JPH07316698A - 高硬度および高強度を有する耐食性窒化物分散型Ni基合金 - Google Patents
高硬度および高強度を有する耐食性窒化物分散型Ni基合金Info
- Publication number
- JPH07316698A JPH07316698A JP10411294A JP10411294A JPH07316698A JP H07316698 A JPH07316698 A JP H07316698A JP 10411294 A JP10411294 A JP 10411294A JP 10411294 A JP10411294 A JP 10411294A JP H07316698 A JPH07316698 A JP H07316698A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- corrosion
- content
- strength
- less
- high hardness
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 高硬度および高強度を有する耐食性窒化物分
散型Ni基合金を提供する。 【構成】 Ni基合金が、重量%で、Cr:15〜35
%、Mo:6〜24%、Ta:1.0〜8%、N:0.
05〜0.3%、Si:0.3%以下、Co:0.1〜
5%、V:0.1〜0.5%を含有し、さらに、必要に
応じて、Fe:0.5〜6%、Mn:0.5〜3%、
B:0.001〜0.1%、Zr:0.001〜0.1
%、Ca:0.001〜0.01%、Nb:0.1〜1
%、W:0.1〜4%及びCu:0.1〜4%のうちの
1種または2種以上を含有し、残りがNiおよび不可避
不純物からなることを特徴とする高硬度および高強度を
有する耐食性窒化物分散型Ni基合金からなる。
散型Ni基合金を提供する。 【構成】 Ni基合金が、重量%で、Cr:15〜35
%、Mo:6〜24%、Ta:1.0〜8%、N:0.
05〜0.3%、Si:0.3%以下、Co:0.1〜
5%、V:0.1〜0.5%を含有し、さらに、必要に
応じて、Fe:0.5〜6%、Mn:0.5〜3%、
B:0.001〜0.1%、Zr:0.001〜0.1
%、Ca:0.001〜0.01%、Nb:0.1〜1
%、W:0.1〜4%及びCu:0.1〜4%のうちの
1種または2種以上を含有し、残りがNiおよび不可避
不純物からなることを特徴とする高硬度および高強度を
有する耐食性窒化物分散型Ni基合金からなる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高硬度および高強度
を有する耐食性に優れたNi基合金に関するものであ
る。
を有する耐食性に優れたNi基合金に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来の技術としては、特公平2−571
39号公報に記載されている様なNi基合金を初め、そ
の他多くの耐食性Ni基合金が知られている。
39号公報に記載されている様なNi基合金を初め、そ
の他多くの耐食性Ni基合金が知られている。
【0003】しかし、近年、上記の耐食性Ni基合金が
利用される産業分野においても、省エネルギー化への要
請は強く、より多様化した過酷な条件下での使用が広が
っており、高硬度で耐摩耗性に優れ、また同時に高強度
を有し、さらに例えば連続電気めっき装置の構造部材で
あるコンダクターロール等に使用された場合にも、優れ
た耐食性を示すNi基合金の開発が望まれている。しか
し上記の従来のNi基合金では、前記特性のうちの、い
ずれかの特性を満足するものがないため、これに充分に
対応することが出来ないのが現状である。
利用される産業分野においても、省エネルギー化への要
請は強く、より多様化した過酷な条件下での使用が広が
っており、高硬度で耐摩耗性に優れ、また同時に高強度
を有し、さらに例えば連続電気めっき装置の構造部材で
あるコンダクターロール等に使用された場合にも、優れ
た耐食性を示すNi基合金の開発が望まれている。しか
し上記の従来のNi基合金では、前記特性のうちの、い
ずれかの特性を満足するものがないため、これに充分に
対応することが出来ないのが現状である。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述の観点から、高硬度と高強度を具備し、かつ優れた
耐食性をも合せ持つNi基合金を開発すべく研究を行っ
た結果、Ni基合金を、重量%(以下、%は重量%を示
す)でCr:15〜35%、Mo:6〜24%、Ta:
1.0〜8%、N:0.05〜0.3%、Si:0.3
%以下、Co:0.1〜5%、V:0.1〜0.5%を
含有し、さらに必要に応じて、Fe:0.5〜6%、M
n:0.5〜3%、B:0.001〜0.1%、Zr:
0.001〜0.1%およびCa:0.001〜0.0
1%、Nb:0.1〜1%、W:0.1〜4%及びC
u:0.1〜4%のうちの1種または2種以上を含有
し、残りがNiおよび不可避不純物から構成すると、こ
のNi基合金は熱処理により、高硬度の窒化物が素地中
に微細に分散析出した組織を有するもので構成すると、
この結果のNi基合金は、前記の分散析出した窒化物に
より、高硬度と共に高強度を具備する様になりまたこの
分散窒化物は腐食環境下で耐食性を低下させることがな
いため、高硬度および高強度を有する耐食性に優れたN
i基合金になり得るとの知見を得たのである。
上述の観点から、高硬度と高強度を具備し、かつ優れた
耐食性をも合せ持つNi基合金を開発すべく研究を行っ
た結果、Ni基合金を、重量%(以下、%は重量%を示
す)でCr:15〜35%、Mo:6〜24%、Ta:
1.0〜8%、N:0.05〜0.3%、Si:0.3
%以下、Co:0.1〜5%、V:0.1〜0.5%を
含有し、さらに必要に応じて、Fe:0.5〜6%、M
n:0.5〜3%、B:0.001〜0.1%、Zr:
0.001〜0.1%およびCa:0.001〜0.0
1%、Nb:0.1〜1%、W:0.1〜4%及びC
u:0.1〜4%のうちの1種または2種以上を含有
し、残りがNiおよび不可避不純物から構成すると、こ
のNi基合金は熱処理により、高硬度の窒化物が素地中
に微細に分散析出した組織を有するもので構成すると、
この結果のNi基合金は、前記の分散析出した窒化物に
より、高硬度と共に高強度を具備する様になりまたこの
分散窒化物は腐食環境下で耐食性を低下させることがな
いため、高硬度および高強度を有する耐食性に優れたN
i基合金になり得るとの知見を得たのである。
【0005】この発明は、かかる知見にもとづいてなさ
れたものであって、Cr:15〜35%、Mo:6〜2
4%、Ta:1.0〜8%、N:0.05〜0.3%、
Si:0.3%以下、Co:0.1〜5%、V:0.1
〜0.5%さらに必要に応じて、Fe:0.5〜6%、
Mn:0.5〜3%、B:0.001〜0.1%、Z
r:0.001〜0.1%、Ca:0.001〜0.0
1%、Nb:0.1〜1%、W:0.1〜4%、及びC
u:0.1〜4%のうちの1種または2種以上を含有
し、残りがNiおよび不可避不純物からなる高硬度およ
び高強度を有する耐食性窒化物分散型Ni基合金に特徴
を有するものである。
れたものであって、Cr:15〜35%、Mo:6〜2
4%、Ta:1.0〜8%、N:0.05〜0.3%、
Si:0.3%以下、Co:0.1〜5%、V:0.1
〜0.5%さらに必要に応じて、Fe:0.5〜6%、
Mn:0.5〜3%、B:0.001〜0.1%、Z
r:0.001〜0.1%、Ca:0.001〜0.0
1%、Nb:0.1〜1%、W:0.1〜4%、及びC
u:0.1〜4%のうちの1種または2種以上を含有
し、残りがNiおよび不可避不純物からなる高硬度およ
び高強度を有する耐食性窒化物分散型Ni基合金に特徴
を有するものである。
【0006】この発明のNi基合金の成分組成を上記の
範囲に限定した理由を説明する。
範囲に限定した理由を説明する。
【0007】(a)Cr Cr成分には、素地に固溶して耐食性を向上させると同
時に、素地に微細に分散した窒化物(Cr2 N)を形成
し、硬さおよび強度を高める作用があり、この窒化物は
耐食性を低下せしめることがないが、その含有量が15
%未満では、上記所望の作用効果が得られず、一方その
含有量が35%を越えると、強度を低下させることか
ら、その含有量を15〜35%、望ましくは、17〜2
2%に定めた。
時に、素地に微細に分散した窒化物(Cr2 N)を形成
し、硬さおよび強度を高める作用があり、この窒化物は
耐食性を低下せしめることがないが、その含有量が15
%未満では、上記所望の作用効果が得られず、一方その
含有量が35%を越えると、強度を低下させることか
ら、その含有量を15〜35%、望ましくは、17〜2
2%に定めた。
【0008】(b)Mo Mo成分には、素地に固溶して耐食性を向上させる作用
があるが、その含有量が6%未満では、上記所望の作用
効果が得られず、一方その含有量が24%を越えると、
熱間加工性を著しく低下させることから、その含有量を
6〜24%、望ましくは19〜21%に定めた。
があるが、その含有量が6%未満では、上記所望の作用
効果が得られず、一方その含有量が24%を越えると、
熱間加工性を著しく低下させることから、その含有量を
6〜24%、望ましくは19〜21%に定めた。
【0009】(c)Ta Ta成分には、素地に固溶して、腐食環境下で、素地表
面に、ち密な不働態酸化物皮膜を生成促進させ、耐食性
を一段と向上させる作用があり、又窒化物(TaN)を
形成し、硬さおよび強度を高める作用があるが、その含
有量が1.0%未満では、上記所望の作用効果が得られ
ず、一方その含有量が8%を越えると、熱間加工性を著
しく低下させることから、その含有量を1.0〜8%、
望ましくは1.1〜3.5%に定めた。
面に、ち密な不働態酸化物皮膜を生成促進させ、耐食性
を一段と向上させる作用があり、又窒化物(TaN)を
形成し、硬さおよび強度を高める作用があるが、その含
有量が1.0%未満では、上記所望の作用効果が得られ
ず、一方その含有量が8%を越えると、熱間加工性を著
しく低下させることから、その含有量を1.0〜8%、
望ましくは1.1〜3.5%に定めた。
【0010】(d)N N成分を、一定量以上添加すると、CrやTaと反応
し、微細に分散するCr 2 NおよびTaN相の窒化物を
形成して、合金の硬さおよび強度を著しく向上させる作
用があるが、その含有量が0.05%未満では、上記所
望の作用効果が得られず、一方その含有量が0.3%を
越えると、粗大な窒化物が析出するようになり、熱間加
工性を著しく低下させることから、その含有量を0.0
5〜0.3%、望ましくは0.1〜0.2%に定めた。
し、微細に分散するCr 2 NおよびTaN相の窒化物を
形成して、合金の硬さおよび強度を著しく向上させる作
用があるが、その含有量が0.05%未満では、上記所
望の作用効果が得られず、一方その含有量が0.3%を
越えると、粗大な窒化物が析出するようになり、熱間加
工性を著しく低下させることから、その含有量を0.0
5〜0.3%、望ましくは0.1〜0.2%に定めた。
【0011】(e)Si Si成分は、溶湯の脱酸のために不可欠であるが、その
含有量が0.3%を越えると、熱間加工性を低下させる
ため、その含有量を0.3%以下、望ましくは0.1%
以下に定めた。
含有量が0.3%を越えると、熱間加工性を低下させる
ため、その含有量を0.3%以下、望ましくは0.1%
以下に定めた。
【0012】(f)CoおよびV これらの成分には、素地に固溶して、素地の硬度を高め
耐摩耗性を向上させる作用があるので、さらに優れた硬
度および耐摩耗性が要求される場合に含有されるが、そ
の含有量がCo:0.1%未満、V:0.1%未満で
は、上記の作用効果が得られず、一方その含有量がCo
で5%を越え、Vで0.5%を越えると熱間加工性が悪
くなるのでその含有量をCo:0.1〜5%、V:0.
1〜0.5%、望ましくはCo:0.5〜4%、V:
0.2〜0.45%に定めた。
耐摩耗性を向上させる作用があるので、さらに優れた硬
度および耐摩耗性が要求される場合に含有されるが、そ
の含有量がCo:0.1%未満、V:0.1%未満で
は、上記の作用効果が得られず、一方その含有量がCo
で5%を越え、Vで0.5%を越えると熱間加工性が悪
くなるのでその含有量をCo:0.1〜5%、V:0.
1〜0.5%、望ましくはCo:0.5〜4%、V:
0.2〜0.45%に定めた。
【0013】(g)Fe,Mn,B,Zr及びCa これら成分には、熱間加工性を向上させる作用があるの
で、さらに優れた熱間加工性が要求される場合に、添加
含有せしめるが、その含有量が、Fe:0.5%未満、
Mn:0.5%及びB,Zr及びCaのそれぞれ:0.
001%未満の場合、上記所望の作用効果が得られず、
一方その含有量が、Feで6%を越え、Mnで3%を越
え、Bで0.1%を越え、Zrで0.1%を越え、Ca
で0.01%を越えると逆に、熱間加工性劣化の傾向が
現われるようになることから好ましくない。したがっ
て、Fe,Mn,B,ZrおよびCaの中から選ばれる
元素のうちの1種または2種以上の含有量は、Fe:
0.5〜6%、Mn:0.5〜3%、B:0.001〜
0.1%、Zr:0.001〜0.1%、Ca:0.0
01〜0.01%、望ましくは、Fe:0.6〜4%、
Mn:0.6〜1%、B:0.002〜0.08%、Z
r:0.002〜0.08%、Ca:0.002〜0.
008%に定めた。
で、さらに優れた熱間加工性が要求される場合に、添加
含有せしめるが、その含有量が、Fe:0.5%未満、
Mn:0.5%及びB,Zr及びCaのそれぞれ:0.
001%未満の場合、上記所望の作用効果が得られず、
一方その含有量が、Feで6%を越え、Mnで3%を越
え、Bで0.1%を越え、Zrで0.1%を越え、Ca
で0.01%を越えると逆に、熱間加工性劣化の傾向が
現われるようになることから好ましくない。したがっ
て、Fe,Mn,B,ZrおよびCaの中から選ばれる
元素のうちの1種または2種以上の含有量は、Fe:
0.5〜6%、Mn:0.5〜3%、B:0.001〜
0.1%、Zr:0.001〜0.1%、Ca:0.0
01〜0.01%、望ましくは、Fe:0.6〜4%、
Mn:0.6〜1%、B:0.002〜0.08%、Z
r:0.002〜0.08%、Ca:0.002〜0.
008%に定めた。
【0014】(h)Nb,W及びCu これら成分には、耐食性を一段と改善させる作用がある
が、その含有量がNb:0.1%未満、W:0.1%未
満及びCu:0.1%未満では、上記作用効果が得られ
ず、一方その含有量がNbで1%を越え、Wで4%を越
え、Cuで4%を越えると加工性が低下するので好まし
くない。したがって、Nb,WおよびCuの中から選ば
れる元素のうちの1種または2種以上の含有量を、N
b:0.1〜1%、W:0.1〜4%及びCu:0.1
〜4%、望ましくはNb:0.2〜0.5%、W:0.
2〜1%及びCu:0.2〜1%に定めた。
が、その含有量がNb:0.1%未満、W:0.1%未
満及びCu:0.1%未満では、上記作用効果が得られ
ず、一方その含有量がNbで1%を越え、Wで4%を越
え、Cuで4%を越えると加工性が低下するので好まし
くない。したがって、Nb,WおよびCuの中から選ば
れる元素のうちの1種または2種以上の含有量を、N
b:0.1〜1%、W:0.1〜4%及びCu:0.1
〜4%、望ましくはNb:0.2〜0.5%、W:0.
2〜1%及びCu:0.2〜1%に定めた。
【0015】(i)不可避不純物 不純物のうち、Cで0.1%を越え、Sで0.01%を
越え、またPで0.03%を越えると、熱間加工性を著
しく低下させるため、その含有量をC:0.1%以下、
S:0.01%以下またP:0.03%以下に抑えた。
越え、またPで0.03%を越えると、熱間加工性を著
しく低下させるため、その含有量をC:0.1%以下、
S:0.01%以下またP:0.03%以下に抑えた。
【0016】
【実施例】ついで、本発明Ni基合金の内容について、
実施例にもとづいて具体的に説明する。通常の高周波溶
解炉を用い、アルゴン雰囲気中で所定組成の合金溶湯を
調整した後、金型に鋳造し、表1〜2に示される成分組
成を有し、厚さ:8.5mmのインゴットを作製し、こ
のインゴットを1000〜1230℃の範囲内の所定の
温度に加熱し、この温度に保持しながら、まづ1回目の
熱間圧延加工で8.2mm厚さに減少させ、以下、1回
の熱間圧延で0.2〜0.5mmの厚さを減少させつつ
最終的に厚さ:3mmとし、圧延中の割れの有無を観察
し、割れのないものについて、1220〜1250℃の
範囲内の所定の温度で、1時間保持後、水冷し引き続い
て900〜1100℃の範囲内の温度に30分間保持の
条件で熱処理を施して、素地中に微細均一に窒化物を分
散析出させることにより、表1〜4に示す本発明Ni基
合金1〜60、比較Ni基合金1〜13を作製した。
実施例にもとづいて具体的に説明する。通常の高周波溶
解炉を用い、アルゴン雰囲気中で所定組成の合金溶湯を
調整した後、金型に鋳造し、表1〜2に示される成分組
成を有し、厚さ:8.5mmのインゴットを作製し、こ
のインゴットを1000〜1230℃の範囲内の所定の
温度に加熱し、この温度に保持しながら、まづ1回目の
熱間圧延加工で8.2mm厚さに減少させ、以下、1回
の熱間圧延で0.2〜0.5mmの厚さを減少させつつ
最終的に厚さ:3mmとし、圧延中の割れの有無を観察
し、割れのないものについて、1220〜1250℃の
範囲内の所定の温度で、1時間保持後、水冷し引き続い
て900〜1100℃の範囲内の温度に30分間保持の
条件で熱処理を施して、素地中に微細均一に窒化物を分
散析出させることにより、表1〜4に示す本発明Ni基
合金1〜60、比較Ni基合金1〜13を作製した。
【0017】つぎに、上記本発明Ni基合金1〜60お
よび比較Ni基合金1〜13について、硬度また強度を
評価する目的で引張り強さを測定し、さらに耐食性を評
価する目的で、15×15×3mmの寸法をもった試験
片を用い、10%H2 SO4沸騰水溶液、65%HNO
3 沸騰水溶液および3%HCl沸騰水溶液にそれぞれ2
4時間浸漬の腐食試験を行い、この腐食試験結果に基づ
いて腐食速度を算出した。これらの結果を表5〜7に示
した。
よび比較Ni基合金1〜13について、硬度また強度を
評価する目的で引張り強さを測定し、さらに耐食性を評
価する目的で、15×15×3mmの寸法をもった試験
片を用い、10%H2 SO4沸騰水溶液、65%HNO
3 沸騰水溶液および3%HCl沸騰水溶液にそれぞれ2
4時間浸漬の腐食試験を行い、この腐食試験結果に基づ
いて腐食速度を算出した。これらの結果を表5〜7に示
した。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】
【表3】
【0021】
【表4】
【0022】
【表5】
【0023】
【表6】
【0024】
【表7】
【0025】
【発明の効果】表5〜7に示される結果から、本発明N
i基合金1〜60は、いずれも高硬度、高強度及び優れ
た耐食性を有するのに対して、比較Ni基合金1〜13
は構成成分のうちのいずれかの成分含有量が本発明範囲
から外れており(表7に*印を付す)、前記特性のうち
少なくとも、いずれかの特性が劣ることが明らかであ
る。以上の様に、この発明のNi基合金は、高硬度およ
び高強度を有し、かつ優れた耐食性を有するので、例え
ば、連続電気めっき装置の構造部材であるコンダクター
ロール等の他、化学プラント、ボイラー等の排煙脱硫装
置および半導体装置などの構造部材、食品加工および医
療用器具、さらに海水などに晒される各種刃物や手工具
部材等として適用した場合、過酷な条件下での実用に際
しても、長期に亘って優れた性能を発揮するものであ
る。
i基合金1〜60は、いずれも高硬度、高強度及び優れ
た耐食性を有するのに対して、比較Ni基合金1〜13
は構成成分のうちのいずれかの成分含有量が本発明範囲
から外れており(表7に*印を付す)、前記特性のうち
少なくとも、いずれかの特性が劣ることが明らかであ
る。以上の様に、この発明のNi基合金は、高硬度およ
び高強度を有し、かつ優れた耐食性を有するので、例え
ば、連続電気めっき装置の構造部材であるコンダクター
ロール等の他、化学プラント、ボイラー等の排煙脱硫装
置および半導体装置などの構造部材、食品加工および医
療用器具、さらに海水などに晒される各種刃物や手工具
部材等として適用した場合、過酷な条件下での実用に際
しても、長期に亘って優れた性能を発揮するものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 豊蔵 康司 埼玉県大宮市北袋町1−297 三菱マテリ アル株式会社中央研究所内
Claims (4)
- 【請求項1】 重量%で、 Cr:15〜35%、Mo:6〜24%、Ta:1.0
〜8%、N:0.05〜0.3%、Si:0.3%以
下、Co:0.1〜5%、V:0.1〜0.5%を含有
し、残りがNiおよび不可避不純物からなることを特徴
とする高硬度および高強度を有する耐食性窒化物分散型
Ni基合金。 - 【請求項2】 重量%で、 Cr:15〜35%、Mo:6〜24%、Ta:1.0
〜8%、N:0.05〜0.3%、Si:0.3%以
下、Co:0.1〜5%、V:0.1〜0.5%を含有
し、さらにFe:0.5〜6%、Mn:0.5〜3%、
B:0.001〜0.1%、Zr:0.001〜0.1
%およびCa:0.001〜0.01%のうちの1種ま
たは2種以上を含有し、残りがNiおよび不可避不純物
からなることを特徴とする高硬度および高強度を有する
耐食性窒化物分散型Ni基合金。 - 【請求項3】 重量%で、 Cr:15〜35%、Mo:6〜24%、Ta:1.0
〜8%、N:0.05〜0.3%、Si:0.3%以
下、Co:0.1〜5%、V:0.1〜0.5%を含有
し、さらにNb:0.1〜1%、W:0.1〜4%及び
Cu:0.1〜4%のうちの1種または2種以上を含有
し、残りがNiおよび不可避不純物からなることを特徴
とする高硬度および高強度を有する耐食性窒化物分散型
Ni基合金。 - 【請求項4】 重量%で、 Cr:15〜35%、Mo:6〜24%、Ta:1.0
〜8%、N:0.05〜0.3%、Si:0.3%以
下、Co:0.1〜5%、V:0.1〜0.5%を含有
し、 Fe:0.5〜6%、Mn:3%以下、B:0.001
〜0.1%、Zr:0.001〜0.1%およびCa:
0.001〜0.01%のうちの1種または2種以上を
含有し、さらにNb:0.1〜1%、W:0.1〜4%
及びCu:0.1〜4%のうちの1種または2種以上を
含有し、残りがNiおよび不可避不純物からなることを
特徴とする高硬度および高強度を有する耐食性窒化物分
散型Ni基合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10411294A JPH07316698A (ja) | 1994-05-18 | 1994-05-18 | 高硬度および高強度を有する耐食性窒化物分散型Ni基合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10411294A JPH07316698A (ja) | 1994-05-18 | 1994-05-18 | 高硬度および高強度を有する耐食性窒化物分散型Ni基合金 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07316698A true JPH07316698A (ja) | 1995-12-05 |
Family
ID=14372050
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10411294A Withdrawn JPH07316698A (ja) | 1994-05-18 | 1994-05-18 | 高硬度および高強度を有する耐食性窒化物分散型Ni基合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07316698A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20200377974A1 (en) * | 2019-05-28 | 2020-12-03 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Nickel-base alloy welding material, welding material for nuclear reactor, nuclear power apparatus and nuclear power structure, and method of repairing nuclear power apparatus and nuclear power structure |
-
1994
- 1994-05-18 JP JP10411294A patent/JPH07316698A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20200377974A1 (en) * | 2019-05-28 | 2020-12-03 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Nickel-base alloy welding material, welding material for nuclear reactor, nuclear power apparatus and nuclear power structure, and method of repairing nuclear power apparatus and nuclear power structure |
US11732332B2 (en) * | 2019-05-28 | 2023-08-22 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Nickel-base alloy welding material, welding material for nuclear reactor, nuclear power apparatus and nuclear power structure, and method of repairing nuclear power apparatus and nuclear power structure |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP1512767A1 (en) | Age-hardenable, corrosion resistant Ni-Cr-Mo alloys | |
WO2012026354A1 (ja) | Co基合金 | |
JP2004010963A (ja) | 高強度Ti合金およびその製造方法 | |
EP1263999B1 (en) | Corrosion resistant austenitic alloy | |
JPH083670A (ja) | 加工性および耐食性に優れたNi基合金 | |
US4033767A (en) | Ductile corrosion resistant alloy | |
JPH06264169A (ja) | 高耐熱および耐食性Ni−Cr合金 | |
JPH07316699A (ja) | 高硬度および高強度を有する耐食性窒化物分散型Ni基合金 | |
WO1997007253A1 (fr) | ACIER AUSTENITIQUE INOXYDABLE ET RESISTANT A LA CORROSION PAR LES ACIDES, DU TYPE Al-Mn-Si-N | |
JPH07316698A (ja) | 高硬度および高強度を有する耐食性窒化物分散型Ni基合金 | |
JPH07316700A (ja) | 高硬度および高強度を有する耐食性窒化物分散型Ni基合金 | |
JP2970432B2 (ja) | 高温用ステンレス鋼とその製造方法 | |
JP6927418B2 (ja) | チタン合金およびその製造方法 | |
JPH083665A (ja) | 耐酸化性および高温強度に優れた金型用Ni基超耐熱合金 | |
JPH07300641A (ja) | 高硬度および高強度を有する耐食性窒化物分散型Ni基合金 | |
JP3779043B2 (ja) | 二相ステンレス鋼 | |
JP4439881B2 (ja) | 連続鋳造ロール肉盛用溶接材料およびロール | |
JPH07316702A (ja) | 高耐摩耗性および高強度を有する耐食性窒化物分散型Ni基鋳造合金 | |
JPH07316703A (ja) | 高耐摩耗性および高強度を有する耐食性窒化物分散型Ni基鋳造合金 | |
JP2936899B2 (ja) | 非酸化性の酸に対する耐食性及び加工性に優れたチタン合金 | |
JP3225604B2 (ja) | 耐食性のすぐれた金属間化合物析出強化型Ni−Cr−Mo系合金鋳造部材の製造方法 | |
JP3216837B2 (ja) | 耐熱ボルト用鉄基超耐熱合金 | |
JP3983644B2 (ja) | Ni基ホウ化物分散耐食耐摩耗合金 | |
JP4047197B2 (ja) | Ni基ホウ化物分散耐食耐摩耗性合金 | |
JPH083667A (ja) | 耐食性に優れたNi基合金 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20010731 |