JPH07331174A - 塗料用樹脂組成物 - Google Patents

塗料用樹脂組成物

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JPH07331174A
JPH07331174A JP12658294A JP12658294A JPH07331174A JP H07331174 A JPH07331174 A JP H07331174A JP 12658294 A JP12658294 A JP 12658294A JP 12658294 A JP12658294 A JP 12658294A JP H07331174 A JPH07331174 A JP H07331174A
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JP
Japan
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silicone
group
resin
parts
hydroxyl group
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Application number
JP12658294A
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English (en)
Inventor
Atsushi Ogaki
敦 大垣
Koji Osugi
宏治 大杉
Hisanori Tanabe
久記 田辺
Yoshiro Nishimura
好郎 西村
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐候性等の一般的に要求される塗膜特性を維
持しつつ、塗膜の耐汚染性を高める。 【構成】 塗料用樹脂組成物は、下記の平均組成式
(1)、(2)、(3)及び(4)で示されるシリコー
ン化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種のシリ
コーン化合物と、水酸基含有樹脂と、水酸基と反応可能
な官能基を有する架橋剤とを含んでいる。ここで、シリ
コーン化合物は、少なくとも一部が水酸基含有樹脂の一
部と結合していて、シリコーン化合物及び水酸基含有樹
脂のうちの少なくとも1つは、それに含まれる官能基の
少なくとも一部が塩を形成している。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂組成物、特に、塗
料用樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】たとえば、建築物の外壁を保
護するための塗膜は、高い耐久性及び耐候性が求められ
ている。このような塗膜を実現するための塗料用樹脂と
して、多量のシリコーン樹脂を含むものが知られてい
る。たとえば、特開平2−64181号公報には、アル
コール性水酸基含有ポリオルガノシロキサン樹脂をアク
リル樹脂やポリエステル樹脂に導入した塗料用樹脂が示
されている。
【0003】ところで、上述の塗膜は、耐久性及び耐候
性と共に塗膜の美観を維持するための機能としての耐汚
染性が要求されている。一般に、塗膜の耐汚染性は、塗
膜の粘着性や帯電性と密接に関係していると考えられて
いるので、これらの要因に着目して塗膜の耐汚染性を改
善する試みがなされている。具体的には、塗膜の硬度を
高めて塗膜の粘着性を低下させ、塗膜に対する汚染物の
付着を物理的に抑制する構成や、アルカリ金属スルホニ
ウム塩のような親水化剤を塗料に混ぜて塗膜の帯電性を
低下させ、静電気による汚染物の付着を抑制する構成等
が提案されている。
【0004】ところが、塗膜の粘着性や帯電性に着目し
て塗膜の耐汚染性を改善しようとすると、塗膜の耐候
性、付着性、可撓性等の一般的な塗膜性能が損なわれる
ことが多い。たとえば、塗膜硬度を高めると塗膜の可撓
性が低下し、親水化剤により塗膜の帯電性を低下させる
と、塗料に加えた親水化剤のために塗膜の耐候性や付着
性が低下する。したがって、塗膜に要求される一般的な
特性を維持しながら同時に耐汚染性を改善するのは困難
である。
【0005】なお、塗膜の表面粗さを調整することによ
り耐汚染性を改善する手段も提案されているが、これは
塗膜の汚染状況を目立たなくしているだけなので、耐汚
染性の本質的な改善技術にはなり得ない。本発明の目的
は、耐候性等の一般的に要求される塗膜特性を維持しつ
つ塗膜の耐汚染性を改善することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の塗料用樹脂組成
物は、シリコーン化合物と、水酸基含有樹脂と、水酸基
と反応可能な官能基を有する架橋剤とを含んでいる。シ
リコーン化合物は、下記の平均組成式(1)、(2)、
(3)及び(4)で示されるシリコーン化合物からなる
群から選ばれた少なくとも1種のものである。また、シ
リコーン化合物及び水酸基含有樹脂のうちの少なくとも
1つは、それに含まれる官能基の少なくとも一部が塩を
形成している。
【0007】
【化3】
【0008】ただし、上記式中、Aは下記の化学式
(i),(ii) 及び(iii)で示される有機残基からなる
群から選ばれた少なくとも1種の有機残基であり、
【0009】
【化4】
【0010】Bは−CH2CH2CH2OCH2CH2OH
であり、Xは3−アクリロキシプロピル基または3−メ
タクリロキシプロピル基であり、Yは−COOH、−S
3H及び−NR2 2(R2は有機残基)からなる群から選
ばれた少なくとも1種の基を含む1価の置換基であり、
1はアリール基、アラルキル基または炭素数1〜6の
アルキル基であり、a、b、c及びdはそれぞれ下記の
範囲の繰り返し単位数である。
【0011】1≦a≦20 0.5≦b≦3 1≦c≦10 0<d≦6 なお、この塗料用樹脂組成物中においては、シリコーン
化合物の一部または全部が水酸基含有樹脂の一部と結合
してシリコーン変性樹脂を形成していてもよい。
【0012】また、水酸基含有樹脂は、たとえば、水酸
基価が20〜300である。さらに、シリコーン化合物
(A)と水酸基含有樹脂(B)との混合比率A:Bは、
たとえば、重量比率で3:97〜70:30である。以
下、本発明を詳しく説明する。シリコーン化合物 本発明で用いられるシリコーン化合物は、次の平均組成
式(1)、(2)、(3)及び(4)で示されるもので
ある。本発明では、これらのシリコーン化合物がそれぞ
れ単独で使用されてもよいし、2種以上併用されてもよ
い。
【0013】
【化5】
【0014】これらのシリコーン化合物において、基A
は、下記の一般式(i)、(ii)及び(iii)で示される
有機残基からなる群から選ばれた少なくとも1種の有機
残基である。
【0015】
【化6】
【0016】また、基Bは、下記の化学式で示されるも
のである。
【0017】
【化7】
【0018】基Xは、3−アクリロキシプロピル基また
は3−メタクリロキシプロピル基である。また、基Y
は、−COOH、−SO3 H及び−NR2 2からなる群か
ら選ばれた少なくとも1種の基を含む1価の置換基であ
る。このような基Yは、直鎖状でもよく、また分岐して
いてもよい。なお、R2 は、水素を含む有機残基であ
る。この有機残基は、特に限定されるものではないが、
たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロ
ピル基、ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等
のアルキル基である。なお、基X及び基Yは、それぞれ
1種のシリコーン化合物中に2種以上含まれていてもよ
い。
【0019】さらに、上述のシリコーン化合物におい
て、R1 は、アリール基(たとえば、フェニル基、ナフ
チル基等)、アラルキル基(たとえば、ノニルフェニル
基等)または炭素数1〜6のアルキル基である。工業的
な観点によれば、R1 はメチル基またはフェニル基が好
ましい。1種類のシリコーン化合物中には、2種類以上
のR1 が含まれていてもよい。
【0020】上述のシリコーン化合物を示す平均組成式
(1)〜(4)中、a、b、c及びdは、それぞれ次の
範囲の繰り返し単位数である。 1≦a≦20 0.5≦b≦3 1≦c≦10 0<d≦6 aが1未満の場合は、シリコーン化合物による塗膜耐候
性が生かされない。aが20を超える場合は、α,β−
エチレン性不飽和単量体との反応性や相溶性が低下す
る。bが0.5未満の場合は、シリコーン化合物とα,
β−エチレン性不飽和単量体との共重合割合が低下して
未反応のシリコーン化合物が残留しやすく、共重合樹脂
の物性が低下する恐れがある。bが3を超える場合及び
dが6を超える場合は、シリコーン化合物とα,β−エ
チレン性不飽和単量体との重合中において、系のゲル化
が起こり、良好な造膜性が発揮されない。cが1未満の
場合は、本発明の塗膜に十分な親水性を付与するのが困
難になる。cが10を超える場合は、化合物の粘度が上
昇し、α,β−エチレン性不飽和単量体との反応性や相
溶性が低下する。
【0021】前記平均組成式(1)、(2)、(3)及
び(4)でそれぞれ示されるシリコーン化合物は、繰り
返し単位がブロック状、ランダム状または交互状のいず
れに配列されたものでもよい。本発明で用いられるシリ
コーン化合物は、次のように入手できる。平均組成式(1)で示されるシリコーン化合物 このシリコーン化合物は、市販されている。たとえば、
信越化学工業株式会社製の“KR−9206”を平均組
成式(1)で示されるシリコーン化合物として利用する
ことができる。平均組成式(2)で示されるシリコーン化合物 このシリコーン化合物は、平均組成式(1)で示される
シリコーン化合物に無水マレイン酸または無水イタコン
酸を反応させることにより合成できる。具体的には、平
均組成式(1)で示されるシリコーン化合物に無水マレ
イン酸を作用すると、シリコーン化合物の基Bの末端O
H基と無水マレイン酸とがエステル化反応し、前記一般
式(i)で示される基Aが導入されたシリコーン化合物
が得られる。また、平均組成式(1)で示されるシリコ
ーン化合物に対して無水イタコン酸を作用すると、同様
にエステル化が起こり、前記一般式(ii)及び(iii)の
基Aが導入されたシリコーン化合物が入手できる。平均組成式(3)で示されるシリコーン化合物 このシリコーン化合物の具体例としては、たとえば、下
記の構造式で示されるものが挙げられる。なお、この明
細書中、構造式において、Meはメチル基、Phはフェ
ニル基をそれぞれ示す。
【0022】
【化8】
【0023】この種のシリコーン化合物は、次の経路を
経て合成できる。まず、次の平均組成式(5)で示され
るシリコーン化合物を合成する。
【0024】
【化9】
【0025】ただし、上記式(5)中、Xは3−アクリ
ロキシプロピル基または3−メタクリロキシプロピル基
であり、Zは3−グリシドキシプロピル基、2−
(3′,4′−エポキシシクロヘキシル)エチル基、3
−ヒドロキシプロピル基、3−(2′−ヒドロキシエト
キシ)プロキル基及び3−(4′−(3′,3′−ヒド
ロキシメチル)ブトキシ)プロピル基からなる群から選
ばれた少なくとも1種の基であり、R1はアリール基、
アラルキル基または炭素数1〜6のアルキル基であり、
a、b及びcはそれぞれ下記の範囲の繰り返し単位数で
ある。) 1≦a≦20 0.5≦b≦3 1≦c≦10 このシリコーン化合物は、フェニルメチルハイドロジェ
ンポリシロキサンと有機官能性基含有アルケンとのヒド
ロシリル化反応により合成できる。ここで、フェニルメ
チルハイドロジェンポリシロキサンは、たとえば次の反
応(A)により合成できる。
【0026】
【化10】
【0027】そして、目的のシリコーン化合物は、フェ
ニルメチルハイドロジェンポリシロキサンからたとえば
次の反応(B)により合成できる。
【0028】
【化11】
【0029】先に挙げた平均組成式(3)で示されるシ
リコーン化合物の具体例(a)、(b)、(c)を合成
する場合には、上述の合成法にしたがって、次のシリコ
ーン化合物(a′)、(b′)を合成する。
【0030】
【化12】
【0031】そして、これらのシリコーン化合物
(a′)、(b′)を酸無水物、アミン化合物またはス
ルホン酸化合物を用いて変性すると、目的のシリコーン
化合物(a)、(b)、(c)が得られる。具体的に
は、次の通りである。
【0032】
【化13】
【0033】平均組成式(4)で示されるシリコーン
化合物 このシリコーン化合物の具体例としては、たとえば次の
ものが挙げられる。
【0034】
【化14】
【0035】このシリコーン化合物は、次の経路を経て
合成できる。まず、次の平均組成式(6)で示されるシ
リコーン化合物を合成する。なお、式中のX,Z,
1 ,a,bは平均組成式(5)の場合と同じである。
【0036】
【化15】
【0037】このシリコーン化合物は、たとえば、テト
ラメチルジシロキサンと3−メタクリロキシプロピルメ
チルジメトキシシランと水とを酸触媒を用いて反応した
ものと、オクタメチルシクロテトラシロキサンとオクタ
フェニルシクロテトラシロキサンのアルカリ平衡化物と
からトリフルオロメタンスルホン酸平衡化反応により合
成できる。この合成経路は、次の(C)の通りである。
【0038】
【化16】
【0039】先に挙げた平均組成式(4)で示されるシ
リコーン化合物の具体例(e)、(f)、(g)を合成
する場合には、上述の合成法にしたがって、次のシリコ
ーン化合物(e′)、(f′)を合成する。
【0040】
【化17】
【0041】そして、これらのシリコーン化合物
(e′)、(f′)を酸無水物、アミン化合物またはス
ルホン酸化合物を用いて変性すると、目的のシリコーン
化合物(e)、(f)、(g)が得られる。具体的に
は、次の通りである。
【0042】
【化18】
【0043】なお、先に挙げた平均組成式(4)で示さ
れるシリコーン化合物の具体例(d)は、平均組成式
(6)で示されるシリコーン化合物の合成経路(C)に
おいて、化合物(II)に対して次のアリル化合物を付加
することにより合成できる。
【0044】
【化19】
【0045】本発明で用いられる上述のシリコーン化合
物は、数平均分子量が200〜100,000、好まし
くは500〜20,000である。数平均分子量が20
0未満の場合は、機械的強度が十分な塗膜を形成するの
が困難である。逆に、数平均分子量が100,000を
超えると、水酸基含有樹脂及び架橋剤との相溶性が低下
し、十分な硬化塗膜が得にくくなる。なお、数平均分子
量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C)による値である。水酸基含有樹脂 本発明で用いられる水酸基含有樹脂は、水酸基を含む樹
脂であれば特に制限なくあらゆる種類の樹脂が使用可能
である。水酸基を有する代表的な樹脂としては、アクリ
ル樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹
脂、アミノプラスト樹脂、アクリル変性アルキド樹脂、
アクリル変性ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂
が例示できる。
【0046】本発明で用いられる水酸基含有樹脂のうち
特に好ましいものは、水酸基価が20〜300、さらに
好ましくは30〜100のものである。水酸基価が20
未満の場合は、水酸基含有樹脂が架橋剤と十分に反応せ
ず、機械的物性が低下する。また、水酸基価が300を
超える場合は、水酸基含有樹脂及び架橋剤との相溶性が
悪化し、十分な硬化塗膜が得られず、問題が生じる。架橋剤 本発明で用いられる架橋剤は、シリコーン化合物同士、
水酸基含有樹脂同士、あるいはシリコーン化合物と水酸
基含有樹脂とを架橋させるためのものである。
【0047】本発明では、水酸基と反応し得る官能基を
分子中に有する化合物であれば特に制限なく架橋剤とし
て用いることができる。具体的には、ポリイソシアナー
ト化合物、メラミンホルムアルデヒド樹脂、二塩基酸無
水物等が用いられる。この種の架橋剤は、それに含まれ
る官能基が上述のシリコーン化合物及び上述の水酸基含
有樹脂に含まれる水酸基と室温下あるいは加熱下で反応
して3次元架橋し、塗膜の機械的強度を向上させる。
【0048】なお、架橋剤として親水性セグメントを有
するものを用いると、塗膜の耐汚染性がさらに向上す
る。親水性セグメントを有する架橋剤としては、たとえ
ば大日本インキ化学工業株式会社製のポリエチレングリ
コール変性イソシアネート“N2−753”が例示でき
る。樹脂組成物 本発明の塗料用樹脂組成物は、上述のシリコーン化合物
と水酸基含有樹脂と架橋剤とを含んでいる。ここで、上
述のシリコーン化合物及び水酸基含有樹脂が有する官能
基の一部もしくは全部は塩を形成している必要がある。
すなわち、シリコーン化合物と水酸基含有樹脂に含まれ
る酸性官能基または塩基性官能基の一部もしくは全部が
塩を形成している必要がある。塩を形成するための手法
の代表例としては、シリコーン化合物及び水酸基含有樹
脂を酸またはアルカリを用いて中和する手法が挙げられ
る。また、水酸基含有樹脂の場合は、それを合成する段
階でたとえばスチレンスルホン酸ナトリウムのような塩
構造を有する単量体を同時に共重合することにより水酸
基含有樹脂中に塩構造を形成することもできる。
【0049】本発明の樹脂組成物では、上述のシリコー
ン化合物(A)と水酸基含有樹脂(B)との混合比率
A:Bを重量比率で3:97〜70:30となるよう設
定する。なお、両者のより好ましい混合比率は、5:9
5〜40:60である。シリコーン化合物の混合比率が
3未満の場合は、シリコーン化合物の特性が充分に発揮
されず、たとえば塗膜の耐候性が低下する。逆に、シリ
コーン化合物の混合比率が70を超えると、シリコーン
化合物と水酸基含有樹脂との相溶性が低下し、塗膜硬度
の低下や耐汚染性の低下を引き起こす。
【0050】架橋剤の添加量は、上述の架橋反応が進行
するために必要な量に設定される。この量は、特に限定
されるものではないが、通常はシリコーン化合物と水酸
基含有樹脂との混合物に対して10〜30重量%であ
る。本発明の樹脂組成物においては、上述のシリコーン
化合物は、その一部または全部が上述の水酸基含有樹脂
の一部と結合してシリコーン変性樹脂を形成していても
よい。この場合は、塗膜の耐候性がより高まるので好ま
しい。シリコーン化合物と水酸基含有樹脂とを結合させ
る方法としては、特に限定はされないが、たとえば、水
酸基含有樹脂の合成中にシリコーン化合物を添加して水
酸基含有樹脂をシリコーン化合物により変性する方法が
挙げられる。その他、ポリウレタン樹脂、メラミンホル
ムアルデヒド樹脂、二塩基酸無水物等を添加することに
より、シリコーン化合物と水酸基含有樹脂とを結合させ
る方法等も採用しうる。塗料用樹脂組成物の利用 本発明の塗料用樹脂組成物は、たとえば着色顔料、体質
顔料、必要な溶剤及び一般的な添加剤と混合されて塗料
として用いられる。この塗料は、たとえば建築物の外壁
用塗料として利用できる。
【0051】
【作用】本発明の樹脂組成物を含む塗料からなる塗膜
は、シリコーン化合物と水酸基含有樹脂の少なくとも一
部に形成された塩構造のために表面が適度な親水性を有
している。この親水性を、たとえば水との接触角により
評価すると、通常65°以下である。したがって、この
塗膜は、付着した汚れが水により容易に除去され得るの
で、耐汚染性が高い。しかも、この塗膜は、樹脂成分が
シリコーン化合物を含んでいるため、耐候性、耐久性及
び可撓性等の一般的な塗膜特性も同時に具備している。
【0052】
【実施例】以下において、“部”は、重量部を示してい
る。製造例1(シリコーン化合物の合成) 次の平均組成式(7)で示されるシリコーン化合物40
部、キシロール44部、無水マレイン酸4部及びジブチ
ル錫オキサイド0.5部を100℃で1時間反応させ
た。反応の追跡は赤外線吸収スペクトル(IR)測定に
より行い、これにより反応の完了を確認した。
【0053】
【化20】
【0054】ここでは、次の平均組成式(8)で示され
るシリコーン化合物溶液が得られた。このシリコーン化
合物は、上述の平均組成式(2)で示されるシリコーン
化合物に相当する。
【0055】
【化21】
【0056】製造例2(シリコーン変性アクリル樹脂溶
液の合成) 製造例1で得られたシリコーン化合物溶液40部とキシ
ロール70部とを含み且つ110℃に保たれた反応液中
に、メタクリル酸10部、メタクリル酸2−ヒドロキシ
エチル20部、メタクリル酸2−エチルヘキシル25
部、メタクリル酸t−ブチル25部及びt−ブチルパー
オキシ2−エチルヘキサノエート2部を含む混合溶液を
3時間かけて滴下した。これを1時間熟成した後に、さ
らにt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート
0.5部とキシロール30部とを30分かけて滴下し、
2時間熟成した。この結果、シリコーン変性アクリル樹
脂溶液が得られた。この溶液に含まれるシリコーン変性
アクリル樹脂は、シリコーン化合物と水酸基含有樹脂と
が結合したものに相当する。また、このシリコーン変性
アクリル樹脂のアクリル樹脂部分の水酸基価は86であ
った。製造例3(シリコーン変性アクリル樹脂溶液の合成) 下記の平均組成式(9)で示されるシリコーン化合物2
0部とキシロール70部とを含み且つ110℃に保たれ
た反応液中に、メタクリル酸10部、メタクリル酸2−
ヒドロシキエチル20部、メタクリル酸2−エチルヘキ
シル25部、メタクリル酸t−ブチル25部及びt−ブ
チルパーオキシ2−エチルヘキサノエート2部を含む混
合溶液を3時間かけて滴下した。これを1時間熟成し、
その後t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート
0.5部とキシロール30部とを30分かけてさらに滴
下し、2時間熟成した。この結果、シリコーン変性アク
リル樹脂溶液が得られた。この溶液に含まれるシリコー
ン変性アクリル樹脂は、シリコーン化合物と水酸基含有
樹脂とが結合したものに相当する。また、このシリコー
ン変性アクリル樹脂のアクリル樹脂部分の水酸基価は8
6であった。
【0057】
【化22】
【0058】製造例4(シリコーン変性アクリル樹脂溶
液の合成) 下記の平均組成式(10)で示されるシリコーン化合物
20部とキシロール70部とを含み且つ110℃に保た
れた反応液中に、メタクリル酸10部、メタクリル酸2
−ヒドロキシエチル20部、メタクリル酸2−エチルヘ
キシル25部、メタクリル酸t−ブチル25部及びt−
ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート2部を含む
混合溶液を3時間かけて滴下した。これを1時間熟成さ
せた後、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエー
ト0.5部とキシロール30部とを30分かけて滴下し
た。これをさらに2時間熟成したところ、シリコーン変
性アクリル樹脂溶液が得られた。この溶液に含まれるシ
リコーン変性アクリル樹脂は、シリコーン化合物と水酸
基含有樹脂とが結合したものに相当する。また、このシ
リコーン変性アクリル樹脂のアクリル樹脂部分の水酸基
価は86であった。
【0059】
【化23】
【0060】製造例5(シリコーン変性アクリル樹脂溶
液の合成) 製造例1で得られたシリコーン化合物溶液38部、製造
例3で用いた平均組成式(9)で示されるシリコーン化
合物1部及びキシロール71部を含み且つ110℃に保
たれた反応液中に、メタクリル酸10部、メタクリル酸
2−ヒドロキシエチル20部、メタクリル酸2−エチル
ヘキシル25部、メタクリル酸t−ブチル25部及びt
−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート2部を含
む混合溶液を3時間かけて滴下した。これを1時間熟成
した後に、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエ
ート0.5部とキシロール30部とを30分かけてさら
に滴下した。これを2時間熟成したところ、シリコーン
変性アクリル樹脂溶液が得られた。この溶液に含まれる
シリコーン変性アクリル樹脂は、シリコーン化合物と水
酸基含有樹脂とが結合したものに相当する。また、この
シリコーン変性アクリル樹脂のアクリル樹脂部分の水酸
基価は86であった。製造例6(ナトリウム塩含有シリコーン変性アクリル樹
脂溶液の合成) 製造例2で合成したシリコーン変性アクリル樹脂溶液2
00部を水酸化ナトリウムの40重量%エタノール性溶
液11部と混合した。この混合溶液の溶剤を減圧留去
し、残渣をキシロール50部とメチルイソブチルケトン
50部とに溶解し、ナトリウム塩含有シリコーン変性ア
クリル樹脂溶液を得た。製造例7(ナトリウム塩含有シリコーン変性アクリル樹
脂溶液の合成) 製造例3で合成したシリコーン変性アクリル樹脂溶液2
00部を製造例6と同様に処理し、ナトリウム塩含有シ
リコーン変性アクリル樹脂溶液を得た。製造例8(ナトリウム塩含有シリコーン変性アクリル樹
脂溶液の合成) 製造例4で合成したシリコーン変性アクリル樹脂溶液2
00部を製造例6と同様に処理し、ナトリウム塩含有シ
リコーン変性アクリル樹脂溶液を得た。製造例9(ナトリウム塩含有シリコーン変性アクリル樹
脂溶液の合成) 製造例5で合成したシリコーン変性アクリル樹脂溶液2
00部を製造例6と同様に処理し、ナトリウム塩含有シ
リコーン変性アクリル樹脂溶液を得た。製造例10(カリウム塩含有シリコーン変性アクリル樹
脂溶液の合成) 製造例2で合成したシリコーン変性アクリル樹脂溶液2
00部を水酸化カリウムの25重量%エタノール性溶液
26部と混合した。この混合溶液の溶剤を減圧留去し、
残渣をキシロール50部とメチルイソブチルケトン50
部との混合溶媒に溶解し、カリウム塩含有シリコーン変
性アクリル樹脂溶液を得た。製造例11(カリウム塩含有シリコーン変性アクリル樹
脂溶液の合成) 製造例3で合成したシリコーン変性アクリル樹脂溶液2
00部を製造例10と同様に処理し、カリウム塩含有シ
リコーン変性アクリル樹脂溶液を得た。製造例12(カリウム塩含有シリコーン変性アクリル樹
脂溶液の合成) 製造例4で合成したシリコーン変性アクリル樹脂溶液2
00部を製造例10と同様に処理し、カリウム塩含有シ
リコーン変性アクリル樹脂溶液を得た。製造例13(カリウム塩含有シリコーン変性アクリル樹
脂溶液の合成) 製造例5で合成したシリコーン変性アクリル樹脂溶液2
00部を製造例10と同様に処理し、カリウム塩含有シ
リコーン変性アクリル樹脂溶液を得た。製造例14(リチウム塩含有シリコーン変性アクリル樹
脂溶液の合成) 製造例2で合成したシリコーン変性アクリル樹脂溶液2
00部を水酸化リチウムの25重量%エタノール性溶液
11部と混合した。この混合溶液の溶剤を減圧留去し、
残渣をキシロール50部とメチルイソブチルケトン50
部との混合溶媒に溶解し、リチウム塩含有シリコーン変
性アクリル樹脂溶液を得た。製造例15(リチウム塩含有シリコーン変性アクリル樹
脂溶液の合成) 製造例3で合成したシリコーン変性アクリル樹脂溶液2
00部を製造例14と同様に処理し、リチウム塩含有シ
リコーン変性アクリル樹脂溶液を得た。製造例16(リチウム塩含有シリコーン変性アクリル樹
脂溶液の合成) 製造例4で合成したシリコーン変性アクリル樹脂溶液2
00部を製造例14と同様に処理し、リチウム塩含有シ
リコーン変性アクリル樹脂溶液を得た。製造例17(リチウム塩含有シリコーン変性アクリル樹
脂溶液の合成) 製造例5で合成したシリコーン変性アクリル樹脂溶液2
00部を製造例14と同様に処理し、リチウム塩含有シ
リコーン変性アクリル樹脂溶液を得た。製造例18(トリエチルアミン塩含有シリコーン変性ア
クリル樹脂溶液の合成) 製造例2で合成したシリコーン変性アクリル樹脂溶液2
00部をトリエチルアミンの25重量%エタノール性溶
液47部と混合した。この混合溶液の溶剤を減圧留去
し、残渣をキシロール50部とメチルイソブチルケトン
50部との混合溶媒に溶解し、トリエチルアミン塩含有
シリコーン変性アクリル樹脂溶液を得た。 製造例19(トリエチルアミン塩含有シリコーン変性ア
クリル樹脂溶液の合成) 製造例3で合成したシリコーン変性アクリル樹脂溶液2
00部を製造例18と同様に処理し、トリエチルアミン
塩含有シリコーン変性アクリル樹脂溶液を得た。製造例20(トリエチルアミン塩含有シリコーン変性ア
クリル樹脂溶液の合成) 製造例4で合成したシリコーン変性アクリル樹脂溶液2
00部を製造例18と同様に処理し、トリエチルアミン
塩含有シリコーン変性アクリル樹脂溶液を得た。製造例21(トリエチルアミン塩含有シリコーン変性ア
クリル樹脂溶液の合成) 製造例5で合成したシリコーン変性アクリル樹脂溶液2
00部を製造例18と同様に処理し、トリエチルアミン
塩含有シリコーン変性アクリル樹脂溶液を得た。製造例22(アクリル樹脂溶液の合成) キシロール70部を含み且つ110℃に保たれた反応液
中に、メタクリル酸10部、メタクリル酸2−ヒドロキ
シエチル20部、メタクリル酸2−エチルヘキシル25
部、メタクリル酸t−ブチル25部及びt−ブチルパー
オキシ2−エチルヘキサノエート2部を含む混合溶液を
3時間かけて滴下した。これを1時間熟成した後、さら
にt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート0.
5部とキシロール30部とを30分間かけて滴下し、2
時間熟成した。その後、前述の平均組成式(7)で示さ
れるシリコーン化合物20部を添加することにより、ア
クリル樹脂溶液を得た。製造例23(ナトリウム塩含有アクリル樹脂溶液の合
成) 製造例22で合成したアクリル樹脂溶液200部を製造
例6と同様に処理することにより、ナトリウム塩含有ア
クリル樹脂溶液を得た。製造例24(シリコーン変性アクリル樹脂溶液の合成) 下記の平均組成式で示されるシリコーン化合物20部と
キシロール70部を含み且つ110℃に保たれた反応液
中に、メタクリル酸8部、メタクリル酸2−ヒドロキシ
エチル20部、メタクリル酸2−エチルヘキシル27
部、メタクリル酸t−ブチル25部及びt−ブチルパー
オキシ2−エチルヘキサノエート2部を含む混合溶液を
3時間かけて滴下した。これを1時間熟成した後、さら
にt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート0.
5部とキシロール30部とを30分間かけて滴下し、2
時間熟成した。この結果、シリコーン変性アクリル樹脂
溶液が得られた。この溶液に含まれるシリコーン変性ア
クリル樹脂は、シリコーン化合物と水酸基含有樹脂とが
結合したものに相当する。
【0061】
【化24】
【0062】製造例25(ナトリウム塩含有シリコーン
変性アクリル樹脂溶液の合成) 製造例24で合成したシリコーン変性アクリル樹脂溶液
200部を製造例6と同様に処理することにより、ナト
リウム塩含有シリコーン変性アクリル樹脂溶液を得た。製造例26(水酸基含有アクリル樹脂とシリコーン変性
アクリル樹脂との混合溶液の合成) キシロール70部を含み且つ110℃に保たれた反応液
中に、メタクリル酸10部、メタクリル酸2−ヒドロキ
シエチル20部、メタクリル酸2−エチルヘキシル25
部、メタクリル酸t−ブチル25部及びt−ブチルパー
オキシ2−エチルヘキサノエート2部を含む混合溶液を
3時間かけて滴下した。これを1時間熟成した後、さら
にt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート0.
5部とキシロール30部とを30分かけて滴下し、2時
間熟成した。その後、製造例2で合成したシリコーン変
性アクリル樹脂溶液100部を添加することにより、水
酸基含有アクリル樹脂とシリコーン変性アクリル樹脂と
の混合溶液を得た。製造例27(ナトリウム塩含有水酸基含有アクリル樹脂
とナトリウム塩含有シリコーン変性アクリル樹脂との混
合溶液の合成) 製造例26で合成した水酸基含有アクリル樹脂とシリコ
ーン変性アクリル樹脂との混合溶液を製造例6と同様に
処理することにより、ナトリウム塩含有水酸基含有アク
リル樹脂とナトリウム塩含有シリコーン変性アクリル樹
脂との混合溶液を得た。製造例28(シリコーン化合物と水酸基含有アクリル樹
脂とシリコーン変性アクリル樹脂との混合溶液の合成) キシロール70部を含み且つ110℃に保たれた反応液
中に、メタクリル酸10部、メタクリル酸2−ヒドロキ
シエチル20部、メタクリル酸2−エチルヘキシル25
部、メタクリル酸t−ブチル25部及びt−ブチルパー
オキシ2−エチルヘキサノエート2部を含む混合溶液を
3時間かけて滴下した。これを1時間熟成した後、さら
にt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート0.
5部とキシロール30部とを30分かけて滴下し、2時
間熟成した。その後、製造例2で合成したシリコーン変
性アクリル樹脂溶液100部と前述の平均組成式(7)
で示されるシリコーン化合物20部とを添加することに
より、シリコーン化合物と水酸基含有アクリル樹脂とシ
リコーン変性アクリル樹脂との混合溶液を得た。製造例29(シリコーン化合物とナトリウム塩含有水酸
基含有アクリル樹脂とナトリウム塩含有シリコーン変性
アクリル樹脂との混合溶液の合成) 製造例28で合成したシリコーン化合物と水酸基含有ア
クリル樹脂とシリコーン変性アクリル樹脂との混合溶液
を製造例6と同様に処理することにより、シリコーン化
合物とナトリウム塩含有水酸基含有アクリル樹脂とナト
リウム塩含有シリコーン変性アクリル樹脂との混合溶液
を得た。実施例1〜16 製造例6〜21で合成した金属塩含有シリコーン変性ア
クリル樹脂またはアミン塩含有シリコーン変性アクリル
樹脂18部と、大日本インキ化学工業株式会社製のウレ
タン樹脂架橋剤“DN−950”4部とを混合して塗料
用樹脂組成物を調製した。これにキシロール4部をさら
に加えて塗料を作成し、この塗料をガラス板上に塗布し
て室温で1週間放置し、架橋塗膜を得た。実施例17 製造例23で合成したナトリウム塩含有アクリル樹脂1
8部及び大日本インキ化学工業株式会社製のウレタン樹
脂架橋剤“DN−950”4部を混合して塗料用樹脂組
成物を調製した。これにキシロール4部をさらに加えて
塗料を作成し、この塗料をガラス板上に塗布して室温で
1週間放置し、架橋塗膜を得た。実施例18 製造例25で合成したナトリウム塩含有シリコーン変性
アクリル樹脂18部及び大日本インキ化学工業株式会社
製のウレタン樹脂架橋剤“DN−950”4部を混合し
て塗料用樹脂組成物を調製した。これにキシロール4部
をさらに加えて塗料を作成し、この塗料をガラス板上に
塗布して室温で1週間放置し、架橋塗膜を得た。実施例19 製造例27で合成したナトリウム塩含有水酸基含有アク
リル樹脂とナトリウム塩含有シリコーン変性アクリル樹
脂との混合溶液18部及び大日本インキ化学工業株式会
社製のウレタン樹脂架橋剤“DN−950”4部を混合
して塗料用樹脂組成物を調製した。これにキシロール4
部をさらに加えて塗料を作成し、この塗料をガラス板上
に塗布して室温で1週間放置し、架橋塗膜を得た。実施例20 製造例29で合成したシリコーン化合物とナトリウム塩
含有水酸基含有アクリル樹脂とナトリウム塩含有シリコ
ーン変性アクリル樹脂との混合溶液18部及び大日本イ
ンキ化学工業株式会社製のウレタン樹脂架橋剤“DN−
950”4部を混合して塗料用樹脂組成物を調製した。
これにキシロール4部をさらに加えて塗料を作成し、こ
の塗料をガラス板上に塗布して室温で1週間放置し、架
橋塗膜を得た。比較例1〜4 製造例2〜5で合成したシリコーン変性アクリル樹脂を
用いて実施例と同様に架橋塗膜を得た。試験 実施例及び比較例で得られた架橋塗膜について、ラビン
グ試験、水に対する接触角測定、耐汚染性試験及び促進
耐候性試験を実施した。試験方法及び測定方法は次の通
りである。結果を表1に示す。 〔ラビング試験〕常法により、塗膜にキシロールを往復
100回ラビングし、その後の塗膜表面の状況を目視で
評価した。評価の基準は次の通りである。 ◎:異常なし。 ○:ほとんど異常なし。 △:塗膜表面が若干白濁。 ×:塗膜表面が白濁。 〔水に対する接触角〕室温で塗膜に0.2ccの水滴を
滴下し、その1分後に水滴と塗膜との接触角を測定し
た。 〔耐汚染性試験〕日本ペイント株式会社寝屋川事業所曝
露試験場において、平成3年3月から平成5年3月まで
の2年間で試験塗膜の汚染状況を調べた。汚染の程度
は、色差計を用いて△E値の最大値と平均値とを求める
ことにより評価した。評価の基準は次の通りである。 ◎:汚れていない。 ○:ほとんど汚れていない。 △:若干汚れが目立つ。 ×:汚れている。 ××:汚れが著しい。 〔促進耐候性試験〕サンシャインウェザオメーターで2
000時間照射し、塗面の状態を目視評価すると共に、
60度鏡面光沢を測定し、試験開始時の光沢に対する照
射後の光沢保持率(%)を求めた。目視評価の判断基準
は下記の通りとした。 ◎:異常無し。 ○:ほとんど異常無し。 △:一部分チョーキング。 ×:チョーキングが著しい。
【0063】
【表1】
【0064】
【発明の効果】本発明の塗料用樹脂組成物は、上述のシ
リコーン化合物と水酸基含有樹脂と架橋剤とを含み、し
かもシリコーン化合物及び水酸基含有樹脂の少なくとも
1つはそれに含まれる官能基の少なくとも一部が塩を形
成しているので、耐候性等の一般的に要求される塗膜特
性を維持しつつ、耐汚染性が改善された塗膜を形成でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西村 好郎 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の平均組成式(1)、(2)、(3)
    及び(4)で示されるシリコーン化合物からなる群から
    選ばれた少なくとも1種のシリコーン化合物と、 水酸基含有樹脂と、 水酸基と反応可能な官能基を有する架橋剤とを含み、 前記シリコーン化合物及び前記水酸基含有樹脂のうちの
    少なくとも1つは、それに含まれる官能基の少なくとも
    一部が塩を形成している、塗料用樹脂組成物。 【化1】 (上記式中、Aは、下記の化学式(i),(ii) 及び
    (iii)で示される有機残基からなる群から選ばれた少な
    くとも1種の有機残基であり、 【化2】 Bは−CH2CH2CH2OCH2CH2OHであり、Xは
    3−アクリロキシプロピル基または3−メタクリロキシ
    プロピル基であり、Yは−COOH、−SO3H及び−
    NR2 2(R2は有機残基)からなる群から選ばれた少な
    くとも1種の基を含む1価の置換基であり、R1はアリ
    ール基、アラルキル基または炭素数1〜6のアルキル基
    であり、a、b、c及びdはそれぞれ下記の範囲の繰り
    返し単位数である。) 1≦a≦20 0.5≦b≦3 1≦c≦10 0<d≦6
  2. 【請求項2】前記シリコーン化合物の一部が前記水酸基
    含有樹脂の一部と結合してシリコーン変性樹脂を形成し
    ている、請求項1に記載の塗料用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】前記シリコーン化合物の全部が前記水酸基
    含有樹脂の一部と結合してシリコーン変性樹脂を形成し
    ている、請求項1に記載の塗料用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】前記水酸基含有樹脂は、水酸基価が20〜
    300である、請求項1から3までのいずれかに記載の
    塗料用樹脂組成物。
  5. 【請求項5】前記シリコーン化合物(A)と前記水酸基
    含有樹脂(B)との混合比率A:Bが重量比率で3:9
    7〜70:30である、請求項1から4までのいずれか
    に記載の塗料用樹脂組成物。
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