JPH07329819A - 作業車の操作部構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ＨＳＴ走行装置の操作を容易にすること。 【構成】 操作台にスライドレールを架設し、同スライ
ドレールにスライド作用体をスライドレールの軸線方向
にスライド自在に取付け、同スライド作用体は旋回操作
具の旋回操作に連動してスライド作動可能とすると共
に、同操作台には、変速操作具の変速操作に連動して回
動する一対の変速軸を前記スライドレールと平行させて
架設し、各変速軸には、スライド作用体と共にスライド
自在で、かつ、変速軸と共に回動自在なスライド体をそ
れぞれ装着すると共に、各スライド体のスライド作動及
び回動作動にＨＳＴ増減速機構の増減速作動を連動させ
たことを特徴とする作業車の操作部構造。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、左右独立の走行駆動機
構を備えた作業車、例えば、コンバイン、トラクタ等の
農業機械、運搬車、建設機械の操作部構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、左右独立の走行駆動機構を備えた
作業車として、例えば、コンバインがあり、同コンバイ
ンでは左右走行部をそれぞれ静油圧駆動機構（以下「Ｈ
ＳＴ」と称する）により走行駆動可能とし、各ＨＳＴの
トラニオンレバーに、左右独立して設けた２本の操作レ
バーを連動連結して、同操作レバーにより操向操作が行
えるようにしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記したコ
ンバインのように、左右のＨＳＴを、独立した左右の操
作レバーにて操作する場合は、機体の走行速度を調整す
る変速操作と、機体の操向を行う旋回操作を同一レバー
にて操作しなければならないために、その操作性が悪
く、運転操作を円滑に行うことができないという問題が
あった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、操
作台にスライドレールを架設し、同スライドレールにス
ライド作用体をスライドレールの軸線方向にスライド自
在に取付け、同スライド作用体は旋回操作具の旋回操作
に連動してスライド作動可能とすると共に、同操作台に
は、変速操作具の変速操作に連動して回動する一対の変
速軸を前記スライドレールと平行させて架設し、各変速
軸には、スライド作用体と共にスライド自在で、かつ、
変速軸と共に回動自在なスライド体をそれぞれ装着する
と共に、各スライド体のスライド作動及び回動作動にＨ
ＳＴ増減速機構の増減速作動を連動させたことを特徴と
する作業車の操作部構造を提供せんとするものである。

【０００５】

【作用】機体を前進走行させる際に、変速操作具を前進
側に操作すると、一対の変速軸が回動すると共に、一対
のスライド体が一体的に回動し、両スライド体の回動動
作に連動して、それぞれのＨＳＴ増減速機構が増速作動
して、走行装置の左右側走行部を前進作動させることが
できる。

【０００６】そして、かかる前進走行状態において、旋
回操作具を、例えば、右旋回操作すると、スライド作用
体が一側方にスライドして、スライド側のスライド体を
一側方へスライドさせて、右側の走行部側のＨＳＴ増減
速機構を減速あるいは停止作動させるために、機体を右
旋回させることができる。

【０００７】さらに、かかる右旋回状態において、旋回
操作具をさらに右旋回方向に旋回操作すると、スライド
作用体がスライド体をさらに一側方へスライドさせて、
右側の走行部側のＨＳＴ増減速機構を後進作動させるた
めに、機体を右側に急旋回（スピンターン）させること
ができる。

【０００８】また、左旋回、左急旋回についても、旋回
操作具を上記とは反対側に旋回操作することにより行な
うことができる。

【０００９】

【実施例】以下に、本発明の実施例を図面を参照しなが
ら説明する。

【００１０】図１に示すＡは、本発明に係る操作部であ
り、同操作部Ａにより、作業車としてのコンバイン等の
左右走行部を走行駆動するＨＳＴ（図示せず）に設けた
油圧モータ制御用の左側斜板54と右側斜板84とを姿勢変
更操作して、機体を前・後進、左・右旋回、さらには、
左・右急旋回させることができるようにしている。

【００１１】操作部Ａは、図１に示すように、操作台10
を左右幅方向に長手状の矩形箱型に形成し、同操作台10
の天井壁10c の中央部にハンドルコラム11を立設し、同
ハンドルコラム11に取付けたハンドル支軸12の上端に旋
回操作具としてのハンドル18を取付ける一方、操作台10
内に横架した前後一対の主変速軸34,34 の右側端突出部
34a,34a に、それぞれレバーステー36a,36a の基端部を
取付け、各レバーステー36a,36a の先端部間にリンク36
b を介設し、同リンク36b の一端に変速操作具としての
主変速レバー35の中途部を連動連結している。10a は脚
部、10b はワイヤステー、13はギヤケース、14はギヤケ
ース取付ブラケット、15は取付ボルト、16は主変速レバ
ーガイド体、35a は主変速レバー支軸、Ｆは床部であ
る。

【００１２】そして、図２及び図３に示すように、操作
台10の天井壁10c と底部10d の中央部間に上下方向に軸
線を向けたハンドル支軸12の基部12a を回動自在に取付
け、同基部12a にピニオンギヤ23を取付けている。16a
は主変速レバーガイド溝、26a は軸受体である。

【００１３】また、図２及び図３に示すように、操作台
10の左右側壁10e,10f の前部間には、左右幅方向に軸線
を向けた前後一対のスライドレールとしてのスライド軸
28,28 と、これらの前後外側方に平行に配置した前後一
対の主変速軸34,34 とを前後方向に一定の間隔を開けて
横架している。26b,26c は軸受体である。

【００１４】前後一対のスライド軸28,28 の中途部に
は、図２及び図３に示すように、それぞれスライド作用
体25,25 を左右幅方向に摺動自在に取付けており、各ス
ライド作用体25,25 は、スライド軸28,28 にスライド自
在に取付けた基部25a,25a と、各基部25a,25a の下端部
に一体的に取付けた作用体本体25b,25b とから形成し、
各作用体本体25b,25b の下端部には、左右幅方向に伸延
するラック24,24 を取付け、各ラック24,24 を前記ピニ
オンギヤ23に噛合させている。26d はラックガイド体で
ある。

【００１５】このようにして、ハンドル18を左方向又は
右方向に旋回操作すると、ハンドル支軸12の基部12a に
取付けたピニオンギヤ23の回動作動に連動して、スライ
ド作用体25,25 がラック24,24 を介して左側方又は右側
方へスライド移動するようにしている。

【００１６】前後方向に対向するスライド軸28,28 と主
変速軸34,34 の中途部間で、前記スライド作用体25,25
の右側近傍位置には、図２及び図３に示すように、前後
一対の前後スライド体27,30 をそれぞれ左右幅方向にス
ライド自在に取付けており、同前後スライド体27,30 の
各右側位置には中立用戻しバネ31,32 を取付けて、各中
立用戻しバネ31,32 により各スライド体27,30 を左側方
の中立状態に付勢する一方、前記スライド作用体25,25
の各作用体本体25b,25b の右側端面に、各スライド体2
7,30 の後述する前後廻止め体38,68 の左側端面を当接
させて、各スライド体27,30 を中立位置に停止可能とし
ている。

【００１７】しかも、前後一対のスライド体27,30 に
は、図２及び図３に示すように、それぞれＨＳＴ増減速
機構M1,M2 を連動連結して、各スライド体27,30 のスラ
イド作動及び回動作動に、各ＨＳＴ増減速機構M1,M2 の
増減速作動を連動させている。

【００１８】すなわち、ＨＳＴ増減速機構M1は、図２及
び図３に示すように、前ガイド体42と前回転子47と前回
転子支持アーム48と右側斜板作動用アーム52と前連結ワ
イヤ55とを具備しており、前スライド体27は、前側の主
変速軸34にスライド自在に取付けた前スライド本体27a
の外周面右側端部に前アーム支持部37を回転自在に遊嵌
し、同前アーム支持部37の左側外周面部より直後方に位
置する前スライド軸28に向けて前廻止め体38を伸延さ
せ、同前廻止め体38を前スライド軸28の外周面に左右幅
方向にスライド自在に遊嵌する一方、前アーム支持部37
の左側外周面部より前下方へ向けて前ガイド体支持アー
ム39を伸延させ、同アーム39の先端に前ボス部40を取付
け、同ボス部40中に前後方向に略水平に軸線を向けた枢
支ピン41を回転自在に取付け、同枢支ピン41の前端に左
右幅方向に伸延し、かつ、前面が開口した断面コ字状の
前ガイド体42の後壁中央部を固設している。

【００１９】そして、図２及び図３に示すように、前ス
ライド体27の外周面右側端部より前方へ向けて前揺動ア
ーム43を伸延させ、同前揺動アーム43の先端に伸縮調節
自在の前リンク44の上端を連結ピン45を介して連結し、
同前リンク44の下端に前記前ガイド体42の後壁外側端部
を連結ピン（図示せず）を介して連結している。

【００２０】このようにして、前ガイド体42は、スライ
ド作用体25のスライド作動に連動してスライド作動する
前スライド体27と一体的にスライド軸28及び主変速軸34
に沿って左右幅方向にスライド移動すると共に、主変速
レバー35による主変速軸34の回動作動に連動して回動す
る前スライド体と一体的に枢支ピン41を中心に上下揺動
するようにしている。

【００２１】また、図２及び図３に示すように、前ガイ
ド体42には、前回転子47を回転自在かつ前ガイド体42に
沿って左右幅方向に摺動自在に嵌合しており、前回転子
47は、左右幅方向に伸延する前回転子支持アーム48の外
側端部に前支軸49を介して取付け、同支持アーム48の内
側端部を操作台10の前壁10g に前ボス部50を介して軸線
を前後方向に向けた前アーム支軸51により上下揺動自在
に枢支し、操作台10の前側外部において、前アーム支軸
51の端部に左右幅方向に伸延する右側斜板作動用アーム
52の左側端部を固定ボルト53により固定し、同右側斜板
作動用アーム52の右側端部に油圧モータを制御する右側
斜板84を前連結ワイヤ55を介して連動連結している。58
はワイヤ連結ボルトである。

【００２２】このようにして、一定角度の傾斜姿勢で左
右幅方向にスライド移動する前ガイド体42に連動して前
回転子支持アーム48が前回転子47を介して上下揺動動作
し、同支持アーム48と一体的に右側斜板作動用アーム52
が上記支持アーム48とは上下反対方向に上下揺動作動し
て、右側斜板54を前連結ワイヤ55を介して作動させて、
右側油圧モータを制御することができるようにしてい
る。

【００２３】また、以上は、前スライド体27と右側斜板
54との間に介設したＨＳＴ増減速機構M1について説明し
てきたが、後スライド体30と左側斜板84との間に介設す
るＨＳＴ増減速機構M2も、前後対称位置にて同様に構成
しているものであり、30a は後スライド本体、67は後ア
ーム支持部、68は後廻止め体、69は後ガイド体支持アー
ム、70は後ボス部、71は枢支ピン、72は後ガイド体、72
a は回転子ストッパー体、73は後揺動アーム、74は後リ
ンク、75は連結ピン、77は後回転子、78は後回転子支持
アーム、79は後支軸、80は後ボス部、81は後アーム支
軸、82は左側斜板作動用アーム、83は固定ボルト、85は
後連結ワイヤ、88はワイヤ連結ボルトである。

【００２４】本発明の実施例は、上記のように構成して
いるものであり、以下に図２及び図４を参照しながら操
作作動形態について説明する。なお、図４は、前後対称
位置にあるＨＳＴ増減速機構M1,M2 を、左右対称位置に
展開させて配置した作動説明図である。

【００２５】すなわち、主変速レバー35を中立状態にす
ると共に、ハンドル18を中立状態にしている場合には、
図４（イ）に示すように、前後ガイド体42,72 、前後回
転子支持アーム48,78 、及び左右側斜板作動用アーム5
2,82 は略水平姿勢を採っている。

【００２６】かかる状態より、主変速レバー35を前進側
変速位置に変速操作すると、主変速軸34,34 が回動し
て、前後スライド体27,30 →前後揺動アーム43,73 →前
後リンク44,74 →前後ガイド体42,72 を枢支ピン41,71
を中心に回動させ、さらに、前後回転子47,77 を介して
前後回転子支持アーム48,78 →アーム支軸51,81 →左右
側斜板作動用アーム52,82 を、図４（ロ）に示す傾斜姿
勢にする。

【００２７】この場合は、左右側油圧モータをそれぞれ
制御する左右側斜板84,54 が同一傾斜角度となって、左
右側の走行部（図示せず）は同一速度にて前進走行作動
して、機体は直進する。

【００２８】次に、上記直進状態から、例えば、ハンド
ル18を右旋回操作すると、ピニオンギヤ23が回動して、
同ピニオンギヤ23に噛合した前側のラック24が右方向に
移動し、同ラック24に取付けた前スライド作用体25が前
ガイド体42を右側方へ押してスライド摺動させる。

【００２９】従って、前スライド体27に取付けた前ガイ
ド体42は、前記傾斜姿勢のまま左側方（図２では右側
方）へスライド移動して、同前ガイド体42の左側端部位
置（図２では右側端部位置）に嵌合していた前回転子47
は、図４（ハ）に示すように、前スライド体27の略中央
部位置に嵌合した状態となって、前回転子支持アーム48
と右側斜板作動用アーム52を水平姿勢に近づけて、右側
斜板54を中立状態に近づける。

【００３０】この場合、右側の走行部は減速あるいは停
止状態となる一方、左側の走行部は前進走行作動するた
めに、機体はゆるやかに右旋回する。

【００３１】次に、上記右旋回状態で、ハンドル18をさ
らに右旋回方向に旋回操作すると、前ガイド体42は、前
記傾斜姿勢のままさらに左側方（図２では右側方）へス
ライド移動して、同前ガイド体42の略中央部位置に嵌合
していた前回転子47は、図４（ニ）に示すように、前ガ
イド体42の右側部位置（図２では左側端部位置）に嵌合
した状態となって、前回転子支持アーム48と右側斜板作
動用アーム52を左高右低（図２では左低右高）の傾斜姿
勢にして、右側斜板54を後進側に傾斜させる。

【００３２】この場合、右側の走行部は後進走行作動す
る一方、左側の走行部は前進走行作動するために、機体
は右側に急旋回（スピンターン）する。

【００３３】また、左旋回、左急旋回についても、ハン
ドル18を上記とは反対側に旋回操作することにより行な
うことができるものであり、ハンドル18の操作位置に関
係なく、主変速レバー35を中立位置に操作すれば機体は
停止し、また、主変速レバー35を後進位置に操作すれ
ば、機体は後進、さらには、後進左・右旋回、後進左・
右急旋回させることができて、各種の作業を能率的に行
なうことができる。

【００３４】しかも、本実施例では、二本の主変速軸3
4,34 を前後に平行させて操作台10内に横架しているた
めに、同操作台10の左右幅を短幅化させて、操作台10を
コンパクトに形成することができる。

【００３５】さらには、二本の主変速軸34,34 にそれぞ
れ前後スライド体27,30 を取付けて、各スライド体とＨ
ＳＴ増減速機構M1,M2 とを連動連結しているために、各
ＨＳＴ増減速機構M1,M2 の調整を容易に行なうことがで
きる。

【００３６】図５は、第二実施例としての操作部Ａの構
造を示しており、主変速レバー35に連動連結した前後一
対の主変速軸34,34 間に一本のスライド軸28を平行させ
て横架し、同スライド軸28に、前後スライド体27,30 の
各前後廻り止め体38,68 を遊嵌し、両前後廻止め体38,6
8 間にスライド軸28の外周面に巻回した中立用戻しバネ
31を介設する一方、両前後廻止め体38,68 の外側端間に
ラック24を介設して、同ラック24の左右側端に形成した
スライド作用片24a,24b をそれぞれ前後廻止め体38,68
の外側端面に当接させている。90,91 は、それぞれ主変
速軸34,34 に取付けたスライドストッパー体であり、各
スライド体27,30 の左右外側方へのスライドを規制して
いる。36c は連動ロッドである。

【００３７】そして、前スライド体27と、右側油圧モー
タを制御する右側斜板54との間にＨＳＴ増減速機構M1を
介設する一方、後スライド体30と、左側油圧モータを制
御する左側斜板84との間にＨＳＴ増減速機構M2を介設し
ている。

【００３８】次に、上記のように構成した第二実施例と
しての操作部Ａの操作作動形態について図５及び図６を
参照しながら説明する。なお、図６は、前後対称位置に
あるＨＳＴ増減速機構M1,M2 を、左右対称位置に展開さ
せて配置した作動説明図である。

【００３９】すなわち、主変速レバー35を中立状態にす
ると共に、ハンドル18を中立状態にしている場合には、
図６（イ）に示すように、前後ガイド体42,72 、前後回
転子支持アーム48,78 、及び左右側斜板作動用アーム5
2,82 は略水平姿勢を採っている。

【００４０】かかる状態より、主変速レバー35を前進側
変速位置に変速操作すると、主変速軸34,34 が回動し
て、前後スライド体27,30 →前後揺動アーム43,73 →前
後リンク44,74 →前後ガイド体42,72 を枢支ピン41,71
を中心に回動させ、さらに、前後回転子47,77 を介して
前後回転子支持アーム48,78 →アーム支軸51,81 →左右
側斜板作動用アーム52,82 を、図６（ロ）に示す傾斜姿
勢にする。

【００４１】この場合は、左右側油圧モータをそれぞれ
制御する左右側斜板84,54 が同一傾斜角度となって、左
右側の走行部（図示せず）は同一速度にて前進走行作動
して、機体は直進する。

【００４２】次に、上記直進状態から、例えば、ハンド
ル18を右旋回操作すると、ピニオンギヤ23が回動して、
同ピニオンギヤ23に噛合したラック24が右方向に移動
し、同ラック24の左側端に形成したスライド作用片24a
が前スライド体27を右側方へ押してスライド摺動させ
る。

【００４３】従って、前スライド体27に取付けた前ガイ
ド体42は、前記傾斜姿勢のまま左側方（図５では右側
方）へスライド移動して、同前ガイド体42の左側端部位
置（図５では右側端部位置）に嵌合していた前回転子47
は、図６（ハ）に示すように、前ガイド体42の略中央部
位置に嵌合した状態となって、前回転子支持アーム48と
右側斜板作動用アーム52を水平姿勢に近づけて、右側斜
板54を中立状態に近づける。

【００４４】この場合、右側の走行部は減速あるいは停
止状態となる一方、左側の走行部は前進走行作動するた
めに、機体はゆるやかに右旋回する。

【００４５】次に、上記右旋回状態で、ハンドル18をさ
らに右旋回方向に旋回操作すると、前ガイド体42は、前
記傾斜姿勢のままさらに右側方へスライド移動して、同
前ガイド体42の略中央部位置に嵌合していた前回転子47
は、図６（ニ）に示すように、前ガイド体42の右側部位
置（図５では左側端部位置）に嵌合した状態となって、
前回転支持アーム48と右側斜板作動用アーム52を左高右
低（図５では左低右高）の傾斜姿勢にして、右側斜板54
を後進側に傾斜させる。

【００４６】この場合、右側の走行部は後進走行作動す
る一方、左側の走行部は前進走行作動するために、機体
は右側に急旋回（スピンターン）する。

【００４７】また、左旋回、左急旋回についても、ハン
ドル18を上記とは反対側に旋回操作することにより行な
うことができるものであり、ハンドル18の操作位置に関
係なく、主変速レバー35を中立位置に操作すれば機体は
停止し、また、主変速レバー35を後進位置に操作すれ
ば、機体は後進、さらには、後進左・右旋回、後進左・
右急旋回させることができて、各種の作業を能率的に行
なうことができる。

【００４８】従って、第二実施例の操作部Ａでは、第一
実施例の操作部Ａと同様の作用効果が生起されると共
に、一個の中立用戻しバネ31により、前後スライド体2
7,30 をそれぞれ中立復帰させることができる。

【００４９】図７は、第三実施例としての操作部Ａの構
造を示しており、主変速レバー35に連動連結した前後一
対の主変速軸34,34 間に一体のスライド軸28を平行させ
て横架し、同スライド軸28に、前後スライド体27,30 の
各前後廻止め体38,68 を遊嵌し、各スライド体27,30 の
外側端位置に各主変速軸34,34 の外周面に巻回した中立
用戻しバネ31,32 を取付ける一方、両前後廻止め体38,6
8 間にラック24の中央部に形成したスライド作用片24a
を介設して、同スライド作用片24a の左右側端面をそれ
ぞれ前後廻止め体38,68 の内側端面に当接させている。

【００５０】そして、前スライド体27と、左側油圧モー
タを制御する左側斜板84との間にＨＳＴ増減速機構M2を
介設する一方、後スライド体30と右側油圧モータを制御
する右側斜板84との間にＨＳＴ増減速機構M1を介設して
いる。

【００５１】次に、上記のように構成した第三実施例と
しての操作部Ａの操作作動形態について、図７及び図８
を参照しながら説明する。なお、図８は、前後対称位置
にあるＨＳＴ増減速機構M1,M2 を左右対称位置に展開さ
せて配置した作動説明図である。

【００５２】すなわち、主変速レバー35を中立状態にす
ると共に、ハンドル18を中立状態にしている場合には、
図８（イ）に示すように、前後ガイド体42,72 、前後回
転子支持アーム48,78 、及び左右側斜板作動用アーム5
2,82 は略水平姿勢を採っている。

【００５３】かかる状態より、主変速レバー35を前進側
変速位置に変速操作すると、主変速軸34,34 が回動し
て、前後スライド体27,30 →前後揺動アーム43,73 →前
後リンク44,74 →前後ガイド体42,72 を枢支ピン41,71
を中心に回動させ、さらに、前後回転子47,77 を介して
前後回転子支持アーム48,78 →アーム支軸51,81 →左右
側斜板作動用アーム52,82 を、図８（ロ）に示す傾斜姿
勢にする。

【００５４】この場合は、左右側油圧モータをそれぞれ
制御する左右側斜板84,54 が同一傾斜角度となって、左
右側の走行部（図示せず）は同一速度にて前進走行作動
して、機体は直進する。

【００５５】次に、上記直進状態から、例えば、ハンド
ル18を右旋回操作すると、ピニオンギヤ23が回動して、
同ピニオンギヤ23に噛合したラック24が右方向に移動
し、同ラック24の中央部に形成したスライド作用片24a
が後スライド体30を右側方へ押してスライド摺動させ
る。

【００５６】従って、後スライド体30に取付けた後ガイ
ド体72は、前記傾斜姿勢のまま右側方へスライド移動し
て、同後ガイド体72の右側端部位置に嵌合していた後回
転子77は、図８（ハ）に示すように、後スライド体30の
略中央部位置に嵌合した状態となって、後回転子支持ア
ーム78と右側斜板作動用アーム82を水平姿勢に近づけ
て、右側斜板54を中立状態に近づける。

【００５７】この場合、右側の走行部は減速あるいは停
止状態となる一方、左側の走行部は前進走行作動するた
めに、機体はゆるやかに右旋回する。

【００５８】次に、上記右旋回状態で、ハンドル18をさ
らに右旋回方向に回動操作すると、後ガイド体72は、前
記傾斜姿勢のままさらに右側方へスライド移動して、同
後ガイド体72の略中央部位置に嵌合していた後回転子77
は、図８（ニ）に示すように、後ガイド体72の左側部位
置に嵌合した状態となって、後回転支持アーム78と右側
斜板作動用アーム82を左低右高の傾斜姿勢にして、右側
斜板54を後進側に傾斜させる。

【００５９】この場合、右側の走行部は後進走行作動す
る一方、左側の走行部は前進走行作動するために、機体
は右側に急旋回（スピンターン）する。

【００６０】また、左旋回、左急旋回についても、ハン
ドル18を上記とは反対側に回動操作することにより行な
うことができるものであり、ハンドル18の操作位置に関
係なく、主変速レバー35を中立位置に操作すれば機体は
停止し、また、主変速レバー35を後進位置に操作すれ
ば、機体は後進、さらには、後進左・右旋回、後進左・
右急旋回させることができて、各種の作業を能率的に行
なうことができる。

【００６１】従って、第三実施例の操作部Ａでは、第一
実施例の操作部Ａの場合と同様の作用効果が生起される
共に、中立用戻しバネ31,32 により前後スライド体27,3
0 が相互に近接する方向に押圧付勢されているために、
各スライド体27,30 の前後廻止め体38,68 がラック24の
中央部に形成したスライド作用片24a を介してスライド
規制機能を果して、スライド規制体を設ける必要がなく
なり、構造の簡易化を図ることができる。

【００６２】なお、本実施例では、スライド体27,30 を
前後方向に配置したものについて説明してきたが、かか
るスライド体27,30 の配置はこれに限らず、左右幅方
向、上下方向あるいは斜方向でもよい。

【００６３】

【発明の効果】本発明によれば、次のような効果が得ら
れる。

【００６４】 機体の前後進変速を行なう変速操作具
の変速操作位置に関係なく、旋回用操作具によって直進
操作、左・右旋回操作、左・右急旋回操作を行なうこと
ができるために、運転操作が容易となり、誤操作を防止
することができて、安全性を向上させることができる。

【００６５】 旋回操作具の操作位置に関係なく、変
速操作具を中立位置にセットすれば、機体は停止するた
めに、各種作業に応じた機体の走行速度を得ることがで
きて、各種作業能率を向上させることができる。

【００６６】 操作台に一対の変速軸を架設して、各
変速軸にそれぞれスライド体を装着しているために、各
変速軸が伸延する方向の操作台の幅を短幅化することが
できて、同操作台のコンパクト化が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る操作部の背面説明図。

【図２】同操作部の断面平面説明図。

【図３】同操作部の断面側面説明図。

【図４】同操作部の左右ガイド体の作動状態説明図。

【図５】第二実施例としての操作部の断面平面説明
図。。

【図６】同操作部の左右ガイド体の作動状態説明図。

【図７】第三実施例としての操作部の断面平面説明図。

【図８】同操作部の左右ガイド体の作動状態説明図。 Ａ 操作部 18 ハンドル 27 前スライド体 30 後スライド体 34 主変速軸

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 操作台にスライドレールを架設し、同ス
   ライドレールにスライド作用体をスライドレールの軸線
   方向にスライド自在に取付け、同スライド作用体は旋回
   操作具の旋回操作に連動してスライド作動可能とすると
   共に、同操作台には、変速操作具の変速操作に連動して
   回動する一対の変速軸を前記スライドレールと平行させ
   て架設し、 各変速軸には、スライド作用体と共にスライド自在で、
   かつ、変速軸と共に回動自在なスライド体をそれぞれ装
   着すると共に、各スライド体のスライド作動及び回動作
   動にＨＳＴ増減速機構の増減速作動を連動させたことを
   特徴とする作業車の操作部構造。