JPH07335977A - 半導体レーザ及び光集積デバイス並びにその製造方法 - Google Patents

半導体レーザ及び光集積デバイス並びにその製造方法

Info

Publication number
JPH07335977A
JPH07335977A JP13308794A JP13308794A JPH07335977A JP H07335977 A JPH07335977 A JP H07335977A JP 13308794 A JP13308794 A JP 13308794A JP 13308794 A JP13308794 A JP 13308794A JP H07335977 A JPH07335977 A JP H07335977A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
ridge
region
diffraction grating
width
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13308794A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuhiko Goto
勝彦 後藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP13308794A priority Critical patent/JPH07335977A/ja
Publication of JPH07335977A publication Critical patent/JPH07335977A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Semiconductor Lasers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】変調器領域とLD領域の境界などのような境界
領域における多重量子井戸層のバンドギャップが急峻に
変化するようにして、消光比の低下、挿入損失の増大な
どの劣化を抑制するとともに、バンドギャップの変化△
Egを大きくして種々の光集積デバイスに対応でき、さ
らに、いわゆるチャープト回折格子あるいはピッチ変調
回折格子を備えた光集積デバイスが容易に得られる構造
およびその製造方法を提供することを目的とする。 【構成】リッジ幅および/またはリッジ間隔が導波路方
向に沿って変化するリッジ31が予め形成された基板上
1に多重量子井戸層4を結晶成長させ、バンドギャップ
LD領域と変調器領域(分離領域)で急峻に変化する導
波路を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体レーザ及び光集
積デバイス並びにその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図9は従来の変調器集積化レーザダイオ
ード(LD)で、図9(a)は斜視図、図9(b)は断
面図で、例えば、ELECTRONICS LETTERS 7th Novenber V
ol.27,P2138-P2140に示されているものである。 図において、1はn-InP基板、2はn-InP基板1に形成され
た回折格子、3はInGaAsPからなる光ガイド層、41はInG
aAs/InGaAsPからなる多重量子井戸層(MQW)、5はp-In
からなるクラッド層、6はp-InGaAsPからなるキャップ
層、33はFeドープドInPからなる電流ブロッック層、7
は変調器のP電極、8はLDのP電極、9は変調器のP電極
7およびLDのP電極8に共通に働く共通電極であり、
光ガイド層3、多重量子井戸層(MQW)41、クラッド層
5は平坦な基板1上に順次積層され、メサストライプを
形成した後、上記メサストライプの両側に電流ブロッッ
ク層33を成長させている。
【0003】次に、上記構成の変調器集積化LDの製造
方法について説明する。まず、基板1上のLDを形成すべ
き領域に回折格子2を形成する。次に、図10に示すよう
に、LDを形成すべき200μm幅程度の領域を挟むよう
に、例えば、200μm×400μm程度の矩形のSiO2からな
るマスクを形成する。続いて有機金属気相成長(MOC
VD)法によりInGaAsPからなる光ガイド層3、InGaAs/
InGaAsPからなるMQW層41、P-InPからなるクラッド
層5およびP-InGaAsPからなるキャップ層6を順次選択
成長し成長層が形成される。
【0004】このとき、SiO2膜で挟まれたLD領域で
は、原料種がSiO2のマスク上を拡散して余分に供給され
るためにSiO2のマスクの影響を受けない変調器の領域よ
りも成長速度が速くなり、その結果、各層の層厚は変調
器領域より1.5倍〜2倍程度厚くなる。
【0005】次に、導波路を形成するため、成長層をL
Dの領域から変調器の領域まで所定の幅に形成する。こ
の後、変調器領域、LD領域およびこれらに対向する面
にそれぞれアルミニウムなどの金属からなる変調器領域
のp電極7、LD領域のp電極8および共通電極9を形
成する。
【0006】次に、上記のように構成され、製造された
変調器集積化LDの動作について説明する。InGaAs/InG
aAsPからなるMQW層41はLDの領域では活性層とし
て、また、変調器の領域では吸収層として動作させる。
LD領域のp電極8と共通電極9の間に順バイアス電圧
を印加すると、InGaAs/InGaAsPからなるMQW層41に
キャリアが注入され、この層の実効バンドギャップと回
折格子2によって決まる波長でレーザ発振が起こる。
【0007】MQW層41の実効的なバンドギャップは
MQW層41中の井戸層の層厚に依存するので井戸層厚
が薄い程バンドギャップは広くなる。すでに説明した通
り、MOCVD法による選択成長の際に、井戸層の層厚
はLDの領域では変調器の領域よりも厚くなる。従っ
て、LDの領域のバンドギャップ(Eg1)は変調器の
領域のバンドギャップ(Eg2)よりも狭くなる(Eg2
>Eg1)。LDの発振光(波長λ1=1.24/Eg1)は、
変調器領域ではEg2>Eg1なので吸収されずに端面か
ら取り出される。変調器領域のP電極に逆バイアスを印
加するとMQW層41の量子閉込シュタルク効果によっ
て励起子による吸収端が長波長側にシフトして、実効的
なバンドギャップEg2′はEg2′<Eg1と逆に変調
器領域ではLD領域の値より小さくなるので、レーザ光
は変調器で吸収され消光する。従って、変調器に印加す
る電圧を変調することによってレーザ光をon/off
することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記の変調器集積化L
Dおよびその製造方法には以下のような問題点がある。
LDの領域のMQW層41の層厚を変調器の領域のMQ
W層41の層厚よりも厚くする手段として、マスク上に
供給された原料種が拡散してマスクに挟まれたLD領域
に供給されLD領域の成長速度が変調器領域の成長速度
より速くなるという現象を利用している。しかし、この
方法では、マスクの影響を受けるLD領域とマスクの影
響を受けない変調器領域との境界部分で、〜100μm程
度の幅にわたって層厚が徐々に変化する遷移領域ができ
る。これは、マスク上から原料種が拡散する距離が〜50
μm以上にも及ぶためである。
【0009】上記のような遷移領域では層厚の変化にと
もなって、MQW層41(導波層)の実効的なバンドギ
ャップが徐々に変化することになり、光が上記遷移領域
を伝播する間に吸収されて減衰する。その結果、変調器
集積化LDは消光比の低下、挿入損失の増大などの劣化
が生ずる。
【0010】また、上記製造方法によれば、バンドギャ
ップの変化量に限界がある。変調器集積化LDではバン
ドギャップの変化量△Egは30meV程度が適当である
が、他の光集積デバイス、例えば、分布反射型レーザダ
イオード(DBR−LD)等の導波路集積型のレーザや
光集積回路などの場合は導波路における吸収損失を低減
するために△Egを100meV程度以上にすることが必
要になる。しかし、上記製造方法のようにマスクからの
原料種の拡散現象を利用する方法は、△Egの値に限界
があり変調器集積化LD以外の他の種々の光集積デバイ
スの実現は困難である。
【0011】さらに、回折格子のピッチを部分的に変え
たり、徐々に変化させたりしたいわゆるチャープト回折
格子あるいはピッチ変調回折格子を備えた、例えば、波
長可変DBR−LDにおいて、ピッチが変化した回折格
子を作製するのは困難で、回折格子を1本ずつ描画して
いく電子ビーム露光などの方法を用いなければならず、
非常に時間がかかりスループットが悪い。
【0012】図11は従来の /4シフトーDBRレー
ザの構造を示す断面図であり、DFBレーザの単一波長
で発信するという特性をさらに確実にするために、回折
格子のピッチの位相を共振器中央部分で4分の1波長分
ずらせたものであるが、光密度分布は図12に示される
ように共振器中央で強くなり(軸方向の空間的ホールバ
ーニングと呼ばれる現象によるもの)、不均一になっ
て、波長スペクトル線幅が広がる、あるいは、光出力ー
電流特性の直線性が悪くなるなどのレーザ特性の劣化が
起きる。
【0013】また、図12は波長可変DBR−LDの導
波路方向の断面図で、DBR領域は電気的に励起され
ず、LD領域で発生した光はDBR領域では吸収されて
減衰するので、この減衰を減らすためために導波層12
3のバンドギャップをDBR領域でLD領域の値に比べ
て大きくする必要がある。また、波長多重光交換・光通
信システムでは10nm程度の可変幅が要求されるけれ
ども、一定ピッチの回折格子では実現できない。
【0014】本願発明は、上記のような問題を解決し
て、変調器領域とLD領域の境界などのような境界領域
における量子井戸層の層厚が変化する層厚遷移領域を小
さくし境界領域でバンドギャップが急峻に変化し、消光
比の低下、挿入損失の増大などの劣化を抑制するととも
に、バンドギャップの変化△Egを大きくして種々の光
集積デバイスに適用でき、さらに、いわゆるチャープト
回折格子あるいはピッチ変調回折格子を備えた光集積デ
バイスが容易に得られる構造およびその製造方法を提供
することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
リッジ幅および/またはリッジ間隔が導波路方向に沿っ
て変化するリッジが予め形成された基板上に多重量子井
戸層を結晶成長させることによって、上記リッジ幅およ
び/またはリッジ間隔にしたがって上記多重量子井戸層
の組成および/または層厚を変化させ、バンドギャップ
が変化する導波路を形成した半導体レーザまたは光集積
デバイスである。
【0016】請求項2に係る発明は、請求項1記載の半
導体レーザまたは光集積デバイスにおいて、基板上にリ
ッジを挟む層厚制御用マスクを設けて、多重量子井戸層
を結晶成長させたものである。
【0017】請求項3に係る発明は、リッジ幅および/
またはリッジ間隔が共振器方向に沿って変化するリッジ
が予め形成された基板上に光ガイド層を結晶成長させて
共振器方向の上記光ガイド層の層厚および/または組成
を変化させ、上記光ガイド層の上面または下面にピッチ
一定の回折格子を形成し、この回折格子の実効的ピッチ
を共振器方向に変化させた半導体レーザまたは光集積デ
バイスである。
【0018】請求項4に係る発明は、請求項3記載の半
導体レーザまたは光集積デバイスにおいて、光ガイド層
の層厚および/または組成が導波路方向に徐々に変化す
る領域が形成され、かつ、ピッチ一定の回折格子が形成
されたものである。
【0019】請求項5に係る発明は、請求項3記載の半
導体レーザまたは光集積デバイスにおいて、光ガイド層
の層厚および/または組成が導波路方向の一部で異なる
位相調整領域が形成され、かつ、ピッチ一定の回折格子
が形成されたものである。
【0020】請求項6に係る発明は、基板に予め導波路
方向にリッジ幅および/またはリッジ間隔が変化するリ
ッジを形成し、上記リッジ上に多重量子井戸層を結晶成
長する半導体レーザまたは光集積デバイスの製造方法で
ある。
【0021】請求項7に係る発明は、請求項6記載の半
導体レーザまたは光集積デバイスの製造方法において、
リッジを挟む層厚制御用マスクを設け、多重量子井戸層
の層厚を制御するものである。
【0022】請求項8に係る発明は、基板に予め共振器
方向にリッジ幅および/またはリッジ間隔が変化するリ
ッジを形成し、上記リッジ上に光ガイド層を結晶成長す
るとともに、上記光ガイド層にピッチ一定の回折格子を
形成する半導体レーザまたは光集積デバイスの製造方法
である。
【0023】
【作用】請求項1および6に係る発明によれば、基板に
予め導波路方向にリッジ幅および/またはリッジ間隔が
変化するリッジを形成し、上記リッジ上に多重量子井戸
層を結晶成長することによって、リッジ幅および/また
はリッジ間隔によって量子井戸層の組成および/または
層厚が変化するので、変調器領域とLD領域の境界など
のような境界領域における量子井戸層の遷移領域を小さ
くし、境界領域のバンドギャップが急峻に変化させ、消
光比の低下、挿入損失の増大などの劣化を抑制すること
ができる。
【0024】請求項2および7に係る発明によれば、リ
ッジを挟む層厚制御用マスクを設け、各領域の層厚の差
を大きくすることができるので、バンドギャップの変化
△Egを大きくして種々の光集積デバイスに対応するこ
とができる。
【0025】請求項3および8に係る発明によれば、リ
ッジ幅および/またはリッジ間隔が共振器方向に沿って
変化するリッジが予め形成された基板上に光ガイド層を
結晶成長させることによって、共振器方向の上記光ガイ
ド層の層厚および/または組成を変化させることができ
るので、上記光ガイド層の上面または下面にピッチ一定
の回折格子を形成することによって、いわゆるチャープ
ト回折格子あるいはピッチ変調回折格子と等価な回折格
子を備えた半導体レーザおよび光集積デバイスが容易に
得られる
【0026】請求項4に係る発明によれば、回折格子の
ピッチが一定でも、光ガイド層の層厚および/または組
成を徐々に変化させることによって、回折格子のピッチ
を徐々に変化させたものと等価なものが得られるので、
波長可変の半導体レーザおよび光集積デバイスが容易に
得られる。
【0027】請求項5に係る発明によれば、回折格子の
ピッチが一定でも、光ガイド層の層厚および/または組
成が一部で異なる位相調整領域を形成することによっ
て、回折格子のピッチが一部の領域で異なるものと等価
なものが形成されるので、光密度を均一化した半導体レ
ーザおよび光集積デバイスが容易に得られる。
【0028】
【実施例】
実施例1.図1は本発明による半導体レーザおよび光集
積デバイスの一実施例を示す変調器集積化LDで、
(a)は斜視図、(b)はIーI断面図である。図にお
いて、1はn-InPからなる基板、2は基板1のLD領域
に形成された回折格子、31は基板1と同一部材からな
るリッジ、3はn-InGaAsPからなる光ガイド層、4はInGa
As/InGaAsPからなる多重量子井戸層(MQW)、5はp-InP
からなるクラッド層、6はp-InGaAsPからなるキャップ
層、33は電流ブロック層、7は変調器のP電極、8はL
Dのp電極、9は変調器のp電極7およびLDのp電極
8に対して共通に働くn電極であり、MQW層4はLD
領域と変調器領域とで組成および/または層厚が異なっ
ている。
【0029】次に、上記図1に示した変調器集積化LD
の製造方法を図2に従って説明する。図2(a)は平面
図、図2(b)〜(f)は断面図である。まず、n-InP
基板1上のLD領域の表面に回折格子2を形成する。次
に、図2(a)に示すような変調器領域で幅が広く、L
D領域で幅が狭い導波路方向に幅が変化したSiO2からな
るマスク30を製膜と写真製版によって形成する。
【0030】続いて、エッチングを行い、図2(b)に
示すように、マスク30の下にリッジ31を形成する。
リッジ31の幅はマスク30の幅と同様に変調器の領域
で幅が広く、LDの領域で幅が狭く導波路方向に幅が変
化しており、例えば、変調器の領域でリッジ31の幅が
6μm、リッジ31間の溝の幅が6μmで、LDの領域で
リッジ31の幅が3μm、リッジ31間の溝の幅が3μm
となっている。
【0031】次に、マスク30をすべて除去した後、図
2(c)に示すように、MOCVD法によって順次InGa
Asからなる光ガイド層3、InGaAsまたはInGaAsPからな
るMQW層4、P-Inクラッド層5およびP-InGaAsPから
なるキャップ層6を成長し成長層を形成する。このと
き、リッジ31上に形成されるMQW層4の実効的バン
ドギャップは、リッジ31の幅およびリッジ31間の溝
の幅が狭くなるほど狭くなる。この現象は実験的に確認
されており、応用物理学関係連合講演会 講演予稿集
(1993年春)No.1 p265 講演番号30a-ZR-10に報告さ
れている。このように、MQW層4のバンドギャップ
(波長)がリッジ31の幅または間隔によって変わる原
理は十分に明らかではないが、MQW層4の組成および
/または層厚がリッジ31の幅または間隔によって変わ
るためで、従来のようなマスク上からの長い拡散長の影
響がないので、LDの領域と変調器の領域の間のバンド
ギャップが徐々に変化する遷移領域の幅を大幅に低減で
き、リッジ31の幅が変わる部分、すなわちLDの領域
と変調器の領域との境界でバンドギャプを急峻に変える
ことができる。
【0032】リッジ31上に成長層を形成した後、さら
に、導波路の形成、LD部分における電流の活性層への
狭さくおよび変調器の容量低減のために、以下の製造工
程を行う。
【0033】図2(d)に示すように、リッジの成長層
上の中央に成膜と写真製版によって幅2 μm程度のスト
ライプ状のSiO2からなるマスク32を形成し、図2
(e)に示すように、マスク32以外の部分をドライエ
ッチングなどの方法で除去してメサストライプを形成す
る。
【0034】次に、図2(f)に示すように、MOCV
D法によってマスク32を選択マスクとして、Feドープ
InPからなる電流ブロック層33をメサストライプの両
側に成長する。このようにして、MQW層4は幅2μm
程度の連続した埋め込み型導波路が形成され、また、Fe
ドープInPが高抵抗であるのでLD領域では電流はメサ
ストライプ部分の活性層に集中して流れる。また、Feド
ープInPからなる電流ブロック層33はpn接合を含ま
ないので、変調器の寄生容量を低減して高速変調を可能
にすることができる。
【0035】最後に、マスク32を除去し、図1に示す
ように、変調器の領域のp電極7、LD領域のp電極8
および変調器の領域のp電極7とLD領域のp電極8に
対して共通に働くn電極9を形成して完成する。
【0036】本実施例の構成および製造方法によれば、
上述のように、MQW層4のLDの領域と変調器の領域
の間でバンドギャップが徐々に変化する遷移領域の幅を
大幅に低減でき、その結果、遷移領域における光の吸収
による伝播損失を大幅に低減できるとともに、変調器集
積化LDの消光比の向上および挿入損失の低減ができ
る。
【0037】なお、本実施例において、リッジ31を、
基板1のエッチングにより形成する方法を説明したが、
これに限定されるものではなく、成長層が形成される以
前に基板1に予めリッジ31が形成されていればよい。
【0038】実施例2.変調器集積化LDの場合には、
変調器に逆バイアスを印加した時に変調器の領域のバン
ドギャップが、逆に、LDの領域よりも小さくなる(E
2′<Eg1)ことが必要なのでバンドギャップの変化
量△Egは30meV程度が適当であるが、単にLDと導
波路を集積する場合には△Egをできるだけ大きくした
ほうが吸収損失を小さくすることができるのでよい。
【0039】本実施例は、LDの活性領域と導波路を集
積した波長可変DBR−LDに関するものである。図3
は本実施例の波長可変DBR−LDの導波路方向の断面
図である。図において、1はn-InPからなる基板でリッ
ジの形状を有し、2は基板1のDBR領域に形成された
回折格子、3はInGaAsPからなる光ガイド層、4はInGaAs
/InGaAsPからなる多重量子井戸層(MQW)、5はP-InPか
らなるクラッド層、6はP-InGaAsPからなるキャップ層、
17はDBR領域の波長チューニング用P電極、8はLD
のP電極、9は波長チューニング用P電極7およびLDのP
電極8に対して共通に働くn電極で、MQW層4はDB
R領域とLD領域とで組成および/または層厚が異なっ
ている。
【0040】本実施例の波長可変DBR−LDの製造方
法を説明する。まず、n-InP基板1上のDBR領域の表
面に回折格子2を形成する。次に、図4に示すようなD
BR領域で幅が広く、LD領域で幅が狭い導波路方向に
幅が変化したSiO2からなるマスク30およびLD領域を
挟む層厚制御用マスク61を製膜と写真製版によって形
成する。
【0041】続いて、実施例1と同様、エッチング、成
長層の形成、メサストライプの形成、電流ブロック層の
形成およびそれぞれの領域のp電極と共通のn電極 形
成によって完成される。
【0042】本実施例の構成および製造方法によれば、
リッジ31の幅または間隔が狭いためにLD領域のバン
ドギャップが狭くなるのに加えて、LD領域が層厚制御
用マスク61で挟まれているので、成長層形成に使用さ
れる原料種の層厚制御用マスク61からの拡散現象によ
って、LD領域の層厚が厚くなり、さらにバンドギャッ
プが狭くなり、バンドギャップ変化量△Egを大きくす
ることができ、DBR導波路領域における光の吸収によ
る損失を極めて小さくすることができる。
【0043】実施例3.実施例1および2は、回折格子
が一定のピッチの凹凸で形成されたものであるが、ピッ
チを部分的に変えたり、徐々に変化させたりするような
回折格子をチャープト回折格子あるいはピッチ変調回折
格子という。これらの回折格子は、ピッチ一定の回折格
子に比べて、波長可変LDにおいて可変波長幅を大きく
したり、分布帰還型LD(DFB−LD)において共振
器内の光密度分布を均一化して、スペクトル線幅を狭く
するのに有効である。
【0044】ピッチが変化した回折格子は、電子ビーム
露光で一本ずつ回折格子のパターン描画をして形成され
るといった方法で行われ、非常に時間がかかりスループ
ットが悪い。本実施例では、干渉露光法などで簡単に作
製できるピッチ一定のパターンを用いて、実質的にチャ
ープト回折格子と同等の効果を有する構成およびその製
造方法を提供するものである。
【0045】図5は本実施例の構成を示す断面図であ
り、λ/4シフト−DBR−LDなどの共振器内の光密
度分布を均一化するために、共振器中央の領域で回折格
子のピッチを長くした位相調整領域(PAR)を有する
ものと等価な構成になっている。図において、n-InPか
らなる基板1上にn-InPからなるバッファ層91、InGaA
s/InGaAsPからなるMQW活性層92、n-InPからなるバ
リア層93が順次成長形成され、バリア層93上に干渉
露光法などでピッチ一定の回折格子94が形成された
後、バリア層93上に図6に示すようなSiO2膜からなる
パターン62が形成され、エッチングされて、中央で幅
と間隔が狭いパターン62と同じ形状のリッジが形成さ
れ、このリッジの上にMOCVD法でp-InGaAsPからな
る光ガイド層95およびp-InPからなるクラッド層96
が成長形成される。
【0046】上記光ガイド層95の成長の際、リッジ幅
および間隔が狭い中央部分では光ガイド層95の層厚が
厚くなるか、組成が長波長になるか、または層厚が厚く
しかも組成が長波長になる。すなわち、屈折率でいえば
屈折率が大きくなることに対応する。回折格子94によ
り反射される光の波長(ブラッグ波長)λは、回折格子
94のピッチをΛ、屈折率をnrとすると、λ=(2nr
/m)Λ(mは整数)と表されるので、屈折率nrが大
きくなると実質的に回折格子94のピッチが大きいのと
同じ効果が得られる。図7はこのことを示すもので、リ
ッジの幅が広い部分ではピッチ小となり、リッジの幅が
狭い部分ではピッチ大となる。
【0047】その結果、回折格子94の凹凸のピッチは
一定であっても回折格子94の等価的なピッチは中央部
ではその両側よりも大となり、λ/4シフト−DFB−
LDにおいて共振器内の光密度分布を均一化して、スペ
クトル線幅を狭くすることができる。図12のPAR12
0μm、360μmおよび600μmの曲線は、このような位
相調整領域を加えたとき、光密度分布が小さくなる様子
を示すものである。
【0048】実施例4.実施例3と同様にして、n-InP
からなる基板1上にn-InPからなるバッファ層、InGaAs/
InGaAsPからなるMQW活性層、P-InPバリア層が順次成
長形成され、P-InPバリア層上に干渉露光法などでピッ
チ一定の回折格子が形成された後、上部バッファ層上に
図8に示すようなSiO2膜からなるパターン63を形成
し、エッチングして、DBR領域にリッジ幅が徐々に周
期的に変化するパターン63と同じ形状のリッジを形成
し、このリッジの上に実施例3と同様に、MOCVD法
でpーInGaAsPからなる光ガイド層およびp-InPからなるク
ラッド層を成長形成する。
【0049】上記光ガイド層の成長の際、リッジ幅およ
び間隔が徐々に変化するLDB領域では光ガイド層の層
厚が徐々に変化するか、組成が長波長から短波長(屈折
率が大から小)に変化するか、または層厚が変化し、し
かも組成が変化する。
【0050】その結果、回折格子の凹凸のピッチは一定
であっても回折格子の等価的なピッチはLD領域ではピ
ッチが徐々に周期的に変化するものとなり、発信波長を
広範囲にわたり変化させることができる波長可変DBR
−LDが得られる。
【0051】なお、実施例3および実施例4では、光ガ
イド層を成長する前に基板に回折格子を形成したが、光
ガイド層を成長して、この光ガイド層に回折格子を形成
してもよい。
【0052】また、実施例1〜4は他の光集積デバイ
ス、例えば、LDと導波路を集積したデバイスや、さら
に、LD+導波路+ホトダイオード、光スイッチ、カッ
プラ、光増幅器または光変調器等といったあらゆる種類
の光集積デバイスに応用することができる。
【0053】
【発明の効果】請求項1および6に係る発明によれば、
基板に予め導波路方向にリッジ幅および/またはリッジ
間隔が変化するリッジを形成し、上記リッジ上に多重量
子井戸層を結晶成長することによって、リッジ幅および
/またはリッジ間隔にしたがって量子井戸層の組成およ
び/または層厚が変化するので、変調器領域とLD領域
の境界などのような境界領域における量子井戸層の遷移
領域を小さくし、境界領域のバンドギャップが急峻に変
化させ、消光比の低下、挿入損失の増大などの劣化を抑
制することができる。
【0054】請求項2および7に係る発明によれば、リ
ッジを挟む層厚制御用マスクを設け、各領域の層厚の差
を大きくすることができるので、バンドギャップの変化
△Egを大きくして種々の光集積デバイスに対応するこ
とができる。
【0055】請求項3および8に係る発明によれば、リ
ッジ幅および/またはリッジ間隔が共振器方向に沿って
変化するリッジが予め形成された基板上に光ガイド層を
結晶成長させることによって、共振器方向の上記光ガイ
ド層の層厚および/または組成を変化させることができ
るので、上記光ガイド層の上面または下面にピッチ一定
の回折格子を形成することによって、いわゆるチャープ
ト回折格子あるいはピッチ変調回折格子と等価な回折格
子を備えた半導体レーザおよび光集積デバイスが容易に
得られる
【0056】請求項4に係る発明によれば、回折格子の
ピッチが一定でも、光ガイド層の層厚および/または組
成を徐々に変化させることによって、回折格子のピッチ
を徐々に変化させたものと等価なものが得られるので、
波長可変の半導体レーザおよび光集積デバイスが容易に
得られる。
【0057】請求項5に係る発明によれば、回折格子の
ピッチが一定でも、光ガイド層の層厚および/または組
成が一部で異なる位相調整領域を形成することによっ
て、回折格子のピッチが一部の領域で異なるものと等価
なものが形成されるので、光密度を均一化した半導体レ
ーザおよび光集積デバイスが容易に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の変調器集積化LDを示す斜
視図である。
【図2】本発明の一実施例の変調器集積化LDを製造す
る方法を説明する平面図および断面図である。
【図3】本発明の他の実施例の波長可変DBR−LDを
示す断面図である。
【図4】本発明の他の実施例の波長可変DBR−LDを
製造する方法を説明する平面図である。
【図5】 本発明のチャープト回折格子を示す断面図で
ある。
【図6】 本発明のチャープト回折格子の製造方法を説
明する平面図である。
【図7】 本発明のチャープト回折格子の原理を説明す
る平面図である。
【図8】 本発明のチャープト回折格子を使用した波長
可変DBR−LDの製造方法を説明する平面図である。
【図9】 従来の変調器集積化LDの断面図である。
【図10】 従来の変調器集積化LDの製造方法を説明
する平面図である。
【図11】 従来のλ/4シフトーDFBレーザの構造
を示す断面図である。
【図12】 λ/4−DFBの共振器内の光密度分布で
ある。
【符号の説明】
1 基板、2および94 回折格子、3および95 光
ガイド層、4、41および92 多重量子井戸層(MQ
W)、5および96 クラッド層、6 キャップ層、
7、8および17 p電極、9 n電極、30、32、
62および63マスク、31 リッジ、33 電流ブロ
ック層、61 層厚制御用マスク、91バッファ層、9
3 バリア層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リッジ幅および/またはリッジ間隔が導波
    路方向に沿って変化するリッジが予め形成された基板上
    に多重量子井戸層を結晶成長させることによって、上記
    リッジ幅および/またはリッジ間隔にしたがって上記多
    重量子井戸層の組成および/または層厚を変化させ、バ
    ンドギャップが変化する導波路を形成したことを特徴と
    する半導体レーザまたは光集積デバイス。
  2. 【請求項2】基板上にリッジを挟む層厚制御用マスクを
    設けて、多重量子井戸層を結晶成長させたことを特徴と
    する請求項1記載の半導体レーザまたは光集積デバイ
    ス。
  3. 【請求項3】リッジ幅および/またはリッジ間隔が共振
    器方向に沿って変化するリッジが予め形成された基板上
    に光ガイド層を結晶成長させて共振器方向の上記光ガイ
    ド層の層厚および/または組成を変化させ、上記光ガイ
    ド層の上面または下面にピッチ一定の回折格子を形成
    し、この回折格子の実効的ピッチを共振器方向に変化さ
    せたことを特徴とする半導体レーザまたは光集積デバイ
    ス。
  4. 【請求項4】光ガイド層の層厚および/または組成が導
    波路方向に徐々に変化する領域が形成され、かつ、ピッ
    チ一定の回折格子が形成されたことを特徴とする請求項
    3記載の半導体レーザまたは光集積デバイス。
  5. 【請求項5】光ガイド層の層厚および/または組成が導
    波路方向の一部で異なる位相調整領域が形成され、か
    つ、ピッチ一定の回折格子が形成されたことを特徴とす
    る請求項3記載の半導体レーザまたは光集積デバイス。
  6. 【請求項6】基板に予め導波路方向にリッジ幅および/
    またはリッジ間隔が変化するリッジを形成し、上記リッ
    ジ上に多重量子井戸層を結晶成長することを特徴とする
    半導体レーザまたは光集積デバイスの製造方法。
  7. 【請求項7】リッジを挟む層厚制御用マスクを設け、多
    重量子井戸層の層厚を制御することを特徴とする請求項
    6記載の半導体レーザまたは光集積デバイスの製造方
    法。
  8. 【請求項8】基板に予め共振器方向にリッジ幅および/
    またはリッジ間隔が変化するリッジを形成し、上記リッ
    ジ上に光ガイド層を結晶成長するとともに、上記光ガイ
    ド層にピッチ一定の回折格子を形成することを特徴とす
    る半導体レーザまたは光集積デバイスの製造方法。
JP13308794A 1994-06-15 1994-06-15 半導体レーザ及び光集積デバイス並びにその製造方法 Pending JPH07335977A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13308794A JPH07335977A (ja) 1994-06-15 1994-06-15 半導体レーザ及び光集積デバイス並びにその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13308794A JPH07335977A (ja) 1994-06-15 1994-06-15 半導体レーザ及び光集積デバイス並びにその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07335977A true JPH07335977A (ja) 1995-12-22

Family

ID=15096555

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13308794A Pending JPH07335977A (ja) 1994-06-15 1994-06-15 半導体レーザ及び光集積デバイス並びにその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07335977A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014127502A1 (en) * 2013-02-19 2014-08-28 Source Photonics (Chengdu) Co., Ltd. Variable bandgap modulator for modulated laser system
WO2023216409A1 (zh) * 2022-05-07 2023-11-16 武汉光迅科技股份有限公司 一种新型结构的热调谐激光器芯片及其制作方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014127502A1 (en) * 2013-02-19 2014-08-28 Source Photonics (Chengdu) Co., Ltd. Variable bandgap modulator for modulated laser system
CN104254951A (zh) * 2013-02-19 2014-12-31 索尔思光电(成都)有限公司 适用于调制激光器***的可变频带间隙调制器
WO2023216409A1 (zh) * 2022-05-07 2023-11-16 武汉光迅科技股份有限公司 一种新型结构的热调谐激光器芯片及其制作方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5565693A (en) Semiconductor optical integrated circuits
US5459747A (en) Semiconductor optical devices
US5436195A (en) Method of fabricating an integrated semiconductor light modulator and laser
US5250462A (en) Method for fabricating an optical semiconductor device
JP4643794B2 (ja) 半導体発光素子
JPH06204610A (ja) 半導体レーザ及びその製造方法
JP4026334B2 (ja) 半導体レーザ、分布帰還型半導体レーザおよび波長可変半導体レーザ
CA2139140C (en) A method for fabricating a semiconductor photonic integrated circuit
JP2982422B2 (ja) 半導体レーザおよびその製造方法
US6327413B1 (en) Optoelectronic device and laser diode
JP2937751B2 (ja) 光半導体装置の製造方法
JP2814906B2 (ja) 光半導体素子およびその製造方法
JP2701569B2 (ja) 光半導体素子の製造方法
JP3847038B2 (ja) 光半導体装置およびその製造方法
US5321716A (en) Distributed Feedback semiconductor laser with controlled phase shift
US5469459A (en) Laser diode element with excellent intermodulation distortion characteristic
US6204078B1 (en) Method of fabricating photonic semiconductor device using selective MOVPE
KR20030069879A (ko) 반도체레이저 및 이를 포함하는 광집적반도체소자의제조방법
JP2763090B2 (ja) 半導体レーザ装置及びその製造方法、ならびに結晶成長方法
WO2021209114A1 (en) Optical device
JPH07335977A (ja) 半導体レーザ及び光集積デバイス並びにその製造方法
CA2210008C (en) Laser diode element with excellent intermodulation distortion characteristic
JP2924433B2 (ja) 半導体レーザ及びその製造方法
JPH02263490A (ja) 波長可変半導体レーザ
JPH08334657A (ja) 半導体光集積素子の製造方法