JPH0734198A - 耐摩耗性に優れた高強度チェーン用鋼材 - Google Patents

耐摩耗性に優れた高強度チェーン用鋼材

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JPH0734198A
JPH0734198A JP18303993A JP18303993A JPH0734198A JP H0734198 A JPH0734198 A JP H0734198A JP 18303993 A JP18303993 A JP 18303993A JP 18303993 A JP18303993 A JP 18303993A JP H0734198 A JPH0734198 A JP H0734198A
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JP
Japan
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steel
strength
wear resistance
contg
steel material
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Pending
Application number
JP18303993A
Other languages
English (en)
Inventor
Akito Shiina
章人 椎名
Masao Toyama
雅雄 外山
Toyoji Fukamizu
豊司 深水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Showa Kikai Shoji Co Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Showa Kikai Shoji Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 過酷な環境下であっても長期に亘って使用で
きる様なチェーン用鋼材を提供する。 【構成】 Mnを10〜30重量%含有し、且つオース
テナイト組織からなる高Mn非磁性高に対し、冷間加工
を施すことによって、0.2%耐力:588N/mm2
上,引張強さ:882N/mm2 以上に調整したものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コークス炉の灰掻出し
用チェーンのように、比較的高温で且つ塵埃が多く、ま
た冷却水中に浸されるところで使用されるリンクチェー
ン等の素材として有用なチェーン用鋼材に関するもので
あり、殊に上記のような高温環境下においても十分な強
度を保有し、且つ良好な耐摩耗性および耐腐食性を示す
チェーン用鋼材に関するものである。尚本発明のチェー
ン用鋼材とは、後述する治具においてリングチェーンと
金属プレートを連続する継手金具鋼材等をも含む意味で
あるが、以下一括してチェーン用鋼材と称する。
【0002】
【従来の技術】コークス炉の操業時には、炉底部に溜ま
る灰を連続的に掻出して外部に排出する必要がある。こ
うした灰の掻出し作業には、金属プレートをチェーンで
移動させる治具が一般的に使用されている。このとき治
具が晒される環境は、温度が600℃程度の高温であり
且つ各種の塵埃があり、更に冷却水中に浸されるという
過酷なものである。
【0003】従来、灰掻出し用治具に用いられるチェー
ンの素材としては、15B24やSCM420等の圧延
丸鋼が多く使用されており、これらをチェーンに成形し
た後焼入れ焼戻し処理によって所定の強度および靭性を
付与する様にしている。しかしながら、15B24やS
CM420等の鋼材を使用して製作したチェーンを上記
の様な過酷な環境下で使用すると、高温に晒されること
による材料強度低下によってリンク変形の増大や摩耗量
の増大が発生し易くなり、チェーン全長の伸びが大きく
なってしまい、短期間での取り替えを余儀無くされるこ
とになる。その結果、保全費用が嵩むという問題が生じ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこうした技術
的課題を解決する為になされたものであって、その目的
は、上記の様な過酷な環境下であっても長期に亘って使
用できる様なチェーン用鋼材を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成し得た本
発明とは、Mnを10〜30重量%含有し、且つオース
テナイト組織からなる高Mn非磁性鋼に対し、冷間加工
を施すことによって、0.2%耐力:588N/mm2
上,引張強さ:882N/mm2 以上に調整したものであ
る点に要旨を有する高強度チェーン用鋼材である。
【0006】
【作用】従来のチェーンが上記の様な過酷な使用環境下
で15B24やSCM420を素材として使用される
と、焼入れ焼戻しによって強度を保っている鋼材である
ために、600℃位に一度加熱されることによって、焼
戻温度以上となって強度低下を生じてしまう。従って短
期間のうちに伸びたり変形したりする。また伸びたり変
形したりするのは高温における強度が不十分であること
および耐摩耗性が悪いこと等が原因していると考えられ
た。そこで高温強度および耐摩耗性に優れ、上記の様な
環境下での使用に耐え得る様なチェーン用鋼材について
様々な角度から検討した。その結果、高Mn非磁性鋼を
冷間加工によって強化した鋼材では、上記の様な要求特
性を満足し、チェーン用鋼材として最適であることを見
出した。即ち、高Mn非磁性鋼を冷間加工によって0.
2%耐力を588N/mm2(60kgf/mm2)以上、引張強
さを882N/mm2(90kgf/mm2) 以上としたもので
は、600℃程度の高温雰囲気においても0.2%耐力
は294N/mm2 以上、引張強さは450N/mm2 以上
を維持でき、加熱後水冷されても耐熱性が優れているた
め、強度低下は殆どなく高強度を保持している。また、
600℃と水冷の繰返し連続稼働のため、従来チェーン
では赤錆が発生し腐食摩耗するが、本鋼材は耐食性に優
れ腐食摩耗を低減化することができた。この様な鋼材は
上記の様なチェーン用として最適であることを見出し、
本発明を完成した。
【0007】またMnは冷間加工における加工硬化能を
大きくする作用があるので、使用初期に摺動摩擦部で加
工硬化による硬化が起こり、以後の摩耗量を減少させる
という効果がある。更に、Mnはオーステナイト組織の
安定化に効果のある元素であり、オーステナイト−相で
は鋼材は非磁性であり、鋼材の摩耗に有害な鉄粉等の塵
埃を付着しにくくするという効果も発揮する。
【0008】上記の様な効果を発揮させる為には、本発
明の鋼材のMn含有量は10重量%以上とする必要があ
るが、過剰に含有されると熱間加工性が著しく低下して
実質的に製造が困難になるので、30重量%以下に抑え
るべきである。またCの含有量については特に限定する
ものではないが、含有量が多くなるにしたがって切断性
が悪くなるので0.3重量%以下にするのが好ましい。
【0009】ところで本発明の鋼材は特殊な条件下で使
用するのものであり、更に良好な耐食性が要求される場
合もある。この様な場合には、Ni,Cr,Mo等を添
加するのが効果的であるが、これらの元素はいずれも高
価であるので夫々必要に応じて選択的に単独でまたは複
合添加すればよい。これらの元素によって耐食性向上効
果を発揮させる為には、Niは0.1重量以上、Crは
13重量%、Moは0.1重量%以上添加する必要があ
るが、過剰に添加してもその効果は飽和するので、Ni
は6重量%以下、Crは20重量%以下、Moは2重量
%以下に夫々抑えるべきである。またNはオーステナイ
ト組織の安定化に有効な元素であり、且つ強度向上にも
寄与するので、更に高強度が望まれる場合にはNを0.
15重量%以上含有させるのが効果的である。但し、N
による効果は0.5重量%でその効果は飽和する。
【0010】以下本発明を実施例によって更に詳細に説
明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもので
はなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することはい
ずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0011】
【実施例】表1に示す化学成分組成の鋼(No. 1〜6)
を高周波溶解炉で溶製し、いずれも150kgの鋼塊を得
た。
【0012】
【表1】
【0013】得られた鋼塊から鍛造によって直径:28
mmの棒鋼を作成し、No. 1〜3(実施例)とNo. 6(比
較例)については溶体化熱処理後冷間引抜きによって直
径:25mm(加工率:20%)の棒鋼を製作し、No.
4,5(比較例)については直径:28mmの棒鋼をその
まま焼入れ焼戻し処理を施し、夫々供試材とした。そし
て各供試材について、引張試験(引張強さ,0.2%耐
力)および摩耗試験を行なった。
【0014】図1は各供試材における常温から600℃
までの引張強さを、また図2は同様に0.2%耐力を示
すグラフである。これらの結果から明らかな様に、本発
明の実施例のものは、比較例のものに比べて高温側で高
い強度を有していることが分かる。
【0015】一方、摩耗試験については、図3に示す様
な回転摩擦盤方式によって行ない、供試材(直径:20
mmの丸棒)の摩耗量によって耐摩耗性を評価した。その
結果を図4に示すが、本発明の実施例のもの(No. 1〜
3)の摩耗量は、比較例(No.4〜6)の1/2〜1/7
であり、良好な耐摩耗性を示していることが分かる。
【0016】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、高
温における強度および耐摩耗性に優れた鋼材が実現で
き、この鋼材は過酷な環境下でチェーンとして用いても
長期に亘って使用できるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】各供試材における常温から600℃までの引張
強さを示すグラフである。
【図2】各供試材における常温から600℃までの0.
2%耐力を示すグラフである。
【図3】回転摩擦盤方式を説明する図である。
【図4】各供試材の摩耗量を比較して示した棒グラフで
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 外山 雅雄 兵庫県神戸市灘区灘浜東町2番地 株式会 社神戸製鋼所神戸製鉄所内 (72)発明者 深水 豊司 大阪府岸和田市臨海町13番地 昭和機械商 事株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Mnを10〜30重量%含有し、且つオ
    ーステナイト組織からなる高Mn非磁性鋼に対し、冷間
    加工を施すことによって、0.2%耐力:588N/mm
    2 以上,引張強さ:882N/mm2 以上に調整したもの
    であることを特徴とする耐摩耗性に優れた高強度チェー
    ン用鋼材。
  2. 【請求項2】 更に、Ni:0.1〜6重量%,Cr:
    13〜20重量%およびMo:0.1〜2重量%よりな
    る群から選ばれる1種以上を含有したものである請求項
    1に記載の高強度チェーン用鋼材。
  3. 【請求項3】 更に、N:0.15〜0.5重量%を含
    有したものである請求項1または2に記載の高強度チェ
    ーン用鋼材。
JP18303993A 1993-07-23 1993-07-23 耐摩耗性に優れた高強度チェーン用鋼材 Pending JPH0734198A (ja)

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JP18303993A JPH0734198A (ja) 1993-07-23 1993-07-23 耐摩耗性に優れた高強度チェーン用鋼材

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JP18303993A JPH0734198A (ja) 1993-07-23 1993-07-23 耐摩耗性に優れた高強度チェーン用鋼材

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JPH0734198A true JPH0734198A (ja) 1995-02-03

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JP18303993A Pending JPH0734198A (ja) 1993-07-23 1993-07-23 耐摩耗性に優れた高強度チェーン用鋼材

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6513506B1 (en) 1998-12-01 2003-02-04 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Cylinder head structure in multi-cylinder engine

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6513506B1 (en) 1998-12-01 2003-02-04 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Cylinder head structure in multi-cylinder engine
US6672296B2 (en) 1998-12-01 2004-01-06 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Cylinder head structure in multi-cylinder engine

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Effective date: 20010828