビームを吊り上げる機構としては、ツイストロックに限らず掴 み式、吸着式等の他の機構でも可能である。

【００１５】 例示した構成によれば自動化された長尺材吊具を使用し、長尺材運搬と連続し た工程の中で、段積みされた長尺材上へのスキッドビームの運搬配置操作を遠隔 制御下で安全に自動化作業で行なえるようになり、この種作業に存在した危険を 解消し能率を高めることができる。

【００１６】

【考案の効果】

本考案による長尺物吊具は、長尺物抱え機構を備えた吊具の吊ビーム下面に走 行軌条を介してホイストを設け、上記ホイストにより、スキッドビームを着脱搬 送操作するよう構成したことにより、次の効果を有する。 吊具を使用する長尺材の運搬と連続した工程の中で、同じ吊具を用い、段積み された長尺材上へスキッドビームの運搬、配置操作を遠隔制御下で行なえるよう になり、従来の地上作業を省力化し、危険作業を解消し、長尺材の運搬、ストッ ク作業の能率を著しく高めることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案長尺物吊具の実施例の正面図である。

【図２】図１の平面図である。

【図３】図１の側面図である。

【図４】図１に示したツイストロック付き吊ビームの拡
大図である。

【図５】図４に示したスキッドビームの斜視図である。

【図６】長尺材の段積みストックを示す斜視図である。

【図７】図６に示した長尺材の段積みストックを行う要
領図である。

【符号の説明】

１ 吊ビーム ２ 長尺物抱え機構 ３ ホイスト ４ ツイストロック付き吊ビーム １２ 旋回フォーク １３ Ｉ型軌条

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ６６Ｃ 11/06 13/08 Ｌ (72)考案者 甲斐 平康 愛知県知多市川崎町１丁目１番地 川崎製 鉄株式会社知多製作所内 (72)考案者 神山 譲 愛知県知多市川崎町１丁目１番地 川崎製 鉄株式会社知多製作所内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 長尺物抱え機構を備えた吊具の吊ビーム
   下面に走行軌条を介してホイストを設け、上記ホイスト
   により、スキッドビームを着脱搬送操作するよう構成し
   たことを特徴とする長尺物吊具。