JPH07325238A - 電子写真装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 光走査ユニットの調整に多くの手間と時間を
要さず、組立て性に優れた電子写真装置を提供する。 【構成】 光走査ユニット(13)を装置本体に対し水平方
向へ回動可能に支持する光走査ユニット支持手段(7、
8、18)を設け、その回動操作により像担持体(14)と光走
査ユニット(13)との相互位置誤差を補正し、像担持体(1
4)に対する走査線の傾きを調整する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電子写真装置に関する
ものであり、特に、予め別々に組立てられた光走査ユニ
ットと装置本体の相互位置誤差を補正する手段を備えた
電子写真装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】電子写真装置の構造形態の１つとして、
像担持体としての感光ドラムにレーザ走査光学系等によ
り画像信号に対応した光を走査し、感光ドラムに形成さ
れた静電潜像を公知の電子写真プロセスにより現像し
て、この現像像を紙などの記録材に転写して出力する装
置がある。レーザ光による記録には高精度が要求される
が、光走査ユニット自体を構成する部品の精度、光走査
ユニットが取り付けられる装置本体側支持部の精度、像
担持体自体の精度、さらには像担持体が取り付けられる
装置本体側支持部の精度等のばらつきによって像担持体
と光走査ユニットとの相互の位置関係にずれが生じる
と、乱れた画像が形成されてしまうことになり問題を招
いてしまう。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記問題を解消すべ
く、装置本体と光走査ユニットの相互位置誤差を補正す
る手段を備えた電子写真装置については、種々の提案が
なされているが、その大部分のものは例えば実開昭６２
−１９３２４０号公報のように、光走査ユニットに複数
の位置決め用ボルト部材を設けて、このボルト部材を各
々調整しながら光走査ユニットの高さ調整を行うことに
よって、像担持体上における走査線の傾きがなくなる位
置を見出す構成が採用されており、複数のボルト部材の
調整に多くの手間と時間を要するものであり組立て効率
の劣るものであった。

【０００４】また、顧客先で装置に不都合が生じ、光走
査ユニットを交換する必要が生じた場合には、上記のよ
うな従来構成においては光走査ユニット側に装置本体と
の誤差を補正する手段が設けられていたので、交換作業
に伴いその都度、装置本体と光走査ユニットの相互位置
誤差を再調整しなおす必要があり、保守性においても劣
っていた。

【０００５】さらに、電子写真装置の小型軽量化の動向
に伴い、電子写真装置の筐体をプレス加工された板金で
組み立てられることが多くなってきている。板金製の筐
体は軽量に構成できるという利点を有する反面、筐体に
保持させた装置を精度よく支持させることが難しく、例
えば筐体に像担持体と光走査ユニットを支持させた電子
写真装置の場合には、像担持体を走査する走査線が希望
する走査線に対して傾斜してしまい、見苦しい画像が形
成されてしまうという問題があった。

【０００６】本発明の目的は、光走査ユニットの調整に
多くの手間と時間を要さず、組立て性に優れた電子写真
装置を提供することにある。また、本発明の他の目的
は、光走査ユニットを交換する場合においても、交換作
業に伴い装置本体と光走査ユニットの相互位置誤差を再
調整しなおす必要のない、保守性に優れた電子写真装置
を提供することにある。さらに、本発明の他の目的は、
板金製筐体を有する電子写真装置の信頼性の向上を図る
ことにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的は、像担持体
と、光走査ユニットとを有する電子写真装置において、
前記光走査ユニットを装置本体に対し水平方向へ回動可
能に支持する光走査ユニット支持手段を設け、前記回動
操作により像担持体と光走査ユニットとの相互位置誤差
を補正することにより達成される。

【０００８】

【作用】本発明によれば、光走査ユニットと装置本体と
が予め別々に組立て・調整され、個々の光走査ユニット
の間には完全な互換性が保たれるので、装置本体に対す
る光走査ユニットの位置を装置出荷時などの最初だけ調
整すれば、それ以降は再調整なしで光走査ユニットの交
換が可能となる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図１〜図３を参照
しながら説明する。図において、符号１は電子写真装置
の筐体を構成するボトムプレートである。ボトムプレー
ト１の両端部にはフロントプレート２とリヤプレート３
が固定されており、フロントプレート２およびリヤプレ
ート３間には、サイドプレート４、サイドプレート５お
よびトッププレート６が固定されて、箱状の電子写真装
置筐体が構成されている。なお、上記各プレートには例
えば厚さ１.２ｍｍのメッキ鋼板が用いられている。ト
ッププレート６上面は、フロントプレート２、リヤプレ
ート３、サイドプレート４およびサイドプレート５の上
縁に対し若干低下した位置に形成されており、トッププ
レート６上面とその周囲を囲むプレート２、３、４、５
で形成された第１の空間が光走査ユニット１３の取付け
部として用いられ、トッププレート６下面とその周囲を
囲むプレート２、３、４、５およびボトムプレート１で
形成された第２の空間が像担持体となる感光ドラム１４
の取付け部として用いられる。なお、前記第２の空間に
は、感光ドラム１４の他に図示しないが、帯電器、現像
装置、転写器、清掃装置、定着装置、用紙などの記録材
を搬送する手段等、露光装置（光走査ユニット１３）以
外の電子写真プロセスに必要とされる手段が搭載され
る。

【００１０】感光ドラム１４は、フロントプレート２と
リヤプレート３により回転可能に支持されている。ま
た、前記第１の空間において、フロントプレート２とリ
ヤプレート３の間には直径約１０ｍｍ、長さ約４５０ｍ
ｍのステンレス製シャフト７、８が所定の間隔を置いて
平行に支持されている。光走査ユニット１３は、光走査
ユニット下部に一体に設けられた保持部材２１、２２の
凹部がシャフト８に係合し、保持部材２３の凹部がシャ
フト７に係合するとともに、ボス２４がトッププレート
６に形成された長孔６ｃと係合することにより支持され
る。ここで、長孔６ｃとボス２４との係合は、光走査ユ
ニット１３の感光ドラム１４軸方向に対する位置を規制
する。なお、光走査ユニット１３は、通常、シャフト
７、８に取り付けられる前に予め前記第１の空間を想定
した原型治具上で組立てられるので、基本的に原型治具
上での組立・調整工程を経て得られた各光走査ユニット
は、どれもが均一に調整されていることになる。

【００１１】保持部材２３には光走査ユニット１３の水
平方向への移動を案内する凹部が形成されており、保持
部材２１、２２には光走査ユニット１３をシャフト８に
位置決めする凹部が形成されている。トッププレート６
には、光走査ユニット１３から射出されたビームが通過
する領域に貫通長孔６ａが設けられており、そのビーム
を走査させることによって感光ドラム１４に静電潜像を
記録する。また、シャフト８の一端部には、シャフトホ
ルダ１８が溶接部１２を介して固定されている。シャフ
トホルダ１８には、図１に示すように矢印ａ方向に沿っ
た貫通長孔１８ａが形成されている。一方、シャフトホ
ルダ１８に対向するようトッププレート６の一部に設け
られた突出片６ｂには、貫通長孔１８ａに対向するネジ
孔が設けられている。さらに、シャフト８を係合させる
ためにリヤプレート３に設けられた貫通孔３ａも水平方
向に延びた貫通長孔となっており、ネジ１９、２０を緩
めてシャフトホルダ１８を貫通長孔１８ａに沿って移動
させると、シャフト８が溶接部１１を支点にして水平方
向（矢印ａ方向）にたわむことになる。なお、シャフト
８の他端およびシャフト７両端は、溶接部１１、９、１
０によって各プレートに固定されている。

【００１２】以上の構成において、走査線の傾き調整を
行うときは、希望する走査線１６に対する走査線１５の
ずれ量を把握し、シャフト８をずれ量に見合った量だけ
水平方向に移動させて走査線１５を希望の位置に合わせ
る。位置合わせ後はネジ１９、２０を締めてシャフト８
を固定する。ここで大切なことは、シャフト８の直径に
対してその長さを充分大きくすることであり、且つシャ
フト８の長さに対してシャフトホルダ１８のずれ量を小
さくすることである。そうすることにより、溶接部１
１、１２のひずみおよび応力を充分に小さく抑えること
ができ、軽量でありながらも剛性の高い筐体を得ること
が可能となる。

【００１３】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、光走査ユ
ニットの調整に多くの手間と時間を要さず、組立て性に
優れた電子写真装置を提供することができる。また、光
走査ユニットを交換する場合においても、交換作業に伴
い装置本体と光走査ユニットの相互位置誤差を再調整し
なおす必要のない、保守性に優れた電子写真装置を提供
することができる。さらに、板金製筐体を有する電子写
真装置の信頼性の向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明となる電子写真装置の平面図である。

【図２】本発明となる電子写真装置の正面図である。

【図３】本発明となる電子写真装置の断面側面図であ
る。

【符号の説明】

２・・・フロントプレート、３・・・リヤプレート、７、８・・
・シャフト、１３・・・光走査ユニット、１４・・・感光ドラ
ム、２１、２２、２３・・・保持部材

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菅野 和夫 茨城県ひたちなか市武田1060番地 日立工 機エンジニアリング株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】像担持体と、光走査ユニットとを有する電
   子写真装置において、前記光走査ユニットを装置本体に
   対し水平方向へ回動可能に支持する光走査ユニット支持
   手段を設け、前記回動操作により像担持体と光走査ユニ
   ットとの相互位置誤差を補正することを特徴とする電子
   写真装置。
2. 【請求項２】前記光走査ユニット支持手段は、互いが平
   行且つ水平に支持された２本のシャフト部材と、前記シ
   ャフト部材の内、少なくとも一方のシャフトの一端を水
   平方向へ移動可能に支持するホルダ部材からなり、前記
   シャフト部材に支持された光走査ユニットを前記移動可
   能なシャフト部材とともに水平方向へ移動させて、像担
   持体に対する走査線の傾きを調整することを特徴とする
   請求項１記載の電子写真装置。