JPH0734168A - 鋳造用アルミニウム合金とその製造方法 - Google Patents

鋳造用アルミニウム合金とその製造方法

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JPH0734168A
JPH0734168A JP17703993A JP17703993A JPH0734168A JP H0734168 A JPH0734168 A JP H0734168A JP 17703993 A JP17703993 A JP 17703993A JP 17703993 A JP17703993 A JP 17703993A JP H0734168 A JPH0734168 A JP H0734168A
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JP
Japan
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molten metal
hydrogen
aluminum alloy
casting
alloy
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JP17703993A
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Atsushi Ota
厚 太田
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 水素ガス含有量が0.3cc/100g以下
でビンホールの発生を防止した鋳造Al合金およびその
製造方法 【構成】 Al合金溶湯中に重量比で、Ca、Sr、B
a、Liのうち少なくとも1種以上を合計で0.005
〜0.3%含有させるものであり、これら元素はAl溶
湯に添加すると水素化物を形成し易く、さらに実用域の
アルミニウム溶湯温度下で安定であるので、溶湯中の水
素と反応し水素化物を生成する。そのため、溶湯中の水
素が0.3cc/100g以下に減少する。さらに、ア
ルミニウム合金を鋳造する遅くとも30分前までにC
a、Sr、Ba、Liのうち少なくとも1種以上をアル
ミニウム合金溶湯に添加するので、溶湯中の水素が0.
3cc/100g以下に減少することができる。そのた
め、製品のピンホールを防止でき強度が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水素ガスによるピンホー
ルの発生を防止し健全な鋳物の得られる鋳造用アルミニ
ウム合金とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋳造のため再溶解された状態のAl溶湯
は、周囲の雰囲気中に存在する水分と反応して水素を生
成し、この水素を吸収する。液相であるAl溶湯に吸収
された水素は、Alの液相と固相とにおける溶解度の著
しい差により、Al溶湯が凝固すると固相内に気体とな
って放出され、これが気泡となって封じ込められ、固体
内にピンホールとなって残留する。
【0003】かかるピンホールの存在するAl合金を構
造材料として使用すると、これらピンホールの先端に応
力集中が起こり、ここからクラックが発生して材料の破
壊が進行することがある。そこで、従来からこのピンホ
ールの発生を防止するために、Al溶湯に次のごとき種
々の処理を施して水素を除去する方策が講じられてき
た。
【0004】すなわち、塩化物、弗化物等のフラックス
による脱ガス、塩素ガスやフロンガス、アルゴンや窒素
ガスを吹き込む脱ガス等である。また、Al溶湯を密閉
したチャンバー内に入れて真空引きする方法もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記脱
ガスの方法において、フラックスを使う方法や塩素ガス
は工場の環境を悪化することになり、フロンガスは地球
環境で使用が難しくなっている。また、アルゴン、窒素
ガス等のバブリングでは、脱ガス効率が悪く、ノロの発
生という問題点があり、回転脱ガス装置等が必要であ
り、コストが高く、また工程的に複雑になる。真空引き
する場合その過程での温度低下が起こるので、加熱保温
装置など複雑な付帯設備を必要としコスト的に高くな
る。
【0006】本発明はAl溶湯の従来の脱ガス方法の前
記のごとき問題点を解決するためになされたものであっ
て、環境を汚染せずまた大掛かりな設備を必要とせず
に、製品にピンホールの発生を防止した鋳造用アルミニ
ウム合金およびその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明者は前記の問題点を
Al合金に対する添加物により解決することを着想し
た。そこで、水素化物を形成する添加元素について鋭意
研究を重ねた。その結果、Ca、Sr、Ba、Liが水
素化物を形成し易く、さらに実用域のAl溶湯温度下で
は安定であることを新たに知見して本発明を完成した。
また、実際の使用にあたっては、添加後時間が経つと水
素濃度が上がってくるので、これら添加元素の添加のタ
イミングについても研究を重ね本発明を完成した。
【0008】本発明の鋳造用アルミニウム合金は、重量
比で、Ca、Sr、Ba、Liのうち少なくとも1種以
上を合計で0.005〜0.3%含有し、水素の含有量
を0.3cc/100g以下としたことを要旨とする。
【0009】本発明の鋳造用アルミニウム合金の製造方
法は、アルミニウム合金を鋳造する遅くとも30分前ま
でにCa、Sr、Ba、Liのうち少なくとも1種以上
をアルミニウム合金溶湯に添加することを要旨とする。
【0010】本発明が適用される鋳造用アルミニウム合
金は、鋳造用あるいはダイカスト用であればその種類の
いかんを問わず、例えばAl−Cu系、Al−Si系、
Al−Cu−Si系、Al−Mg系等の各合金系に適用
される。
【0011】Ca、Sr、Ba、Li等の添加元素は、
どの元素も酸化し易いので、溶湯の攪拌等の乱れさせる
ときは、注意を要する。具体的には、溶解炉で溶かした
溶湯を保持炉に移動させる。その時、保持炉に移す前ま
たは保持炉内で脱滓をする。また、添加は金属単体また
はアルミニウム母合金として使用し、金属等ではアルミ
箔に包む等して溶湯の内部に入れるようにする。処理時
に酸化防止のため溶湯表面に不活性ガスを吹き付ける方
法も良い方法である。また、吸湿し易いので保存時に充
分注意が必要である。
【0012】
【作用】Ca、Sr、Ba、LiはAl溶湯に添加する
と水素化物を形成し易く、さらに実用域のアルミニウム
溶湯温度下で安定である。このため、上記元素の少なく
とも1種以上を合計で0.005〜0.3%を溶湯中に
混濁させると、溶湯中の水素と反応し水素化物を生成す
る。そのため、溶湯中の水素が0.3cc/100g以
下に減少する。
【0013】Al溶湯中の水素が減少した後、保持して
いる間に空気中の水分より水素が侵入する。大体2時間
たつと、処理前の状態に戻る。Al溶湯を鋳造する遅く
とも30分前までに前記添加元素を添加することによ
り、Al溶湯中の水素を0.3cc/100g以下に減
少した状態で鋳造することができる。
【0014】このように、溶湯中に入ったCa等は、溶
湯中の水素と水素化物を形成し、溶湯中の水素濃度を低
下させる。その低下した溶湯を鋳造することにより、製
品のピンホールを防止でき強度が向上する。
【0015】添加するCa、Sr、Ba、Liのうち少
なくとも1種以上を合計で0.005〜0.3%とした
のは、通常溶湯には0.5cc/100gの水素が入っ
ており、そのためロスも考えて最低0.005%が必要
だからであり、0.3%を越えて添加してもその効果が
飽和するので上限を0.3%とした。
【0016】本発明において、水素含有量を0.3cc
/100g以下としたのは、0.3cc/100gを越
えるとピンホールが発生し製品の健全性が損なわれるか
らである。
【0017】また、本発明方法において、アルミニウム
合金を鋳造する遅くとも30分前までにCa、Sr、B
a、Liのうち少なくとも1種以上をアルミニウム合金
溶湯に添加することとしたのは、前記添加元素を添加後
30分以上経過すると、溶湯の水素濃度が再び上昇しピ
ンホールが発生するようになるからである。
【0018】
【実施例】本発明の実施例を従来例と比較して説明し本
発明の効果を明らかにする。従来例として、アルミニウ
ム合金JISAC4Hを溶解し、このAl合金溶湯をア
ルゴンガスでバブリングして脱水素をした。この時バッ
ジ処理が必要で、バブリング時間30分で溶湯は、最初
水素量0.25cc/100g程度まで減少できたが、
30分間鎮静し、1.5時間後に自動車のマウント部品
に鋳造したため、0.4cc/100g程度まで水素量
が増大しピンホール不良が発生していた。
【0019】これに対して、本発明の実施例として、ア
ルミニウム合金JISAC4Cを溶解し、このAl合金
溶湯に対して重量比で0.05%になるように、Al5
%Ca母合金を添加し、処理時間3分で、水素含有量を
0.2cc/100gまで減少したAl合金溶湯を得
た。このAl合金溶湯を、Ca添加処理後30分以内
に、低圧鋳造法で自動車のマウント部品を鋳造した。鋳
造終了時の溶湯の水素量は0.25cc/100gであ
った。そのため、ピンホールの発生が全くなく、不良は
皆無であった。
【0020】なお、図1はアルミニウム合金JISAC
4Cを溶解し、このAl合金溶湯に対して0〜0.3%
の間の種々の重量比で、Al5%Ca母合金を添加し、
処理時間3分後の水素含有量を測定したものである。図
1に示したように、Ca添加量が0.005%以上なる
と水素ガス含有量が0.3cc/100g以下となり、
その後Ca添加量の増加により水素含有量は減少し、C
a添加量が0.3%でその減少量が飽和することがわか
る。
【0021】また、図2は本実施例において、溶湯脱ガ
ス処理後の放置時間と溶湯ガス量の関係を示すものであ
る。図2に示したように、Al5%Ca母合金を添加
し、脱ガス処理後は0.2cc/100gであった溶湯
ガス量が、処理後30分を越えると空気中からの水分の
吸収により、0.3cc/100gを越えてしまうこと
がわかる。
【0022】Ba、SrおよびLiについても、前記実
施例と同様の実験を行ったが、Caの場合とほぼ同等の
結果が得られた。また、Ca、Sr、Ba、Liのうち
2種以上の複合添加についても、前記実施例と同様の実
験を行ったが、Caの場合とほぼ同等の結果が得られ
た。
【0023】
【発明の効果】本発明の鋳造用アルミニウム合金および
その製造方法は以上説明したように、Al合金溶湯中に
重量比で、Ca、Sr、Ba、Liのうち少なくとも1
種以上を合計で0.005〜0.3%含有させるもので
あり、これら元素はAl溶湯に添加すると水素化物を形
成し易く、さらに実用域のアルミニウム溶湯温度下で安
定であるので、溶湯中の水素と反応し水素化物を生成す
る。そのため、溶湯中の水素が0.3cc/100g以
下に減少する。さらに、アルミニウム合金を鋳造する遅
くとも30分前までにCa、Sr、Ba、Liのうち少
なくとも1種以上をアルミニウム合金溶湯に添加するの
で、溶湯中の水素が0.3cc/100g以下に減少す
ることができる。そのため、製品のピンホールを防止で
き強度が向上する。また、脱ガスの処理時間が従来のも
のと較べて短く特別な設備を必要とせず設備費が安くレ
イアウトが簡素化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の添加元素と溶湯ガス量との関係を示す
線図である。
【図2】処理時間後の溶湯ガス量の変化を示す線図であ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比で、Ca、Sr、Ba、Liのう
    ち少なくとも1種以上を合計で0.005〜0.3%含
    有し、水素の含有量を0.3cc/100g以下とした
    ことを特徴とする鋳造用アルミニウム合金。
  2. 【請求項2】 アルミニウム合金を鋳造する遅くとも3
    0分前までにCa、Sr、Ba、Liのうち少なくとも
    1種以上をアルミニウム合金溶湯に添加することを特徴
    とする鋳造用アルミニウム合金の製造方法。
JP17703993A 1993-07-16 1993-07-16 鋳造用アルミニウム合金とその製造方法 Pending JPH0734168A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004015152A1 (de) * 2002-08-06 2004-02-19 Peak Werkstoff Gmbh Verfahren zum binden von wasserstoff in leichtmetallwerkstoffen
JP2011104656A (ja) * 2009-11-20 2011-06-02 Korea Inst Of Industrial Technology アルミニウム合金及びその製造方法
CN109868393A (zh) * 2017-12-01 2019-06-11 通用汽车环球科技运作有限责任公司 用于气缸盖的高温铸造铝合金

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WO2004015152A1 (de) * 2002-08-06 2004-02-19 Peak Werkstoff Gmbh Verfahren zum binden von wasserstoff in leichtmetallwerkstoffen
JP2011104656A (ja) * 2009-11-20 2011-06-02 Korea Inst Of Industrial Technology アルミニウム合金及びその製造方法
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