JPH0736847Y2

JPH0736847Y2 - 車両用シートベルト

Info

Publication number: JPH0736847Y2
Application number: JP1989036134U
Authority: JP
Inventors: 正治一平
Original assignee: 正治一平
Priority date: 1989-03-28
Filing date: 1989-03-28
Publication date: 1995-08-23
Anticipated expiration: 2004-03-28
Also published as: JPH02125867U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）この考案は車両用シートベルトの改良に関する。

（従来技術）従来、乗用車等に装備されるシートーベルトは高張力性
の合成繊維から成るベルト体を用いて構成されている
が、上記したベルトは表面が滑らかで、使用者の衣服に
対する摩擦力も少ないので滑り易くなっている。

従って、危険時における急ブレーキで使用者が瞬間的に
前方へ移動された際に、使用者の体がベルトの内側の面
に接触しながら滑ることとなり、この滑りによる遊びで
もってベルトのロックが遅れることにより、シートベル
トによる保護効果が低下する結果となっていた。

また、シートベルトのベルトは上記した様に強固な合成
繊維から成っているので、使用者の衣服と擦れ合ううち
に衣服を傷めてしまうことにもなる。

（考案が解決しようとする課題）本考案の課題は、ベルト内面と使用者の衣服との間に生
じる滑りを低減させてシートベルトの作動時における遊
びを減少させることである。

（課題を解決する為の手段）上記した課題を解決する為に本考案の車両用シートベル
トは、ベルトの少なくとも内側の面に短毛をベルトの長
さ方向に傾斜起立せしめて設けたものである。

（作用）以上の手段によれば、ベルトの内側の面からは、ベルト
の長さ方向へ短毛が傾斜起立し、同ベルトはこの短毛を
介して使用者の衣服に当接する。

危険時における急ブレーキ等によって使用者が前方へ投
げだされそうになると、上記ベルト内側面の短毛が使用
者の衣服の繊維内に食い込んで摩擦力を高め、ベルトと
衣服との間の滑りを低減せしめる。

（考案の効果）本考案は以上の様に、ベルトの少なくとも内側の面に短
毛をベルトの長さ方向へ傾斜起立配設したものであるか
ら、該短毛が上方を向くようにベルトをシートに装着す
れば、使用者の衣服に対するベルトの摩擦力を高めるこ
とができ、これにより急ブレーキ時等においてベルトと
使用者の衣服との間で生じる滑り、即ち遊びを大幅に減
少せしめてベルトのロック作動を確実に成し、シートベ
ルトにおける保護機能を向上させることができるもので
ある。

また、ベルト装着状態においてベルトと使用者の衣服と
が頻繁に擦れ合うが、ベルトは衣服に対して傾斜起立配
設された短毛を介して弾性的に接触するので、擦れ合う
ことによって衣服の繊維に対して与える負担を柔らげる
ことができる。

（実施例）以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。

第１図にて示す（Ａ）は、乗用車のシート（Ｂ）に対し
て装着される３点式のシートベルトであり、ベルト
（１）の一端（a₁）をシート着座部の一側に固定すると
共に、同ベルト（１）の他端を固定金具（２）を介して
車内上方部に設けられるロック機能部（a₂）に取付け固
定し、さらに、ベルト（１）の略中央に設けた装着用の
バックル（３）をシート着座部の他側に設けた掛止部
（４）に対して着脱自在に掛止する様に構成されてい
る。

上記したベルト（１）は、第２図及び第３図にて示す様
に高張力性な合成繊維を示して長手方向に高い強度を有
する様に編まれており、そして使用者と接触する内側の
面に長さ1mm程度の短毛（1a）が使用者の上半身と接触
する範囲に傾斜起立した状態で植毛してある。

また、上記した短毛（1a）はベルト（１）における使用
者が接触する範囲、例えばバックル（３）より上方に80
cm程度の範囲で植毛し、これによって着脱する際にベル
ト（１）の植毛分部がロック機能部（a₂）等に巻き込ま
れたり引っ掛からないようにしている。

また、短毛（1a）は第３図にて示す様にベルト（１）の
装着状態において上方へ向けられる様にベルト（１）の
長さ方向に幾分傾斜させて起立させてある。

而して、上記した如く構成したシートベルト（Ａ）を装
着した状態において急ブレーキがかけられると、使用者
は慣性によって前傾する様に投げ出されそうになる。

この時、ベルト（１）の内面に傾斜起立する短毛（1a）
群は使用者の衣服の繊維内に食い込んで大きな摩擦力を
生じる。

従って、ベルト（１）は急ブレーキと略同時に使用者の
衣服に対して滑ることなく密着し、これによってベルト
（１）が遊びなく引かれてロック機能部（a₂）が敏速に
作動し、使用者の体はベルト（１）によって即時に保持
される。

また、短毛（1a）はベルト（１）の長さ方向に傾斜する
ように植毛することによって、即ちベルト（１）の装着
状態において、上方へ向けて傾斜する様に植毛すること
によって、前傾する様に投げ出されそうになる使用者の
衣服に対する短毛（1a）の食込みをより確実に行なうこ
とができる。

また、運転中においてベルト（１）は使用者の衣服に対
して常時擦れ合う状態で接触するが、ベルト（１）は弾
力性を有する短毛（1a）を介して接触するので、擦れ合
うことによって衣服に与える負荷を緩和でき、衣服の生
地が傷むこともない。

尚、短毛（1a）は、短毛が植毛される布地をベルト
（１）の内側の面に貼着することによって設けても良い
ものである。

さらに、短毛（1a）はベルト（１）の内外両面に設けて
もよく、これによってベルト（１）の内外面が反対に捲
れてしまっていてもベルトの密着機能が損なわれること
はない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を実施したシートベルトの装着状態を示
す斜視図、第２図はベルトを示す正面図、第３図はベル
トの縦断面図である。図中、 A:シートベルト 1:ベルト 1a:短毛

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】ベルトの表面に短毛が起立されたシートベ
ルトにおいて、ベルトの少なくとも内側の面に短毛をベ
ルトの長さ方向に傾斜起立せしめて設けた車両用シート
ベルト。