JPH0733039A - 車両のアンチスピン制御装置及びそのゲイン設定方法 - Google Patents

車両のアンチスピン制御装置及びそのゲイン設定方法

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JPH0733039A
JPH0733039A JP20100193A JP20100193A JPH0733039A JP H0733039 A JPH0733039 A JP H0733039A JP 20100193 A JP20100193 A JP 20100193A JP 20100193 A JP20100193 A JP 20100193A JP H0733039 A JPH0733039 A JP H0733039A
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steering
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JP20100193A
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Hidekazu Ono
英一 小野
Shigeyuki Hosoe
繁幸 細江
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Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ドライバに違和感を感じさせることなく車両
がスピン状態に陥ることを防ぐ車両のアンチスピン制御
装置及びそのゲイン設定方法を提供する。 【構成】 ハンドルの操舵量を検出するハンドル操舵量
検出手段1と、車両の速度を検出する車速検出手段2
と、車両の旋回運動の状態量である実状態量を検出する
実状態量検出手段3と、前記車速および前記ハンドル操
舵量に基づき望ましい車両の旋回運動の状態量である目
標状態量を演算する目標状態量演算手段4と、該目標状
態量と前記実状態量との偏差に基づき、車両の後輪のコ
ーナリングスティッフネスの変動によって前記実状態量
が発散することを防止することによってスピンを防止す
るように前輪の舵角の修正量であるフィードバック量を
演算するフィードバック量演算手段5と、前記ハンドル
操舵量と前記フィードバック量とに基づき前輪を操舵す
る操舵手段6とから成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の前輪実舵角を制
御し、ドライバに違和感を感じさせることなく車両がス
ピン状態に陥ることを防ぐ車両のアンチスピン制御装置
及びそのゲイン設定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】車両のスピンを防止することを目的とし
た従来技術としては、特開平1−202574号公報に
示されるものがある。この第1の従来技術は、車両がス
ピン若しくはスキッドを発生する車両の挙動に関する限
界値を設定し、車両の挙動を検出し、前記限界値と前記
挙動検出値との比較を行い、検出値が限界値より大きい
場合に、車両のスピン若しくはスキッドと判断し、前輪
若しくは後輪の横すべり角が小さくなるように前輪若し
くは後輪を操舵するものである。
【0003】また、別の従来技術として、特開平2−1
1474号公報に示されるものがある。この第2の従来
技術は、車両の動特性をモデル化した推定モデルと実際
の車両の特性との差によって生じる制御誤差に対して、
推定モデルの車両出力推定値と車両出力実際値との差を
実舵角目標値にフィードバックすることによって実舵角
を補正して、所望の車両の動特性を得るものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記第1の従来技術
は、車両にスピン若しくはスキッドが発生し、挙動量が
限界値より大きい場合に、前輪若しくは後輪の横すべり
角が小さくなるように前輪若しくは後輪を操舵するもの
であり、限界値の適切な設定が必要となる。例えば、限
界値を高く設定した場合、雪路のような路面の摩擦係数
μが低い路面を走行する場合において、車両の挙動量が
この限界値を越えてからではスピン若しくはスキッドの
発生を防止できなくなるとともに、ドライバがスピン若
しくはスキッドを体感するため、あわててしまい適切な
操舵ができなくなる。
【0005】この問題点は、限界値を低く設定すること
によって解決できるのではないかと考えられるが、この
場合、乾いた舗装路のような路面の摩擦係数μが高い路
面を走行する場合において、限界値が車両の旋回限界よ
りかなり低く設定されていることになってしまい、スピ
ン若しくはスキッドが発生していない旋回限界内の走行
であるにもかかわらずコントローラはスピン若しくはス
キッドが発生していると誤った判断を行ってしまう。こ
の結果、挙動量を減少させるように制御が働き、高μ路
の走行にも係わらず低μ路における挙動量以上の挙動量
が発生しないため旋回性能は著しく劣化し、操舵角に見
合った旋回が得られないためドライバに違和感を感じさ
せるという問題点を生じる。
【0006】以上のように、車両の旋回限界は本来路面
の摩擦係数μに依存するものであるにもかかわらず本従
来技術においては、路面の摩擦係数を考慮していないた
め適切な限界値の設定ができず、スピン若しくはスキッ
ドの発生を防止できず、加えて操舵角に見合った旋回が
得られないためドライバに違和感を感じさせるという問
題点を生じる。更に、車両の走行時に路面の摩擦係数を
正確に検出あるいは推定することは困難である。
【0007】また前記第2の従来技術は、推定モデルの
車両出力推定値と車両出力実際値との差を実舵角目標値
にフィードバックする際の補正量が、車両のスピンを防
止することができるような適正な補正量となるように設
定されていないため、本従来技術によって実舵角を修正
してもスピンを防止することはできない。本発明は、車
両の挙動量に応じた前輪の切り戻し操舵を行うことで操
縦性能を損なうことなくスピンを防止する制御装置及び
そのゲイン設定方法の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に示す本発明の
第1発明の車両のアンチスピン制御装置は、ハンドルの
操舵量を検出するハンドル操舵量検出手段と、車両の速
度を検出する車速検出手段と、車両の旋回運動の状態量
である実状態量を検出する実状態量検出手段と、前記車
速および前記ハンドル操舵量に基づき望ましい車両の旋
回運動の状態量である目標状態量を演算する目標状態量
演算手段と、該目標状態量と前記実状態量との偏差に基
づき、車両の後輪のコーナリングスティッフネスの変動
によって前記実状態量が発散することを防止することに
よってスピンを防止するように前輪の舵角の修正量であ
るフィードバック量を演算するフィードバック量演算手
段と、前記ハンドル操舵量と前記フィードバック量とに
基づき前輪を操舵する操舵手段とから成ることを特徴と
する。
【0009】また、請求項2に示す本発明の第2発明の
ゲイン設定方法は、請求項1に記載の車両のアンチスピ
ン制御装置におけるフィードバック量演算手段のゲイン
設定方法であって、後輪のコーナリングスティッフネス
が零以上高ミュー路での後輪のコーナリングスティッフ
ネス以下の変動範囲で変動することを想定する工程と、
車両の運動を模擬する車両運動モデルと前記フィードバ
ック量演算手段とを含む制御系に前記変動を後輪スリッ
プ角の変動にともなう後輪舵角の変動として考慮した閉
ループを作成する工程と、該閉ループを開ループに置き
換えた系に変換する工程と、該開ループの後輪舵角の変
動にともなう後輪スリップ角の変動の伝達関数のゲイン
が全ての周波数領域において1未満となるように該伝達
関数のゲインを設定する工程とから成ることを特徴とす
る。
【0010】(本発明の着眼点)車両がスピンを起こす
主な原因は、後輪のタイヤ特性が飽和することにある。
この飽和領域に近づいた場合、限界状態と判断し舵角を
戻すなどの制御を行うことによりスピンを防止すること
ができる。しかしながら、このようなタイヤ特性は、走
行する路面の摩擦係数によって大きく異なるものである
ため、路面の摩擦係数が正確に把握できない限り適切な
制御ができないという問題点が残る。これに対し、本発
明者らは、路面の摩擦係数の情報を必要としないスピン
防止手法を考えた。以下にその手法を説明する。
【0011】まず、スピンの発生原因である後輪のタイ
ヤ特性の飽和現象が、等価的に後輪のコーナリングステ
ィフネスが変動することと等しい点に着目した。次に、
スピンを防止する制御系の設計とは、後輪のコーナリン
グスティッフネスの変動に対して、車両を含めた閉ルー
プ系の制御を安定とするコントローラの設計であること
に着眼した。更に、本発明者らは、後輪のコーナリング
スティフネスの変動を等価的に車両運動モデルにおける
後輪舵角の変動とみなし、該後輪舵角の変動に対して安
定な制御系設計をロバスト制御理論に基づいて行うこと
を考えた。
【0012】つまり、後輪のコーナリングスティッフネ
スの変動による後輪のコーナリングフォースの変動を等
価的に車両運動モデルにおける後輪スリップ角の変動に
応じた後輪舵角の変動とみなし、このような後輪舵角の
変動を含む車両運動モデルとコントローラとからなる制
御系を、図2に示すように変動を表すブロックΔを分離
して記述する。ここで、車両運動モデルP(s)は、前輪
舵角と等価的な後輪舵角の変動とを入力とし、 状態量
検出手段で検出する車両の実状態量と後輪のスリップ角
とを出力とする車両の運動を表現した数式モデルであ
る。またΔの絶対値は1以下となっている。図2に示す
制御系の変動に対する安定性を議論することは、図3に
示すハンドル操舵量や目標状態量を含まない制御系の変
動に対する安定性を議論することと等価となるため、つ
ぎに図3に示す制御系を用いてコントローラの設計を行
う。なお、図2に示す制御系を用いてコントローラの設
計を行うことも可能であるが、結果的に同じコントロー
ラを得ることになる。
【0013】つぎに、図3における変動を含む閉ループ
を、図4に示すように変動を表すブロックΔの前後で解
放し、解放した開ループの入出力を表す伝達関数のゲイ
ンが全ての周波数領域において1未満となるようにコン
トローラの設計を行う。この手法としては、例えばH∞
制御理論を適用する。これによって図3における絶対値
が1以下の任意の変動Δに対して制御系を安定に保つコ
ントローラが得られる。このように設計されたコントロ
ーラをフィードバック量演算手段として用いることによ
り、後輪のコーナリングスティッフネスの変動に対して
車両を安定に保つことができ、アイスバーンのような路
面から乾いた舗装道路のような路面まで、路面の摩擦係
数の変化に影響されることなく、限界旋回領域において
も車両が安定に走行でき、スピンを防止することができ
る。
【0014】
【作用】本発明の第1発明の作用を以下に説明する。ハ
ンドル操舵量検出手段は、ドライバの操舵するハンドル
操舵量を検出し、対応する電気信号などに変換する。ま
た、車速検出手段は、車両の速度を検出し、対応する電
気信号などに変換する。さらに、実状態量検出手段は、
車両の旋回運動の状態量である実状態量を検出し、対応
する電気信号などに変換する。つぎに、目標状態量演算
手段において、ハンドル操舵量と車速に応じて車両運動
特性に基づき望ましい目標状態量を演算する。
【0015】さらに、フィードバック量演算手段におい
て、前記演算された目標状態量と前記検出された実状態
量との偏差に基づき、車両の後輪のコーナリングスティ
フネスの変動によって前記実状態量が発散することを防
止することによって車両がスピン状態に陥らない範囲内
でハンドル操舵量に対する車両の挙動を望ましいものに
するとともに、横風などの外乱に対する安定性を向上さ
せるよう実状態量を目標状態量に追従または一致させる
ための前輪の舵角の修正量であるフィードバック量を演
算する。そして、操舵手段において前記ハンドル操舵量
と前記フィードバック量とに基づき前輪に望ましい実舵
角を与える。
【0016】車両の状態量の制御に着目すると、ハンド
ル操舵量と実状態量とが線形関係を保ちながら推移す
る、いわゆるタイヤの線形領域にあり、車両諸元の変動
や外部環境からの外乱等がない場合、実状態量は目標状
態量に一致するため、偏差は零となり、フィードバック
制御は働かないため、前輪実舵角はハンドル操舵量に一
致したものとなる。また、タイヤの線形領域にあるが車
両諸元の変動や外部環境からの外乱等がある場合には、
実状態量と目標状態量との間に偏差を生じる。この場
合、該偏差を零に近づけるように働き、外乱の影響は小
さく抑制される。
【0017】一方、旋回状態が限界領域に近く、実状態
量がタイヤの非線形領域にある場合、実状態量は目標状
態量に一致せず偏差を生じるため、フィードバック制御
が働く。この制御は、実状態量と目標状態量との間の偏
差を零に近づけるように働くが、目標状態量が路面の摩
擦係数に依存する車両の旋回限界を越えるような大きな
値の場合には、スピン状態に陥らないように前輪実舵角
を戻し、旋回限界を越えない範囲で偏差を零に近づける
ように働く。これは、本第2発明のゲイン設定方法によ
って、フィードバック量演算手段がタイヤ特性の変動に
も関わらず安定性を補償するように設計されていること
によるものである。
【0018】
【発明の効果】車両がスピンを起こす主な原因は、後輪
のタイヤ特性が飽和することにあり、この特性は路面の
摩擦係数に依存するものである。本第1発明のアンチス
ピン制御装置では、車両の走行する路面の状況によって
さまざまに変化する路面の摩擦係数の変化に影響される
後輪のタイヤ特性の変化を車両運動モデルの後輪のコー
ナリングスティッフネスの変動とみなし、この変動に対
して制御系を安定化するように前輪実舵角を制御するこ
とにより、後輪のタイヤ特性が飽和して車両単独の運動
特性が不安定化するにも関わらず、制御装置を含めた閉
ループ系としての車両は安定化され、安全な走行ができ
る。
【0019】言い換えると、従来技術ではスピン状態に
陥る状況において、本第1発明は、熟練したドライバが
カウンタステアと呼ばれるハンドル操作によって、スピ
ン状態に陥ることを回避しながら、後輪のタイヤ特性が
飽和した限界領域における旋回を実現するのと同じ操作
を実現するものであり、通常のドライバでは利用するこ
とのできない限界領域まで利用した高い旋回性能を車両
に発揮させることができる。また、本第1発明では、前
記第1の従来技術のように限界値を設定してスピン状態
を判定する必要がなく、また路面の摩擦係数の影響を車
両運動モデルの後輪舵角の変動として考慮しているた
め、路面の摩擦係数を検出あるいは推定する必要もな
い。更に、スピンは横風などの外乱によって引き起こさ
れる可能性もあるが、本第1発明のアンチスピン制御装
置では、状態量のフィードバックによって構成されてい
るため、外乱によって生じる状態量の偏差は前輪実舵角
にフィードバックされ、結果的に外乱を打ち消す操舵が
実現されてスピンが抑制される。
【0020】すなわち、本第2発明によって図4に示す
開ループ系の伝達関数の入出力ゲインが全ての周波数領
域において1未満となるように設計されているため、−
1以上1以下の任意の変動Δに対し一巡伝達関数は1未
満となり、変動に対する制御系の安定性は常に補償され
ている。この結果、通常スピン状態に陥るような限界領
域においても制御によって安定性が保たれ、スピンの防
止が達成される。以上のように、本第1発明の車両のア
ンチスピン制御装置及び本第2発明のゲイン設定方法
は、スピンを防止するという安全装置としての役割のみ
ならず、高い旋回性能をも引き出すものであり、従来不
可能と考えられていた安全性と性能の向上の両立を高い
レベルで実現するものである。
【0021】
【実施例】
(第1実施例)本発明の第1発明の車両のアンチスピン
制御装置及び本発明の第2発明のゲイン設定方法の一実
施例を、第1実施例として、図5ないし図8に基づいて
説明する。本第1実施例は、実状態量として横滑り角と
ヨー角速度を検出するものである。最初に、本実施例の
アンチスピン制御装置の構成を図5及び図14に示す。
ハンドルの操舵量を検出するハンドル操舵量検出手段1
と、車両の速度を検出する車速検出手段2と、車両の旋
回運動の状態量である横滑り角とヨー角速度を実状態量
として検出する実状態量検出手段3と、前記車速および
前記ハンドル操舵量に基づき望ましい車両の旋回運動の
状態量である横滑り角とヨー角速度に対応する目標状態
量を演算する目標状態量演算手段4と、該目標状態量と
前記実状態量との偏差に基づき車両のスピンを防止する
ように前輪の舵角の修正量であるフィードバック量を演
算するフィードバック量演算手段5と、前記ハンドル操
舵量と前記フィードバック量とに基づき前輪を操舵する
操舵手段6から成る。
【0022】ハンドル操舵量検出手段1は、ハンドルと
同軸上に取り付けられた操舵角センサ11からなり、ハ
ンドル操舵角を測定し、ハンドルギヤ比に相当する値で
除算して、ハンドル操舵量δswに相当する値を操舵量信
号として出力する。車速検出手段2は、図14には1輪
のみしか示していないが、車両の進行速度を測定する車
速センサ21からなり、4輪の回転速度から車速vを推
定演算し、対応する電気信号を車速信号として出力す
る。実状態量検出手段3は、横滑り角センサとヨー角速
度センサとからなる。横滑り角センサは、非接触式速度
計を用いたものであり、横滑り角βを電気信号に変換
し、横滑り角信号として出力するものである。なお、こ
の横滑り角は、横加速度センサと車速およびヨー角速度
から演算し、推定した値を用いても良い。この場合、横
滑り角の推定精度は高くないが、非接触式速度計を用い
る必要はなく、実用的なシステムとなる。また、ヨー角
速度センサは、車両重心に取り付けられ、該重心位置で
のヨー角速度γを測定し、ヨー角速度信号として出力す
る。
【0023】目標状態量演算手段4と、フィードバック
量演算手段5は、ハンドル操舵量と車速と実状態量とし
ての横滑り角βとヨー角速度γを入力し、前輪舵角の修
正量であるフィードバック量uを出力するディジタルコ
ンピュータ70によって構成される。次に、後輪のコー
ナリングスティッフネスの変動を考慮した車両運動モデ
ルについて説明する。なお、以下の説明において、関数
xの時間微分をx’、行列Aの転置をATと表す。車両
が乾いた舗装路のような高μ路を走行する場合におい
て、タイヤ特性に余裕があるため後輪のコーナリングス
ティッフネスに変動が生じない。そのため車両運動は、
次式の状態方程式によって記述される。 x’=A・x+Bf・δf … (1) ここで、 A=[a1 T , a2 T T、 Bf=[bf1, bf2]T x=[β, γ]T さらに、 a1=[a11, a12]、 a2=[a21, a22] a11=−(cf+cr)/(mv) a12=−1−(afcf−arcr)/(mv2) a21=−(afcf−arcr)/Iz a22=−(af2cf+ar2cr)/(Izv) bf1=cf/(mv) bf2=afcf/Iz
【0024】ただし、 af,ar:前輪および後輪の車軸と重心との距離[N] cf,cr:変動を受けないときの前後輪のコーナリング
スティッフネス[N/rad] Ff,Fr:前後輪のコーナリングフォース[m] Iz :ヨー慣性モーメント[kg・m2 ] m :車両質量[kg] v :車両の速度(車速)[m/s] β :横滑り角[rad] γ :ヨー角速度[rad/s] δf :前輪実舵角[rad] である。このうちaf、ar、cf、cr、Iz、mは車両
の諸元であり、同定によって求めることができる。ま
た、β、γは車両の状態量、δfは入力である。図13
にaf、ar、 Ff、Fr、β、γ、vを図示する。また
本実施例では以下のような値を車両諸元として用いてい
る。 af =1.2[m]、ar =1.3[m] cf =50000[N/rad] cr =70000[N/rad] Iz =3000[kg・m2 ] m =1500[kg]
【0025】ここでは、後輪のコーナリングスティッフ
ネスcrの値が、 0≦cr≦cr0 (cr0:高μ路での値) の範囲で変動を受けても安定性を保つための制御系設計
を行う。まず、crを cr=cr0(1−Δ)/2 −1≦Δ≦1 と表現し、これを(1)式に代入、整理する。すると、 x’=A0・x+Bf・δf+Br・d … (2) αr=Ca・x … (3) d=Δ・αr … (4) ここで、 A0=[a01T , a02T T、 Br=[br1, br2]T Ca=[1,−ar/v]
【0026】さらに、 a01=[a011, a012]、 a02=[a021, a022] a011=−(cf+cr0/2)/(mv) a012=−1−(afcf−arcr0/2)/(mv2) a021=−(afcf−arcr0/2)/Iz a022=−(af2cf+ar2cr0/2)/(Izv) br1=cr0/(2mv) br2=−arcr0/(2Iz) となる。なお、αrは後輪スリップ角を、dは等価的な
後輪舵角変化を表している。
【0027】次に、目標状態量演算手段4およびフィー
ドバック量演算手段5における演算の内容を示す。目標
状態量演算手段4は、操舵量δsw及び車速vに基づきド
ライバにとって望ましい車両状態量である目標横滑り角
β0および目標ヨー角速度γ0を目標状態量信号として出
力する。ここでは、このような車両挙動の動特性とし
て、後輪のコーナリングスティッフネスが変動を受けな
い、すなわち、タイヤ特性に余裕のある高μ路を走行す
るときの車両運動モデルを考える。 x0’=A・x0+Bf・δsw … (5) ここで、 x0=[β0, γ0]T である。
【0028】フィードバック量演算手段5は、実状態量
xと目標状態量x0との偏差に基づき、車両 がスピン状
態に陥らない範囲内でハンドル操舵量δswに対する車両
の挙動を望ましいものにするとともに、横風などの外乱
に対する安定性を向上させるよう実状態量xを目標状態
量x0に追従させるための前輪の舵角の修正量であるフ
ィードバック量uを演算する。この演算のアルゴリズム
は、図6に示す制御系において、絶対値が1以下の任意
の変動Δを含む閉ループ系が安定となるように設計され
るものである。ここで、P(s)は(2),(3),(4)式を表して
おり、前輪実舵角δfと等価的な後輪舵角変化dを入
力、横滑り角βとヨー 角速度γからなる車両の状態量
xおよび後輪のスリップ角αrを出力とする車両の運動
を表現した数式モデルである。また、P0(s)は(5)式を
表しており、ハンドル操舵量δswを 入力、車両の目標
状態量x0である目標横滑り角β0とヨー角速度γ0を出
力とする車両の 目標運動を表現した数式モデルであ
る。
【0029】ところで、図6に示す制御系の安定性を議
論することは、図7に示すハンドル操舵量や目標状態量
を含まない制御系の安定性を議論することと等価となる
ため、つぎに図7に示す制御系を用いてコントローラの
設計を行う。この場合、図6においてハンドル操舵量δ
swが零であると仮定している。つぎに、図7における変
動を含む閉ループを、図8に示すように変動を表すブロ
ックΔの前後で解放し、解放した開ループの入出力を表
す伝達関数のゲインが全ての周波数領域において1未満
となりかつ、システムを安定化させるようなコントロー
ラの設計をH∞制御理論の適用によって行う。こうして
設計されたコントローラは、絶対値が1以下の任意の変
動Δに対してΔを含む閉ループ系を安定化するというこ
とが小ゲイン定理によって証明されている。また、状態
フィードバックのH∞制御理論の適用によって導出され
るコントローラ、すなわちフィードバック演算手段は、
次式のように記述される。
【0030】 u=K(x−x0) … (6) ここで、uはフィードバック量、Kはコントローラを表
す定数行列であり、本実施例においては、横滑り角に関
しては1.2688、ヨー角速度に関しては−0.43
32としており、 K=[1.2688 −0.4332] である。なお、ここではコントローラを線形の状態フィ
ードバックとして導出したが、非線形のH∞制御理論に
基づきKが状態量の関数となるようなフィードバック則
を用いたり、Kが動特性をもつようなコントローラであ
ってもよい。操舵手段6は、前記ハンドル操舵量δswと
前記フィードバック量uを加算した信号に基づき望まし
い前輪実舵角δfを与える前輪操舵アクチュエータ61
からなる。上記構成からなる本実施例の作用および効果
は、以下の通りである。まず、操舵角センサ11と車速
センサ21と横滑り角センサ31とヨー角速度センサ3
2の出力は、目標状態量演算手段4とフィードバック量
演算手段5を構成するディジタルコンピュータに入力さ
れる。
【0031】該ディジダルコンピュータでは、まず、目
標状態量演算手段4において(5)式を離散化 した漸化式
にしたがって、目標とする車両の状態量である目標横滑
り角β0および目標ヨー角速度γ0が演算される。なお、
前記目標状態量は、タイヤ特性に余裕のある高μ路を走
行する際の車両モデルの動特性にしたがうものであり、
路面状態の変動や横風外乱などの外部環境からの外乱が
ない場合、実状態量xは目標状態量に一致する。
【0032】つぎに、フィードバック量演算手段5にお
いて、路面状態の変動や横風外乱により生じる目標状態
量と実状態量の実測値との偏差を零に漸近させるために
必要な前輪舵角の修正操舵量であるフィードバック量u
を(6)式にしたがって演算する。このフィードバック量
により、路面状態の変動や外部環境からの外乱がある場
合においても、物理的に可能な範囲内で車両状態の動特
性は目標動特性に追従させることができる。ここでは、
路面状態の変動として後輪のタイヤ特性が完全に飽和
し、後輪のコーナリングスティッフネスが零となるよう
な場合まで考慮し、このような変動の下でもシステムの
安定性を補償するようにフィードバック量演算手段が設
計されている。
【0033】このため、本実施例に示す車両のアンチス
ピン制御装置では、このような状況下においてもスピン
を起こすことなく安定に旋回することができる。すなわ
ち、通常スピン状態に陥るような後輪のタイヤ特性が飽
和するような旋回領域においても安定性を保つようにフ
ィードバック量演算手段が設計されているため、物理的
に目標状態への追従が不可能となる限界領域において
は、追従偏差を許容して安定性を確保するような制御が
行われる。
【0034】ついで、前輪操舵アクチュエータ61にお
いて、前記ハンドル操舵量δswと前記フィードバック量
uを加算した信号に基づき前輪に望ましい実舵角が与え
られる。次に、本実施例の効果を図15ないし図19に
示す。実験条件としては、車速20m/sで圧雪路を走
行中、時間1秒で0.03radのステップ操舵を行な
ったものである。このときの比較車両として示した従来
の制御則は、フィードバック量演算手段を最適レギュレ
ータによって構成したものであり、 u=KLQ(x−x0) である。ただし KLQ=[−0.3733 −2.0902] として与えられる。
【0035】図15は横滑り角βの時間変化を、図16
はヨー角速度γの時間変化を、図17は前輪実舵角の時
間変化を示し、図18は図16を拡大して示したもので
あり、図19は図17を拡大して示したものである。い
ずれの図も、実線が本実施例で用いている制御則を用い
た場合を示し、破線が従来の制御則を用いた場合、一点
鎖線が制御無しの場合を示す。本実施例及び従来の制御
則では、ともにその後の約0.4秒間、制御によって前
輪実舵角の切り増しが行なわれ、その結果、ヨー角速度
の応答性が向上している。これは、実状態量が目標状態
量に比べ小さいため、実状態量を目標状態量に一致させ
るよう制御が働いたためである。その後、後輪のタイヤ
特性が飽和すると実状態量は目標状態量に比べ大きくな
り、ここでは実状態量を小さくするように前輪実舵角の
切り戻しが行なわれる。このような場合において、路面
状態の変動として後輪のタイヤ特性は完全に飽和してお
り、後輪のコーナリングスティッフネスは零まで変動す
る。
【0036】このような変動の下において、従来の制御
則ではシステムの安定性を補償するようにフィードバッ
ク量演算手段が設計されていないため、切り戻しのタイ
ミングが手遅れとなっており、大きく切り戻すものの横
滑り角及びヨー角速度は共に発散しておりスピンを防ぐ
ことはできない。これに対し、本実施例の制御則では、
システムの安定性を補償するようにフィードバック量演
算手段が設計されているため速やかに切り戻しが行なわ
れ、横滑り角及びヨー角速度は共に収束しており安定し
た旋回運動が得られている。また本実施例の実舵角は、
図19に示されるように2.3秒経過後は旋回の方向と
逆方向に操舵されている。これは、本実施例のアンチス
ピン制御装置は、限界旋回時に熟練したドライバーの行
なうカウンタステアと同様の操縦を自動的にしかも安全
に行ない、優れた限界旋回性能が発揮できることを示し
ている。
【0037】(第2実施例)次に、本発明の車両のアン
チスピン制御装置の第2実施例を図9ないし図12を用
いて前記第1実施例と同一なものについては、同じ符号
を付し説明を省略する。以下に前記第1実施例と異なる
点を中心に説明する。本第2実施例は、実状態量として
ヨー角速度を検出することに特徴がある。実状態量とし
てのヨー角速度γは、車両運動状態xのうちの一要素で
あり、
【0038】 γ=C・x … (7) ただし、 C=[0, 1] と記述される。また、目標状態量としての目標ヨー角速
度γ0も同様に、 γ0=C・x0 … (8) と記述される。
【0039】本実施例のアンチスピン制御装置は、図9
に示すように、実状態量検出手段30として車両の旋回
運動の状態量であるヨー角速度を検出することが前記第
1実施例と異なる。それに応じて、フィードバック量演
算手段50において、前記第1実施例のように横滑り角
の情報は必要としない。また目標状態量演算手段40に
おいては、操舵量信号及び車速信号に基づき目標状態量
としてヨー角速度のみを演算する。
【0040】以下に、目標状態量演算手段40およびフ
ィードバック量演算手段50における演算の内容を示
す。目標状態量演算手段40は、操舵量信号δsw及び車
速信号vに基づきドライバが最も操縦し易いような目標
状態量である目標ヨー角速度γ0を出力する。フィード
バック量演算手段50は、実状態量γと目標状態量γ0
との偏差に基づき、車両がスピン状態に陥らない範囲内
でハンドル操舵量に対する車両の挙動を最適にするとと
もに、横風などの外乱に対する安定性を向上させるよう
実状態量γを目標状態量γ0に追従させるための前輪の
舵角の修正量であるフィードバック量を演算する。
【0041】この演算のアルゴリズムは、図10に示す
制御系において、絶対値が1以下の任意の変動Δを含む
閉ループ系が安定となるように設計されるものである。
ここで、Pyaw(s)は(2),(3),(4),(7)式を表しており、
前輪実舵角δfと等価的な後輪舵角変化dを入力、実状
態量としてのヨー角速度γおよび後輪のスリップ角αr
を出力とする車両の運動を表現した数 式モデルであ
る。また、P0yaw(s)は(5)式および(8)式を表してお
り、ハンドル操舵量δswを入力、車両の目標状態量であ
る目標ヨー角速度γ0を出力とする車両の目標運動を表
現した数式モデルである。
【0042】ところで、図10に示す制御系の安定性を
議論することは、図11に示すハンドル操舵量や目標状
態量を含まない制御系の安定性を議論することと等価と
なるため、つぎに図11に示す制御系を用いてコントロ
ーラの設計を行う。つぎに、図11における変動を含む
閉ループを、図12に示すように変動を表すブロックΔ
の前後で解放し、解放した開ループの入出力を表す伝達
関数のゲインが全ての周波数領域において1未満となり
かつ、システムを安定化させるようなコントローラの設
計をH∞制御理論の適用によって行う。こうして設計さ
れたコントローラは、絶対値が1以下の任意の変動Δに
対してΔを含む閉ループ系を安定化するということが小
ゲイン定理によって証明されている。また、出力フィー
ドバックのH∞制御理論の適用によって導出されるコン
トローラ、すなわちフィードバック演算手段は、次式の
ように記述される。
【0043】 xc’=Ac・xc+Bc・(γ−γ0) … (9) u=Cc・xc+Dc・(γ−γ0) … (10) ここで、uはフィードバック量、Ac, Bc, Cc, Dcは
コントローラを表す定数行列である。
【0044】こうして設計されたコントローラをフィー
ドバック量演算手段として用いることにより、後輪のコ
ーナリングスティッフネスが零となる限界旋回領域にお
いても車両運動はフィードバック制御によって安定化さ
れ、スピンを防止することができる。上記構成からなる
本実施例の作用および効果は、以下の通りである。ま
ず、操舵角センサ11と車速センサ21とヨー角速度セ
ンサ32の出力は、目標状態量演算手段40とフィード
バック量演算手段50を構成するディジタルコンピュー
タに入力される。
【0045】該ディジタルコンピュータでは、まず、目
標状態量演算手段40において(5),(8)式を離散化した
漸化式にしたがって、目標とする車両の状態量である目
標ヨー角速度γ0が演算される。つぎに、フィードバッ
ク量演算手段50において、路面状態の変動や横風外乱
により生じる目標状態量と実状態量の実測値との偏差を
零に漸近させるために必要な前輪舵角の修正操舵量であ
るフィードバック量信号uを(9),(10)式を離散化した漸
化式にしたがって演算する。このフィードバック量信号
により、路面状態の変動や外部環境からの外乱がある場
合においても、物理的に可能な範囲内で車両状態の動特
性は目標動特性に追従させることができる。
【0046】ついで、前輪操舵アクチュエータ61にお
いて、前記ハンドル操舵量δswと前記フィードバック量
uを加算した信号に基づき前輪に最適な転舵角が与えら
れる。このように本実施例は、前記第1実施例と同様の
効果を有すると共にヨー角速度のみを検出することによ
ってスピン防止を防止でき、非常に実用性の高いシステ
ムとなっている。また、前記実施例においては、前輪の
みを操舵する車両を対象とするものを示したが、本発明
はこれに限ることなく、前後輪の両方を操舵する車両に
おいても当然適用することができる。さらに、前記実施
例においては、外乱抑制やスピン防止といった車両の安
全性および定常的な旋回性能の向上を目的とした設計例
を示したが、本発明をフィードフォワード制御機構を付
加することにより、操舵に対する過渡的な旋回性能を向
上させることが可能となる。図20は本発明のアンチス
ピン制御装置に後輪舵角を操作するフィードフォワード
制御機構を付加した場合のブロック図である。フィード
フォワード量演算手段7は、操舵に対する過渡的な旋回
性能および4輪操舵固有の特徴である横滑り角の低減化
を図るために必要な後輪舵角をハンドル角および車速に
基づいて演算する。また目標状態量演算手段4は、フィ
ードフォワード量演算手段7において達成しようとする
車両の目標状態量を演算する。この場合、フィードフォ
ワード量はハンドル操舵量と車速から演算され実状態量
のフィードバックを行っていないため、フィードバック
量演算手段5との制御系の干渉を起こす可能性がない。
このため、本発明のアンチスピン制御装置に後輪舵角を
操作するフィードフォワード制御機構を付加することに
より、本発明の外乱抑制やスピン防止の効果と後輪舵角
を操作するフィードフォワード制御機構による過渡的な
旋回性能の向上および横滑り角の低減の効果を両立させ
ることが可能となる。なお、ここではフィードフォワー
ド制御の手段として後輪舵角の操作のみの場合を例に説
明したが、前後輪の操舵の場合や前輪舵角の操作の場合
にも当然適用することができる。この場合には、フィー
ドフォワード量演算手段で演算された前輪舵角に対応す
る信号はフィードバック量と加算され前輪操舵手段に入
力されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の装置を含む制御系を示すブロック図。
【図3】図2とフィードバック制御手段の設計上等価な
制御系を示すブロック図。
【図4】図3の閉ループ系の変動を切り放した開ループ
系を示すブロック図。
【図5】第1実施例の構成を示すブロック図。
【図6】第1実施例の装置を含む制御系を示すブロック
図。
【図7】図6とフィードバック制御手段の設計上等価な
制御系を示すブロック図。
【図8】図7の閉ループ系の変動を切り放した開ループ
系を示すブロック図。
【図9】第2実施例の構成を示すブロック図。
【図10】第2実施例の装置を含む制御系を示すブロッ
ク図。
【図11】図10とフィードバック制御手段の設計上等
価な制御系を示すブロック図。
【図12】図11の閉ループ系の変動を切り放した開ル
ープ系を示すブロック図。
【図13】車両運動モデルの諸元の説明図。
【図14】本発明の実施例を適用した車両の概要図。
【図15】本発明の第1実施例の効果を表す線図。
【図16】本発明の第1実施例の効果を表す線図。
【図17】本発明の第1実施例の効果を表す線図。
【図18】本発明の第1実施例の効果を表す線図。
【図19】本発明の第1実施例の効果を表す線図。
【図20】本発明のその他の実施例を示すブロック図。
【符号の説明】
1・・・ハンドル操舵量検出手段 2・・・車速検出手段 3・・・実状態量検出手段 4・・・目標状態量演算手段 5・・・フィードバック量演算手段 6・・・操舵手段

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハンドルの操舵量を検出するハンドル操
    舵量検出手段と、車両の速度を検出する車速検出手段
    と、車両の旋回運動の状態量である実状態量を検出する
    実状態量検出手段と、前記車速および前記ハンドル操舵
    量に基づき望ましい車両の旋回運動の状態量である目標
    状態量を演算する目標状態量演算手段と、該目標状態量
    と前記実状態量との偏差に基づき、車両の後輪のコーナ
    リングスティッフネスの変動によって前記実状態量が発
    散することを防止することによってスピンを防止するよ
    うに前輪の舵角の修正量であるフィードバック量を演算
    するフィードバック量演算手段と、前記ハンドル操舵量
    と前記フィードバック量とに基づき前輪を操舵する操舵
    手段とから成ることを特徴とする車両のアンチスピン制
    御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の車両のアンチスピン制
    御装置におけるフィードバック量演算手段のゲイン設定
    方法であって、後輪のコーナリングスティッフネスが零
    以上高ミュー路での後輪のコーナリングスティッフネス
    以下の変動範囲で変動することを想定する工程と、車両
    の運動を模擬する車両運動モデルと前記フィードバック
    量演算手段とを含む制御系に前記変動を後輪スリップ角
    の変動にともなう後輪舵角の変動として考慮した閉ルー
    プを作成する工程と、該閉ループを開ループに置き換え
    た系に変換する工程と、該開ループの後輪舵角の変動に
    ともなう後輪スリップ角の変動の伝達関数のゲインが全
    ての周波数領域において1未満となるように該伝達関数
    のゲインを設定する工程とから成ることを特徴とするゲ
    イン設定方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6771942B2 (en) 1997-06-10 2004-08-03 Kabushiki Kaisha Toshiba Receiver
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