JPH0731779A - 下糸自動供給装置 - Google Patents

下糸自動供給装置

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JPH0731779A
JPH0731779A JP20366493A JP20366493A JPH0731779A JP H0731779 A JPH0731779 A JP H0731779A JP 20366493 A JP20366493 A JP 20366493A JP 20366493 A JP20366493 A JP 20366493A JP H0731779 A JPH0731779 A JP H0731779A
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bobbin case
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来のボビンに僅かな変更を加えるだけでボ
ビンへの糸巻き及びボビンケースの糸掛けを自動的に行
い、縫い品質を良好に維持すると共に、装置全体を簡易
な構成として、低コスト化を図る。 【構成】 下糸供給手段からの下糸46を、ボビン5が
内蔵されたボビンケース4の開口部4aの外方で、且つ
ボビン軸5aの軸心方向に沿って張り渡し、この張り渡
された下糸46を、ボビンケース4の開口部4aを介挿
してボビン軸5aの外周近傍まで挿入する手段31A,
13と、ボビン軸5aの外周に環状溝及び外方に突出す
る鍵状の糸掛け部材がそれぞれ形成され、該糸掛け部材
後方の糸端側の溝深さが下糸供給側のそれより深く形成
されたボビン5と、ボビン5に回転を付与する巻き取り
モータMCと、ボビンケース4の下糸装着経路に応じ
て、下糸46の移動を行わせる糸案内機構30と、を備
えてなるもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ボビンケース内に収め
られたボビンに下糸を巻回し、さらにボビンケースに糸
掛けする作業を自動的に行う下糸自動供給装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の本縫いミシンにおいては、ボビン
に巻回されていた下糸がなくなった場合には、ボビンケ
ースと共にボビンを釜から取り外し、ボビンに下糸を巻
回して再度釜に装着するか、或は予め用意しておいた下
糸巻回済みのボビンに交換する等の作業を行っていた
が、その作業に多くの時間、労力を要するために、例え
ば特開昭61−168387号公報、特開昭61−16
8388号公報、特開昭61−168389号公報等に
おいて、ボビンへの糸巻きを自動的に行う装置の提案が
種々なされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記提
案装置においては、以下の問題点がある。すなわち、こ
れら装置においては、従来のボビンケース及びボビンと
は異なった特殊な形状のものを使用しなければならな
い。そのため、上記ボビン及びボビンケースの形状が特
殊であり、しかも装置全体が複雑な機構となるので、高
コストになるという問題がある。
【0004】そこで本発明は、従来のボビンに僅かな変
更を加えるだけでボビンへの糸巻き及びボビンケースの
糸掛けが自動的になされ、縫い品質が良好に維持される
と共に、装置全体が簡易な構成で、低コスト化が図れる
下糸自動供給装置を提供することを第1の目的とする。
【0005】また、本発明は、第1の目的に加えて、糸
掛けがなされたボビンケースへの供給糸が、簡易な構成
で自動的に切断される下糸自動供給装置を提供すること
を第2の目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、第1発明の下糸自動供給装置は、下糸供給手
段から供給された下糸を、ボビンが内蔵されたボビンケ
ースの開口部の外方で、且つボビン軸の軸心方向に沿っ
て張り渡し、この張り渡された下糸を、前記ボビンケー
スの開口部を介挿して前記ボビン軸の外周近傍まで挿入
する手段と、ボビン軸の外周に環状溝及び外方に突出す
る鍵状の糸掛け部材がそれぞれ形成され、該糸掛け部材
後方の糸端側の溝深さが下糸供給側のそれより深く形成
されたボビンと、このボビンに回転を付与する巻き取り
モータと、前記ボビンケースの下糸装着経路に応じて、
下糸の移動を行わせる糸案内機構と、を備えてなること
を特徴としている。そして、第2発明の下糸自動供給装
置は、下糸供給手段から供給された下糸を、ボビンが内
蔵されたボビンケースの開口部の外方で、且つボビン軸
の軸心方向に沿って張り渡し保持可能な下糸張り渡し部
材と、この下糸張り渡し部材により張り渡された下糸
を、前記ボビンケースの開口部を介挿して前記ボビン軸
の外周近傍まで挿入する腕部材と、ボビン軸の外周に環
状溝及び外方に突出する鍵状の糸掛け部材がそれぞれ形
成され、該糸掛け部材後方の糸端側の溝深さが下糸供給
側のそれより深く形成されたボビンと、このボビンに回
転を付与する巻き取りモータと、前記ボビンケースの外
周及び前記ボビン軸の軸心方向に沿って回転可能で、且
つ前記ボビンケースの下糸装着経路に応じて移動可能な
糸案内機構と、この糸案内機構に回転を付与する可逆回
転可能な糸案内機構駆動モータと、を備えてなることを
特徴としている。
【0007】第3発明の下糸自動供給装置は、上記第1
の目的を達成するために、前記糸案内機構の動作中、前
記巻き取りモータに糸巻時より低い電力を供給すること
を特徴としている。
【0008】第4発明の下糸自動供給装置は、上記第2
の目的を達成するために、前記糸案内機構には、ボビン
ケースへの糸掛けを終了した時点で対向する固定刃との
間で供給糸を自動的に分離する可動刃が設けられている
ことを特徴としている。
【0009】
【作用】このような本発明の下糸自動供給装置によれ
ば、下糸供給手段から供給された下糸は、下糸張り渡し
部材により、ボビンケースの開口部の外方で、且つボビ
ン軸の軸心方向に沿って張り渡され保持され、この張り
渡された下糸は、腕部材により、ボビンケースの開口部
を介挿してボビン軸の外周近傍まで挿入される。一方、
ボビンには、ボビン軸の外周に環状溝及び外方に突出す
る鍵状の糸掛け部材がそれぞれ形成されており、上記ボ
ビン軸の外周近傍まで挿入され張り渡されている下糸
は、巻き取りモータの回転に従って、該糸掛け部材の鍵
状部分に引っ掛けられて糸掛け部材後方の溝内に侵入し
ていく。この溝は、糸端側の溝深さが下糸供給側のそれ
より深く形成されていることから、糸端側の糸が供給側
の糸より下側となって重ね合わされていき、この時生じ
る供給側の下糸による縛り力が糸端側の保持力に勝って
該糸端側の糸はボビンケース内に引き込まれ、その後ボ
ビンケース内に引き込まれた糸端側の下糸も供給側の糸
に押さえられ、該糸端側の下糸がボビン軸に固定された
状態で下糸が巻回されていく。ボビンへの所定量の下糸
の巻回がなされたら、今度は糸案内機構駆動モータの回
転に従って、糸案内機構がボビンケースの下糸装着経路
に応じて移動して、ボビンケースの糸掛けがなされる。
【0010】このような巻き取りモータを備えた下糸自
動供給装置によれば、糸案内機構の動作中、巻き取りモ
ータにはボビンへの糸巻時より低い電力が供給されて低
速回転をしようとし、糸を巻き込む力が生じるから、下
糸の張力が一定に保たれるようになり、ボビンケースの
糸掛けが良好になされる。
【0011】また、ボビンへの供給糸が自動的に切断さ
れる下糸自動供給装置によれば、移動してきた可動刃
が、ボビンケースへの糸掛けを終了した時点で、固定刃
に対向する位置に来て、該固定刃との間で供給糸が自動
的に分離されるようになる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図1は本発明の一実施例を示す下糸自動供
給装置及びこの下糸自動供給装置を適用したボビン交換
装置の横断面図である。同図において、ミシンの針板1
の直下に配置された釜2には、下軸3が連結されている
と共に、ボビンケース4が釜2に内に収容されている。
さらに上記ボビンケース4内には、後述の下糸自動供給
装置100により下糸が巻回されたボビン5が納められ
ている。これらの釜2及びボビンケース4としては、従
来から用いられている通常構造のものが変形されること
なく使用されている。従ってこれらの構造の詳細な説明
は省略する。
【0013】釜2の図における下方には、ボビン5への
糸巻き及びボビンケース4の糸掛けを自動的に行う下糸
自動供給装置100が、右下方には釜2内に収容された
ボビンケース4を把持して釜2内から抜き取ると共に、
下糸自動供給装置100に準備された新たなボビンケー
ス4を把持して釜2内に装着するボビン交換装置として
のトランスファー機構7がそれぞれ配置されている。
【0014】以下、先ず、下糸自動供給装置100につ
いて説明する。図2は図1中の下糸自動供給装置100
を拡大して表した横断面図、図3は図2のX−X矢示
図、図4は図2の円筒状溝カム及びボビンケース並びに
糸捌き板を平面に展開して表した図であり、説明の都合
上、図2に示される下糸自動供給装置100は、図1に
示される下糸自動供給装置100を上下を反対にし、さ
らに反転して描かれている。
【0015】図2において、符号MCは巻き取りモータ
を示しており、この巻き取りモータMCのモータ軸MC
1の先端にはクラッチ軸17が固定されている。このク
ラッチ軸17はベース21に固定された軸受20に回転
可能に内嵌されており、その先端部にはボビン5に脱着
可能なクラッチ盤17aが設けられている。軸受20に
はスプライン軸22が回転可能に外嵌されており、この
スプライン軸22の外周には軸方向に沿うスプライン溝
22aが形成されている。スプライン軸22の巻き取り
モータMC側の端部には従動ギヤ9が設けられており、
この従動ギヤ9には駆動ギヤ23が噛み合っている。こ
の駆動ギヤ23は糸案内機構駆動モータMRのモータ軸
MR1に固定されており、この糸案内機構駆動モータM
Rは可逆回転可能となっている。
【0016】上記スプライン軸22の外周には、その内
周にスプライン溝22aに対応するスプラインが形成さ
れたスプラインナット24が外嵌されている。従って、
このスプラインナット24は、糸案内機構駆動モータM
Rにより回転可能であると共に、スプラインにより軸方
向に進退可能となっている。スプラインナット24のボ
ビン5側の端面には、一端がスプライン軸22のボビン
5側の端面に固定されたコイルバネ25の他端が固着さ
れており、このコイルバネ25によりスプラインナット
24は巻き取りモータMC側に付勢されている。スプラ
インナット24の外周面には外方(図2における上方)
に突出するカムフォロウピン29及び糸捌き板30がそ
れぞれ固定されている。この糸捌き板30は平板を、図
3に示されるように円弧状に湾曲させたもので、その端
部は、図2に示されるようにボビン5の側方まで延在し
ている。
【0017】該糸捌き板30は、図4に示されるよう
に、展開して示すと略L字状をなしており、その主要部
分は、スプラインナット24に固定されL字を形成する
一方の延在部分30aと、L字の交差部に鍵状に形成さ
れた糸捕捉溜り部30bと、L字を形成する他方の延在
部分30cと、この他方の延在部分30cに形成された
糸案内溝30dと、この糸案内溝30dにより形成され
るV字の股部分で且つボビンケース4側に設けられた可
動刃たる動メス部30e(図3、図5参照)と、他方の
延在部分30cの端部に円周方向に沿って形成され、外
方に立設する平板状の糸端押え板バネ部30f(図3、
図5参照)と、この糸端押え板バネ部30fに連設さ
れ、図5における上方に向かって下糸を誘導しやすくし
た傾斜部30gとから構成されている。
【0018】この糸捌き板30の周方向に沿った内方に
は、図3、図7に示されるように、ベース21に末端が
固定された固定刃としての固定メス37が配置されてい
る。この固定刃37の先端部の位置は、ボビンケース4
への糸掛けを終了した時点における可動刃30eの対向
する位置となっており(詳しくは後述)、固定刃37先
端部と可動刃30eとの間で下糸の切断がなされるよう
になっている。
【0019】一方、上記糸捌き板30及びスプライン軸
22の周方向に沿った外方には、ベース21に固定され
た中空円筒状の外カム26が配置されている。この外カ
ム26には、図4に示されるように開口部が形成されて
おり、この開口部内または開口部上部には内カム27が
配置されている。この内カム27は支持板28によりベ
ース21に固定されており、これら外カム26及び内カ
ム27によりカム溝33が形成された状態となってい
る。このカム溝33には上記カムフォロウピン29が遊
嵌配置されており、従ってこのカムフォロウピン29
は、糸案内機構駆動モータMRを駆動させると、上述の
スプライン及びカム溝33に拘束されて、カム溝33内
を移動するようになっている。
【0020】カム溝33の分岐部分には、内カム27に
回転可能に支持された逆止案内弁32A,32Bが配置
されており、これら逆止案内弁32A,32Bに取り付
けられた鶴巻バネ32a,32bにより、カムフォロウ
ピン29の往復時の経路規制がなされている(詳しくは
後述)。
【0021】外カム26のボビン5側の端部には、図
2、図4、図5に示されるように、ボビン5の側方まで
延在し、コの字状の端部を有するコの字状部材31が固
定されている。このコの字状部材31の下糸張り渡し部
材たるコの字状部分31Aは、スプライン軸22の軸心
に対して垂直配置された2枚の平行平板31a,31b
より形成されており、図2の上方から見てコの字状をな
している。このコの字状部分31Aは、ボビンケース4
がセットされた時に、図2、図9に示されるように、ボ
ビンケース4の開口部4aに対向するよう配置されてお
り、一方の平板31aには、図5に示されるように糸案
内孔31cが、他方の平板31bには、図3、図5に示
されるようにV字状の切欠31dがそれぞれ形成されて
いる。
【0022】セットされたボビンケース4の側方には、
図3に示されるように、腕部材たる回動レバー13が配
置されており、この回動レバー13はベース21に固定
されたピン34により回動可能に支持されている。この
回動レバー13のピン34より図3における右部分は、
セットされたボビンケース4の開口部4aに向かうよう
湾曲している。回動レバー13の先端部13aは、図2
に示されるように、後述のボビン5に形成された鍵状の
糸掛け部材40がその間を通過し得るよう2股に分かれ
ており、後述のコの字状部分31Aに張り渡された下糸
を確実に捉えるべく、先端部13aの2股に分かれた各
先端には、図3に示されるようなV字状の切欠が形成さ
れている。回動レバー13の末端側には長溝13bが形
成されており、この長溝13b内にはピン35が遊嵌配
置されている。このピン35はシリンダ36のシリンダ
ヘッド36aに固定されており、該シリンダ36はベー
ス21に固定されている。従って、シリンダヘッド36
aが図3における上下方向に摺動すると、回動レバー1
3がピン34を支点として揺動するようになっており、
シリンダヘッド36aを最大限突出させた場合に、回動
レバー13の先端部13aがボビン軸5aの外周近傍ま
で回動するよう構成されている(図9参照)。そして、
上記回動レバー13等でボビンケース4の開口部4aを
介挿してボビン軸5aの外周近傍まで挿入する手段を形
成している。
【0023】ところで、本実施例においては、ボビン5
にも最小限度の変更が加えられている。すなわち、図9
乃至図11に示されるように、ボビン5のボビン軸5a
の外周には周方向に沿いV字状に切り欠かれた環状のV
溝5bが、このV溝5b内には外方に突出する鍵状の糸
掛け部材40が、それぞれ形成されている。ここで、糸
掛け部材40の回転時の後方となる位置(フックの反対
側)においては、糸端側の溝傾斜面(図10における左
側)5cの深さが下糸供給側の溝傾斜面(図10におけ
る右側)5dより深く形成されている。すなわち、全周
に渡って形成されたV溝5bのうち、糸掛け部材40の
回転時の後方となる位置の糸端側の溝深さのみ深くされ
ており、この深溝の溝深さは糸掛け部材40から離れる
に従って次第に浅くなり、最後には下糸供給側の溝傾斜
面5dの深さと一致して段差が解消される構造となって
いる。下糸自動供給装置100は以上のように構成され
ている。
【0024】次に、トランスファー機構7について、図
1を参照にして説明する。このトランスファー機構7
は、釜2内に収容されたボビンケース4を把持して釜2
内から抜き取ると共に、上記下糸自動供給装置100に
準備された既に下糸が巻回されたボビンケース4を把持
して釜2内に装着する構成を有している。すなわち、こ
のトランスファー機構7においては、取付台7aの上部
に設けられた支持胴7bに、円筒状の軸受7cが略水平
方向に突出するように取り付けられており、その軸受7
cの外周面側に、中空円筒状でその外周面に軸方向に沿
うスプライン溝7kが形成された回転筒7dが、回転移
動可能かつ軸移動可能に装着されている。またこの回転
筒7dの基端側(図示右端側)には、内周にスプライン
7mが形成された歯車7eが設けられており、この歯車
7eが、駆動モータ7fの出力軸に設けられた長尺状の
ピニオン歯車7gに噛み合わせられている。上記駆動モ
ータ7fは、前記取付台7aに固定されている。
【0025】一方上記軸受7cの内部には、エアシリン
ダ7hが軸方向に向かって延在するように設けられてお
り、そのエアシリンダ7hの出力軸7iが、上記回転筒
7dの底部に対して軸方向に係合されている。この係合
部分においては、上記出力軸7iと回転筒7dとが回転
可能に係合されている。
【0026】さらに上記回転筒7dの外周面側からは、
同一円周上に120°間隔で離間配置されたアーム7
j,7j,7jが反対側に向かって放射状に延出されて
おり、これらの各アーム7j,7j,7jの先端部分
に、ボビン把持機構8がそれぞれ設けられている。これ
らの各ボビン把持機構8を、図29、図30、図31に
基づき説明する。図29、図30、図31に示されてい
るように、略平行に配置された一対の両側板8a,8a
の間には、回転軸8bが回転可能に掛け渡されており、
この回転軸8bに、ボビンケース4のロックレバー4e
を閉位置から引き起こして開放させるレバー爪8cが取
り付けられている。上記回転軸8bは、片側の側板8a
を貫通して外方に突出されており、その回転軸8bの外
方突出部分に、駆動腕8dの一端部が固定されている。
この駆動腕8dの他端部分には、当該駆動腕8dの長手
方向に向かって延在するカム溝8eが凹設されており、
このカム溝8e内に、駆動駒8fのピン8gが移動可能
に遊嵌されている。上記駆動駒8fは、前記側板8a側
にアーム8iを介して固定されたエアシリンダー8hの
出力軸(シリンダーロッド)8jに連結されている。従
って上記エアシリンダー8hの作動力は、駆動駒8f、
ピン8g、駆動腕8d及び回転軸8bを介して前記レバ
ー爪8cに伝達され、これによりレバー爪8cの回動が
行われるように構成されている。
【0027】上記レバー爪8cは、先端側が円弧状に湾
曲形成されており、その湾曲状先端部が、ボビンケース
4のロックレバー4eとボビン係止板4bとの重なり合
い部分に挿入可能な位置関係に配置されている。そして
このレバー爪8cの先端部は、図31中の実線Pで示さ
れた軌跡に従って回動するとともに、このレバー爪8c
の回動によって、ボビンケース4のロックレバー4eが
図31中の2点鎖線Qで示された軌跡に従って回動され
開放されるようになっている。
【0028】また、この時、上記両側板8a,8aは、
側面略矩形状に形成されており、その先端縁部、すなわ
ち前記釜2に対面する図示左側の縁部が、ボビンケース
4の外表面形状に沿った形状に形成されている。そして
この側板8aから突出するように設けられた回止め板8
kが、ボビンケース4側の凹部4g内に挿入されれるこ
とによって、ボビンケース4とボビン把持機構8との位
置決めが行われるように構成されている。
【0029】さらに上記両側板8a,8aとの間には、
開放されたロックレバー4eを開位置において受けるベ
ース体8mが設けられている。このベース体8mのレバ
ー受け面は、開位置にあるロックレバー4e(図31中
の2点鎖線)に沿った傾斜面に形成されており、その途
中部分に、ロックレバー4eの穴4f内に入り込む矩形
台状の凸部8nが形成されている。またこの凸部8nの
傾斜面やや上側に、ロックレバー4eの先端部分を受け
入れる円弧状の凹部8pが形成されている。このような
ベース体8mに受けられたロックレバー4eは、前記レ
バー爪8cからの押圧力により開状態に挟持されて固定
され、これによりボビンケース4の全体の把持が行われ
るように構成されている。トランスファー機構7は以上
のように構成されている。
【0030】次に、上述のように構成された下糸自動供
給装置100及びこの下糸自動供給装置100を適用し
たトランスファー機構7の動作について説明する。先
ず、下糸自動供給装置100のカムフォロウピン29の
カム溝33内における位置を、図4に示される初期位置
にセットすると共に、ボビン5に巻き取るのに必要な下
糸46を、下糸供給手段たる糸巻き45より引き出し、
その糸端を糸案内孔31cを通して他方の平板31bに
形成されたV字状の切欠31dに掛け渡す(図4、図5
参照)。
【0031】装置の電源を投入すると、糸案内機構駆動
モータMRは図3における反時計回りに回転を始め、ス
プライン軸22は時計回りに回転を始める。スプライン
ナット24に連結されたカムフォロウピン29は、カム
溝33に規制されて図4に示される位置から図6に示さ
れる位置に移動する。この時、該糸捌き板30の糸端押
え板バネ部30fは、図5、図6に示されるように、コ
の字状部分31Aの他方の平板31bに対面する位置に
きており、従って下糸46の糸端側は、他方の平板31
bと糸端押え板バネ部30fとの間に挟持され、下糸4
6が平板31a,31bとの間に掛け渡された状態とな
って、待機状態となる。
【0032】一方、釜2内のボビンケース4に収容され
たボビン5の下糸が消費されると、図1の状態から駆動
モータ7fの作動によって回転筒7dが回転され、釜2
に対向した位置で停止する。次に、トランスファー機構
7のエアシリンダ7hの出力軸7iが図1の左側に向か
って前進され、ボビン把持手段8が、釜2側に近接して
いく。この時、ボビン把持手段8のレバー爪8cは、図
29のように開放状態に維持されており、その状態で側
板8aの先端縁部がボビンケース4の外表面に圧着され
る。
【0033】ボビン把持手段8がボビンケース4に圧着
された後、ボビン把持手段8のエアシリンダー8hによ
りレバー爪8cが閉方向(図29下側)に向かって回動
され、これによりボビンケース4のロックレバー4eが
開放される。すなわち開状態にあるレバー爪8cの先端
部が、閉位置にあるボビンケース4のロックレバー4e
の先端部から内側に入り込んでロックレバー4eを閉位
置から引き起こし開放させる。その開放されたロックレ
バー4eは、開位置においてボビン把持手段8のベース
体8mにより受けられ停止される。そしてこのロックレ
バー4eが開放された状態で、レバー爪8cによる押圧
力によりロックレバー4eがベース体8m側に押し付け
られて挟持され、その結果、ボビンケース4の全体がボ
ビン把持手段8に把持される。また、このようにロック
レバー4eが開放状態に維持されることにより、釜2に
対してボビンケース4が離脱可能な自由状態になされる
とともに、ボビン5がボビンケース4内から離脱しない
ように保持される。
【0034】次いで、トランスファー機構7のエアシリ
ンダ7hの出力軸7iが、図1の右側に向かって引き込
まれ、これにより釜2内からボビンケース4が引き抜か
れる。そして駆動モータ7fの作動によって回転筒7d
が回転され、該把持手段8により把持されたボビンケー
ス4は、下糸自動供給装置100のクラッチ盤17aに
対面するように位置される。そして、エアシリンダ7h
の出力軸7iが図1の左側に向かって前進され、把持さ
れているボビン5がクラッチ盤17aに押し当てられ
て、ボビン5とクラッチ盤17aとの結合がなされる。
この時点で、ボビンケース4の開口部4aの位置は、上
記回動レバー13が回動した際にその先端部13aが通
過し得る位置となっている。
【0035】この状態で、シリンダ36のシリンダヘッ
ド36aを、図3における上方に向かって移動させる
と、回動レバー13がピン34を支点として時計回りに
回動する。すると、その先端部13aが、図8、図9に
示されるように、上記の平板31a,31bとの間に掛
け渡された下糸46を捕捉し、さらに回動レバー13が
回動して、下糸を捕捉した先端部13aはボビンケース
4の開口部4aを通過し、その後ボビン軸5aの外周近
傍に達して停止する。この時、回動レバー13の回動に
より糸端側の糸をボビン軸5a側に引き込む力が働く
が、糸端側の糸は他方の平板31bと糸端押え板バネ部
30fとの間に挟持されており、この挟持力の方が糸端
側の糸をボビン軸5a側に引き込む力より勝っているの
で、糸巻き45からの下糸46が引き込まれることにな
る。
【0036】回動レバー13が停止したら、巻き取りモ
ータMCが回転を始め、クラッチ盤17aによりクラッ
チ軸17に連結されたボビン5も回転を始める。すると
ボビン5に形成された鍵状の糸掛け部材40が回転して
きて、回動レバー13の先端部13aの側板間に張り渡
されている下糸が捉えられる。この糸掛け部材40に引
っ掛けられた下糸は、ボビン5の回転に従って、糸掛け
部材40後方のV溝5b内に侵入してしていく。
【0037】ここで、上述のように、V溝5bは糸端側
の溝深さが下糸供給側のそれより深く形成されているの
で、図11に示されるように、糸端側の糸が供給側の糸
より必ず下側となって重ね合わされていき、この時生じ
る供給側の下糸による縛り力が糸端側の挟持力に勝っ
て、該糸端側の糸はボビンケース内に引き込まれる。そ
の後、ボビンケース内に引き込まれた糸端側の下糸もボ
ビン5の回転に従って供給側の下糸に押さえられ、該糸
端側の下糸を固定として下糸46がボビン5に巻回され
ていく。そして、予め設定された回転量に達したら、巻
き取りモータMCが停止し、ボビン5への下糸46の巻
回が終了して、図12、図13に示される状態となる。
【0038】このようにして、ボビン5への糸巻きが完
了したら、次いで、ボビンケース4の糸掛けが開始され
る。すなわち、糸案内機構駆動モータMRが待機前の回
転とは逆の回転を始め、カムフォロウピン29はカム溝
33に規制されて、図12に示される位置から図におけ
る上方に移動する。そして、カム溝33の図における下
側の分岐部に到達し、逆止案内弁32Aにその進路が規
制されて図における右斜め上方向にさらに進む。糸捌き
板30は該カムフォロウピン29に従って移動し、ボビ
ン5から導出されている下糸46は、他方の延在部分3
0cの内側面に引っ掛けられて、図14、図15に示さ
れるように、図における右方向に導出される。
【0039】カムフォロウピン29は、図14に示され
る位置からカム溝33に規制されて、今度は左斜め上方
向に移動し、カム溝33の図における上側の分岐部手前
に到達する。糸捌き板30はカムフォロウピン29に従
って移動し、ボビン5から右方向に導出されている下糸
46は、図16に示されるように糸捕捉溜り部30bに
捕捉されて、さらに右斜め上に向かって導出され、図1
7に示されるように、ボビンケース4とボビン5との間
に形成されている隙間を通って導出されるようになる。
【0040】カムフォロウピン29は、図16に示され
る位置からカム溝33に規制されて、図における上側の
分岐部を通過し、さらに図における上方に進む。糸捌き
板30は該カムフォロウピン29に従って移動し、ボビ
ンケース4とボビン5との間に形成されている隙間を通
って導出されている下糸46は、図18に示されるよう
に、糸捕捉溜り部30bに捕捉されたままさらに上方に
移動して、図19に示されるように、ボビンケース4に
形成されているスリット溝4bにうまく入り込む。
【0041】すると、糸案内機構駆動モータMRが逆回
転を始め、カムフォロウピン29は、図18に示される
位置からカム溝33に規制されて、図における上側の分
岐部に到達し、逆止案内弁32Bにその進路が規制され
て図における左斜め下方向にさらに進む。糸捌き板30
は該カムフォロウピン29に従って移動し、ボビン5か
らスリット溝4bを介して導出されている下糸46は、
図20に示されるように、糸捕捉溜り部30bに捕捉さ
れたままさらに左方に移動して、図22に示されるよう
に、ボビンケース4の下糸導出孔4cに到達してボビン
ケース4への糸掛けは終了する。
【0042】以降は下糸46の切断工程に入り、カムフ
ォロウピン29は、図20に示される位置からカム溝3
3に規制されて、図における右斜め下方向に進み、下側
の分岐部を通過して図における下側に向かう進路をと
る。糸捌き板30は該カムフォロウピン29に従って移
動し、ボビンケース4の下糸導出孔4cから導出されて
いる下糸46は、図21に示されるように、糸捕捉溜り
部30bに捕捉されたままさらに下方に移動して、糸案
内溝30dに捕捉される。
【0043】そして、カムフォロウピン29は、図21
に示される位置からカム溝33に規制されて、さらに図
における下方に進み、図6に示した待機位置に戻る。糸
捌き板30は該カムフォロウピン29に従って移動し、
糸捌き板30の糸端押え板バネ部30fが、コの字状部
分31Aの他方の平板31bに対面する位置に移動して
きて停止する。従って、ボビンケース4の下糸導出孔4
cから導出されている下糸46は、図23に示されるよ
うに、糸案内溝30dに捕捉されたままさらに下方に移
動して、他方の平板31bに形成されているV字状の切
欠31dに捕捉されて、下糸46が平板31a,31b
との間に掛け渡された状態となる(図5参照)。
【0044】この時、ボビンケース4の下糸導出孔4c
から導出されている下糸46は、図5に示されるよう
に、糸捌き板30の内周側に形成された可動刃30eの
図における真下を通り、糸案内溝30dの股部分にて折
り返されて糸捌き板30の外周側に導出された状態とな
っており、また可動刃30eが、図7に示されるよう
に、固定刃37の先端部に対向する位置に到達するの
で、この固定刃37の先端部と可動刃30eの間で供給
糸が自動的に切断される。
【0045】このようにして、ボビン5に巻回された下
糸46の切断が自動的になされた後、釜2内のボビンケ
ース4に収容されたボビン5の下糸が消費されると、ト
ランスファー機構7により、下糸の巻回されたボビン5
がボビンケース4ごと釜2に対向した位置に移動される
と共に、釜2内の下糸が消費されたボビン5がボビンケ
ース4ごと釜2から取り外されて移動され、下糸の巻回
されたボビン5がボビンケース4ごと釜2に装着される
と共に、下糸が消費されたボビン5がボビンケース4ご
と下糸自動供給装置100に装着される。これら回転、
前後進によるトランスファー機構7の一連の着脱動作
は、駆動モータ7f及びエアシリンダ7hの駆動により
なされる。以下、同様な動作を繰り返すことによって、
ボビン5への糸巻き及びボビンケース4の糸掛け並びに
ボビン5の交換が、適宜自動で行われる。
【0046】なお、上記下糸自動供給装置100におい
ては、糸案内機構駆動モータMRの駆動中、すなわちボ
ビンケース4の糸掛け動作中、巻き取りモータMCには
ボビンへ5の糸巻時より低い電力が供給されて、低速回
転をしようとし、糸を巻き込む力が生じている。従っ
て、下糸46の張力が一定に保たれるようになってい
る。
【0047】このように、本実施例においては、糸巻き
45から供給された下糸46を、ボビン5が内蔵された
ボビンケース4の開口部4aの外方で、且つボビン軸5
aの軸心方向に沿って張り渡し保持可能なコの字状部分
31Aと、このコの字状部分31Aにより張り渡された
下糸46を、ボビンケース4の開口部4aを介挿してボ
ビン軸5aの外周近傍まで挿入する回動レバー13と、
ボビン軸5aの外周にV溝5b及び外方に突出する鍵状
の糸掛け部材40がそれぞれ形成され、該糸掛け部材4
0後方の糸端側の溝深さが下糸供給側のそれより深く形
成されたボビン5と、このボビン5に回転を付与する巻
き取りモータMCと、ボビンケース4の外周及びボビン
軸5aの軸心方向に沿って回転可能で、且つボビンケー
ス4の下糸装着経路に応じて移動可能な糸案内機構30
(22,24,26,27,29,33)と、この糸案
内機構30に回転を付与する可逆回転可能な糸案内機構
駆動モータMRとを備えるようにしているので、従来の
ボビン5に僅かな変更を加えるだけで、ボビン5への糸
巻き及びボビンケース4の糸掛けを自動的にできるよう
になっている。また、縫い品質を従来と変わらずに良好
に維持することも可能となっている。
【0048】また、上述の如く、ボビン5に僅かな変更
を加えるだけであり、しかも下糸自動供給装置100は
簡易な構成であるので、低コスト化を図ることも可能と
なっている。
【0049】また、ボビンケース4の糸掛け動作中、巻
き取りモータMCにはボビン5への糸巻時より低い電力
を供給するようにしているので、下糸46の張力が一定
に保たれるようになっており、従ってボビンケース4の
糸掛けを、極めて良好に行うことが可能となっている。
【0050】さらにまた、ボビンケース4への糸掛けを
終了した時点で、移動してきた可動刃30eと対向する
固定刃37との間で供給糸を分離するようにしているの
で、簡易な構成で自動的に下糸切断を行うことも可能と
なっている。
【0051】図25は本発明の他の実施例を示す下糸自
動供給装置100に用いられるボビン15の正面図、図
26は図25のA−A矢示図、図27は図26のB−B
矢示図、図28は図26のC−C矢示図である。この実
施例のボビン15にあっては、ボビン軸15aの外周に
周方向に沿うV字状の環状のV溝15bが切り欠かれて
いると共に、このV溝15b内に外方に突出する鍵状の
糸掛け部材40が形成されているという点は、先の実施
例と同様であるが、糸掛け部材40の回転時の後方とな
るV溝15b内に凹部を形成し、この凹部内に小ピン1
5eを嵌合固定した点が、先の実施例と異なっている。
【0052】ここで、小ピン15eの上面には、段差を
有する溝が形成されており、この段差は、先の実施例と
同様に、糸端側(図28における左側)の溝深さが下糸
供給側(図28における右側)のそれより深くなるよう
形成されている。このように構成しても、糸掛け部材4
0に引っ掛けられた下糸は、ボビン15の回転に従っ
て、糸掛け部材40後方の小ピン15eの段差溝内に侵
入して行き、糸端側の糸が供給側の糸より必ず下側とな
って重ね合わされていくので、先の実施例と同様な動作
となり、先の実施例と同様な効果を得ることができると
いうのはいうまでもなく、しかも先の実施例のように、
ボビン軸に直接段差溝を形成しているのではないので、
加工が容易になされるというさらなる利点がある。
【0053】以上本発明者によってなされた発明を各実
施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記各実施
例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範
囲で種々変形可能であるというのはいうまでもない。
【0054】
【発明の効果】以上述べたように第1発明の下糸自動供
給装置によれば、下糸供給手段から供給された下糸を、
ボビンが内蔵されたボビンケースの開口部の外方で、且
つボビン軸の軸心方向に沿って張り渡し、この張り渡さ
れた下糸を、前記ボビンケースの開口部を介挿して前記
ボビン軸の外周近傍まで挿入する手段と、ボビン軸の外
周に環状溝及び外方に突出する鍵状の糸掛け部材がそれ
ぞれ形成され、該糸掛け部材後方の糸端側の溝深さが下
糸供給側のそれより深く形成されたボビンと、このボビ
ンに回転を付与する巻き取りモータと、前記ボビンケー
スの下糸装着経路に応じて、下糸の移動を行わせる糸案
内機構と、を備えており、さらに第2発明の下糸自動供
給装置によれば、下糸供給手段から供給された下糸を、
ボビンが内蔵されたボビンケースの開口部の外方で、且
つボビン軸の軸心方向に沿って張り渡し保持可能な下糸
張り渡し部材と、この下糸張り渡し部材により張り渡さ
れた下糸を、前記ボビンケースの開口部を介挿して前記
ボビン軸の外周近傍まで挿入する腕部材と、ボビン軸の
外周に環状溝及び外方に突出する鍵状の糸掛け部材がそ
れぞれ形成され、該糸掛け部材後方の糸端側の溝深さが
下糸供給側のそれより深く形成されたボビンと、このボ
ビンに回転を付与する巻き取りモータと、前記ボビンケ
ースの外周及び前記ボビン軸の軸心方向に沿って回転可
能で、且つ前記ボビンケースの下糸装着経路に応じて移
動可能な糸案内機構と、この糸案内機構に回転を付与す
る可逆回転可能な糸案内機構駆動モータとを備えるよう
にしたので、従来のボビンに僅かな変更を加えるだけで
ボビンへの糸巻き及びボビンケースの糸掛けを自動的に
できるようになる。また、縫い品質を従来と変わらずに
良好に維持することも可能である。また、上述の如く、
ボビンに僅かな変更を加えるだけであり、しかも装置全
体が簡易な構成であることから、低コスト化を図ること
も可能である。また、第3発明の下糸自動供給装置によ
れば、糸案内機構の動作中、巻き取りモータにはボビン
への糸巻時より低い電力を供給し、それにより低速回転
をしようとし、糸を巻き込む力が生じているので、下糸
の張力が、糸案内機構の動作中常に一定に保たれるよう
になり、従ってボビンケースの糸掛けを、第1発明及び
第2発明よりさらに良好に行うことが可能である。ま
た、第4発明の下糸自動供給装置によれば、ボビンケー
スへの糸掛けを終了した時点で、移動してきた可動刃と
対向する固定刃との間で供給糸を分離するようにしてい
るので、簡易な構成で自動的に下糸切断を行うことも可
能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す下糸自動供給装置及び
この下糸自動供給装置を適用したボビン交換装置の横断
面図である。
【図2】図1中の下糸自動供給装置を拡大して表した横
断面図である。
【図3】図2のX−X矢示図である。
【図4】図2の円筒状溝カム及びボビンケース並びに糸
捌き板を平面に展開して表した図である。
【図5】供給糸の糸端の挟持状態を表したコの字状部材
及び糸端押え板バネ部の拡大斜視図である。
【図6】供給糸の糸端の挟持状態を表した円筒状溝カム
及びボビンケース並びに糸捌き板の平面展開図である。
【図7】供給側の糸とボビンに巻回された糸とを分離す
る切断機構を表した図3の要部抽出図である。
【図8】下糸張り渡し部材により張り渡された下糸をボ
ビン軸の外周近傍まで挿入する腕部材の動作を表した図
3の模式図である。
【図9】図8の横断面図である。
【図10】ボビンの環状溝及び糸掛け部材を表したボビ
ンの要部拡大図。
【図11】糸掛け部材に供給糸が糸掛けされた状態を表
した図10の側面図である。
【図12】ボビンへの糸巻きが完了した時点における円
筒状溝カム及びボビンケース並びに糸捌き板の平面展開
図である。
【図13】図12の状態における巻回された下糸とボビ
ンケースとの関係を表したボビンケースの斜視図であ
る。
【図14】図12の糸捌き板を移動させた状態を表した
円筒状溝カム及びボビンケース並びに糸捌き板の平面展
開図である。
【図15】図14の状態における巻回された下糸とボビ
ンケースとの関係を表したボビンケースの斜視図であ
る。
【図16】図14の糸捌き板をさらに移動させた状態を
表した円筒状溝カム及びボビンケース並びに糸捌き板の
平面展開図である。
【図17】図16の状態における巻回された下糸とボビ
ンケースとの関係を表したボビンケースの斜視図であ
る。
【図18】図16の糸捌き板をさらに移動させた状態を
表した円筒状溝カム及びボビンケース並びに糸捌き板の
平面展開図である。
【図19】図18の状態における巻回された下糸とボビ
ンケースとの関係を表したボビンケースの斜視図であ
る。
【図20】図18の糸捌き板をさらに移動させた状態を
表した円筒状溝カム及びボビンケース並びに糸捌き板の
平面展開図である。
【図21】図20の糸捌き板をさらに移動させた状態を
表した円筒状溝カム及びボビンケース並びに糸捌き板の
平面展開図である。
【図22】図20、図21の状態における巻回された下
糸とボビンケースとの関係を表したボビンケースの斜視
図である。
【図23】図21の糸捌き板をさらに移動させた時点に
おける糸切り動作を表した円筒状溝カム及びボビンケー
ス並びに糸捌き板の平面展開図である。
【図24】図23の状態における巻回された下糸とボビ
ンケースとの関係を表したボビンケースの斜視図であ
る。
【図25】本発明の他の実施例を示す下糸自動供給装置
に用いられるボビンの正面図である。
【図26】図25のA−A矢示図である。
【図27】図26のB−B矢示図である。
【図28】図26のC−C矢示図である。
【図29】図1中のボビン交換装置に用いられているボ
ビン把持手段の構成を表した部分拡大側面図である。
【図30】図29に表されたボビン把持手段の構成を表
した部分拡大背面図である。
【図31】図29に表されたボビン把持手段の動作を表
した図30中のZ−Z線に沿う部分拡大縦断面図であ
る。
【符号の説明】
4 ボビンケース 4a ボビンケースの開口部 5,15 ボビン 5a,15a ボビン軸 5b,15b 環状溝 5c 糸端側の溝 5d 下糸供給側の溝 13 腕部材 30(22,24,26,27,29,33) 糸案内
機構 30e 可動刃 31A 下糸張り渡し部材 37 固定刃 40 糸掛け部材 45 下糸供給手段 46 下糸 100 糸自動供給装置 MC 巻き取りモータ MR 糸案内機構駆動モータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 正行 東京都調布市国領町8丁目2番地の1 ジ ューキ株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下糸供給手段から供給された下糸を、ボ
    ビンが内蔵されたボビンケースの開口部の外方で、且つ
    ボビン軸の軸心方向に沿って張り渡し、この張り渡され
    た下糸を、前記ボビンケースの開口部を介挿して前記ボ
    ビン軸の外周近傍まで挿入する手段と、 ボビン軸の外周に環状溝及び外方に突出する鍵状の糸掛
    け部材がそれぞれ形成され、該糸掛け部材後方の糸端側
    の溝深さが下糸供給側のそれより深く形成されたボビン
    と、 このボビンに回転を付与する巻き取りモータと、 前記ボビンケースの下糸装着経路に応じて、下糸の移動
    を行わせる糸案内機構と、を備えてなる下糸自動供給装
    置。
  2. 【請求項2】 下糸供給手段から供給された下糸を、ボ
    ビンが内蔵されたボビンケースの開口部の外方で、且つ
    ボビン軸の軸心方向に沿って張り渡し保持可能な下糸張
    り渡し部材と、 この下糸張り渡し部材により張り渡された下糸を、前記
    ボビンケースの開口部を介挿して前記ボビン軸の外周近
    傍まで挿入する腕部材と、 ボビン軸の外周に環状溝及び外方に突出する鍵状の糸掛
    け部材がそれぞれ形成され、該糸掛け部材後方の糸端側
    の溝深さが下糸供給側のそれより深く形成されたボビン
    と、 このボビンに回転を付与する巻き取りモータと、 前記ボビンケースの外周及び前記ボビン軸の軸心方向に
    沿って回転可能で、且つ前記ボビンケースの下糸装着経
    路に応じて移動可能な糸案内機構と、 この糸案内機構に回転を付与する可逆回転可能な糸案内
    機構駆動モータと、を備えてなる下糸自動供給装置。
  3. 【請求項3】 前記糸案内機構の動作中、前記巻き取り
    モータに糸巻時より低い電力を供給することを特徴とす
    る請求項1または2記載の下糸自動供給装置。
  4. 【請求項4】 前記糸案内機構には、ボビンケースへの
    糸掛けを終了した時点で対向する固定刃との間で供給糸
    を自動的に分離する可動刃が設けられていることを特徴
    とする請求項1または2記載の下糸自動供給装置。
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