JPH07327481A - 植物育成用人工土壌 - Google Patents

植物育成用人工土壌

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JPH07327481A
JPH07327481A JP6155313A JP15531394A JPH07327481A JP H07327481 A JPH07327481 A JP H07327481A JP 6155313 A JP6155313 A JP 6155313A JP 15531394 A JP15531394 A JP 15531394A JP H07327481 A JPH07327481 A JP H07327481A
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coal ash
soil
water
artificial soil
particle size
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JP6155313A
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Tetsuo Mori
哲男 森
Noboru Izumi
昇 和泉
Juichi Nakazawa
重一 中澤
Ryuichiro Tasaka
隆一郎 田坂
Hiroyuki Ushio
弘行 牛尾
Shoji Maruhashi
尚司 丸橋
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Konoike Construction Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 保水材等の土壌改良材を用いることなく、植
物の生育に必要な通気性及び排水性を損なうことなく、
保水性及び保肥性を有し、植物を良好に生育させること
が可能な植物育成用人工土壌を提供すること。 【構成】 多数の粒子内孔隙1bを有する多孔質体であ
る石炭灰1を粒子径を調整して植物育成用人工土壌とし
て用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゴルフ場やサッカー場
などのスポーツ施設、緑地、屋上庭園、道路や鉄道の法
面などの植物育成用土壌として天然土壌に代えて用いら
れる植物育成用人工土壌に関し、さらに詳しくは、保水
材等の土壌改良材を用いることなく、植物の生育に必要
な通気性及び排水性を損なうことなく、保水性及び保肥
性を有し、植物を良好に生育させることが可能な植物育
成用人工土壌に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ゴルフ場などの植物育成用土壌として
は、排水性及び通気性のよい砂質土が適するといわれて
いる。このため、現地土が排水不良な粘性土の場合、砂
質土による客土を行い、排水性及び通気性を保つように
しているが、この場合、砂質土の客土により、土壌の保
水性及び保肥性が低下するという問題点を有していた。
これを防止するため、従来、砂質土に各種の保水材や保
肥材等の土壌改良材を混合することによって、土壌の保
水性及び保肥性を維持するようにしている(例えば、ア
メリカゴルフ協会のサンドグリーン造成用土壌の仕様も
所定の粒度分布を持つ砂質土に、ピートモス等の保水材
を混合して用いることとしている。)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
砂質土による客土は、つぎのような問題点を有してい
た。 (1) 植物を良好に生育させるためには、通気性及び排水
性を損なうことなく、保水性及び保肥性を有する良質の
土壌を必要とするが、このためには、良質の砂質土や土
壌改良材を必要とし、材料コスト、造成コストが高くな
る。 (2) 植物を良好に生育させるための良質の土壌を維持す
るためには、肥料の散布、雑草の除去が頻繁に必要とな
り、維持コストが高くなる。 (3) 土壌の構成材料の分離、移動による目詰まりや、踏
圧による固結が生じやすく、通気性及び排水性が低下す
る。なお、この傾向は、砂質土にピートモス、テンポロ
ン、高吸水性樹脂(WAP)等の有機系保水材を土壌改
良材として混合する場合や、丸い粒子形の砂質土を用い
る場合に特に顕著である。
【0004】本発明は、従来の砂質土による客土の有す
る問題点を解決すべく、保水材等の土壌改良材を用いる
ことなく、通気性及び排水性を損なうことなく、保水性
及び保肥性を有し、植物を良好に生育させることが可能
な植物育成用人工土壌を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本第1発明の植物育成用人工土壌は、粒径を調整し
た石炭灰を主成分とすることを要旨とする。
【0006】また、本第2発明の植物育成用人工土壌
は、本第1発明の植物育成用人工土壌において、粒子間
の平均孔隙径が12〜132μmの範囲となる、粒径が
75〜850μmの範囲の単一径の石炭灰で構成したこ
とを要旨とする。この場合において、粒子間の孔隙径と
は、土壌を構成する複数の石炭灰の粒子間に位置し、か
つ粒子各々の表面に接する仮想外接球の直径をいう。ま
た、単一径の石炭灰とは、篩によって規定される75〜
106μm、106〜250μm、250〜425μm
又は425〜850μmのうちのいずれか1つの粒度範
囲に含まれる石炭灰をいう。
【0007】また、本第3発明の植物育成用人工土壌
は、本第1発明の植物育成用人工土壌において、粒径が
5〜106μmの石炭灰を10〜25重量パーセント、
106〜425μmの石炭灰を25〜50重量パーセン
ト、425〜2000μmの石炭灰を30〜50重量パ
ーセント含有してなることを要旨とする。
【0008】
【作 用】本発明の植物育成用人工土壌を構成する石炭
灰は、多数の粒子内の連通孔隙を有する多孔質体である
ため、用いる石炭灰の粒径を調整することにより、適度
の通気性及び排水性に加え、保水性及び保肥性を有す
る。また、本発明の植物育成用人工土壌を構成する石炭
灰は、均等係数(加積通過率60%に相当する粒径を加
積通過率10%に相当する粒径で割った値)が大きく、
粒子形状が角張って凹凸に富んでおり、さらに、物理的
にも、また化学的にも崩壊しにくいため、土壌の構成材
料の分離、移動による目詰まりや、踏圧による固結が生
じにくく、通気性及び排水性が低下することがない。
【0009】
【実施例】以下、本発明の植物育成用人工土壌を実施例
に基づいて説明する。本発明の植物育成用人工土壌に使
用する石炭灰は、従来廃棄処理していた火力発電所、そ
の他の事業所より産出される産業廃棄物であり、図1
(a)に模式的に示すように、石炭灰1の粒子内に多数
の連通孔隙1bを有する多孔質体からなり、従来、図1
(b)に模式的に示す砂質土2(非多孔質体)とは、異
なる基本構造を有している。
【0010】ところで、一般に植物を生育させる土壌の
機能についていえば、その土壌を構成する構成材料の粒
径によりその排水性、通気性、保水性、保肥性等の機能
が変化する。通気性及び排水性は粒径が小さいほどその
機能が低下し、粒径が大きいほどその機能が向上する。
反対に保水性及び保肥性は粒径が小さいほどその機能が
向上し、大きいほどその機能が低下する。
【0011】そして、通気性、排水性、保水性、保肥性
等の土壌の機能のうち通気性及び排水性に関しては、降
雨や潅水後の重力水(非有効水)は、石炭灰1からなる
土壌も、砂質土2からなる土壌も、粒子間の大孔隙(非
毛管孔隙)1a,2aを通し排出され、通気性が確保さ
れる。
【0012】しかし、保水性及び保肥性に関しては、石
炭灰1の場合は、粒子内に外部と接した連通孔隙(毛管
孔隙)1bを有するため、重力水が排除された後もこの
中に毛管水として植物根が吸収可能な水分(有効水)が
貯留されるのに対し、砂質土2の場合は、有効水が少な
く保水性に乏しい。
【0013】なお、粘性土のように粒径がきわめて小さ
い場合、粒子間の孔隙も微細なため、毛管水は多量に存
在するが、毛管水中の有効水が占める割合はさほど多く
なく、また排水性が劣るため、重力水が速やかに排除さ
れず、通気性が悪く植物が生育しにくく、さらに、粒子
間の孔隙径が小さいため植物根が通過・貫入できず、生
長が阻害されるという欠点を有している。また、有機物
が多く微生物や小動物の活動が活発で、肥沃な畑地土壌
などでは、団粒構造が発達して排水性及び通気性並びに
保水性及び保肥性に富み、植物生育に適した土壌(団粒
土)であるが、団粒土の生成のためには良質な有機物の
長年の投与と、頻繁な耕起を必要とし、また踏圧などに
よって団粒構造が破壊される欠点を有している。
【0014】これに対して、石炭灰は、多孔質体である
のみならず、均等係数が大きく、また、粒子形状が角張
って凹凸に富んでおり、さらに、粒子自体が強い構造を
有し、物理的にも、化学的にも崩壊しにくいことから、
土壌の構成材料の分離、移動による目詰まりや、踏圧に
よる固結が生じにくく、通気性及び排水性が低下しない
特徴を有している。
【0015】このように、粒子間の孔隙及び粒子内の連
通孔隙が、植物の生育の良否を決定する通気性、排水
性、保水性、保肥性という土壌の機能を決定する重要な
因子となるが、以下、孔隙径のサイズと各々が果たす役
割について説明する。
【0016】孔隙の大きさをその保水性と関係づけ、次
の3種類に区分する。 (1) 内部の水が毛管力では保持されず、重力によって排
除される大きな孔隙(非毛管孔隙:孔隙直径50μm以
上に相当) (2) 内部の水が毛管力で保持され、植物根が容易に吸収
できる程度の毛管力の弱い中程度の孔隙(毛管孔隙:孔
隙直径0.5〜50μmに相当) (3) 内部の水が植物根が容易に吸収できない程度に、強
い力で拘束されている細かい孔隙(微細孔隙:孔隙直径
0.5μm以下に相当)
【0017】そして、大孔隙は過剰な水を排除すること
が可能で、土壌の通気性を向上させることに役立ち、中
孔隙は速やかな排水や通気にはあまり貢献しないが、植
物根による水や養分の吸収に役立ち、微細孔隙は養分イ
オンなどの吸着や離脱を受け持つが、水や空気などの物
質移動に関しては閉鎖的な空間である。
【0018】さらに、植物根の生長の面から見ると、一
般植物の二次根(主に水、養分、酸素を吸収する細根)
の直径は4〜150μmで、この範囲にある孔隙径にお
いては植物根の生長が顕著で、この範囲外の孔隙径では
発達が劣るといわれる。このことより植物根の生長に適
する孔隙径は大孔隙のうちの細かい部分と中孔隙のうち
の粗い部分に相当する。
【0019】ここで、本発明の植物育成用人工土壌の性
能を確認するための実験を行った。この実験は、植物育
成用土壌の性能のうち、排水性(通気性)を透水試験に
よって、保水性(保肥性)をpF試験によって評価し
た。そして、ある単一径の粒子で構成される集合物につ
いて、通気性、保水性、植物根のサイズとの適合性につ
いて検討を行った。実験は、石炭灰A(多孔質体)と石
英砂(非多孔質体)の各粒度範囲((1)5〜75μm、
(2)75〜106μm、(3)106〜250μm、(4)2
50〜425μm、(5)425〜850μm、(6)850
〜2000μm、(7)2000〜4750μm)のもの
について、植物育成用土壌としての諸性質を比較した結
果を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】この結果から以下のことが明らかとなっ
た。 (1) 保水性については、すべての単一径の粒子におい
て、石炭灰Aの粒子内の連通孔隙の効果により、石炭灰
Aは石英砂に比べ、1.0〜3.9倍の有効水分の保持
能力を有し、その倍率は粒子が粗いほど大きく、これ
は、(4),(5),(6)の粒径において特に顕著である。 (2) 排水性については、石炭灰Aは石英砂に比べ、石炭
灰Aの粒子内の連通孔隙及び表面の凹凸による排水効果
により、1.3〜4.9倍の透水係数を示し、その倍率
は粒子が細かいほど大きく、これは、(1),(2),(3)の
粒径において特に顕著である。
【0022】以上の実験結果をまとめたものを図2に示
す。図2(c)に示すように、通気性及び保水性が良
く、かつ植物根のサイズに合致した範囲を総合的に指数
化して評価すると、石炭灰Aの場合、(2),(3),(4),
(5)の粒径、すなわち、粒径が75〜850μm、粒子
間の平均孔隙径が12〜132μmが植物の育成に適し
た範囲と考えられる。なお、この評価指数は、ある粒径
における通気性、保水性、植物根のサイズの3種類の機
能の積をその最大値で除したものである。
【0023】次に、上記実験に用いた石炭灰Aについ
て、5〜2000μmの粒径の範囲(表1における(1)
〜(6))において、各粒径の混合割合を変化させて調合
した4種類の石炭灰A調合材、別に調合した石炭灰B調
合材及び石炭灰B調合材に各種の保水材を添加したも
の、並びに従来よりゴルフ場グリーン造成用床土材料と
されるUSGA規格砂に保水材としてピートモスを20
容積パーセント混合したもの(USGAサンドと略記)
について、植物育成用土壌としての諸性質を比較した結
果を表2に示す。
【0024】
【表2】
【0025】この結果から以下のことが明らかとなっ
た。 (1) 排水性に関しては、保水材を添加しないすべての調
合材がUSGAサンドより大きい。このうち、アメリカ
ゴルフ協会が規定する透水係数150〜600mm/h
rの範囲を満たすものは、石炭灰A調合材のうちの細及
び最細並びに石炭灰B調合材である。また、通気性に関
しては、USGAサンドと比べ、石炭灰A調合材のうち
の最粗及び粗がやや大きく、石炭灰A調合材のうちの細
及び最細並びに石炭灰B調合材が小さいが、いずれも大
差ない。 (2) 保水性に関しては、すべての調合材がUSGAサン
ドより2.0〜3.2倍大きく、このなかでも保水材を
添加したものを除くと、石炭灰A調合材のうちの最細が
最も大きい。 (3) 石炭灰に各種の保水材を添加した場合、保水性は若
干向上するが、その効果はほとんど期待できない。
【0026】以上の結果を総合的に判断すると、石炭灰
調合材、特に、石炭灰A調合材のうちの細及び最細並び
に石炭灰B調合材は、USGAサンドと比べて優れた植
物育成用土壌として機能し、保水材を全く必要としない
ものであるということができる。
【0027】以上の室内実験から得られた結果に基づい
て、本発明の植物育成用土壌の実用性を確認する目的
で、屋外圃場実験を行った。
【0028】実験は、石炭灰B0(無調整材)、石炭灰
B調合材(表2に記載のもので、調合コスト等を考慮
し、5μm以下及び2000μm以上の粒径の石炭灰を
除いたもの)、パーライトP、自然土壌である比較的細
かい山砂Sを用いて実験圃場を造成し、高麗芝を植生
し、芝の生育性と床土の物理的特性に関し経時的な変化
を調査した。なお、芝の管理条件は、無潅水、無農薬と
した。
【0029】その結果から以下のことが明らかとなっ
た。 (芝の生育性等について) (1) 芝の被覆速さは、速い順に、石炭灰B調合材、石炭
灰B0、パーライトP、山砂Sであった。 (2) 病害については、ラージパッチが山砂Sに発生した
が、排水性に優れた石炭灰B調合材、石炭灰B0及びパ
ーライトPには発生しなかった。 (3) 2期間に亘り調査した雑草の発生量は、石炭灰B調
合材、石炭灰B0及びパーライトPは、山砂Sに比べ、
1.8〜2.8%、2.8〜11.9%少なかった。
【0030】この結果から、石炭灰B調合材、石炭灰B
0及びパーライトPは、植物の育成に当たって、無農薬
あるいは減農薬管理できる可能性があり、また、植物の
育成には石炭灰B調合材が最も適していることが明らか
となった。
【0031】(土壌の物理性について) (1) 排水性は、造成直後は、大きい順に、石炭灰B0、
石炭灰B調合材、パーライトP、山砂Sであった。ま
た、造成5ヵ月後は、石炭灰B0及び石炭灰B調合材に
は大きな変化がなく、パーライトPは経時的に低下し、
山砂Sとほぼ同程度になった。 (2) 夏期の炎天下の地温(特に表面)の上昇は、小さい
順に、パーライトP、石炭灰B0、石炭灰B調合材、山
砂Sであった。
【0032】この結果から、石炭灰B調合材及び石炭灰
B0は、パーライトPと比較して、土壌の構成材料の分
離、移動による目詰まりや、踏圧による固結が生じにく
く、排水性の低下のない安定した土壌を構成し、また、
石炭灰B調合材、石炭灰B0及びパーライトPは、粒子
構造(多孔性)に起因する断熱作用によって地温を安定
化させることが明らかとなった。
【0033】植物育成用人工土壌に用いる石炭灰は、粒
子間の平均孔隙径が12〜132μmの範囲となるよう
に粒径が75〜850μmの範囲の単一径のものを用い
ることが望ましいが、これ以外に、以上の実験結果から
も明らかなとおり、調合コスト及び使用可能な石炭灰の
粒径の範囲を広くするとの観点から、各種の粒径の石炭
灰を特定の配合率に配合して用いることもできる。その
配合率は、実験結果から考えて、以下のように調整す
る。 石炭灰の粒径 5〜 106μm(表2の(1)及び(2)):10〜25重
量パーセント 106〜 425μm(表2の(3)及び(4)):25〜5
0重量パーセント 425〜2000μm(表2の(5)及び(6)):30〜5
0重量パーセント
【0034】なお、本発明の植物育成用人工土壌は、粒
径を調整した石炭灰を単独で使用するほか、石炭灰を主
成分として用いる限り、パーライトその他の多孔質体を
併用したり、肥料、活着剤、成長促進剤、保肥材等の添
加物質を添加することもできる。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、従来廃棄処理していた
火力発電所、その他の事業所より産出する産業廃棄物で
ある石炭灰を用いるため、材料コスト及び造成コストを
低廉にすることができ、また、産業廃棄物の有効利用の
点でもきわめて有益である。また、本発明の植物育成用
人工土壌を構成する石炭灰は、多数の粒子内の連通孔隙
を有する多孔質体であるため、用いる石炭灰の粒径を調
整することにより、適度の通気性及び排水性に加え、保
水性及び保肥性を有し、植物を良好に生育させることが
可能な植物育成用人工土壌を提供することができる。そ
して、本発明の植物育成用人工土壌は、頻繁な肥料の散
布を必要とせず、また、石炭灰を構成材料として用いる
ため、雑草種子の混在がなく、長期間雑草の除去を必要
とせず、土壌を植物を良好に生育させる状態に維持する
ためのコストを低廉にすることができる。さらに、本発
明の植物育成用人工土壌は、適度な粗粒状態であるため
表面付近を乾燥状態に保つとともに、断熱作用によって
地温を安定化させ、これにより病害の発生を抑制するこ
とができる。このため、農薬の使用量を低減することが
でき、上述の肥料の使用量を低減することができること
と合わせて周辺環境に対する負荷を軽減し、また、産業
廃棄物の有効利用の点も含め、地球環境の改善に役立つ
ものである。また、本発明の植物育成用人工土壌を構成
する石炭灰は、均等係数が大きく、粒子形状が角張って
凹凸に富んでおり、さらに、物理的にも、また化学的に
も崩壊しにくいため、土壌の構成材料の分離、移動によ
る目詰まりや、踏圧による固結が生じにくく、通気性及
び排水性が低下することがない。
【0036】また、本第2発明によれば、植物の種類に
応じて、特定の通気性、排水性、保水性及び保肥性の機
能を有する各種の土壌を容易に調整することができる。
【0037】また、本第3発明によれば、使用可能な石
炭灰の粒径の範囲が広がることにより、産業廃棄物の有
効利用を図りながら、適度の通気性及び排水性に加え、
保水性及び保肥性を有し、植物を良好に生育させること
が可能な植物育成用人工土壌を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)石炭灰(多孔質体の模式図)及び砂質土
(非多孔質体の模式図)を示す図である。
【図2】単一径の石炭灰の粒径と土壌の機能及び植物根
に対する機能の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 石炭灰(多孔質体の模式図) 1a 粒子間の孔隙 1b 粒子内の連通孔隙 2 砂質土(非多孔質体の模式図) 2a 粒子間の孔隙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牛尾 弘行 沖縄県那覇市小禄1370 (72)発明者 丸橋 尚司 大阪府堺市宮下町11−31

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒径を調整した石炭灰を主成分とするこ
    とを特徴とする植物育成用人工土壌。
  2. 【請求項2】 粒子間の平均孔隙径が12〜132μm
    の範囲となる、粒径が75〜850μmの範囲の単一径
    の石炭灰で構成したことを特徴とする請求項1記載の植
    物育成用人工土壌。
  3. 【請求項3】 粒径が5〜106μmの石炭灰を10〜
    25重量パーセント、106〜425μmの石炭灰を2
    5〜50重量パーセント、425〜2000μmの石炭
    灰を30〜50重量パーセント含有したことを特徴とす
    る請求項1記載の植物育成用人工土壌。
JP6155313A 1994-06-13 1994-06-13 植物育成用人工土壌 Pending JPH07327481A (ja)

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