JPH0734276A - 水電解装置 - Google Patents

水電解装置

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JPH0734276A
JPH0734276A JP5181384A JP18138493A JPH0734276A JP H0734276 A JPH0734276 A JP H0734276A JP 5181384 A JP5181384 A JP 5181384A JP 18138493 A JP18138493 A JP 18138493A JP H0734276 A JPH0734276 A JP H0734276A
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water
polymer electrolyte
solid polymer
anode
cathode
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JP5181384A
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Masakatsu Asano
正勝 浅野
Kazutomi Yamamoto
一富 山本
Masao Yamaguchi
正夫 山口
Saburo Ishiguro
三郎 石黒
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Furukawa Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Co Ltd
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  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電解効率を向上させ、省エネルギー効果を大
きくする。 【構成】 固体高分子電解質隔膜1の両側に陽極2及び
陰極5としてそれぞれ多孔性電極を接触させ、陽極2及
び陰極5にそれぞれ通水する水系を備えた水電解装置E
において、陽極2及び陰極5に、固体高分子電解質隔膜
1と同等又は類似の固体高分子電解質3を所定間隔でコ
ーティングすることにより、電極2、5と固体高分子電
解質3との接点を、電極全体に立体的に形成し、電極と
固体高分子電解質の接点への通水の接触を増加させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オゾン水、過酸化水
素、活性酸素、無酸素水、水素ガス、酸素ガスの製造、
廃水浄化、赤水防止等に利用される固体高分子電解質を
用いた水電解装置に関する。
【0002】
【従来の技術】オゾン水、酸素水、水素ガス、酸素ガス
等の製造に利用される、固体高分子電解質を用いた水電
解装置は、従来多孔性電極に触媒層を被覆し固体高分子
電解質隔膜に圧着していた(特公昭61−43436号
参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この水電解装置では、
OH- が陽極で放電してOHとなり、H+ が固体高分子
電解質隔膜を通り陰極で放電して水素原子となる。これ
には、多孔性電極と固体高分子電解質隔膜の接点に水が
供給されることが必要である。ところが、従来の水電解
装置では、多孔性電極と固体高分子電解質隔膜の接点が
形成されるのは、固体高分子電解質隔膜の表面のみであ
って、そこへ水を供給するには多孔性電極は40〜70
%の空孔率が必要である。よって、多孔性電極と固体高
分子電解質隔膜の接触する部分は、計算上30〜60%
となるが、水の浸入できない多孔性電極と固体高分子電
解質隔膜の密着部分は電解に関与できない。従って、通
水はその接点の一部にしか接触できないため、高い電解
効率が得られなかった。そこで、電解効率を上げるため
に、通水の加圧、加温や触媒の工夫が行われてきたが満
足できる効果は得られていない。
【0004】この発明は、従来、固体高分子電解質隔膜
の表面のみであった多孔性電極と固体高分子電解質との
接点を、多孔性電極全体に立体的に形成し、多孔性電極
と固体高分子電解質の接点への通水の接触を増加させる
ことにより、電解効率の高い水電解装置を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、固体高分子電
解質隔膜の両側に陽極及び陰極としてそれぞれ多孔性電
極を接触させ、前記陽極及び陰極の多孔性電極にそれぞ
れ通水する水系を備えた水電解装置において、少なくと
も一方の多孔性電極に、固体高分子電解質隔膜と同等又
は類似の固体高分子電解質を所定間隔でコーティングす
ることにより、上記課題を解決している。
【0006】固体高分子電解質隔膜の表面に触媒層を置
き、その外側に多孔性電極を圧着する場合には、触媒層
と多孔性電極とに固体高分子電解質をコーティングす
る。多孔性電極は、多孔性カーボン、カーボン織布、カ
ーボン不織布、チタン,ステンレス,タンタル,ニオブ
等の金属のパンチング加工材、ラス加工材、不織布加工
材、ポーラス粉末冶金材、ガラス,セラミックス,石
英,木綿,羊毛,人造繊維等の織布,不織布,発泡体の
導電処理材、又は、前記各材料に白金族金属をメッキ若
しくは焼付けした材料などで構成する。
【0007】ガラス,セラミックス,石英等の導電処理
は、ITO、錫─鉛系、錫アンチモン系、亜鉛系等の方
法があるが、木綿,羊毛,人造繊維等は加熱処理ができ
ないので、導電処理はゾル─ゲル法を用い低温で行う
か、蒸着等で導電性を付与する。なお、陽極材料として
は、発生機の酸素が出るので、炭素や酸化されやすい金
属は使用できず、白金族金属やチタン、ジルコニウム、
タンタル,ニオブ等の金属や、ITOをコートしたガラ
ス,セラミックスが使用される。
【0008】多孔性電極に固体高分子電解質をコーティ
ングする際は、固体高分子電解質をイナートリキッドC
5 10O、パーフロロデカリンC1018、ジメチルスル
ホキシド(CH3 2 SOなどに溶解し、多孔性電極に
その溶液を所定間隔でストライプ状、格子状、渦巻状、
斑点状に塗付する。塗付した固体高分子電解質は急速に
乾燥させ、ピンホールや亀裂を多数形成すると、多孔性
電極と固体高分子電解質と水との接点が増加し、電解効
率向上に有効である。
【0009】コーティングする固体高分子電解質の厚さ
は、0.1〜50μmの範囲である。これは、0.1μ
mより薄いと膜が途切れる恐れがあり、50μmより厚
いと活性点が失われるからであり、一般的には、1〜1
0μmのものが多く用いられる。
【0010】
【作用】水電解装置の陽極及び陰極の多孔性電極を電源
に接続し、それぞれの水系に通水すると水が電解され、
陽極ではOH- が放電してOHとなる。H+ は固体高分
子電解質隔膜を通り陰極で放電して水素原子となる。従
って、陽極では2OH→H2 O+Oの反応によって原子
状の酸素が発生し、陰極では原子状の水素が発生する。
【0011】この反応は、多孔性電極と固体高分子電解
質隔膜の接点に水が供給されることにより行われる。本
発明の水電解装置では、多孔性電極と固体高分子電解質
との接点が、固体高分子電解質隔膜の表面のみでなく、
多孔性電極全体に立体的に形成されているので、多孔性
電極と固体高分子電解質隔膜の接点への通水の接触が増
加し、電解効率が高くなる。
【0012】
【実施例】
(実施例1)図1は本発明の実施例である水電解装置の
構成を示す縦断面図、図2は図1の一部を拡大して示す
説明図、図3は陽極の正面図である。この水電解装置E
は、ケーシング13の中央に設けられた固体高分子電解
質隔膜1の両側に陽極2及び陰極5が接触するよう配置
され、その外側に陽極給電体8と陰極給電体9とが取付
けられている。ケーシング13の下部陽極側には陽極水
入口10、陰極側には陰極水入口11、ケーシング13
の上部陽極側には陽極水出口14、陰極側には陰極水出
口15を備えており、陽極2及び陰極5にそれぞれ通水
する水系が形成されている。
【0013】固体高分子電解質隔膜1には、デュポン製
ナフィオン117の0.2mmを用いた。陽極2は、多数
の孔12が形成されたチタンのラス加工材に白金イリジ
ウム酸化膜を焼付け、その表面に固体高分子電解質3と
して、ナフィオンをジメチルスルホキシドに溶解した溶
液を数mm間隔でストライプ状に1〜5μmコーティング
したものを、孔12の位置が互い違いになるように2枚
重ね合わせ、通水を良くするよう構成している。コーテ
ィングした固体高分子電解質3は加熱、真空加熱等を急
速に行う急速乾燥でピンホール4やひび割れを多数形成
し陽極2と固体高分子電解質3と水との接点即ち電解の
活性点を増加させている。
【0014】陰極5はカーボン不織布に触媒として白金
黒を用い、固体高分子電解質3として上記ナフィオン溶
液を数mm間隔でストライプ状に1〜5μmコーティング
している。コーティングした固体高分子電解質3は急速
に乾燥させてピンホール4を多数形成している。陽極2
及び陰極5を電源6に接続し、それぞれの水系に通水す
ると、陽極2は正に帯電しているので、陽極水入口10
から流入した水は電解されOH- が放電してOHとな
る。同時に発生したH+ は、コーティングした固体高分
子電解質3の部分から固体高分子電解質隔膜1を通り、
陰極5で放電して水素原子となり、陰極水入口11から
流入した水に溶解するか、水素ガスとして出てくる。
【0015】固体高分子電解質3は陽イオン交換樹脂で
あり、電子は通さないがH+ は通す。従って、陽極反応
が行われるのは、陽極2の固体高分子電解質3と水との
接点即ち電解の活性点である。陰極反応は、陰極5の固
体高分子電解質3と水との接点が中心であるが、水素原
子は薄い固体高分子電解質膜を通過し易いので、陰極5
が固体高分子電解質3で覆われている所でもH+ が放電
して水素原子となる。この水電解装置Eでは、陽極2、
陰極5の固体高分子電解質3と水との接点が、固体高分
子電解質隔膜1の表面のみでなく、両極全体に立体的に
形成されているので、陽極反応、陰極反応共全体で立体
的に進み、内部抵抗が下がり低電圧で反応が進むため、
電解効率が高く低コストで水電解を行うことができる。
【0016】電極の有効面積100cm2 の水電解装置で
陽極水入口10と陰極水入口11に、水温19°Cの水
道水をそれぞれ150l/h供給して電解を行った場合
の電流電圧曲線を図4上Aに示す。図4上Bは、電極の
組合せが本実施例と同一で固体高分子電解質3をコーテ
ィングしない場合の電流電圧曲線である。この図から明
らかなように、等しい電流値を得るのに、AはBより電
圧で約0.2V低く電解効率が高い。
【0017】(実施例2)陽極としてステンレス不織布
に白金メッキし、更に酸化イリジウムを焼付けた後、ナ
フィオン溶液を数mm間隔の格子状に5〜10μmコーテ
ィングしたものを用い、陰極はカーボン不織布に触媒と
して白金黒を塗付し、ナフィオン溶液を斑点状に1〜5
μm噴霧コーティングしたものを用いた。
【0018】電極の有効面積25cm2 の水電解装置で、
陽極水と陰極水に水温19°Cの水道水をそれぞれ40
l/h供給して電解を行った場合の電流電圧曲線を図5
上Aに示す。図5上Bは、電極の組合せが本実施例と同
一で固体高分子電解質をコーティングしない場合の電流
電圧曲線である。なお、触媒の使用による陰極水の脱酸
素電流効率は96%であった。
【0019】(実施例3)陽極として直径30mm、厚さ
3mmのセラミック不織布にITOコーティングし、更に
触媒として酸化ルテニウムを塗付した後、ナフィオン溶
液を数mm間隔で渦巻状に2〜10μmコーティングした
ものを用い、陰極は直径30mm、厚さ2mmのステンレス
不織布に白金メッキを施し、更にナフィオン溶液を数mm
間隔で渦巻状に2〜10μmコーティングしたものを用
いた。
【0020】電極の有効面積7cm2 の水電解装置で、陽
極水と陰極水に水温19°Cの水道水をそれぞれ10l
/h供給して電解を行った場合の電流電圧曲線を図6上
Aに示す。図6上Bは、電極の組合せが本実施例と同一
で固体高分子電解質をコーティングしない場合の電流電
圧曲線である。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の水電解装
置は、多孔性電極と固体高分子電解質との接点を、多孔
性電極全体に立体的に形成し、多孔性電極と固体高分子
電解質隔膜の接点への通水の接触を増加させることによ
り、電解効率を向上することができ、これをオゾン水、
過酸化水素、活性酸素、無酸素水、水素ガス、酸素ガス
の製造、廃水浄化、赤水防止等に利用すると高い効率で
電解が行われるため、省エネルギー効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である水電解装置の構成を示す
縦断面図である。
【図2】図1の一部を拡大して示す説明図である。
【図3】陽極の正面図である。
【図4】実施例1の水電解装置の電流電圧曲線図であ
る。
【図5】実施例2の水電解装置の電流電圧曲線図であ
る。
【図6】実施例3の水電解装置の電流電圧曲線図であ
る。
【符号の説明】
1 固体高分子電解質隔膜 2 陽極 3 固体高分子電解質 4 ピンホール 5 陰極 6 電源 10 陽極水入口 11 陰極水入口 12 孔 13 ケーシング 14 陽極水出口 15 陰極水出口 E 水電解装置
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年7月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 水電解装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オゾン水、過酸化水
素、活性酸素、無酸素水、水素ガス、酸素ガスの製造、
廃水浄化、赤水防止等に利用される固体高分子電解質を
用いた水電解装置に関する。
【0002】
【従来の技術】オゾン水、酸素水、水素ガス、酸素ガス
等の製造に利用される、固体高分子電解質を用いた水電
解装置は、従来多孔性電極に触媒層を被覆し固体高分子
電解質隔膜に圧着していた(特公昭61−43436号
参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この水電解装置では、
OH- が陽極で放電して酸素またはオゾンとなり、H+
が固体高分子電解質隔膜を通り陰極で電子を受け取り
素原子となる。これには、多孔性電極と固体高分子電解
質隔膜の接点に水が供給されることが必要である。とこ
ろが、従来の水電解装置では、多孔性電極と固体高分子
電解質隔膜の接点が形成されるのは、固体高分子電解質
隔膜の表面のみであって、そこへ水を供給するには多孔
性電極は40〜70%の空孔率が必要である。よって、
多孔性電極と固体高分子電解質隔膜の接触する部分は、
計算上30〜60%となるが、水の侵入できない多孔性
電極と固体高分子電解質隔膜の密着部分は電解に関与
できない。従って、通水はその接点の一部にしか接触で
きないため、高い電解効率が得られなかった。そこで、
電解効率を上げるために、通水の加圧、加温や触媒の工
夫が行われてきたが満足できる効果は得られていない。
【0004】この発明は、従来、固体高分子電解質隔膜
の表面のみであった多孔性電極と固体高分子電解質との
接点を、多孔性電極全体に立体的に形成し、多孔性電極
と固体高分子電解質の接点への通水の接触を増加させる
ことにより、電解効率の高い水電解装置を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、固体高分子電
解質隔膜の両側に陽極及び陰極としてそれぞれ多孔性電
極を接触させ、前記陽極及び陰極の多孔性電極にそれぞ
れ通水する水系を備えた水電解装置において、少なくと
も一方の多孔性電極に、固体高分子電解質隔膜と同等又
は類似の固体高分子電解質を所定間隔でコーティングす
ることにより、上記課題を解決している。
【0006】固体高分子電解質隔膜の表面に触媒層を置
き、その外側に多孔性電極を圧着する場合には、触媒層
と多孔性電極とに固体高分子電解質をコーティングす
る。多孔性電極は、多孔性カーボン、カーボン織布、カ
ーボン不織布、チタン,ステンレス,タンタル,ニオブ
等の金属のパンチング加工材、ラス加工材、不織布加工
材、ポーラス粉末冶金材、ガラス,セラミックス,石
英,木綿,羊毛,人造繊維等の織布,不織布,発泡体の
導電処理材、又は、前記各材料に白金族金属をメッキ若
しくは焼付けした材料などで構成する。
【0007】電処理は、ITO、錫─鉛系、錫アンチ
モン系、亜鉛系材料をゾル─ゲル法もしくは、蒸着法で
成膜する事で行なわれる。なお、陽極材料としては、発
生機の酸素が出るので、炭素や酸化されやすい金属は使
用できず、白金族金属やチタン、ジルコニウム、タンタ
ル,ニオブ等の金属や、ITOをコートしたガラス,セ
ラミックスが使用される。
【0008】多孔性電極に固体高分子電解質をコーティ
ングする際は、固体高分子電解質をイナートリキッドC
5 10O、パーフロロデカリンC1018、ジメチルスル
ホキシド(CH3 2 SOなどに溶解し、多孔性電極に
その溶液を所定間隔でストライプ状、格子状、渦巻状、
斑点状に塗付する。塗付した固体高分子電解質は急速に
乾燥させ、ピンホールや亀裂を多数形成すると、多孔性
電極と固体高分子電解質と水との接点が増加し、電解効
率向上に有効である。
【0009】コーティングする固体高分子電解質の厚さ
は、0.1〜50μmの範囲である。これは、0.1μ
mより薄いと膜が途切れる恐れがあり、50μmより厚
いと活性点が失われるからであり、一般的には、1〜1
0μmのものが多く用いられる。
【0010】
【作用】水電解装置の陽極及び陰極の多孔性電極を電源
に接続し、それぞれの水系に通水すると水が電解され、
陽極ではOH- が放電して酸素またはオゾンとなる。H
+ は固体高分子電解質隔膜を通り陰極で放電して水素原
子となる。従って、陽極では2OH- →O+H2 O+2
- の反応によって原子状の酸素が発生し、陰極では原
子状の水素が発生する。
【0011】この反応は、多孔性電極と固体高分子電解
質隔膜の接点に水が供給されることにより行われる。本
発明の水電解装置では、多孔性電極と固体高分子電解質
との接点が、固体高分子電解質隔膜の表面のみでなく、
多孔性電極全体に立体的に形成されているので、多孔性
電極と固体高分子電解質隔膜の接点への通水の接触が増
加し、電解効率が高くなる。
【0012】
【実施例】 (実施例1)図1は本発明の実施例である水電解装置の
構成を示す縦断面図、図2は図1の一部を拡大して示す
説明図、図3は陽極の正面図である。この水電解装置E
は、ケーシング13の中央に設けられた固体高分子電解
質隔膜1の両側に陽極2及び陰極5が接触するよう配置
され、その外側に陽極給電体8と陰極給電体9とが取付
けられている。ケーシング13の下部陽極側には陽極水
入口10、陰極側には陰極水入口11、ケーシング13
の上部陽極側には陽極水出口14、陰極側には陰極水出
口15を備えており、陽極2及び陰極5にそれぞれ通水
する水系が形成されている。
【0013】固体高分子電解質隔膜1には、デュポン製
ナフィオン117の0.2mmを用いた。陽極2は、多数
の孔12が形成されたチタンのラス加工材に白金イリジ
ウム酸化膜を焼付け、その表面に固体高分子電解質3と
して、ナフィオンをジメチルスルホキシドに溶解した溶
液を数mm間隔でストライプ状に1〜5μmコーティング
したものを、孔12の位置が互い違いになるように2枚
重ね合わせ、通水を良くするよう構成している。コーテ
ィングした固体高分子電解質3は加熱、真空加熱等を急
速に行う急速乾燥でピンホール4やひび割れを多数形成
し陽極2と固体高分子電解質3と水との接点即ち電解の
活性点を増加させている。
【0014】陰極5はカーボン不織布に触媒として白金
黒を用い、固体高分子電解質3として上記ナフィオン溶
液を数mm間隔でストライプ状に1〜5μmコーティング
している。コーティングした固体高分子電解質3は急速
に乾燥させてピンホール4を多数形成している。陽極2
及び陰極5を電源6に接続し、それぞれの水系に通水す
ると、陽極2は正に帯電しているので、陽極水入口10
から流入した水は電解されOH- が放電してOHとな
る。同時に発生したH+ は、コーティングした固体高分
子電解質3の部分から固体高分子電解質隔膜1を通り、
陰極5で電子を受けとり水素原子となり、陰極水入口1
1から流入した水に溶解するか、水素ガスとして出てく
る。
【0015】固体高分子電解質3は陽イオン交換樹脂で
あり、電子は通さないがH+ は通す。従って、陽極反応
が行われるのは、陽極2の固体高分子電解質3と水との
接点即ち電解の活性点である。陰極反応は、陰極5の固
体高分子電解質3と水との接点が中心であるが、水素原
子は薄い固体高分子電解質膜を通過し易いので、陰極5
が固体高分子電解質3で覆われている所でもH+ 電子
を受け取って水素原子となる。この水電解装置Eでは、
陽極2、陰極5の固体高分子電解質3と水との接点が、
固体高分子電解質隔膜1の表面のみでなく、両極全体に
立体的に形成されているので、陽極反応、陰極反応共全
体で立体的に進み、内部抵抗が下がり低電圧で反応が進
むため、電解効率が高く低コストで水電解を行うことが
できる。なお、陰極ではH+ が電子を受けとりH原子と
なるので水は特に介在しなくても良い。又ナフィオン膜
は水素原子は通すので陰極がナフィオン膜で覆われても
電解反応は継続する。
【0016】電極の有効面積100cm2 の水電解装置で
陽極水入口10と陰極水入口11に、水温19°Cの水
道水をそれぞれ150l/h供給して電解を行った場合
の電流電圧曲線を図4上Aに示す。図4上Bは、電極の
組合せが本実施例と同一で固体高分子電解質3をコーテ
ィングしない場合の電流電圧曲線である。この図から明
らかなように、等しい電流値を得るのに、AはBより電
圧で約0.2V低く電解効率が高い。
【0017】(実施例2)陽極としてステンレス不織布
に白金メッキし、更に酸化イリジウムを焼付けた後、ナ
フィオン溶液を数mm間隔の格子状に5〜10μmコーテ
ィングしたものを用い、陰極はカーボン不織布に触媒と
して白金黒を塗付し、ナフィオン溶液を斑点状に1〜5
μm噴霧コーティングしたものを用いた。
【0018】電極の有効面積25cm2 の水電解装置で、
陽極水と陰極水に水温19°Cの水道水をそれぞれ40
l/h供給して電解を行った場合の電流電圧曲線を図5
上Aに示す。図5上Bは、電極の組合せが本実施例と同
一で固体高分子電解質をコーティングしない場合の電流
電圧曲線である。なお、触媒の使用を含め陰極水の脱酸
素電流効率は96%であった。
【0019】(実施例3)陽極として直径30mm、厚さ
3mmのセラミック不織布にITOコーティングし、更に
触媒として酸化ルテニウムを塗付した後、ナフィオン溶
液を数mm間隔で渦巻状に2〜10μmコーティングした
ものを用い、陰極は直径30mm、厚さ2mmのステンレス
不織布に白金メッキを施し、更にナフィオン溶液を数mm
間隔で渦巻状に2〜10μmコーティングしたものを用
いた。
【0020】電極の有効面積7cm2 の水電解装置で、陽
極水と陰極水に水温19°Cの水道水をそれぞれ10l
/h供給して電解を行った場合の電流電圧曲線を図6上
Aに示す。図6上Bは、電極の組合せが本実施例と同一
で固体高分子電解質をコーティングしない場合の電流電
圧曲線である。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の水電解装
置は、多孔性電極と固体高分子電解質との接点を、多孔
性電極全体に立体的に形成し、多孔性電極と固体高分子
電解質隔膜の接点への通水の接触を増加させることによ
り、電解効率を向上することができ、これをオゾン水、
過酸化水素、活性酸素、無酸素水、水素ガス、酸素ガス
の製造、廃水浄化、赤水防止等に利用すると高い効率で
電解が行われるため、省エネルギー効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である水電解装置の構成を示す
縦断面図である。
【図2】図1の一部を拡大して示す説明図である。
【図3】陽極の正面図である。
【図4】実施例1の水電解装置の電流電圧曲線図であ
る。
【図5】実施例2の水電解装置の電流電圧曲線図であ
る。
【図6】実施例3の水電解装置の電流電圧曲線図であ
る。
【符号の説明】 1 固体高分子電解質隔膜 2 陽極 3 固体高分子電解質 4 ピンホール 5 陰極 6 電源 10 陽極水入口 11 陰極水入口 12 孔 13 ケーシング 14 陽極水出口 15 陰極水出口 E 水電解装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体高分子電解質隔膜の両側に、陽極及
    び陰極としてそれぞれ多孔性電極を接触させ、前記陽極
    及び陰極の多孔性電極にそれぞれ通水する水系を備えた
    水電解装置であって、少なくとも一方の多孔性電極に、
    前記固体高分子電解質隔膜と同等又は類似の固体高分子
    電解質を所定間隔でコーティングしたことを特徴とする
    水電解装置。
  2. 【請求項2】 多孔性電極が、多孔性カーボン、カーボ
    ン織布、カーボン不織布、チタン,ステンレス,タンタ
    ル,ニオブ等の金属のパンチング加工材、ラス加工材、
    不織布加工材、ポーラス粉末冶金材、ガラス,セラミッ
    クス,石英,木綿,羊毛,人造繊維等の織布,不織布,
    発泡体の導電処理材、又は、前記各材料に白金族金属を
    メッキ若しくは焼付けした材料を含む、請求項1記載の
    水電解装置。
  3. 【請求項3】 多孔性電極にコーティングされた固体高
    分子電解質に、ピンホールや亀裂を多数形成したことを
    特徴とする請求項1又は請求項2記載の水電解装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009209379A (ja) * 2008-02-29 2009-09-17 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 水電解装置
JP2009538267A (ja) * 2006-05-25 2009-11-05 ユーオーピー エルエルシー 過酸化水素のその場(insitu)生成
JP2011246800A (ja) * 2010-04-30 2011-12-08 Aquaecos Ltd 膜−電極接合体、これを用いる電解セル、オゾン水製造装置、オゾン水製造方法、殺菌方法及び廃水・廃液処理方法

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