JPH0737198A - 車載用進行方向指示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車等が走行中でも進行すべき方向の情報
を、走行時の視線移動を最小限に矢印のみで運転者に与
える。 【構成】 ＧＰＳを用いた自位置の測位システムであ
り、その自位置の表示に地図表示装置を用いるＧＰＳ装
置であり、車上には使用する際、車載用ＧＰＳ装置17の
表示装置とは別に、運転者の視線移動が最小となる位置
に配置され、進行方向を矢印のみで表示する小型の車載
用進行方向指示装置14を有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、車載用のＧＰＳ(グロ
ーバルポジショニングシステム)を利用した航法装置、
すなわち車載用進行方向指示装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】地球上空を周回する衛星を利用したＧＰ
Ｓ(グローバルポジショニングシステム)と呼ばれる地球
的測位システムを使用した自位置の測定装置が、その設
備環境等の充実に伴い、一般の自動車にも普及し始めて
いる。これは、リアルタイムで測定した自位置を地図情
報と共に表示装置上に表示することにより、自動車の運
転者に、運転に際し有益な位置情報をリアルタイムで与
えようとするものである。

【０００３】以下、従来の車載用ＧＰＳ装置について説
明する。図10は従来の車載用ＧＰＳ装置の表示装置部分
を自動車の運転席付近に配した際の概略図であり、図11
はその際の車載用ＧＰＳ装置の表示画面の表示状況を示
した図である。図10より説明すると、自動車の前方視界
31を通し進行中の道路33が見えている。自動車の運転者
は前方視界31を通し視線34で自動車を運転しているが、
車載用ＧＰＳ装置32の自車の位置情報や目的地情報、ま
た現在自車が走行している道路の目的地との関係等を見
るために、自動車を運転するための前方への視線34を、
下方にある車載用ＧＰＳ装置32を見るための視線35へと
大きく移動する必要がある。

【０００４】次に、図11の視線を移動させた先の車載用
ＧＰＳ装置32の表示画面について説明すると、車載用Ｇ
ＰＳ装置32の表示画面36には、目的地37と自位置38およ
び走行中の道路33が表示されている。目的地37と自位置
38を結ぶ目的地と自位置間の直線方向39に沿った目的地
37の方向を示す矢印40と、自車の進行方向を示す矢印41
が概略表示されている。図10で説明したように、走行中
に視線34を視線35に移し、表示画面36から目的地の方向
を示す矢印40と自位置38を認識したとしても、走行中の
道路33が目的地に対してどのような関係になっているか
を瞬時に把握するのは極めて困難であり、また認識に気
を取られて視線35を長い時間続けるのは自動車の走行に
おいて極めて危険である。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記のように従来の車
載用ＧＰＳ装置は、走行中にその表示画面より表示情報
を走行中の瞬時の視線の移動で読み取ることが大変困難
であり、また大変危険でもあるという問題が生じる。本
発明は上記問題を解決するものであり、自動車走行中の
運転者の視線移動を最小限にするとともに、走行中必要
な必要最小限の情報である目的地までの進行方向を矢印
のみで指示する小型の車載用進行方向指示装置を提供す
ることを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、目的地まで遠距離の位置に自車があるとき
は、目的地付近まで通じているとして適切に選定された
道路に道なりの進行方向の情報を矢印で示し、目的地の
近距離まで接近すると、自車の進行している道路とは無
関係に目的地までの直線距離方向を矢印で示すものであ
り、かつその矢印表示装置は車載用ＧＰＳ装置本体より
信号のみを取り出し、その進行方向を指示する矢印のみ
を表示し、しかも運転席の適切な所に配置可能な小型の
車載用進行方向指示装置である。

【０００７】

【作用】本発明は上記した構成により、車載用ＧＰＳ装
置の表示画面への視線移動および複雑な表示画面の凝視
による認識不良と運転時の危険を回避しつつ、目的地ま
での必要な進行方向情報を得ることを可能にしたもので
ある。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
しながら説明する。図１は本発明の進行方向指示につい
てのフローチャートを示している。まず、設定された目
的地と今現在の自位置間の直線距離を計算する(Ｓ1)。
その計算結果を基に目的地と自位置が遠距離にあるの
か、近距離にあるのかを判定する。その判断値を、ここ
では一例として２kmとした(Ｓ2)。Ｓ2での判定で遠距離
と判定されると、自車を目的地付近まで進ませることの
できる道路を設定することになり(Ｓ3)、自車を目的地
まで進ませる進行方向情報をＳ3で設定された道路の道
なりの方向として進行方向指示装置へ送り、進行方向指
示装置の矢印のみでその方向を表示することになる(Ｓ
4)。Ｓ2にて目的地と自位置が近距離と判定されると、
自位置と目的地間を結ぶ直線方向が求められ(Ｓ5)、今
現在自車が進行している方向と目的地までの直線方向間
の角度を求めることになる(Ｓ6)。次に、Ｓ6にて求めた
自車進行方向と目的地方向間の角度情報を進行方向指示
装置へ送り、進行方向指示装置の矢印を前進方向より求
めた角度分傾けて表示することになる(Ｓ7)。

【０００９】図２と図３は、図１にて目的地と自位置が
遠距離にあると判定されたときの車載用ＧＰＳ装置の表
示画面と進行方向指示装置の表示の概略を示している。
ＧＰＳ装置の表示画面８には目的地９と自位置10が表示
されており、また自車を目的地付近に進めることができ
るように設定された道路11があり、目的地９と自位置10
間の直線方向12が破線で示されている。自位置10にある
自車の進行方向は進行方向13で示されている。車載用Ｇ
ＰＳ装置の表示画面８に表示されているように、目的地
９と自位置10間の直線方向12と、設定された道路11を進
む自位置10にある自車の進行方向13は一致していない。
ここでは、設定された道路11を進行することを優先さ
せ、この車載用ＧＰＳ装置の表示画面８の情報の中で設
定された道路11の道なりの情報を、図３の進行方向指示
装置に送ることになる。図３の小型の車載用進行方向指
示装置14には、自車が進行すべき方向を示す矢印15のみ
が表示されている。図２にあるように設定された道路11
がいかに曲がりくねっていても、自車の進行が、設定さ
れた道路11に道なりに沿っていれば、矢印15は設定され
た道路11の道なりに沿って進行することを運転者に示す
ように表示される。

【００１０】図４は図２と図３の目的地と自位置が遠距
離ＧＰＳの状況を運転席回りで概略示した図である。前
方視界16を通して設定された道路11が見えており、運転
席回りには車載用ＧＰＳ装置17が配置され、車載用ＧＰ
Ｓ装置17と小型の車載用進行方向指示装置14が信号線18
でつながれており、また小型の車載用進行方向指示装置
14は運転席の適切な位置に配置されている。小型の車載
用進行方向指示装置14には、設定された道路11を道なり
に進めばよいことを運転者に示す矢印15が表示されてい
る。

【００１１】図５と図６は、図１にて目的地と自位置間
が近距離にあると判定されたときのＧＰＳ装置の表示画
面と進行方向指示装置の表示の概略を示している。ＧＰ
Ｓ装置の表示画面19には、目的地20，自位置21と自車の
進行する道路22が表示されている。目的地20と自位置21
間の直線方向23と、自車が進行する道路22の道なりに進
行しているその進行方向24との角度を角度α25とする
と、車載用進行方向指示装置14には角度α25の情報が送
られ、図６に示すように進行方向を指示する矢印26は、
自車の進行方向より角度α25傾いた位置を表示すること
になる。

【００１２】図７は図５と図６の目的地と自位置が近距
離時の状況を運転席回りで概略示した図である。前方視
界27を通して進行する道路22が見えており、運転席回り
には車載用ＧＰＳ装置17が配置され、車載用ＧＰＳ装置
17と小型の車載用進行方向指示装置14が信号線18でつな
がれており、また小型の車載用進行方向指示装置14は運
転席の適切な位置に配置されている。小型の車載用進行
方向指示装置14には、今現在、自車が進行している道路
22とは無関係に目的地20の方向が矢印26で表示されるこ
とになる。

【００１３】図８および図９には、車載用進行方向指示
装置14の進行方向を指示する矢印の表示方法の一例を示
している。車載用進行方向指示装置14の表示部をＬＣＤ
(liquid crystal display)表示装置とし、進行方向を指
示する矢印を予め必要な数だけ用意している。進行方向
に対して向かって右側の場合を＋(プラス)とし、左側を
−(マイナス)とする。右側＋(プラス)に対応する矢印群
28と、左側−(マイナス)に対応する矢印群29が図８のよ
うに予め用意されている。ただし、これらの矢印群28，
29は、常にはすべて同時には見えず、例えば自車の進行
方向と目的地の角度が進行方向に向かって右側30°にあ
る場合、車載用ＧＰＳ装置17から車載用進行方向指示装
置14に向かって、＋(プラス)30°に対応する矢印30のみ
をＬＣＤ表示装置上に表示するような命令が発せられ、
図９のように車載用進行方向指示装置14上に矢印30が表
示されることになる。

【００１４】

【発明の効果】以上の実施例より明らかなように、本発
明によれば、車載用ＧＰＳ装置の表示画面への視線移動
および複雑な表示画面の凝視による認識不良と運転時の
危険を回避しつつ、目的地までの必要な進行方向情報を
運転者に与えることを可能にした小型の車載用進行方向
指示装置を作ることができるという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例における進行方向指示につい
てのフローチャートである。

【図２】本発明の一実施例における車載用ＧＰＳ装置の
表示画面である。

【図３】本発明の一実施例における小型の車載用進行方
向指示装置を示す図である。

【図４】本発明の一実施例における運転席回りの状況の
概略図である。

【図５】本発明の一実施例における車載用ＧＰＳ装置の
表示画面を示す図である。

【図６】本発明の一実施例における小型の車載用進行方
向指示装置を示す図である。

【図７】本発明の一実施例における運転席回りの状況の
概略図である。

【図８】本発明の車載用進行方向指示装置の矢印群の表
示例を示す図である。

【図９】本発明の車載用進行方向指示装置の表示例を示
す図である。

【図１０】従来例の運転席回りの状況の概略図である。

【図１１】従来例の車載用ＧＰＳ装置の表示画面を示す
図である。

【符号の説明】 ８，19，36…表示画面、 ９，20，37…目的地、 10，
21，38…自位置、 11，22，33…道路、 12，23，39…
目的地と自位置間の直線方向、 13，24…進行方向、
14…車載用進行方向指示装置、 15，26，30，40，41…
矢印、 16，27，31…前方視界、 17，32…車載用ＧＰ
Ｓ装置、 18…信号線、 25…角度α、28，29…矢印
群、 34，35…視線。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 地球上空を周回する衛星を利用して地球
   上にある自位置の確定を行うＧＰＳ(グローバルポジシ
   ョニングシステム)と呼ばれる地球的自位置推測航法装
   置であり、測定した自位置を表示装置上に地図情報と同
   時に表示するＧＰＳ装置本体とは別個に前記ＧＰＳ装置
   本体より目的地方向の情報を受け、目的地までの進行方
   向のみを指示することを特徴とする車載用進行方向指示
   装置。
2. 【請求項２】 自位置と目的地までの距離が離れている
   場合、現在進行中の道路が目的地付近まで通じている道
   路、または適切であるとして選択された道路であれば道
   なりに真っ直ぐ進むように指示が表示され、自位置が目
   的地付近に近づくと、現在進行している道路とは無関係
   に目的地の方向を指示することを特徴とする請求項１記
   載の車載用進行方向指示装置。