JPH0733637B2 - 導電性繊維 - Google Patents

導電性繊維

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JPH0733637B2
JPH0733637B2 JP63036583A JP3658388A JPH0733637B2 JP H0733637 B2 JPH0733637 B2 JP H0733637B2 JP 63036583 A JP63036583 A JP 63036583A JP 3658388 A JP3658388 A JP 3658388A JP H0733637 B2 JPH0733637 B2 JP H0733637B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は導電性繊維、詳しくは芯成分に導電性物質を含
有する芯鞘型構造の導電性繊維に関する。
(従来の技術) ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステル等の熱可塑性
樹脂は、繊維製品として多くの用途に使用されている
が、制電性に乏しいため帯電しやすいという欠点があ
る。そのため、導電性繊維に関する多くの研究がなされ
ている。
第一の方法として、繊維表面に導電性物質をコーティン
グする方法である。これらの導電性繊維は初期の導電性
能は良好であるが、着用時の耐摩耗性が不良であり、耐
洗濯性、耐薬品性も不良であり、防塵衣等に使用した場
合の発塵源となっている。
第二の方法として、導電性物質の粉末を熱可塑性樹脂中
に分散させコア層とし、繊維形成性ポリマーをシース層
としてシース・コアの複合繊維とする場合である。この
場合には、例えば導電性カーボンを配合した導電性繊維
は、導電性カーボンが黒色であるため、シース層の薄い
場合などには、黒色に着色し、審美性が要求される分野
に用いることができず、コア層が完全にシース層の中に
あり、かつ、シース層の厚みが充分でないとその用途が
きわめて限定されるという問題を有している。導電性物
質が導電性カーボンでない場合でも、シース層が完全に
覆わないと黒ずんで見えたり、使用中に脱落して機能が
低下するなどのトラブルの原因となっている。
一方、シース層による完全被覆構造でも、以下の問題を
有している。すなわち、繊維断面の芯部間の導電性は良
好で問題はないが、シース層は繊維形成性の良好なポリ
マーで形成されているため、電気的には絶縁体となって
おり、表面の電気抵抗値が高く、導電性不良となってい
る点が問題である。
したがって、このように芯部に導電性物質を含有する芯
鞘型複合繊維であっても、これを使用した布帛の静電気
による不快感(着用衣服の身体へのまとわりつき、脱衣
時の放電音、空気中のほこり付着等)の問題があった。
さらに、かかる芯鞘型複合繊維の問題を解決するため、
特開昭60-110920号公報に記載されているように芯成分
を偏心させ、鞘成分の厚さを3μm以下とすることも提
案されているが、かかる複合繊維は、電気抵抗値も思っ
たように低くできない上、芯鞘界面剥離が生じ、発塵し
やすくなる等の問題がある。これらの問題点を解決する
ため本出願人は、特開昭62-53416号公報に記載されてい
るように導電性物質を芯成分に含有する芯鞘型複合繊維
を高電圧で放電加工することを提案した。
(発明が解決しようとする問題点) 上記の特開昭62-53416号公報で提案した方法によると、
導電性能の優れた繊維が得られるものの、放電加工時の
繊維の損傷や耐洗濯性に劣るなどの問題があった。そこ
で、本発明は、繊維に損傷を与えずに繊維表面の電気抵
抗を低下させ良好な導電性能を付与するとともに耐洗濯
性、耐薬品性に優れた導電性繊維を提供することを目的
とするものである。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、上記問題点を解決するために研究を重ね
た結果、芯部を構成するポリエステルに特殊な共重合ポ
リエステルを用い、かつ、芯部の断面形状を鋭突部を有
する異形断面形状にすることによって、繊維に損傷を与
えず、耐洗濯性、耐薬品性に優れた導電性繊維が得られ
ることを見出し本発明に到達した。
すなわち、本発明は導電性物質を含有する芯成分と、該
芯成分を完全に被覆する繊維形成性ポリエステルからな
る鞘成分とにより構成され、繊維表面の電気抵抗値が10
11Ω/cm未満であり、かつ、該表面の電気抵抗値と断面
間の内部電気抵抗値との比が103以下である芯鞘型複合
繊維において、該芯成分が80〜180℃の融点を有する共
重合ポリエステルと導電性物質とからなり、芯成分の断
面形状が2以上の鋭突部を有する異形断面形状であっ
て、該鋭突部と該鞘成分外周部とにより形成される鞘成
分最小厚さViのすべてが0.3μm以上で、かつ、その少
なくとも一つが5μm以下であり、放電加工されたこと
を特徴とする導電性繊維である。
本発明繊維の芯成分は導電性物質を含有するものである
が、該導電性物質としては、導電性カーボンブラック、
導電性金属化合物等の公知のものが使用できる。
カーボンブラックの種類としては、アセチレンブラッ
ク、オイルファーネスブラック、サーマルブラック、チ
ャネルブラック、ケッチェンブラック等が例示される。
他方、導電性金属化合物としては、ヨウ化銅、硫化銅等
が挙げられ、導電性金属酸化物としては特に白色性に優
れた酸化第二錫、酸化亜鉛が挙げられる。ここでいう酸
化第二錫には、少量のアンチモン化合物を含む酸化第二
錫、酸化チタン粒子の表面に少量のアンチモン化合物を
含む酸化第二錫をコーティングして得られる導電性金属
複合体も含まれる。また、酸化亜鉛には少量の酸化アル
ミニウム、酸化リチウム、酸化インジウム等を溶解した
導電性酸化亜鉛も含まれる。これらは、通常微粉末とし
てマトリックスポリマーに分散して用いられるが、該マ
トリックスポリマーには、融点が80〜180℃である特殊
な共重合ポリエステルポリマーを用いることが重要であ
る。この場合、融点が80℃未満では、芯の異形断面形状
がバラツキ易く、均質な糸が得られないし、180℃を越
えると、芯成分中に所定量の導電剤を分散させることが
困難で、紡糸そのものが不可能となる。
かかる共重合ポリエステルとしては、特に、5〜50モル
%のイソフタル酸またはイソフタル酸ジメチルと95〜50
モル%のテレフタル酸又はテレフタル酸ジメチルとから
なるジカルボン酸成分と、ヘキサメチレングリコールか
らなるジオール成分とからなる共重合ポリエステル、ま
たは40〜80モル%のイソフタル酸またはイソフタル酸ジ
メチルと60〜20モル%のテレフタル酸またはテレフタル
酸ジメチルとからなるジカルボン酸成分と、2〜10モル
%のエチレングリコールと98〜90モル%のテトラメチレ
ングリコールとからなるジオール成分とからなる共重合
ポリエステルを用いることが好ましい。
この共重合ポリエステルは導電性物質を多量に分散させ
た状態でも分散性がよく、かつ、鞘部のポリエステル成
分との接着性が特に良好であるため、芯部の鋭突部と鞘
成分外周とにより形成される鞘成分最小厚さを薄くして
も洗濯耐久性が良好であり、かつ、より低電圧で放電処
理を行っても、十分な導電性能を付与することができる
ため、繊維に損傷を与えることがない。
該芯成分を完全に取り囲む鞘成分は繊維形成性ポリエス
テルから構成される。特に、風合、加工工程の取扱い性
において優れており、さらに、耐薬品性も良好なことか
らポリエチレンテレフタレートが好ましい。
かかる物質からなる導電性繊維は、繊維断面における該
芯成分の形状が2以上の鋭突部を有する異形断面形状で
あることが重要である。鋭突部の数は2〜8が好まし
い。ここにいう鋭突部を有する断面形状とは凸状ないし
は突起状の凸部を有する断面形状をいい、主なものに、
第1図(イ)〜(ニ)に示すものがある。さらに、第1
図(ロ)に示した鋭突部と鞘成分外周との最小厚さViの
すべてが0.3μm以上であり、少なくとも一つは5μm
以下であることが必要である。Viが0.3μmより小さい
箇所がある場合には、耐洗濯性が低下し、Viのすべてが
5μmより大きい場合には、導電性能が劣るという問題
がある。
また、本発明の導電性複合繊維は、第1図(ホ)に示す
ような中空繊維であってもよい。
本発明の導電性繊維は、後述するような放電処理を施し
て得られるが、繊維表面の電気抵抗値が1011Ω/cm未満
であり、かつ、該表面の電気抵抗値(Ω/cm)と断面間
の内部電気抵抗値(Ω/cm)との比が103以下である。通
常、繊維形成性ポリマーからなる繊維の表面抵抗値は、
例えば、1013Ω/cmオーダーというように非常に高く、
仮に断面間内部抵抗値が107Ω/cmオーダーと低くても、
表面の電気抵抗値と断面間の内部電気抵抗値の比は106
程度と大であり、繊維の表面には、ほとんど導電性の効
果が発現しない。
本発明者らは、先に、鞘成分が繊維形成性ポリマーから
構成されていても、繊維表面の電気抵抗値が1010Ω/cm
オーダー以下である導電性繊維を提案した(特開昭62-5
3416号公報)。
ここに、電気抵抗値(Ω/cm)は次のようにして測定す
る。
(イ)断面間内部電気抵抗値 繊維軸方向の長さ2.0cmとなるよう両端を横断面方向に
カットした繊維の該両断面にAgドウタイト(銀粒子含有
の導電性樹脂塗料、藤倉工業製)を付着させた試料を電
気絶縁性ポリエチレンテレフタレートフィルム上で、温
湿度20℃×30%RHの条件のもとに0.5KVの直流電圧を該A
gドウタイト付着面を使って印加して両断面間に流れる
電流を求め、オームの法則により電気抵抗値Ω/cmを算
出する。
(ロ)表面電気抵抗値 繊維軸方向の長さ約2.0cmにカットされた繊維の両端付
近の表面(繊維側面)に前記のAgドウタイトを付着させ
たものを試料として、該試料を電気絶縁性ポリエチレン
テレフタレートフィルム上で、温湿度20℃×30%RHの条
件の下に、0.5KVの直流電圧を該Agドウタイト間に印加
してAgドウタイト間に流れる電流を求め、かつ、Agドウ
タイト間の距離を測定して、オームの法則により表面電
気抵抗値Ω/cmを算出する。
本発明の繊維は、放電処理を施すことによって表面電気
抵抗値を低下させ、表面電気抵抗値と断面間の内部電気
抵抗値との比を小さくし、導電性を付与するものである
が、放電処理法としては、前記のようにして得られた芯
鞘型複合繊維を高電圧電極に接触させて高電圧を印加す
る通電法、放電形状の異なるコロナ放電、火花放電、グ
ロー放電、アーク放電等の高電圧放電処理法により処理
することができる。
印加電圧として、1KVを超える電圧であって、100KVまで
の範囲のものが使用でき、好ましくは5〜100KV、特に
好ましくは10〜50KVの範囲のものが好適に例示される。
電圧の極性はプラスでも、マイナスでも(直流)、又は
交流であってもよい。電極間の距離は0〜10cm間の範囲
のものが使用でき、放電形態と処理速度との関係で決め
ることができる。又、導電性物質を含有する芯成分を一
方の極とし、他方の極を別に設けて、該両極に高電圧を
印加し、この高電圧電極下で放電処理することが最適に
例示されるが、この方法に限るものではなく、別々に設
けた二つの極に高電圧を印加して放電処理する方法であ
ってもよい。
又、このような放電処理は糸の状態でも、編織物等の布
帛、不織布の状態でも行うことができる。さらに糸の場
合、延伸糸に施しても、未延伸糸に施しても良い。
かかる放電処理によって、表面電気抵抗値を1010Ω/cm
オーダー以下とすることができるし、表面電気抵抗値と
断面間内部電圧抵抗値との比を103以下とすることがで
き、好ましくは、この比を102以下、特に厳しい条件で
使用する場合は10以下とすることができる。
(作用) 本発明の繊維は、表面電気抵抗値と断面間の内部電気抵
抗値との比が103以下、表面電気抵抗値が1011Ω/cm未満
となり、かつ、洗濯耐久性および耐薬品性に優れた特性
を有するものである。
電気抵抗値に関しては、繊維形成性ポリマーの電気抵抗
値を高電圧による放電処理により低下させることができ
るため上記のような値をとることができる。特に、芯成
分を一方の極とし、他方の極を別に設けてこの両極に高
電圧をかけて放電処理した場合には繊維形成性ポリマー
の有するる電気絶縁性をなくし、電気の半導体と同様の
性質を付与することができる。
また、芯成分として、鞘成分との接着性にすぐれた特殊
な共重合ポリエステルを用い、かつ、芯部の断面形状が
異形断面形状であり芯部が鞘部によって完全に被覆され
ているために、洗濯耐久性、耐薬品性に優れている。
すなわち、芯成分が、鞘成分のポリエステルと良好な接
着性を示す融点が80〜180℃である共重合ポリエステル
からなるため、芯部の鋭突部と鞘成分外周部とにより形
成される鞘成分最小厚さViの値が小さくても十分な耐洗
濯性を有することができる。これは従来の芯鞘型導電性
繊維にはみられなかったことである。さらに芯成分の断
面形状が鋭突部を有する異形断面形状であるため、放電
加工時に該鋭突部先端において放電処理が行われ、低電
圧での処理でも十分な導電性を付与することができるた
め、放電加工による鞘部の損傷を最小限度にすることが
でき、強伸度低下、放電加工中の断糸等のトラブルを防
止できる。また、導電物質を含有する芯成分が完全に鞘
成分で覆われていながら制電性を発揮するので、導電物
質特有の色が繊維表面にあらわれることもなく、芯成分
が使用中に脱落して機能が低下することもない。
(実施例) 以下、実施例について述べるが、洗濯耐久性及び耐薬品
性は下記の方法により評価した。
試料はT-89393の織物規格に準じて作成し、導電糸を1cm
間隔でストライプに織込んだ。洗濯耐久性はクリーンル
ーム内で洗濯をくり返した後の織物表面を任意に20ケ所
外観検査し、破損箇所の個別割合を%で表した。耐薬品
性は、織物試料を薬品に室温で24時間浸漬後、水洗乾燥
後、スコットテスターで50回揉み操作をくり返した後、
織物表面を任意に20ケ所外観検査し、剥離なしを○、一
部剥離を△、大部分剥離を×で評価した。
実施例1 酸化チタン微粒子の表面に導電性酸化第二錫をコーティ
ングした平均粒径0.25μ、比抵抗9Ωcmの導電性粉体24
0重量部と、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸ジメ
チル90モル%、イソフタル酸ジメチル10モル%、ジオー
ル成分としてヘキサメチレングリコール100モル%から
なる共重合ポリエステル(融点:138℃、固有粘度:0.6
6)75重量部をニーダーに仕込み、220℃で1時間混練し
た。得られた導電性樹脂の比抵抗は、3.1×102Ω・cmで
あった。
この導電性樹脂を芯成分とし、ポリエチレンテレフタレ
ートを鞘成分とし複合紡糸装置を用いて溶融紡糸し、第
1図(ロ)に示すような断面形状を有する芯鞘型複合繊
維としたのち3.1倍に延伸して25デニール、単糸数5の
マルチフィラメントを得た。
この芯鞘型複合繊維をマイナス5KV、50m/分でコロナ放
電処理をした。電気抵抗値、強伸度、耐洗濯性、耐薬品
性を第1表に示す。
比較例1 実施例1で用いた導電性粉体240重量部とメルトインデ
ックス75のポリエチレン75重量部とをニーダーに仕込
み、180℃で30分間混練した。得られた導電性樹脂の比
抵抗は、3.0×102Ω・cmであった。実施例1と同様に溶
融紡糸、延伸し、コロナ放電処理を行った後の性質を第
1表に示す。
比較例2 実施例1において、共重合ポリエステルのかわりにナイ
ロン6を用い、250℃で1時間混練した以外は実施例1
と同様に行った。得られた繊維の性質を第1表に示す。
実施例2 導電性物質として、導電性カーボンブラック30重量部
と、実施例1で用いた共重合ポリエステル70重量部を混
練した以外は実施例1と同様に行った。得られた繊維の
性質を第1表に示す。
比較例3〜4 実施例1において、Viが第1表に示す値になるように芯
・鞘成分の量を変更した以外は、実施例1と同様に紡
糸、延伸、コロナ放電処理を行った。結果を第1表に示
す。
実施例3 実施例1において、共重合ポリエステルとしてテレフタ
ル酸ジメチル40モル%、イソフタル酸ジメチル60モル
%、からなるジカルボン酸成分と、エチレングリコール
5モル%、テトラメチレングリコール95モル%からなる
ジオール成分とからなる共重合ポリエステルを用いる以
外は実施例1と同様に行った。その結果を第1表に示
す。
第1表の結果から明らかなように、芯成分が導電性物質
と共重合ポリエステルからなり、かつ、Viの値が本発明
の範囲内にある場合(実施例1〜3)には、芯成分がナ
イロン6やポリエチレンの場合(比較例1および2)、
あるいはViの値が本発明の範囲よりも低い場合(比較例
3)に比べて、耐洗濯性および耐薬品性が優れており、
さらに、Viの値が本発明の範囲よりも高い場合(比較例
4)に比べて、表面電気抵抗値が低く、制電性に優れて
いることがわかる。
比較例5 導電性物質、芯部ポリマーおよび鞘部ポリマーは実施例
1で用いたものを使用して溶融紡糸し、同心円型複合繊
維としたのち、3.1倍に延伸し、25デニール、単糸数5
のマルチフィラメントを得た。実施例1と同様の方法に
よりコロナ放電処理をした。得られた糸は、Vi(μm)
=7.3、表面電気抵抗値5.0×1012Ω・cm、断面間内部電
気抵抗値4×107Ω・cm、強度3.9(g/de)、伸度39%で
あった。この結果から明らかなように、芯部の断面形状
が鋭突部を有する異形断面でない場合(比較例5)に
は、本発明の場合(実施例1)に比較して、表面電気抵
抗値が高く、実質的に放電加工されない。
実施例4〜5、比較例6 実施例1において、イソフタル酸ジメチルの量を第2表
に示すように変更し、融点の異なる芯成分ポリマーとし
た以外は、同様に紡糸延伸を行い、放電処理を行った。
電気抵抗値、強伸度、耐洗濯性、耐薬品性を第2表に示
す。
比較例7 実施例3において、テレフタル酸ジメチルを82モル%、
イソフタル酸ジメチルを18モル%、エチレングリコール
を3モル%、テトラメチレングリコールを97モル%とす
る以外は、実施例3と同様に行った。その結果を第2表
に示す。
第2表の結果から明らかなように、芯成分の共重合ポリ
エステルの融点が80℃未満である場合(比較例6)に
は、糸断面が不均一になるため強伸度が低く、180℃を
越える場合(比較例7)には芯ポリマーの粘度が高いた
め、紡糸そのものが不可能であった。
一方、融点が本発明の範囲内にある場合(実施例3〜
4)には、電気抵抗値が低くなり、強伸度、耐洗濯性お
よび耐薬品性は良好である。
(発明の効果) 本発明によれば、繊維表面の電気抵抗値が低く、制電性
に優れた芯鞘型複合繊維であり、かつ耐洗濯性、耐薬品
性に優れた導電性繊維を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の導電性芯鞘型複合繊維の断面形状の
例を示す図である。 Vi……鋭突部と鞘成分外周部とにより形成される鞘成分
最小厚さ。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性物質を含有する芯成分と、該芯成分
    を完全に被覆する繊維形成性ポリエステルからなる鞘成
    分とにより構成され、繊維表面の電気抵抗値が1011Ω/c
    m未満であり、かつ、該表面の電気抵抗値と断面間の内
    部電気抵抗値との比が103以下である芯鞘型複合繊維に
    おいて、該芯成分が80〜180℃の融点を有する共重合ポ
    リエステルと導電性物質とからなり、芯成分の断面形状
    が2以上の鋭突部を有する異形断面形状であって、該鋭
    突部と該鞘成分外周部とにより形成される鞘成分最小厚
    さViのすべてが0.3μm以上で、かつ、その少なくとも
    一つが5μm以下であり、放電加工されたことを特徴と
    する導電性繊維。
  2. 【請求項2】繊維形成性ポリエステルが、主としてポリ
    エチレンテレフタレートであり、芯成分を構成する共重
    合ポリエステルが、5〜50モル%のイソフタル酸または
    イソフタル酸ジメチルと95〜50モル%のテレフタル酸ま
    たはテレフタル酸ジメチルとからなるジカルボン酸成分
    と、ヘキサメチレングリコールからなるジオール成分と
    からなる共重合ポリエステルである特許請求の範囲第1
    項記載の導電性繊維。
  3. 【請求項3】芯成分を構成する共重合ポリエステルが、
    40〜80モル%のイソフタル酸またはイソフタル酸ジメチ
    ルと60〜20モル%のテレフタル酸またはテレフタル酸ジ
    メチルとからなるジカルボン酸成分と、2〜10モル%の
    エチレングリコールと98〜90モル%のテトラメチレング
    リコールとからなるジオール成分とからなる共重合ポリ
    エステルである特許請求の範囲第1項記載の導電性繊
    維。
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