JPH073604A - 不織布の製造方法およびその装置 - Google Patents

不織布の製造方法およびその装置

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JPH073604A
JPH073604A JP14347093A JP14347093A JPH073604A JP H073604 A JPH073604 A JP H073604A JP 14347093 A JP14347093 A JP 14347093A JP 14347093 A JP14347093 A JP 14347093A JP H073604 A JPH073604 A JP H073604A
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一誠 辻
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和夫 古川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 縦方向の強度が大きく、かつ均一な不織布を
得ることができるとともに、縦/横方向の強度比を自在
に調整することができる不織布の製造方法およびその装
置の提供。 【構成】 エアサッカー15から気流とともに噴出された
繊維束20を通気性の捕集手段30の上に堆積させ、この捕
集手段30の繊維束20が堆積される部位Aの下側に気流遮
蔽手段40を設けて気流の制御を行うことにより繊維束20
を縦方向に広げて堆積させるようにした。また、捕集手
段30を繊維束20の流れ方向に対して所定の角度傾けて設
け、さらに繊維束20を縦方向に広げて堆積させてもよ
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、不織布の製造方法およ
びその装置に関し、縦方向の強度の大きな不織布を製造
する場合に利用できる。
【0002】
【背景技術】従来より、不織布はその使用用途等の相違
により、縦方向の強度の大きなもの、縦横両方向に均一
な強度を有するもの等、種々の性状を有するものが製造
されている。例えば、家具用裏打材、寝装用基布材、農
業用シート、衣料用素材等、不織布を比較的広い面の状
態で使用する場合などには、縦横両方向に均一な強度を
有するものが用いられる。一方、電線巻き材、各種ひも
材、紙おむつ用トップ材等、不織布を細く切って縦長に
使用する場合などには、縦方向の強度の大きなものが用
いられる。
【0003】このうち、特に不織布の後加工において加
工機械による連続的な不織布の加工を行う場合、例え
ば、紙おむつを製造する場合などには、加工機械による
引っ張りや加工機械の高速化に対応するために、不織布
には縦方向の強度、伸びにくさが要求される。そして、
このような場合には、それぞれの後加工方法に適するよ
うに縦方向の強度を任意に設定できることが好ましい。
【0004】このような要求に対し、縦方向の強度と横
方向の強度との比を任意に変化させ、あるいは縦方向の
強度を積極的に向上させるために、種々の方法が提案さ
れている。例えば、図3には、特開昭61-70060号、特開
昭61-75863号、特開昭60-39465号、特開昭59−216963号
各公報に記載されたいわゆるスパンボンド式の縦方向の
強度を有する不織布の製造方法が示されている。この方
法では、ダイスで形成された後に上方のエアサッカー等
から気流とともに噴出されてスダレ状に降りてくる繊維
束(フィラメント群)90を平板91に当て、その後、平板
91の幅方向に断続的にかつ平板91と所定の角度をなすよ
うに設けられた突起板92により一部の繊維束90A の方向
を変え、残りの繊維束90B を平板91に沿わせることによ
り、繊維束90を分離走行させる。このように繊維束90を
分離走行させた後、捕集面上に堆積させれば、繊維束90
中のフィラメントが捕集面上に描くパターンは縦方向に
配列され、所望の縦方向の強度を得ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た図3の製造方法では、繊維束90を縦方向に配列して捕
集面上に堆積させるため、縦方向の強度を得ることがで
き、また平板91と突起板92とがなす角度を変えること
で、縦/横方向の強度比を調整することも可能である
が、突起板92に沿って走行する繊維束90A と平板91に沿
って走行する繊維束90B とのフィラメント本数に偏りが
生じたり、あるいは平板91と突起板92との境界に相当す
る部分で筋状の斑が生じたりするおそれがあり、均一な
不織布を得ることができないうえ、外観も不良になると
いう問題があった。
【0006】本発明の目的は、縦方向の強度が大きく、
かつ均一な不織布を得ることができるとともに、縦/横
方向の強度比を自在に調整することができる不織布の製
造方法およびその装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、捕集手段の下
側に気流遮蔽手段を設け、繊維束中のフィラメントが捕
集手段の捕集面上に描くパターンを縦方向に広げて配列
することにより前記目的を達成しようとするものであ
る。具体的には、本発明の不織布の製造方法は、気流と
ともに繊維束を噴出して通気性の捕集手段の捕集面上に
堆積させるとともに、この堆積位置の背面側で前記捕集
手段を通過した前記気流を遮蔽することを特徴とする。
また、本発明の不織布の製造方法は、前記捕集手段の捕
集面を前記繊維束の流れ方向に対して所定の角度傾けた
ことを特徴とする。さらに、本発明の不織布の製造装置
は、噴出された繊維束を堆積させる通気性の捕集手段
と、この捕集手段の前記繊維束が堆積される部位の下側
に設けられた気流遮蔽手段とを有することを特徴とす
る。そして、本発明の不織布の製造装置は、前記捕集手
段の捕集面が、前記繊維束の流れ方向に対して所定の角
度傾けて設けられていることを特徴とする。
【0008】
【作用】このような本発明においては、上方のエアサッ
カー等から気流とともに繊維束を噴出して下方にスダレ
状に降ろし、この繊維束を通気性の捕集手段の捕集面上
で堆積させてウェブを形成し、下流の熱圧着用のエンボ
スロール等の各装置に送る。この際、通気性の捕集手段
を上方から下方に向けて通過する気流は、サクションボ
ックス等により吸引されて回収されるが、捕集手段の繊
維束が堆積される部位の下側に気流遮蔽手段が設けられ
ているので、上方のエアサッカー等から送られてくる気
流は、この気流遮蔽手段の両側(捕集手段の移動方向の
前後側)を通過して流れ、サクションボックス等で回収
されるようになる。このため、繊維束は捕集手段の捕集
面の上側で縦方向(捕集手段の移動方向)に徐々に広げ
られ、捕集面上で縦方向に長いループを描きながら配列
されて堆積されるので、縦方向の強度の大きな不織布が
得られる。さらに、この気流遮蔽手段の大きさ(縦方向
の長さ)や形状、あるいは気流遮蔽手段と捕集手段との
距離を調整して気流を変化させることにより、繊維束の
縦方向の広がりは自在に調整され、不織布の縦方向の強
度(縦/横方向の強度比)を任意に設定することが可能
となる。
【0009】そして、繊維束は、図3に示した従来例の
平板91および突起板92のように捕集手段の上側で強制的
に分離されるのではなく、捕集手段の下側に設けられた
気流遮蔽手段による気流のコントロールで縦方向に徐々
に広げられるため、むらのない均一な不織布が得られ、
外観も良好なものとなる。
【0010】また、捕集手段の捕集面を繊維束の流れ方
向に対して所定の角度傾けて設けておけば、縦方向に広
がった繊維束が斜めに捕集面に当たるようになるため、
さらに捕集面上での縦方向の配列が長くなり、不織布の
縦方向の強度が増すようになるとともに、この傾斜角度
を変更することで不織布の縦方向の強度を任意に設定す
ることが可能となり、これらにより前記目的が達成され
る。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1には、本実施例に係る不織布製造装置10の
全体構成が示されている。不織布製造装置10は、いわゆ
るスパンボンド式の不織布製造装置であり、図示されな
いホッパー等から供給された不織布の原料を押し出す押
出機11と、この押出機11から押し出された原料を下流に
送るギアーポンプ12と、連続状繊維の繊維束20を形成す
るダイス13と、繊維束20を冷却する冷却チャンバー14
と、気体を噴出して繊維束20を下方に牽引するエアサッ
カー15とを備えている。そして、エアサッカー15の下流
に、繊維束20を堆積させてウェブ21を形成する捕集手段
であるサクションコンベア30と、ウェブ21を搬送する搬
送コンベア17と、ウェブ21を熱圧着するエンボスロール
18とを備えている。
【0012】ダイス13は、その下面に縦横に配置された
多数の孔を有し、これらの孔を紡糸ノズルとしてここか
ら溶融原料を紡出し、連続状繊維の繊維束20を形成する
構成となっている。エアサッカー15は、上方のダイス13
により形成された繊維束20を矩形のスリット16で略横一
列に配列し、高速気流を噴出して繊維束20を下方のサク
ションコンベア30に送るようになっている。
【0013】サクションコンベア30は、メッシュを有す
る通気性の移動ベルト35と、この移動ベルト35を支持ま
たは駆動する複数のロール36等により構成され、この移
動ベルト35の表面は、上方のエアサッカー15から降りて
きた繊維束20を堆積してウェブ21を形成する捕集面31と
なっている。サクションコンベア30の繊維束20が堆積さ
れる位置(図中A点)の下側には、サクションボックス
32が設けられている。このサクションボックス32は、エ
アサッカー15から噴出された繊維束20の牽引用の高速気
流を回収するものであり、サクションボックス32に接続
されたサクションブロアー33から気体を吸引して外部に
排出するようになっている。
【0014】サクションコンベア30の繊維束20が堆積さ
れる位置Aとサクションボックス32との間には、気流遮
蔽手段である円柱形状のブラインドロール40が設けられ
ている。図2は、ブラインドロール40近傍の拡大図であ
る。ブラインドロール40は、サクションコンベア30の捕
集面31の裏面に接触して移動ベルト35を支持するように
設けられ、その軸方向は横方向(移動ベルト35の移動方
向に対して直角方向)となっている。ブラインドロール
40の直径Dは、エアサッカー15から降りてきた繊維束20
が捕集面31上の位置Aの近傍で縦方向(移動ベルト35の
移動方向)に広がる際に、その着面幅Hが所望の幅とな
るように適宜調整する。ここで、ブラインドロール40の
直径Dが大きい程、繊維束20が縦方向に広がって着面幅
Hが大きくなり、縦方向の強度を充分に得ることができ
る。
【0015】また、繊維束20が捕集面31上に着面する位
置Aの近傍では、サクションコンベア30の移動ベルト35
は、水平面に対して所定の傾斜角度αを成すような上り
傾斜面となっている。つまり、移動ベルト35は、繊維束
20の流れ方向に対して所定の角度(90度−α)傾けて設
けられている。ここで、傾斜角度αが大きい程、繊維束
20が縦方向に広がって着面幅Hが大きくなり、縦方向の
強度を充分に得ることができる。
【0016】エンボスロール18は、搬送コンベア17によ
り送られてきたウェブ21を熱圧着する装置であり、上下
に二つのロールを備え、片方のロールには多数の突起を
備えたエンボス面が形成され、他方のロールには滑らか
なスムース面が形成されており、これらのロール間にウ
ェブ21を挟み込んで製品である不織布を形成するように
構成されている。
【0017】このような本実施例においては、以下のよ
うに不織布を製造する。先ず、押出機11からギアーポン
プ12を介してダイス13に不織布の原料を供給し、ダイス
13で連続状繊維の繊維束20を形成し、この繊維束20を冷
却チャンバー14で冷却した後、エアサッカー15のスリッ
ト16を通して高速気流とともに下方のサクションコンベ
ア30に送る。
【0018】次に、エアサッカー15から噴出された繊維
束20を、移動ベルト35の捕集面31上でループを描かせな
がら堆積させてウェブ21を形成する。この際、繊維束20
はブラインドロール40による気流の遮蔽効果で捕集面31
に近づくにつれて徐々に縦方向に広がり、捕集面31上で
は着面幅Hとなる。そして、捕集面31上のウェブ21を移
動ベルト35で下流の搬送コンベア17に送る。一方、繊維
束20を牽引する高速気流を、サクションコンベア30の移
動ベルト35のメッシュを通してサクションボックス32で
回収し、サクションブロアー33から外部に排出する。こ
の際、気流は図中矢印Bに示すようにブラインドロール
40を避けるようにしてブラインドロール40の両側を通過
する。
【0019】その後、ウェブ21を搬送コンベア17でエン
ボスロール18に送り、エンボスロール18でこれを熱圧着
して不織布を形成し、エンボスロール18の下流に設けら
れた図示されない巻取り機でこの不織布を巻き取って製
品とする。
【0020】このような本実施例によれば、次のような
効果がある。すなわち、サクションコンベア30の繊維束
20が堆積される位置Aとサクションボックス32との間に
は、ブラインドロール40が設けられているので、移動ベ
ルト35を通過した後の気流の一部を遮蔽することができ
る。このため、移動ベルト35を通過した後の気流はブラ
インドロール40を避けて縦方向に広がるように流れるた
め、エアサッカー30から気流とともに噴出された繊維束
20を縦方向に広げることができ、縦方向の強度の大きな
不織布を得ることができる。
【0021】また、繊維束20が捕集面31上に着面する位
置Aの近傍では、サクションコンベア30の移動ベルト35
は、水平面に対して所定の傾斜角度αを成しているの
で、縦方向に広がった繊維束20を斜めに捕集面31上に着
面させることができるので、より繊維束20を縦方向に広
げることができ、縦方向の強度の大きな不織布を得るこ
とができる。そして、傾斜角度αは上り傾斜となってい
るので、下り傾斜とする場合に比べ、吹き飛んでしまっ
て回収されない気流の量を少なくすることができ、サク
ションボックス32の吸引能力を小さくすることができ
る。
【0022】さらに、繊維束20は図3に示した従来例の
平板91および突起板92のようにサクションコンベア30の
上側で強制的に分離されるのではなく、ブラインドロー
ル40による気流のコントロールで縦方向に徐々に広げら
れるため、むらのない均一な不織布を得ることができる
うえ、外観も良好にすることができる。
【0023】また、ブラインドロール40の直径Dやサク
ションコンベア30の傾斜角度αを変更することにより、
繊維束20の縦方向の広がりを自在に調整することがで
き、不織布の縦方向の強度、言い換えれば縦/横方向の
強度比を任意に設定することができる。
【0024】さらに、サクションコンベア30の移動ベル
ト35を通過した後の気流を遮蔽する位置に単純な構造の
ブラインドロール40を設けるだけで繊維束20を縦方向に
広げることができるので、図3に示した従来例の平板91
および突起板92のような複雑な設備や装置を要すること
がなく、設備コストを低減することができる。
【0025】なお、本発明の効果を確かめるために以下
のような比較実験を行った。原料には、ポリプロピレン
(出光ポリプロY6005G)を用い、前述した不織布製造装
置10で各種の条件を設定しながら目付20g/m2の不織布を
製造した。実施例の実験例として、ブラインドロール40
の直径D(mm)を60, 90,120,150,180mmで変化させると
ともに、傾斜角度αを0,20,25,30度(上り傾斜)および
−25度(下り傾斜)で変化させて合計12種類の条件を
設定した。一方、比較例として、ブラインドロール40が
無い状態において、傾斜角度αを0,20,25,30度(上り傾
斜)および−25度(下り傾斜)で変化させて合計5種類
の条件を設定した。
【0026】また、サクションコンベア30の移動ベルト
35は、プラスチック製とし、その通気度が330 cc/cm2/s
ecのものを用いた。そして、各条件で得られた不織布の
品質(物性、繊維配列の度合い、外観)を評価するとと
もに、サクションコンベア30の捕集面31上での繊維束20
の吹き飛び状況により成形性も評価した。物性は、JIS
L1096 法に基づいて縦方向および横方向の引張強さを測
定し、この際の引っ張りによる不織布の変形量が10%に
達した時の荷重値(kg/5cm)で示した。繊維配列の度合
いは、前記荷重値の縦方向と横方向との比の値で示し
た。外観は、製造後の不織布の均一性(むら、縦筋、糸
の固まり等の有無)を目視にて評価した。
【0027】
【表1】
【0028】表1には、比較実験の結果が示されてい
る。実験例1〜5と比較例1とを比べると、傾斜角度α
が 0度においては、ブラインドロール40が設けられた実
験例1〜5の方が、比較例1よりも縦方向の強度および
強度の縦/横比が大きくなっている。また、実験例1〜
5においてブラインドロール40の直径Dが大きくなる
程、縦方向の強度および強度の縦/横比が大きくなって
おり、ブラインドロール40の直径Dを変化させることに
より、縦方向の強度および強度の縦/横比を調整できる
ことが示されている。なお、実験例4,5では、縦筋が
発生しており、ブラインドロール40の直径Dがあまり大
きいと縦方向の強度は充分に得ることができるが、外観
は低下してくることがわかる。
【0029】また、実験例6〜8,9〜11と比較例2
〜4とを比べると、同じ傾斜角度αにおいては、ブライ
ンドロール40が設けられた実験例6〜8,9〜11の方
が、比較例2〜4よりも縦方向の強度および強度の縦/
横比が大きくなっている。また、実験例6〜8,9〜1
1においてブラインドロール40の直径Dが同じ条件で
は、傾斜角度αが大きい程、縦方向の強度および強度の
縦/横比が大きくなっており、傾斜角度αを変化させる
ことにより、縦方向の強度および強度の縦/横比を調整
できることが示されている。
【0030】さらに、実験例12では、ブラインドロー
ル40が設けれた状態で、傾斜角度αが下り傾斜となって
いるが、実験例9と比較すると、同程度の縦方向の強度
および強度の縦/横比が得られており、成形性や外観も
良好な結果となっている。一方、実験例12と比較例5
とを比べると、傾斜角度αが下り傾斜の場合において
も、ブラインドロール40が設けられた実験例12の方
が、比較例5よりも縦方向の強度および強度の縦/横比
が大きくなっており、ブラインドロール40が設けられて
いれば下り傾斜であっても充分な機能を有する不織布を
製造できることが示されている。そして、実験例1〜1
2では、ブラインドロール40の直径Dをかなり大きくし
た実験例4,5を除き、成形性、外観がともに良好な結
果となっている。以上の比較実験結果により本発明の効
果が顕著に現れていることがわかる。
【0031】なお、本発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の目的を達成できる他の構成も含
み、例えば以下に示すような変形等も本発明に含まれる
ものである。すなわち、前記実施例では、矩形のスリッ
ト16を有するエアサッカー15により高速気流を噴出して
繊維束20を下方に牽引したが、このような型のエアサッ
カー15に限定されるものではなく、要するに繊維束20を
下方に牽引できる装置であればよい。また、押出機11、
ギアーポンプ12、ダイス13、冷却チャンバー14、搬送コ
ンベア17、エンボスロール18等の構成は前記実施例の構
成に限定されるものではなく任意であり、要するにスパ
ンボンド式の不織布製造装置を構成できればよい。
【0032】さらに、前記実施例では、サクションコン
ベア30は上りの傾斜角度αを有しているが、下りの傾斜
角度αであってもよく、あるいは水平であってもよい。
しかし、上りの傾斜角度αとしておくことが望ましく、
そうすることで繊維束20を縦方向により広げることがで
きるうえ、気流の吹き飛びも少なくすることができる。
そして、前記実施例では、サクションコンベア30の捕集
面31を水平面に対して傾斜させているが、捕集面31は水
平とし、エアサッカー15から気流とともに噴出される繊
維束20をコアンダ効果等を利用して傾斜させたり、ある
いはエアサッカー15自体を傾斜させてもよく、要するに
繊維束20を捕集面31に斜めに着面させて堆積させるよう
にすればよい。
【0033】また、サクションコンベア30の材質は、プ
ラスチック製、ステンレス製等任意であり、要するにあ
る程度充分な通気性を有し、かつ繊維束20を堆積して搬
送できる機能を有していればよい。さらに、前記実施例
では、捕集手段はメッシュを有する通気性の移動ベルト
35および複数のロール36により構成されたサクションコ
ンベア30となっているが、このようなベルト式の構成に
限定されるものではなく、例えば多孔を有する中空回転
円筒を用いて構成してもよく、この場合には、中空回転
円筒内にブラインドロール40を設ければよい。
【0034】また、前記実施例では、気流遮蔽手段は円
柱形状を有するブラインドロール40となっているが、そ
の形状は任意であり、例えば、単なる板状の遮蔽物であ
ってもよく、あるいは断面形状が楕円形状、三角形形
状、台形形状、への字形状のものであってもよく、要す
るに、横方向(不織布の幅方向)に長く、かつサクショ
ンコンベア30の移動ベルト35を通過した後の気流の一部
を遮蔽することができるものであればよい。
【0035】また、前記実施例では、ブラインドロール
40は、サクションコンベア30の移動ベルト35の捕集面31
の裏面に接触して移動ベルト35を支持しているが、移動
ベルト35から離れていてもよく、その場合には繊維束20
が捕集面31上に着面する位置Aの両側に別の支持用ロー
ル等を設置しておけばよい。そして、このようなブライ
ンドロール40と移動ベルト35との距離の変更により、不
織布の縦方向の強度(縦/横方向の強度比)を任意に調
整することができる。ここで、これらの距離を近づける
程、繊維束20が縦方向に広がって着面幅Hが大きくな
り、縦方向の強度を充分に得ることができる。さらに、
ブラインドロール40は、移動ベルト35の移動とともに回
転するものであってもよく、固定されたものであっても
よい。
【0036】また、不織布の原料は、スパンボンド式の
製造方法に適用できる材料であれば任意であり、例え
ば、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リアミド(ナイロン)等の熱可塑性樹脂などを適用する
ことができる。
【0037】
【発明の効果】以上に述べたように本発明によれば、捕
集手段の下側に気流遮蔽手段を設けて繊維束を牽引する
気流を制御するので、繊維束中のフィラメントが捕集手
段の捕集面上に描くパターンを縦方向に広げて配列する
ことができ、縦方向の強度が大きく、かつ均一な不織布
を得ることができるうえ、縦/横方向の強度比を任意に
調整することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す全体斜視図。
【図2】前記実施例の要部を示す拡大図。
【図3】従来例を示す斜視図。
【符号の説明】
10 不織布製造装置 13 ダイス 15 エアサッカー 20 繊維束 21 ウェブ 30 捕集手段であるサクションコンベア 31 捕集面 32 サクションボックス 35 移動ベルト 40 気流遮蔽手段であるブラインドロール α 捕集手段の捕集面の傾斜角度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 忠博 千葉県山武郡九十九里町作田417−1 ユ ニ化工株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気流とともに繊維束を噴出して通気性の
    捕集手段の捕集面上に堆積させるとともに、この堆積位
    置の背面側で前記捕集手段を通過した前記気流を遮蔽す
    ることを特徴とする不織布の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した不織布の製造方法に
    おいて、前記捕集手段の捕集面を前記繊維束の流れ方向
    に対して所定の角度傾けたことを特徴とする不織布の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 噴出された繊維束を堆積させる通気性の
    捕集手段と、この捕集手段の前記繊維束が堆積される部
    位の下側に設けられた気流遮蔽手段とを有することを特
    徴とする不織布の製造装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載した不織布の製造装置に
    おいて、前記捕集手段の捕集面は、前記繊維束の流れ方
    向に対して所定の角度傾けて設けられていることを特徴
    とする不織布の製造装置。
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