JPH0732442A - パネル材およびその製造方法 - Google Patents

パネル材およびその製造方法

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JPH0732442A
JPH0732442A JP5199130A JP19913093A JPH0732442A JP H0732442 A JPH0732442 A JP H0732442A JP 5199130 A JP5199130 A JP 5199130A JP 19913093 A JP19913093 A JP 19913093A JP H0732442 A JPH0732442 A JP H0732442A
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panel material
inorganic
extrusion
plate
panel
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JP5199130A
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Inventor
Shinichiro Okada
慎一郎 岡田
Tsugio Chuma
次夫 中馬
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Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
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  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 調湿性、耐熱性、耐火性及び寸法安定性に優
れ、クラックの発生がないパネル材を効率よく製造す
る。 【構成】 ケイソウ土などの多孔質無機粉粒体、補強繊
維、消石灰などの無機硬化性物質及び水を含む無機質流
動性組成物を、押出し成形機11のダイ13から板状に
押出し成形し、ヒータ16により乾燥して硬化させ、パ
ネル材を製造する。押出し成形した板状成形品の表面
に、櫛歯状部材15を接触させることにより、表面に模
様を形成できる。また、ダイの形状により、空洞を有
し、軽量で断熱性の高いパネルを得ることもできる。押
出し成形法を利用すると、水の使用量が少なくても押出
し成形でき、乾燥効率が高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、壁材や床材などの建築
用内装材として有用なパネル材およびその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】壁材に広く利用されているケイソウ土
は、調湿性、断熱性、遮音性、脱臭性および電波吸収性
に優れる。そのため、ケイソウ土、石灰、水などを含む
モルタルを壁の下地材に塗布し、壁面を形成すると、結
露を防止できると共に断熱性などを高めることができ
る。しかし、現場施工により壁面を形成する場合には、
作業効率が劣るだけでなく、乾燥に長時間を要する。例
えば、前記モルタルの硬化には約1週間程度を要するの
で、その間、作業を停止せざるを得ない。また、施工不
良、配合組成の変化などにより、壁面にクラックが生じ
る場合もある。
【0003】一方、施工性を高めるため、壁材としてセ
ッコウボードも知られている。このセッコウボードは、
焼きセッコウ、ガラス繊維やパルプ、パーライトなどの
骨材および水を含むスラリーを下紙上に流し込み、上紙
を積層し、成形ロールにより所定厚みのボード状に成形
し、乾燥・硬化させることにより製造されている(「化
学便覧応用編 改訂3版」(財)日本化学会編、丸善
(株)昭和55年3月15日発行、第402〜404頁
「セッコウ」の項)。
【0004】しかし、このような方法でも、ボードの乾
燥に長時間を要するため、生産効率が低下する。しか
も、スラリーの流し込み、上紙との積層及び成形工程を
必要とし、作業が煩雑化する。
【0005】なお、特公昭58−46973号公報、特
開平1−208125号公報、実公昭54−85号公
報、実開昭60−148417号公報、実開平−280
6号公報には、発泡ポリスチレンなどの断熱層の少なく
とも一方の面に、ケイソウ土などの多孔質微粉末と合成
樹脂などを含む無機質層を形成したパネル材が提案され
ている。
【0006】しかし、これらのパネル材においても、無
機質層を形成するためには、多孔質微粉末と合成樹脂な
どを含むコーティング材を塗布する必要がある。そのた
め、パネル材の生産効率が低下すると共に、パネル材に
反りが生じ易く、寸法安定性が低下する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、調湿性、耐熱性、耐火性及び遮音性が高いととも
に、クラックの発生がなく寸法安定性に優れたパネル材
を提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、軽量で断熱性の高い
パネル材を提供することにある。
【0009】本発明のさらに他の目的は、前記の如き優
れた特性を有するパネル材を、大量かつ生産性よく製造
できる方法を提供することにある。
【0010】
【発明の構成】本発明者らは、パネル材の生産性が主に
乾燥工程により支配されていることに着目して、前記目
的を達成するため鋭意検討の結果、多孔質無機粉粒体、
補強繊維、無機硬化性物質および水を含む無機質流動性
組成物を押出し成形法を利用して押出し成形すると、水
含有量の少ないモルタルやプラスターであっても効率よ
く成形でき、寸法安定性が向上することを見いだし、本
発明を完成した。
【0011】すなわち、本発明のパネル材は、多孔質無
機粉粒体、補強繊維および無機硬化性物質を含んでい
る。
【0012】本発明の方法では、多孔質無機粉粒体、補
強繊維、無機硬化性物質および水を含む無機質流動性組
成物を板状に押出し成形し、乾燥硬化させ、パネル材を
製造する。
【0013】なお、本明細書において、「空洞率」と
は、板状成形品又はパネル材の長手方向(押出し方向)
と直交する方向の断面における空洞部の面積比を意味す
る。
【0014】以下、必要に応じて、添付図面を参照しつ
つ本発明を詳細に説明する。
【0015】本発明のパネル材に含まれる前記多孔質無
機粉粒体としては、吸着性を有する多孔質粉粒体、例え
ば、活性炭、ケイソウ土、酸性白土、活性白土、活性ア
ルミナ、酸化チタン、ベントナイト、パーライト、バー
ミキュライト、シラスバルーン、焼成カオリン、ケイ酸
マグネシウムなどが挙げられる。これらの多孔質無機粉
粒体は一種又は二種以上使用できる。
【0016】好ましい多孔質無機粉粒体には、吸放湿性
に優れる多孔質無機粉粒体、特にケイソウ土が含まれ
る。ケイソウ土は、例えば500℃以上、好ましくは6
00〜1000℃程度の温度で焼成されたケイソウ土の
焼成粉末が好ましい。
【0017】無機質粉粒体の粒度は、例えば、150メ
ッシュ以下である場合が多く、比表面積は、5〜300
0m2 /g程度である場合が多い。
【0018】無機質粉粒体の含有量は、パネル材全体の
10〜95重量%、好ましくは30〜75重量%程度で
ある。無機質粉粒体の含有量が10重量%未満である
と、断熱性および調湿性が低下し、95重量%を越える
と機械的強度が低下し易い。
【0019】補強繊維としては、例えば、ガラス繊維;
岩綿;スラグウール;アルミニウムシリケート質繊維、
アルミナ質繊維、炭化ケイ素繊維などのセラミック繊
維;ポリアクリロニトリル、フェノール樹脂、レーヨン
などの高分子、石油又は石炭系ピッチなどを素材とする
炭素繊維;ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、セ
ルロース繊維、レーヨン繊維、アセテート繊維、ナイロ
ン繊維、ポリエステル繊維、ポリビニルアルコール系合
成繊維(ビニロン繊維)、ポリエーテルスルホン繊維、
芳香族ポリアミド繊維(アラミド繊維など)などの高分
子繊維などが挙げられる。これらの繊維は少なくとも一
種使用できる。
【0020】これらの繊維の中で、補強効果および寸法
安定性を高めるためには、引張弾性率の大きな繊維、例
えば、ガラス繊維、炭素繊維、ポリプロピレン繊維、ポ
リビニルアルコール系合成繊維、アラミド繊維などが好
ましい。
【0021】補強繊維の素線径は、例えば、5〜30μ
m程度である場合が多い。補強繊維は、短繊維として使
用する場合が多い。短繊維の長さは、例えば、0.1〜
30mm程度であり、0.5〜10mm程度の短繊維が
繁用される。
【0022】短繊維のアスペクト比は、補強性を高める
ため、40〜5000、好ましくは100〜2000程
度である。アスペクト比が40未満では補強性が低下
し、5000を越えると均一分散性が低下する場合があ
る。
【0023】補強繊維の含有量は、例えば、パネル材全
体の0.1〜20重量%、好ましくは0.2〜5重量%
程度である。補強繊維の含有量が0.1重量%未満であ
ると補強性が低下し、パネル材にクラックや反りが発生
し易く、寸法安定性が損われる。補強繊維の含有量が2
0重量%を越えると、コスト高となり易い。
【0024】多孔質無機粉粒体および補強繊維を含むパ
ネル材は、調湿性、防露性、断熱性、耐火性、遮音性に
優れる。また、補強繊維により、収縮・膨脹に伴なう応
力を分散できるので、クラックや反りの発生を防止でき
るとともに、強度を高めることができ、寸法安定性を高
めることができる。
【0025】無機硬化性物質には、例えば、セッコウ;
消石灰やドロマイトプラスターなどの石灰;水硬性物質
が含まれる。水硬性物質としては、例えば、セメント
(例えば、ポルトランドセメント、早強ポルトランドセ
メント、アルミナセメント、急硬高強度セメント、焼き
セッコウなどの自硬性セメント;石灰スラグセメント、
高炉セメントなどの水硬性セメント;混合セメント)な
どが挙げられる。好ましい無機硬化性物質には、例え
ば、セッコウや石灰などが含まれる。
【0026】無機硬化性物質の含有量は、例えば、パネ
ル材全体の5〜90重量%、好ましくは20〜75重量
%、さらに好ましくは30〜60重量%程度である。無
機硬化性物質の含有量が5重量%未満であるとパネル材
の強度が低下し易く、90重量%を越えると、前記多孔
質無機粉粒体による吸放湿性が損われ、結露が生じ易
い。
【0027】無機硬化性物質を含有させると、前記補強
繊維の補強効果と相まって、無機硬化性物質の硬化によ
り、パネル材の強度をさらに向上できる。
【0028】前記パネル材は、砂、ケイ砂、パーライト
などの細粒骨材;着色剤、硬化剤、有機酸塩、無機酸塩
などの凝結遅延剤、塩化カルシウムなどの硬化促進剤、
ナフタレンスルホン酸ナトリウムなどの減水剤、凝固
剤、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、
ポリビニルアルコールなどの増粘剤、発泡剤、合成樹脂
エマルジョンなどの防水剤、可塑剤などの種々の添加剤
を含んでいてもよい。
【0029】本発明のパネル材は、平板状であってもよ
く、湾曲板状であってもよい。パネル材の厚みは、用途
に応じて選択できるが、通常、5〜200mm、好まし
くは10〜100mm程度である場合が多い。
【0030】本発明のパネル材の表面は平坦であっても
よく、表面に凹凸を有していてもよい。パネル材の表面
の凹凸は、散在していてもよく、筋状に延びる連続又は
非連続の凹凸溝であってもよい。また、パネル材の表面
には、前記凹凸による模様が形成されていてもよく、塗
料などにより着色されていてもよい。
【0031】図1は本発明のパネル材の一例を示す断面
図である。この例において、前記多孔質無機粉粒体、補
強繊維および無機硬化性物質で構成されたパネル材1に
は、長手方向に沿って延びる複数の断面方形状の空洞
(貫通孔)2が幅方向に形成されている。前記各空洞2
は長手方向に延びる隔壁3により区画されている。パネ
ル材1の空洞2による空洞率は、5〜75%、好ましく
は10〜60%、さらに好ましくは20〜60%程度で
ある。空洞率が5%未満では、パネル材の断熱性がさほ
ど向上せず、75%を越えるとパネル材の機械的強度が
低下し易い。
【0032】また、パネル材1の施工性を高めるため、
前記パネル材1の一方の側部端面には突条4が形成さ
れ、他方の側部端面には、前記突条4と嵌合可能な凹溝
5が形成されている。
【0033】このような空洞を有するパネル材は、材料
の使用量が少なく、軽量であるだけでなく、断熱性が高
い。しかも、パネル材が多孔質無機粉粒体、補強繊維お
よび無機硬化性物質で構成されているので、機械的強度
がさほど低下しない。また、両側端面に形成された突条
4及び凹溝5を利用して、複数のパネル材1を隣接させ
て容易に施工できる。
【0034】なお、空洞を有するパネル材には、少なく
とも1つの空洞を形成すればよいが、長手方向に延びる
隔壁で仕切られた複数の空洞を形成すると、隔壁により
機械的強度の低下を抑制できる。
【0035】本発明のパネル材は、押出し成形法により
製造するのが有利である。すなわち、本発明の方法は、
必要に応じて前記添加剤とともに、前記多孔質無機粉粒
体、補強繊維および無機硬化性物質で構成される無機質
混合末と水とを含む無機質流動性組成物を板状に押出し
成形する工程と、乾燥工程とで構成されている。乾燥工
程の後、通常、板状押出し成形品は、所定長さに切断す
る切断工程に供され、得られた成形品を硬化させること
によりパネル材が得られる。
【0036】押出し成形法を利用すると、高粘度の無機
質流動性組成物も成形できるので、水の使用量を低減で
き、乾燥効率が高く、補強繊維による応力拡散効果と相
まって高い寸法精度でパネル材を得ることができるとい
う利点がある。また、水分含有量を低減できると共に補
強繊維により補強性を高めることができるので、板状に
押出された成形品の変形を抑制でき、成形品の取扱いも
容易である。
【0037】水の使用量は、多孔質無機粉粒体、補強繊
維、無機硬化性物質などで構成される無機質混合末10
0重量部に対して15〜150重量部、好ましくは20
〜100重量部、さらに好ましくは20〜50重量部程
度である。水の使用量が15重量部未満であると、流動
性および押出し成形性が低下し、150重量部を越える
と乾燥に長時間を要する。
【0038】図2は本発明のパネル材の製造方法を説明
するための概略工程図である。
【0039】この例では、必要に応じて前記添加剤とと
もに、前記多孔質無機粉粒体、補強繊維、無機硬化性物
質および水は、スクリュを備えた押出し成形機11のホ
ッパ12に供給され、スクリュにより混練されながら、
スリット状の孔を有するダイ13から板状に押出され、
押出された板状成形品は、複数の搬送ローラ14により
搬送される。なお、前記ホッパには、前記多孔質無機粉
粒体、補強繊維、無機硬化性物質、水および前記添加剤
を混合攪拌して調製した無機質流動性組成物を供給して
もよい。
【0040】無機質流動性組成物の押出し速度は、水分
含有量、乾燥工程での乾燥温度、板状成形品の厚みなど
に応じて選択でき、例えば、0.5〜10m/分、好ま
しくは0.7〜5m/分程度である。
【0041】板状成形品の押出し方向には、ブラシや櫛
歯などを有する複数の櫛歯状部材15が、搬送ローラ1
4に対応する位置で上下動可能に並設されている。ま
た、隣接する櫛歯状部材15における櫛歯の歯先の位置
および間隔は互いに板状成形品の幅方向に異なってい
る。そのため、板状成形品の表面に、前記櫛歯状部材1
5を上下動させながら断続的に接触させることにより、
成形品の表面が筋状に掻き落され、表面処理工程におい
て、板状成形品の表面に、掻落し壁風の筋状の模様を形
成できる。
【0042】表面に模様が形成された成形品は、搬送ロ
ーラ14によりヒータ16を備えた乾燥ゾーンに搬送さ
れる。乾燥ゾーンにおける乾燥温度は適当に選択できる
が、例えば、50〜200℃、好ましくは75〜150
℃程度である。乾燥工程において乾燥された後、板状成
形品は、カッタ17により所定長さに切断され、硬化さ
せることによりパネル材18が得られる。そのため、装
飾感や意匠性の高い表面模様を有するパネル材を連続的
に製造できる。
【0043】なお、櫛歯状部材は上下動することなく、
板状の押出し成形品の表面に当初から接触していてもよ
い。板状成形品の表面の模様は、少なくとも1つの櫛歯
状部材により形成してもよい。隣接する櫛歯状部材にお
ける櫛歯の間隔は板状成形品の幅方向に同じであっても
よい。また、上下動可能な複数の櫛歯状部材は、波形の
模様を形成するため、板状成形品の幅方向に往復動させ
てもよい。
【0044】さらには、表面処理工程では、凹凸面を有
するプレート状押圧部材を、板状成形品に押圧し、凹凸
模様を形成してもよい。この場合、プレート状押圧部材
を表面処理工程で循環させ、板状成形品の搬送速度に同
伴させて板状成形品の表面に押圧すればよい。
【0045】また、押出し成形法を利用すると、ダイの
口金形状を変更することにより、種々の断面形状のパネ
ル材を得ることができる。例えば、少なくとも一方の長
辺に凹凸部を有するスリット状の口金を有するダイを用
いると、図3に示されるように、少なくとも一方の面に
凹凸溝22を有するパネル材21を得ることができる。
また、ダイのスリット内に、ダイの内壁からスリットの
吐出側に延出した適当な形状の流路規制部材(例えば、
ダイの吐出側に配設された四角形状の流路規制部材)を
少なくとも1つ配設することにより、前記図1に示され
るような空洞(貫通孔)を有するパネル材も得ることが
できる。
【0046】さらに、前記押出し成形機やダイにより無
機質流動性組成物を加熱してもよい。押出し成形機など
を加熱すると、無機質流動性組成物中の水分含有量を低
減できると共に、押出し成形後、乾燥工程に至る間にも
水分を効率よく蒸発させることができる。そのため、乾
燥工程での乾燥エネルギーも低減でき、パネル材を短時
間内に乾燥させ、硬化させることができる。加熱温度
は、硬化性無機物質の種類に応じて、押出し成形機やダ
イ内で硬化しない範囲、例えば、50〜200℃程度の
範囲から適当に選択できる。
【0047】前記のように、乾燥工程において、板状成
形品は完全に乾燥させる必要はなく、少なくとも表層部
を乾燥させればよい。表層部だけ乾燥させても、無機質
流動性組成物の水分含有量が少なく、補強繊維により補
強できるので、板状成形品の変形などを抑制できる。
【0048】板状成形品の硬化は、加熱下で行なっても
よいが、通常、室温などで放置することにより、例え
ば、12時間〜4日程度で硬化させることができる。
【0049】このようにして得られたパネル材は、壁
材、床材などの建築用内装材や外装材に有用である。な
お、パネル材は必要に応じてベニヤ板、合板、セッコウ
ボードなどに貼り合わせてもよい。
【0050】
【発明の効果】本発明のパネル材は、多孔質無機粉粒
体、補強繊維および無機硬化性物質を含むので、調湿
性、耐熱性、耐火性及び遮音性が高いとともに、クラッ
クの発生がなく寸法安定性に優れている。また、空洞が
形成されたパネル材は、軽量であり断熱性が高い。
【0051】本発明の方法によれば、無機質流動性組成
物を板状に押出し成形し、乾燥硬化させるので、無機質
流動性組成物中の水分量、乾燥エネルギーを低減でき、
前記の如き優れた特性を有するパネル材を、大量かつ生
産性よく製造できる。
【0052】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明する。
【0053】実施例1 焼成ケイソウ土(粒子径10〜40μm)60重量部
と、ドロマイトプラスター(粒子径1〜100μm)4
0重量部と、ガラス繊維(平均繊維長6mm、繊維径9
μm)2重量部と、水25重量部とを混合し、押出し成
形機に供給した。押出し成形機のダイから、1m/分の
速度で板状に押出し成形し、150℃の乾燥ゾーンで乾
燥し、カッタにより切断し、板状成形品(幅30cm×
長さ90cm×厚み3cm)を得た。板状成形品を2日
間室温で放置したところ、完全に硬化し、クラックのな
いパネル材が得られた。
【0054】パネル材の曲げ強度を、スパン60cmの
3点曲げ試験により測定したところ、88kg/cm2
であった。また、板状成形品と、硬化後4週間経過のパ
ネル材との寸法精度の差は、0.2%であった。
【0055】実施例2 ガラス繊維2重量部に代えて、ポリプロピレン繊維(平
均繊維長3mm、繊維径20μm)1重量部を用いる以
外、実施例1と同様にして、パネル材を得たところ、パ
ネル材にはクラックが認められなかった。
【0056】パネル材の曲げ強度を、実施例1と同様に
して測定したところ、65kg/cm2 であり、板状成
形品と、硬化後4週間経過のパネル材との寸法精度の差
は、0.5%であった。
【0057】実施例3 ガラス繊維2重量部に代えて、炭素繊維(平均繊維長3
mm、繊維径18μm)2重量部を用いる以外、実施例
1と同様にして、パネル材を得たところ、パネル材には
クラックが認められなかった。
【0058】パネル材の曲げ強度を、実施例1と同様に
して測定したところ、70kg/cm2 であり、板状成
形品と、硬化後4週間経過のパネル材との寸法精度の差
は、0.1%であった。
【0059】比較例1 ガラス繊維を用いることなく、実施例1と同様にして、
パネル材を得たところ、乾燥硬化後にパネル材にはひび
割れが発生し、板状成形品と、硬化後4週間経過のパネ
ル材との寸法精度の差は、1.2%であった。
【0060】実施例4 実施例1と同様にして、無機質流動性組成物を押出し成
形機のダイから、板状に押出し成形し、ダイの吐出側に
設けた3つの金属製ブラシを、板状の押出し成形品の片
側表面に接触させて、掻落し壁風の表面加工を行ない、
実施例1と同様にして乾燥し、切断することにより、板
状成形品を得た。板状成形品を2日間室温で放置したと
ころ、完全に硬化し、クラックがなく意匠性の高いパネ
ル材が得られた。
【0061】実施例5 ダイとしてスリット内に四角形状の15個の流路規制部
材を横方向に配設したダイを用いる以外、実施例1と同
様にして押出し成形し、図1に示すような断面四角形状
の空洞(1.2cm×1.2cm)を有し、空洞率24
%のパネル材を得た。得られたパネル材の熱伝導率を測
定したところ、0.06kcal/m・h・℃であり、
実施例1で得られた中実のパネル材の熱伝導率0.15
kcal/m・h・℃の1/2以下となった。また、パ
ネル材の曲げ強度は72kg/cm2 であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明のパネル材の一例を示す断面図で
ある。
【図2】図2は本発明のパネル材の製造方法を説明する
ための概略工程図である。
【図3】図3は本発明のパネル材の他の例を示す断面図
である。
【符号の説明】
1,18,21…パネル材 2…空洞 3…隔壁 11…押出し成形機 13…ダイ 15…櫛歯状部材 16…ヒータ 17…カッタ 22…凹凸溝

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質無機粉粒体、補強繊維および無機
    硬化性物質を含むパネル材。
  2. 【請求項2】 表面に凹凸を有する請求項1記載のパネ
    ル材。
  3. 【請求項3】 空洞率5〜75%の空洞が形成されてい
    る請求項1記載のパネル材。
  4. 【請求項4】 多孔質無機粉粒体、補強繊維、無機硬化
    性物質および水を含む無機質流動性組成物を板状に押出
    し成形し、乾燥硬化させるパネル材の製造方法。
  5. 【請求項5】 多孔質無機粉粒体としてケイソウ土を用
    いる請求項4記載のパネル材の製造方法。
  6. 【請求項6】 40〜5000のアスペクト比を有する
    補強繊維を用いる請求項4記載のパネル材の製造方法。
  7. 【請求項7】 無機質流動性組成物を押出し成形した
    後、押出し成形品の表面に凹凸を形成し、乾燥硬化させ
    る請求項4記載のパネル材の製造方法。
  8. 【請求項8】 無機質流動性組成物を、空洞率5〜75
    %の空洞を有する板状に押出し成形する請求項4記載の
    パネル材の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012111228A (ja) * 2010-11-04 2012-06-14 Univ Of Tokyo 押出成形用乾燥装置
JP2012111227A (ja) * 2010-11-04 2012-06-14 Univ Of Tokyo 押出成形用乾燥装置
KR20180074111A (ko) * 2016-12-23 2018-07-03 재단법인 한국탄소융합기술원 탄소섬유 및 탄소소재가 보강된 무기계 탄소복합 온열 패널의 제조방법

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