JPH0734504A - 厨芥移送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】ディスポーザで粉砕された厨芥を含む汚水を移
送する目的で、水中ポンプを利用した簡易な構成で、真
空で吸引し、ポンプで圧送できる厨芥の移送装置を提供
する。 【構成】あらかじめ水を貯留させた密閉タンク１内に水
中ポンプ２を設け、水中ポンプ２の吐き出し口を密閉タ
ンク１内に開口させ、密閉タンク１内の水を水中ポンプ
２吸い込み口に循環させる循環パイプ６を設置し、その
途中に流入口８を設けて、流入口８に厨芥粉砕機１１の
流出管１２を接続して厨芥を含む汚水を負圧で吸引させ
る。密閉タンク１の上部には外部排出管４を接続してあ
り、密閉タンク１内の水中ポンプ２を厨芥粉砕機１１と
連動して起動させることにより、厨芥を連続し吸引して
密閉タンクから外部排出管４を通して圧送できる構成と
した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は厨芥の移送装置に係わ
り、詳しくは粉砕された厨芥を含む汚水をポンプを利用
して系外に圧送できるようにした厨芥移送装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】一般に台所などで生じる厨芥は厨芥粉砕
機（ディスポーザ）で粉砕して排出するようになってき
ている。前記厨芥粉砕機から排出された厨芥を含む汚水
を圧送する手段として水中ポンプを利用することが多
い。すなわち図１２に示すように粉砕機５０で破砕され
た厨芥を含む汚水を、自然流下の配管５１により汚水槽
５２に移送する。前記汚水槽５２内に水中ポンプ５３を
配置し、汚水槽５２にある程度の汚水が貯留された際
に、上部水位検知器５４が作動し、水中ポンプ５３が起
動して汚水を直接に系外へ搬出するようにしている。前
記水中ポンプ５３が起動し、汚水槽５２の水位が低下し
て、下部水位検知器５５が作動すると、水中ポンプ５３
が停止するようになっている。なお下部水位検知器５５
は、水中ポンプ５３が空気を吸い込まないように、慎重
に設置位置を設定している。

【０００３】また、厨芥を含む汚水を真空移送する装置
として、図１３に示すように真空ポンプ利用式の真空移
送装置がある。この真空移送装置は厨芥粉砕機５６と貯
留タンク５７を備え、吸引管５８が貯留タンク５７の中
に挿入されている。この吸引管５８の他端側は真空下水
管５９へ接続されている。そして吸引管５８の途中に
は、真空弁６０が設置され、貯留タンク５７内の水位検
知器６１の動作により、真空弁６０が開閉するようにな
っている。この装置は真空弁６０で閉じられた真空下水
管５９内をあらかじめ真空ポンプなどで負圧に保ち、貯
留タンク５７に厨芥を含む汚水を貯留させ、ある程度の
汚水が貯留された際に、水位検知器１２が動作して真空
弁６０が開き、汚水を吸引して系外に排出する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら図１２で
示す従来の水中ポンプ５３で厨芥を含む汚水を圧送する
方式では、水中ポンプ５３自体の故障は少ないものの、
厨芥を含む汚水を厨芥粉砕機５０から自然流下で配管５
１で移送し、汚水槽５２に滞留させるため、厨芥粉砕機
５０から汚水槽５２までの配管５１の勾配および長さに
制限があった。また汚水槽５２内に滞留した汚水の腐
敗、悪臭が発生しやすかった。さらに設置した水位検知
器５４・５４で水中ポンプ５３の起動、停止を行うた
め、異物の絡み付きによる水位検知器５４・５５の故障
に伴う水中ポンプ５３の動作不良または、停止水位以下
に下部水位検知器５５を設置したためにおこる、水中ポ
ンプ５３の空気吸い込みによるエアロック、それに伴う
揚水不能などのトラブルがあった。

【０００５】つぎに図１３で示す従来の真空移送装置で
は、厨芥粉砕機５６から貯留タンク５７までは自然流下
で汚水を移送する必要があるため、貯留タンク５７の設
置場所に制限があった。また貯留タンク５７内の水位検
知器６１の異物の絡みによる故障、真空弁６０の詰まり
などの故障など、付属品の信頼性の問題があった。また
真空下水管５９を真空に保つため、真空下水管５９の終
末端に真空ポンプが必要で、その出力は大型で、騒音も
大きいものとなっていた。かつ真空圧（−１０ｍまで）
を利用するため長い距離を吸引できず、また真空ポンプ
以降の汚水の移送はできなく、その際には別途ポンプが
必要であった。

【０００６】そこで本発明は、厨芥粉砕機から移送装置
の流入口まで、配管勾配の制限を受けずに厨芥を含む汚
水を移送でき、故障の原因となる水位検知器や詰まりの
原因となる移送配管中の弁類を使用せず、厨芥粉砕機で
破砕された厨芥を含む汚水を安定して圧送可能な厨芥移
送装置を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明はあらかじめ水を貯留させた密閉タンクに水
中ポンプを内蔵し、前記水中ポンプの吐き出し口を密閉
タンク内に開口させ、密閉タンク内の水を水中ポンプ吸
い込み口に循環させる配管を設置し、前記配管の途中に
流入口を設け、この流入口に厨芥粉砕機の流出管を接続
する。そして密閉タンクの上部には外部排出用の配管を
接続し、密閉タンク内の水中ポンプを厨芥粉砕機と連動
して起動させ、厨芥を含む汚水と空気の混合水を密閉タ
ンクから外部排出用配管を通して圧送できる構成とし
た。

【０００８】

【作用】上記構成において、密閉タンク内の貯留水を水
中ポンプが吸い込みかつ循環させるが、その循環配管途
中の流入口には負圧が発生し、かつ水中ポンプには自吸
作用が生じる。ここで厨芥粉砕機で破砕された厨芥を含
む汚水は空気とともに前記流入口に吸引される。流入口
に吸引された汚水は、水中ポンプに循環水と共に流入
し、水中ポンプで昇圧され、密閉タンク内に汚水と空気
を排出し、密閉タンクを充満した後、外部排出管から系
外へ排出されることとなる。

【０００９】

【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の第１の実
施例を説明する。図１は本実施例の厨芥移送装置の断面
図である。図中の１は装置内に設備した密閉タンクであ
り、内部に水中ポンプ２が設置してある。この密閉タン
ク１にはタンク蓋３を水密に取付けている。前記密閉タ
ンク１の上部にはタンク蓋３を水密貫通した汚水排出用
の外部排出管４が挿入されている。またタンク蓋３には
ポンプケーブル５を水密貫通させている。前記密閉タン
ク１の下部には、密閉タンク１の底部から密閉タンク１
内の貯留水を吸い込み、ポンプ吸い込み口に循環させる
循環パイプ６が設けられている。この循環パイプ６の途
中にはエジェクターノズル７が設置され、エジェクター
ノズル７の後流側に厨芥を含む汚水を吸引する流入口８
を開口させてある。前記流入口８には流入配管９が接続
され、流入配管９は前述の外部排出管４のタンク内配管
開口部１０よりも高い位置まで立ち上げ配管され、最上
部で厨芥粉砕機１１の流出管１２に接続されている。前
記流入配管９の立上り頂部には、密閉タンク１と連通し
た配管１３が接続され、配管１３の途中に電磁弁１４が
設置してあり、通常、通電していない際には弁は閉止し
ている。前記タンク蓋３には呼び水栓１５が設けてあ
り、開閉タンク１は脚１６で支持されている。前記厨芥
粉砕機１１は流し台の水槽１７に接続され、水槽１７に
は電磁弁１８で通水制御される蛇口１９が関連づけら
れ、厨芥粉砕機１１に粉砕用水を供給するようにしてい
る。装置本体には操作スイッチ２０が設けられ、これと
関連する制御盤２１が備えられている。制御盤２１は内
部制御部とリレーなどの駆動部（図示せず）を持ってい
る。そして操作スイッチ２０を押下すると、制御盤２１
の制御により、電磁弁１４、厨芥粉砕機１１、水中ポン
プ１２の起動、停止を制御するようになっている。

【００１０】なお、水中ポンプ２はメンテナンスの関係
から上部に把手２２をもっており、この把手２２は密閉
タンク１内の上部の空気中に位置するようになってい
る。つぎに水中ポンプ２の構造を図２で説明する。水中
ポンプ２はモータ２３を有し、このモータ２３に接続さ
れたシャフト２４の先端に羽根車２５を挿入し、ナット
で締め付けて取付けている。ポンプケーシング２６はモ
ータブラケット２７にボルトで取り付けられている。そ
して羽根車２５は開放羽根（オープン型）で、かつ羽根
車２５の全面端とポンプケーシング２６の底面との間
に、Ｗのすき間を設けている。前記ポンプケーシング２
６に形成された吐き出し口２８は密閉タンク１内に開口
している。

【００１１】上記構成の厨芥移送装置の動作を説明す
る。まず運転準備を説明する。密閉タンク１に、あらか
じめ呼び水栓１５を開けて水を注入する。水を充満した
後、呼び水栓１５をタンク蓋３に十分締め付ける。

【００１２】次に運転制御方法を説明する。操作スイッ
チ２０を押下し、制御盤２１内の制御により、電磁弁１
８、厨芥粉砕機１１、水中ポンプ２を制御盤駆動部のリ
レー電圧印加により電源を投入し、同時に起動させる。
蛇口１９から水道水が厨芥粉砕機１１に供給され、ここ
で、厨芥を投入し、粉砕して処理する。厨芥処理後、運
転停止は、停止スイッチ（図示せず）を押下すると、制
御盤２１の制御により制御駆動部のリレー印加電圧が解
除され、まず、電磁弁１４が閉止して給水を停止する。
次に遅延タイマーで約５秒して厨芥粉砕機１１が停止
し、同じく遅延タイマーで約３０秒で水中ポンプ２が停
止するように、水中ポンプ２の運転時間を水道水の給水
および、厨芥粉砕機１１の運転よりも長く取っている。

【００１３】次に、移送装置の内部動作について図３で
説明する。水中ポンプ２が起動すると、水中ポンプ２は
密閉タンク１内の水２９を循環パイプ６から連続的に吸
い込み、羽根車２５で昇圧した後、吐き出し口２８から
密閉タンク１内に吐き出す。循環パイプ６の途中にエジ
ェクターノズル７による縮流部３０を設けているので、
エジェクターノズル７を循環水が通過する際に大きな負
圧を生じ、流入口８から汚水を吸い込み、循環水と混ざ
り合い水中ポンプ２に吸い込まれる。なお循環パイプ６
の途中にエジェクターノズルがない場合でも、水中ポン
プの吸い込み負圧とポンプ吸い込み口に常に水を循環さ
せることにより発生する自吸効果により流入口８に負圧
による吸引効果を発生できる。

【００１４】流入口８には、厨芥粉砕機１１の流出管１
２が接続された流入配管９が接続されており、流入口８
に発生する負圧により、粉砕された厨芥と粉砕に使用し
た水道水を強制的に連続して水中ポンプ２に吸引する。
この際、同時に厨芥粉砕機１１の投入口から吸込まれた
空気を吸引する。この際、循環水が無いと、一旦水中ポ
ンプ２に吸い込まれた空気は、水中ポンプ２内の遠心分
離効果により、羽根車２５の中心部に集まり、羽根車２
５には水が行き渡らなくなり、いわゆるエアロック現象
でポンプ圧力を発生できなくなる。しかしながら本実施
例では、水中ポンプ２に吸い込まれた空気は、連続して
吸い込まれる循環水の流れに乗って、連続的に水中ポン
プ２の吐出口２８から水中ポンプ２の外部へ排出され、
いわゆる自吸作用によって、水中ポンプ２のエアロック
現象を防止できる。したがって、水中ポンプ２の圧力が
安定し、循環水を連続して循環でき、流入口８の負圧を
安定して発生できる。厨芥と水は厨芥粉砕機１１の流出
管１２の勾配に影響されず、厨芥移送装置（水中ポン
プ）まで強制的に連続して真空搬送できる。

【００１５】ここで水中ポンプ２に吸い込まれた厨芥と
水道水および空気は、羽根車２５の全面すき間Ｗが広く
とってあるので、水中ポンプ２内に厨芥が詰まることな
く、水中ポンプ２の吐き出し口２８から密閉タンク１内
に吐き出される。水中ポンプ２内で厨芥を含む汚水は昇
圧されているので、密閉タンク１内を充満した厨芥を含
む汚水は外部排出管４から厨芥移送装置系外へ圧力水と
して吐き出される。したがって、厨芥移送装置から遠
方、高所へも厨芥を移送することができ、厨芥粉砕機１
１で厨芥を細かく破砕しているので、小口径の配管で圧
送できる。また、外部排出管４へは厨芥を含む汚水と共
に、水中ポンプ２に吸い込まれた空気が圧縮され強制的
に排出される。したがって、流入する汚水が途切れて外
部排出管４に汚水が滞留しても、遅延タイマーで水中ポ
ンプ２をしばらく運転していると、外部排出管４に溜ま
った汚水は、この圧縮空気により強制的に系外に排出さ
れる。したがって、外部排出管４内に汚水の滞留がな
く、水中ポンプ２の停止時に外部排出管４からの汚水の
密閉タンク１内への逆流が無い。このため、外部排出管
４に逆止弁などの弁類が不要で、弁類の詰まりなど、故
障の心配がない。

【００１６】次に水中ポンプ２の停止後の移送装置にお
ける流入配管９の動作を図４で説明する。厨芥移送装置
の流入配管９は、外部排出管４の内部配管開口部１０よ
り高い位置Ｈまで立ち上げ配管を施しており、また、流
入配管９は常に負圧により吸引され、汚水を吸引完了
後、遅延タイマーで水中ポンプ２を運転中は移送装置へ
は空気Ａを吸引しているので、流入配管９内は空気があ
り、水は満たされていない。また水中ポンプ２の停止後
は、前述のように外部排出管４内の汚水の逆流が防止で
きているので、汚水の逆流はない。したがって水中ポン
プ２の停止後は、図５に示すように水位は流入配管９の
密閉タンク１の貯留水の水位まで上昇した時点で水位が
バランスし、密閉タンク１内の水がサイホン現象で抜け
ることはない。

【００１７】つぎに構造的な点について、図６に示すよ
うに密閉タンク１のタンク蓋３を貫通するポンプケーブ
ル５はその外周をゴムなどの弾性部材３１で覆われ、弾
性部材３１に締め代Ｓを持たせ、フランジ３２でタンク
蓋３にボルト３３により締め付けることにより、ポンプ
ケーブル５と貫通部を緊迫力Ｋでシールして、ポンプケ
ーブル貫通部からの密閉タンク１内の汚水の漏れｍを防
止する。

【００１８】さらに水中ポンプ２のポンプケーシング２
６には図５で示すように循環配管６がＯリング３４を介
して挿入されているのもであるので、水中ポンプ２の交
換時は密閉タンク１のタンク蓋３を開け、水中ポンプ２
を上部に引き上げるだけで簡単に交換できる。また水中
ポンプ２の把手２２は常に密閉タンク１内の外部排出管
４の挿入管部の気中にあり、汚水に接していないので衛
生的に把っ手２２を持ってメンテナンスできる。

【００１９】以下、本発明の第２の実施例について説明
する。図７に示すように流入配管９の立ち上がり頂部３
５と密閉タンク１内を連通する配管１３の途中に電磁弁
１８を設け、電磁弁１８を水中ポンプ２の停止と同時に
開口することにより、確実にサイホン現象を防止し、密
閉タンク１の水がサイホン現象で抜けることはない。

【００２０】さらに詳しく説明すると厨芥粉砕機１１の
停止後、十分な時間水中ポンプ２が運転され、外部排出
管４の汚水を排出しておけば、流入配管９には水が溜ま
ってなく、外部排出管４からの逆流もないので、サンホ
ン現象は発生しないが、外部排出管４の密閉タンク１内
に挿入された部分があるので、密閉タンク１の上部に空
気溜まり３６を生じている。この空気は外部排出管４の
汚水３７が完全に排出されるまでは、ポンプ圧力により
昇圧されているので、水中ポンプ２の停止時に、何らか
の理由で外部排出管４内に汚水３７が滞留していた場
合、密閉タンク１内と外部排出管４の出口３８の大気が
連通しない場合、つまり密閉タンク１内が大気に開放さ
れない場合、前記密閉タンク１内の空気圧により密閉タ
ンク１内の貯留水に圧力Ｐがかかり、流入管９から貯留
水を高さＨを越えて逆流させることがある。そうすると
図８で示すようにサイホン現象が起こり、密閉タンク１
内の貯留水が抜け落ちることになる。これを防止するた
めに、流入管９の立ち上がり頂部３５と密閉タンク１内
を連通する配管１３の途中に電磁弁１４を設け、電磁弁
１４を水中ポンプ２の停止と同時に開口する。すると、
図９に示すように密閉タンク１内の圧縮空気Ｂが流入管
９の立ち上り部に供給され、一方は流入管９を通り流入
口８から水中ポンプ２の吸い込み口に空気が送られ、密
閉タンク１内の貯留水の逆流を防止し、一方は厨芥粉砕
機１１の流出管１２を通り、厨芥粉砕機１１の厨芥投入
口３９から空気が排出され、密閉タンク１内が大気に開
放され、図１０に示すように流入配管９内と密閉タンク
１内の水位がバランスする。したがって、密閉タンク１
内の貯留水の逆流を防止しながら、密閉タンク１内を大
気開放状態に復帰させ、サイホン現象を防止することが
できる。

【００２１】以下、本発明の第３の実施例について図面
を参照しながら説明する。本実施例は図１１に示すよう
に厨芥移送装置の流入配管９と厨芥粉砕機１１の流出管
１２の途中に貯留タンク４０を設けたことを特徴として
いる。前記貯留タンク４０は大気解放型とし、通気管４
１を設けてある。そして貯留タンク４０は厨芥粉砕機１
１からの流出した、厨芥を含む汚水が自然流下で流入す
る位置に設置されている。厨芥移送装置４２は貯留タン
ク４０から、遠方（たとえば１０ｍ）に設置し、貯留タ
ンク４０と厨芥移送装置４２を接続する配管４３は勾配
の制限を受けない。厨芥移送装置４２からは、外部排出
管４が接続され、系外へ配管されている。本実施例の装
置は以上のように構成され、次に動作について説明す
る。

【００２２】操作スイッチ２０を押下後、電磁弁１８が
開き厨芥粉砕機１１に水道水を供給すると同時に、厨芥
粉砕機１１が起動して厨芥を粉砕する。また同時に厨芥
移送装置４２に内蔵してある、本発明の第１の実施例に
説明した水中ポンプ２が起動し、厨芥移送装置４２の流
入部８に負圧を発生し、配管中の空気を吸引していく。
ところが厨芥移送装置４２が、厨芥粉砕機１１から遠方
に設置されてその配管４３が長いため、配管４３中の空
気を厨芥移送装置４２に吸引し、系外に排出するのに時
間を有する。このため、粉砕した厨芥を含む汚水は、自
然流下で貯留タンク４０に溜まっていく。厨芥移送装置
４２内蔵の水中ポンプ２が配管４３中の空気を全て系外
に排出し、水中ポンプ２の自吸が完了すると、貯留タン
ク４０に溜まった厨芥を含んだ汚水を一気に水中ポンプ
２に吸い込み、厨芥移送装置４２から系外に圧送する。
つまり貯留タンク４０を厨芥粉砕機１１と厨芥移送装置
４２の配管の途中に設置すれば、厨芥移送装置４２を厨
芥粉砕機１１から遠い位置に設置でき、また貯留タンク
４０からの配管４３の勾配も自由に設置できる。

【００２３】以上のように前記各実施例では、厨芥粉砕
機１１から粉砕排出される厨芥を含んだ汚水と空気を、
負圧で連続して強制的に厨芥移送装置４２に吸引でき、
吸引した後、厨芥移送装置４２に内蔵した水中ポンプ２
により系外に圧送できるものである。また汚水などの吸
引方法として、水中ポンプ吐き出し水の循環自吸作用ま
たは循環水をエジェクターノズル７に通過させることに
よる負圧作用により、厨芥や汚水、空気を同時に吸引で
き、水中ポンプ２のエアロックも発生しない。また空気
を同時に吸い込むことにより、気固液混合の３相流とな
り、固形物移送の容易な状態となり、移送物の見かけの
比重が減少し、モーター２３にかかる負荷が軽減でき
る。ま空気を強制的に吸引し、排出するので、外部排出
管４に滞留する汚水を強制的に空気により排出でき、外
部排出管４の途中に逆流防止のための逆止弁が不要とな
る。また厨芥粉砕機１１と厨芥移送装置４２を接続して
いる流入配管９を立ち上がらせていることにより、密閉
タンク１の貯留水がサイホン現象で逆流することがない
ので、安定して次回の運転にかかれる。また立ち上がっ
た流入配管９と密閉タンク１を配管１３で接続し、途中
に電磁弁１４を設けることにより、強制的にサイホン現
象を防止できる。さらに立ち上がった流入配管９の厨芥
粉砕機１１側の配管途中に厨芥汚水の貯留タンク４０を
設置することにより、厨芥移送装置４２を厨芥粉砕機１
１から配管４３の勾配を気にせずに、かつ遠方に設置す
ることができ、設置レイアウトが自由設計でき、施工工
事の負担を軽減できる。

【００２４】

【発明の効果】以上の実施例の説明より明らかなよう
に、本発明は厨芥の移送装置として、小型の密閉タンク
に水位検知器無しの水中ポンプを内蔵し、自吸循環水お
よびエジェクターノズルの真空吸引効果と、自吸ポンプ
の気液混合水の排出効果を持たせることにより、厨芥を
含む汚水を強制的にかつ連続的に移送装置まで吸引し、
移送装置から遠方に同時に圧送できる厨芥移送装置を提
供できるので、従来の汚水槽内に水位検知器を使用した
水中ポンプ方式での水位検知器の故障、それに伴うエア
ロックでの揚水不能を解消でき、また従来の真空ポンプ
などを使用した真空下水管による大がかりな厨芥の移送
設備、たとえば汚水槽、真空弁、水位検知器などが必要
でない。また厨芥粉砕機と移送装置を接続する配管は、
自然流下勾配を気にせず小口径で施工でき施工工事のコ
ストダウンができ、厨芥粉砕機の排出管に貯留槽を設置
することで、移送装置を自由に設置でき、また移送装置
から先の遠方へも圧送できるので、厨芥の移送が現場の
状況に合わせ自由に設計できる。また配管途中に弁類や
水位検知機が不要でメンテナンスフリーで厨芥を移送で
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例の厨芥移送装置の構成図

【図２】同厨芥移送装置における水中ポンプのポンプ部
断面図

【図３】同厨芥移送装置の循環水の流れの説明図

【図４】同厨芥移送装置における真空吸引の流れの説明
図

【図５】同厨芥移送装置におけるポンプ停止時の水位の
説明図

【図６】同厨芥移送装置の水中ポンプにおけるポンプケ
ーブルのシール部の断面図

【図７】同厨芥移送装置における密閉タンク内の空気溜
まりの状態の説明図

【図８】同厨芥移送装置における電磁弁が開かない場合
の貯留水のサイホン現象の説明図

【図９】同厨芥移送装置における電磁弁が開いた場合の
内部圧力の作用の説明図

【図10】同厨芥移送装置における電磁弁が開いた場合の
ポンプ停止時の水位の説明図

【図11】本発明の他の実施例の厨芥移送装置の構成図

【図12】従来の水中ポンプ圧送式厨芥移送装置の構成図

【図13】従来の真空式厨芥移送装置の構成図

【符号の説明】

１ 密閉タンク ２ 水中ポンプ ３ タンク蓋 ４ 外部搬出管 ５ ポンプケーブル ６ 値環パイプ ７ エジェクターノズル ８ 流入口 ９ 流入配管 １０ タンク内配管開口部 １１ 厨芥粉砕機 １２ 流出管 １３ 配管 １４ 電磁弁 １５ 呼び水栓 １６ 脚 １７ 水槽 １８ 電磁弁 １９ 蛇口 ２０ 操作スイッチ ２１ 制御盤 ２２ 把手

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 水を貯留した密閉タンク内に水中ポンプ
   を設け、前記水中ポンプに前記水中ポンプの吸い込み口
   に密閉タンク内の貯留水を循環させる循環配管を接続
   し、密閉タンク上部に外部搬出管を設け、前記循環配管
   の途中に流入口を設け、前記流入口に厨芥粉砕機から排
   出される汚水が流入するための流入配管を接続した厨芥
   移送装置。
2. 【請求項２】 流入配管を外部搬出管の密閉タンク内入
   口より、高い位置に立ち上がらせて配管した請求項１記
   載の厨芥移送装置。
3. 【請求項３】 循環配管の途中にエジェクターノズルを
   設け、エジェクターノズル後流部に流入口を設けた請求
   項１記載の厨芥移送装置。
4. 【請求項４】 流入配管の立ち上がり頂部と密閉タンク
   内とを連通する配管を設け、配管途中に電磁弁を設けた
   請求項１記載の厨芥移送装置。
5. 【請求項５】 流入配管の流入側に、汚水を貯める貯留
   タンクを設置した請求項１記載の厨芥移送装置。