JPH073781A - 場所打ちコンクリート杭頭上の基礎フーチングの施工法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンクリート杭頭上の基礎フーチングの施工
法において、施工工程を簡略化し作業を簡素化して、施
工コストや施工日数を低減するようにした。 【構造】 コンクリート杭穴６の上部にフーチング用の
掘削穴２を有する状態に掘削し、杭穴６内に杭鉄筋籠８
を挿入するとともに、掘削穴２内にフーチング鉄筋９を
挿入し、次に杭穴６と掘削穴２内に本体コンクリートを
打設するとともに、その上に余盛りコンクリートを打設
し、その後、基礎フーチング天端より上部の余盛りコン
クリートを除去するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、建造物の基礎フーチン
グを地盤に打設した場所打ちコンクリート杭の杭頭に設
ける際における場所打ちコンクリート杭頭上の基礎フー
チングの施工法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の場所打ちコンクリート杭頭上の基
礎フーチングの施工法を、図３により、本発明方法と同
一符号を付して説明する。まず、場所打ちコンクリート
杭ａを構築するために、地盤にドリリングバケット４で
支持地盤５までコンクリート杭ａの杭穴６を、泥水１８
を注水して泥水１８の被圧で杭穴６の穴壁の崩壊を防止
しながら掘削する（Ａ）。前記杭穴６の掘削が完了した
ら直ちに底渫えバケット７で杭穴底に溜った泥土等を除
去した後（Ｂ）、予め地上で製作した杭主筋８ａをフー
プ筋８ｂで等間隔に捲回して構成した鉄筋籠８をクレー
ン等で吊って杭穴６に挿入し、鉄筋籠８の建入れやレベ
ルを調整して仮固定する（Ｃ）。そして、前記杭穴６内
にコンクリート打設用のトレミー管１２を挿入して、杭
穴６の底部より本体コンクリート１３及び余盛りコンク
リート１４を打設して、場所打ちコンクリート杭ａを構
築する（Ｄ）。なお余盛りコンクリート１４は土砂等の
混合した不良コンクリートであり、場所打ちコンクリー
ト杭ａ内に残留しない高さまで打設される。

【０００３】次に、基礎フーチングｂを構築するため、
前記場所打ちコンクリート杭ａを中心として基礎フーチ
ングｂが納まる掘削穴２を掘削してから、余盛りコンク
リート１４を斫り取り杭主筋８ａを露出させて杭頭の処
理を施す。次に、コンクリート杭ａから外れた部分の地
盤に基礎フーチングｂの墨出しや型枠作業等に供する砂
利地業１５を設け、捨コンクリート１６を打設する
（Ｅ）。続いて、捨コンクリート１６上に基礎フーチン
グｂの墨出しを行い、外周の型枠１７を組んでから、前
記型枠１７で囲繞されたコンクリート杭ａ及び捨コンク
リート１６上にフーチング鉄筋９のベース筋９ａと袴筋
９ｂを配筋し、フーチング鉄筋９の中央部に柱主筋１０
を配設する（Ｆ）。そして、型枠１７に囲繞された部分
に本体コンクリート１３を打設して、コンクリートの硬
化後に型枠１７を除去し、型枠１７の除去跡を埋戻す施
工工程により、場所打ちコンクリート杭ａの杭頭上に基
礎フーチングｂを施工している（Ｇ）。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前記従来の場所打ちコ
ンクリート杭頭上の基礎フーチングの施工法では、場所
打ちコンクリート杭を単独に施工してから、別途に基礎
フーチングを場所打ちコンクリート杭頭上に構築してい
る。よって、基礎フーチング部分の掘削の後、杭頭処理
と杭より外れた地盤に砂利地業及び捨コンクリートを施
し、基礎フーチングの墨出しや型枠や鉄筋やコンクリー
トの打設等の多岐にわたる各作業をする必要があった。
そのため、施工工程が多く作業が複雑で面倒であるの
で、施工コストや施工日数が掛るという問題があった。
本発明は、前記従来技術の有する問題点に鑑みて提案さ
れたもので、その目的とする処は、施工工程を簡略化し
作業を簡素化して、施工コストや施工日数を低減するこ
とを可能とした場所打ちコンクリート杭頭上の基礎フー
チングの施工法を提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、場所打ちコン
クリート杭頭上の基礎フーチングの施工法において、上
記目的を達成したものである。そのため、場所打ちコン
クリート杭の杭穴上部に基礎フーチング用の掘削穴を有
する状態に掘削し、杭穴内に杭鉄筋籠を挿入するととも
に、フーチング用の掘削穴内にフーチング鉄筋を挿入
し、杭穴内及びフーチング用の掘削穴内に本体コンクリ
ートを打設するとともに、本体コンクリート上であって
基礎フーチング天端上に余盛りコンクリートを打設した
後、基礎フーチング天端より上部の余盛りコンクリート
を除去するようにした。また、フーチング鉄筋を杭鉄筋
籠上端に前もって連接しておき、その連結状態で杭穴及
び掘削穴内に挿入するようにしたり、余盛りコンクリー
トをコンクリートの強度発現前に除去するようにする
と、作業性がよい。

【０００６】

【作用】本発明によれば、場所打コンクリート杭頭上に
設ける基礎フーチングを、場所打コンクリート杭の施工
と一緒に、しかも一体化施工するようにしたので、基礎
フーチングの施工工程が簡略化され、作業を簡素化する
ことができる。また、前記余盛りコンクリートをコンク
リートの強度発現前に除去するようにすると除去作業が
容易である。

【０００７】

【実施例】本発明の場所打ちコンクリート杭頭上の基礎
フーチングの施工法を、図１、２により説明する。場所
打ちコンクリート杭ａの中心に円形状に設計した基礎フ
ーチングｂの外径に準じたドリリングバケット１で、基
礎フーチングｂの掘削穴２を掘削し、ケーシング３を建
込んで掘削穴２の穴壁を保護する（図１（Ａ））。次
に、場所打ちコンクリート杭ａの杭径のドリリングバケ
ット４で支持地盤５に達する杭穴６を、泥水１８を注入
して穴壁の崩壊を防止しながら掘削する（図１
（Ｂ））。そして、杭穴６の掘削が完了したらドリリン
グバケット４を底渫えバケット７に交換して、杭穴底に
溜った土砂等を除去する（図１（Ｃ））。なお前記本実
施例では、フーチング用の掘削穴２を掘削した後に、杭
穴６を掘削したが、杭穴６を先に掘削し、その後にフー
チング用の掘削穴２を掘削するようにしてもよい。

【０００８】次に、予め地上で製作した杭主筋８ａをフ
ープ筋８ｂで等間隔に捲回して構成した杭鉄筋籠８の頭
部に、ベース主筋９ａと袴筋９ｂで籠状に構成したフー
チング鉄筋９と、フーチング鉄筋９の中央に配置した柱
主筋１０とを連接して構成した複合鉄筋体１１をクレー
ン等で吊ってケーシング３内から杭穴６内に挿入し、複
合鉄筋体１１の建入れやレベルを調整して仮固定する
（図１（Ｄ））。この場合、フーチング鉄筋９は、ケー
シング３内の下部（掘削穴２の下部）に位置する。そし
て、コンクリート打設用のトレミー管１２を前記杭穴６
の底部まで挿入して、杭穴６及び掘削穴２内に本体コン
クリート１３及び余盛りコンクリート１４を打設する
（図１（Ｅ））。この場合、本体コンクリートはケーシ
ング３内の下部まで打設し、その上で基礎フーチング天
端より上部に余盛りコンクリートを打設する。なお余盛
りコンクリート１４は土砂等の混合した不良コンクリー
トであり、基礎フーチングｂ内に残留しない高さとなる
ように打設する。前記実施例では、杭鉄筋籠８の頭部に
前もってフーチング鉄筋９と柱主筋１０とを連接して杭
穴６及び掘削穴２内に挿入したが、杭鉄筋籠８を杭穴６
内に挿入した後に、ケーシング３内の杭鉄筋籠８の上端
にフーチング鉄筋９と柱主筋１０とを連結するようにし
てもよい。

【０００９】続いて、掘削穴２に建込んだケーシング３
を引抜き、余盛りコンクリート１４をコンクリートの強
度が発現する前に除去し、その後、ケーシング３を引抜
いて（図１（Ｆ））、場所打コンクリート杭ａの杭頭上
に基礎フーチングｂを一体化施工する（図１（Ｇ））。
なお、余盛りコンクリートの除去は、ケーシング３を基
礎フーチングｂの上端まで引抜いた後、余盛りコンクリ
ート１４をコンクリートの強度が発現する前に除去する
ようにしてもよい。引き続き、図２に示すように、場所
打コンクリート杭ａの杭頭上に一体化施工で構築した基
礎フーチングｂの天端に墨出して、基礎柱ｃ及び地中梁
ｄを構築した後、掘削部分を埋戻して、１階床ｅを構築
する。而して、前記施工工程により、場所打コンクリー
ト杭ａの杭頭上に設ける基礎フーチングｂを、場所打コ
ンクリート杭ａの施工と一緒に、しかも一体化施工する
ようにしたので、基礎フーチングの施工工程が簡略化さ
れ、作業を簡素化することができる。また地中梁をプレ
キャストコンクリート製にすれば、基礎、地中梁に関す
る型枠工事を全てなくすことが可能となる。

【００１０】

【発明の効果】本発明によれば、場所打コンクリート杭
頭上に設ける基礎フーチングを、場所打コンクリート杭
の施工と一緒に、しかも一体化施工することにより、基
礎フーチングの施工工程が簡略化され作業を簡素化する
ことができるので、施工コストと施工日数を低減するこ
とが可能である。また、基礎フーチング天端の余盛りコ
ンクリートをコンクリートの強度発現前に除去すること
により、除去作業が容易である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の場所打ちコンクリート杭頭上の基礎フ
ーチングの施工法の実施例を示す工程説明図である
（Ａ）〜（Ｇ）。

【図２】図１の基礎フーチング部分を示す要部拡大図
で、（Ａ）は縦断面図、（Ｂ）は平面図である。

【図３】従来の場所打ちコンクリート杭頭上の基礎フー
チングの施工法の実施例を示す工程説明図である（Ａ）
〜（Ｇ）。

【符号の説明】

ａ コンクリート杭 ｂ 基礎フーチング ２ 掘削穴 ６ 杭穴 ８ 杭鉄筋籠 ９ フーチング鉄筋 １０ 柱主筋 １３ 本体コンクリート １４ 余盛りコンクリート

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 建造物の基礎フーチングを、地盤に打設
   した場所打ちコンクリート杭の杭頭に設ける施工方法で
   あって、場所打ちコンクリート杭の杭穴上部に基礎フー
   チング用の掘削穴を有する状態に掘削し、杭穴内に杭鉄
   筋籠を挿入するとともに、フーチング用の掘削穴内にフ
   ーチング鉄筋を挿入し、杭穴内及びフーチング用の掘削
   穴内に本体コンクリートを打設するとともに、本体コン
   クリート上であって基礎フーチング天端上に余盛りコン
   クリートを打設した後、基礎フーチング天端より上部の
   余盛りコンクリートを除去するようにしたことを特徴と
   する場所打ちコンクリート杭頭上の基礎フーチングの施
   工法。
2. 【請求項２】 フーチング鉄筋を杭鉄筋籠上端に前もっ
   て連接しておき、その連結状態で杭穴及び掘削穴内に挿
   入することを特徴とする請求項１の場所打ちコンクリー
   ト杭頭上の基礎フーチングの施工法。
3. 【請求項３】 前記余盛りコンクリートをコンクリート
   の強度発現前に除去するようにしたことを特徴とする請
   求項１の場所打ちコンクリート杭頭上の基礎フーチング
   の施工法。