JPH07315198A - アンチスキッドブレーキ装置 - Google Patents

アンチスキッドブレーキ装置

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JPH07315198A
JPH07315198A JP29723694A JP29723694A JPH07315198A JP H07315198 A JPH07315198 A JP H07315198A JP 29723694 A JP29723694 A JP 29723694A JP 29723694 A JP29723694 A JP 29723694A JP H07315198 A JPH07315198 A JP H07315198A
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JP
Japan
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road surface
braking
slip ratio
pressure
skid
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JP29723694A
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English (en)
Inventor
Norihisa Sasanoi
紀久 笹野井
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Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】走行路面の状態が変化しても制動距離を最小限
に保ち、かつ減速時における車両の走行安定性を向上さ
せる。 【構成】制動輪のサスペンションストローク方向の揺動
加速度を検出する加速度検出器13と、この加速度検出器
13からの入力によって走行路面が平坦路面であるか不整
路面であるかを判断し、平坦路面であると判断した場合
にはアンチスキッド制動時における制動輪のスリップ率
を平坦路面向きに設定し、不整路面であると判断した場
合には上記スリップ率を不整路面向きに設定してアンチ
スキッド制御を行う制御手段24とを備えて構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、急制動時における制動
輪のロックを防止して車両の制動距離を最小限にするア
ンチスキッドブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車や自動二輪車等、多くの車
両に普及しているアンチスキッドブレーキ装置(AB
S)は、制動時における制動輪の回転速度を検出し、こ
の回転速度の著しい減速が検出された場合、つまり制動
輪がロックする前兆が現れた場合には直ちに制動圧力
(ディスクブレーキの場合はブレーキキャリパに加わる
油圧)を減圧して制動輪のロックを回避させ、その後、
制動輪の回転速度が回復するにつれて再び制動圧力を加
圧するという動作を素早く繰り返し、これによって車両
の制動距離を最小限にするブレーキ装置である。
【0003】ところで、このようなアンチスキッド制動
時には、制動効果が高くなるように制動輪と路面との間
に所定のスリップ率が設定され、このスリップ率の範囲
内で制動圧力が制御される。このスリップ率は、車体推
定速度に対する制動輪速度(制動輪の周速度)の遅れを
比率で示した値で、次式により求められる。
【0004】
【数1】
【0005】一般にスリップ率λは、平坦路面の場合は
3〜8%に設定される。図5は、スリップ率λを3〜8
%に設定して平坦路面でのアンチスキッド制動を行った
場合における制動輪速度V1の変化を示す線図である。
この図に示す線V0は、車体の推定速度を示している。
また、線λmin はスリップ率3%のラインであり、線λ
max はスリップ率8%のラインである。そして、線Pは
制動圧力の変化を示している。
【0006】このアンチスキッド制動時において、制動
輪速度V1が車体推定速度V0に対して急激に減速し、
スリップ率がλmin (3%)を越え、かつV1の減速加
速度が傾きαとなる点Aに達すると、それまで加圧され
ていた制動圧力が一定圧力に保持され、制動輪速度V1
の変化が待たれる。
【0007】点Aから更に制動輪速度V1が減速し、ス
リップ率がλmax (8%)を越える点Bにさしかかる
と、制動輪のロックを回避するために制動圧力の減圧が
なされる。つまり、λmax が減圧のしきい値となる。こ
れにより、制動輪速度V1は車体推定速度V0に向けて
回復し始め、V1の減速加速度が傾きβにまで緩んだ点
Cで制動圧力が再び一定圧力に保持される。
【0008】制動輪速度V1がさらに回復し、点Dにお
いてλmax に達すると、制動圧力は再加圧され、この加
圧はV1がλmin を越え、かつV1の減速加速度が傾き
αとなる点Aまで続けられる。以降、同様に制動圧力が
加減され、制動輪のロックが防止されて制動距離が最小
限に抑えられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、制動輪速度
V1は、仮に制動圧力が一定であっても、路面の凹凸に
影響されて加減速してしまう。つまり、路面に凹凸があ
る不整路面(石畳路等)では、制動中の制動輪が路面の
凹部で一瞬浮き上がって急減速したり、あるいは路面の
凸部に乗り上げて急加速されるため、一定の制動圧力で
あるにも拘らず制動輪速度V1が大幅に変動し、減圧の
しきい値であるλmax を容易に越えてしまう。したがっ
て、運転者の意思に反して不必要な制動圧力の減圧およ
び再加圧がなされ、制動距離が延びるおそれがある。
【0010】図6は、平坦路面用にスリップ率λを3〜
8%に設定したままで不整路面でのアンチスキッド制動
を行った場合における制動輪速度V1の変化を示す線図
である。図5と同様に、点Aは制動圧力の保持を開始す
る点であり、点Bは制動圧力の減圧を開始する点であ
る。また、点Cは再び制動圧力の保持を開始する点であ
り、点Dは制動圧力の再加圧を開始する点である。
【0011】このような条件では、前述の如く路面の凹
凸の影響を受けて加減速する制動輪速度V1が減圧のし
きい値であるλmax を容易に越える上(各B点)、V1
の変動周期が短くなるため、各B点において大幅な制動
圧力の減圧がなされ、無駄な減圧が多発することにより
各D点における制動圧力の再加圧が遅れて制動圧力が上
昇せず、思うように車体推定速度V0を減速させること
ができなくなる。
【0012】したがって、不整路面を走行する車両の場
合はスリップ率λを平坦路面の時よりも大きく設定し、
路面の凹凸による制動輪の加減速幅をカバーする制御を
行うのが好ましい。一般に不整路面におけるスリップ率
λは8〜20%に設定される。
【0013】図7はスリップ率λを8〜20%に設定した
状態で不整路面でのアンチスキッド制動を行った場合に
おける制動輪速度V1の変化を示す線図である。この図
において、線λmin はスリップ率8%のラインであり、
線λmax はスリップ率20%のラインで減圧のしきい値と
なる。また、線Pは制動圧力の変化を示している。
【0014】図5および図6と同様に、点Aは制動圧力
の保持点であり、点Bは制動圧力の減圧点である。ま
た、点Cは再び制動圧力を保持する点であり、点Dは制
動圧力の再加圧点である。なお、線v1はスリップ率λ
を平坦路面用の3〜8%に設定した状態で制動した場合
の制動輪速度を示し、線pは上記制動輪速度v1に対応
する制動圧力の変化を示す線である。
【0015】この条件では、制動輪速度V1が減圧のし
きい値であるλmax を越える回数がv1に比べて少なく
なり、減圧点Bが減るため、無駄な減圧が省かれること
で制動圧力が高く保たれ、車体推定速度V0の減速度が
v1に対応する車体推定速度v0に比べて大きくなる。
したがって、制動距離を短くすることができる。
【0016】一方、図8はスリップ率λを不整路面用の
8〜20%に設定した状態で平坦路面でのアンチスキッド
制動を行った場合における制動輪速度V1の変化を示す
線図である。この図において、線Pは制動圧力の変化を
示し、線v1は平坦路面用のスリップ率λ3〜8%での
制動輪速度を示し、線pは上記制動輪速度v1に対応す
る制動圧力の変化を示している。
【0017】ここに示すように、不整路面用のスリップ
率8〜20%で平坦路面での制動を行った場合、A点にお
ける制動圧力の保持開始が遅れ、さらにB点における制
動圧力の減圧開始も遅れるため、制動輪速度V1が急激
に落込む。また、B点における減圧が非常に大きくな
り、低められた制動圧力がC点からD点まで保持される
ので、制動輪速度V1が再び急上昇し、D点において大
きな増圧をする必要が生じる。
【0018】したがって、必要以上に制動圧力の大幅な
加減圧が繰り返され、粗いコントロールとなって車両の
走行安定性が低下するおそれが生じる。
【0019】このように、走行路面に合わせて制動輪と
路面との間のスリップ率を最適な値に定めても、走行路
面の状態が変化すればスリップ率が適合しなくなり、制
動距離が伸びたり減速コントロールが粗くなって走行安
定性が低下するといった懸念がある。
【0020】本発明は、この問題点を解決するためにな
されたもので、走行路面の状態が変化しても制動距離を
最小限に保ち、かつ減速時における車両の走行安定性を
向上させることのできるアンチスキッドブレーキ装置を
提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係るアンチスキッドブレーキ装置は、制動
輪のサスペンションストローク方向の揺動加速度を検出
する加速度検出器と、この加速度検出器からの入力によ
って走行路面が平坦路面であるか不整路面であるかを判
断し、平坦路面であると判断した場合にはアンチスキッ
ド制動時における制動輪のスリップ率を平坦路面向きに
設定し、不整路面であると判断した場合には上記スリッ
プ率を不整路面向きに設定してアンチスキッド制御を行
う制御手段とを備えて構成したことを特徴とするもので
ある。
【0022】
【作用】このように構成されたアンチスキッドブレーキ
装置によれば、車両が平坦な路面を走行している場合に
は制動輪のサスペンションストローク方向への揺動が非
常に小さいので、加速度検出器が制動輪の揺動加速度を
検出せず、したがって、制御手段は走行路面が平坦路面
であると判断し、アンチスキッド制動時におけるスリッ
プ率を平坦路面向きに設定する。
【0023】また、車両が不整な路面を走行している場
合には制動輪のサスペンションストローク方向への揺動
が大きくなるので、加速度検出器が制動輪の揺動加速度
を検出し、不整路面信号を制御手段に入力する。したが
って、制御手段は走行路面が不整路面であると判断し、
アンチスキッド制動時におけるスリップ率を不整路面向
きに設定する。
【0024】このように、アンチスキッド制動時におけ
るスリップ率が走行路面の状態に適合して随時変化する
ため、走行路面の状態が変化しても制動距離が伸びる懸
念がなくなり、減速時における車両の走行安定性が向上
する。
【0025】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。
【0026】図1は本発明に係るアンチスキッドブレー
キ装置を備えた自動二輪車の左側面図である。この自動
二輪車1は、車体フレーム2の前頭部にフロントフォー
ク3が左右回動自在に設けられており、上記フロントフ
ォーク3の下端部に前輪4が軸支され、フロントフォー
ク3の上部には上記前輪4を左右に操向するためのハン
ドルバー5が固定されている。
【0027】一方、車体フレーム2の中央部に架設され
たピボット軸6には後方に延びるスイングアーム7が軸
支され、スイングアーム7の後端部に後輪8が軸支され
ている。車体フレーム2の前部にはエンジン10が搭載さ
れており、その動力がチェーン11によって後輪8に伝達
される。
【0028】前記フロントフォーク3は軸方向に弾性伸
縮可能であり、また上記スイングアーム7はピボット軸
6を中心に回動自在で、図示しないサスペンション機構
により緩衝懸架されている。このため、自動二輪車1が
不整路面を走行する際の前後輪4,8の上下揺動ショッ
クがフロントフォーク3の伸縮やスイングアーム7の回
動により吸収される。
【0029】フロントフォーク3には、車輪速センサ12
と加速度検出器13が設けられている。上記車輪速センサ
12は前輪4の軸受部付近に設けられ、上記加速度検出器
13はフロントフォーク3のバネ下側に設けられる。
【0030】前輪4にはディスクブレーキ式のアンチス
キッドブレーキ装置15が設けられ、後輪にも図示しない
アンチスキッドブレーキ装置が設けられている。図2
(a) ,(b) は前輪4側のアンチスキッドブレーキ装置15
の一例を示す回路構成図である。
【0031】図1および図2に示すように、前輪4のア
ンチスキッドブレーキ装置15は、前輪4に回転一体に設
けられるディスクロータ16と、フロントフォーク3に固
定されて上記ディスクロータ16を挟むブレーキキャリパ
17と、マスターシリンダ18と、加圧バルブ19と、減圧バ
ルブ21と、減圧シリンダ22と、ポンプユニット23と、制
御手段24と、前記車輪速センサ12ならびに加速度検出器
13等を含んで構成されている。
【0032】上記マスターシリンダ18は、前記ハンドル
バー5に設けられた図示しないブレーキレバーからのブ
レーキ操作力が加えられると、内部のピストン18aが押
し込まれ、マスターシリンダ18内に充填された作動オイ
ル(ブレーキフルード)が吐出されるように構成されて
いる。
【0033】マスターシリンダ18は、オイル流路26,27,
28によってブレーキキャリパ17に接続されており、上記
オイル流路27の途中に加圧バルブ19が設けられている。
また、加圧バルブ19をバイパスする形で設けられたオイ
ル流路29には、ブレーキキャリパ17側からマスターシリ
ンダ18側への作動オイルの流れのみを許容するチェック
弁バルブ31が接続されている。
【0034】ブレーキキャリパ17に繋がるオイル流路28
の他端は減圧シリンダ22に接続されており、その途中に
減圧バルブ21が設けられている。また、オイル流路26と
オイル流路28間はオイル流路32によって接続され、この
オイル流路32の中間部にポンプユニット23のポンプ23a
が接続され、上記ポンプ23aの前後に、減圧シリンダ22
からマスターシリンダ18側への作動オイルの流れのみを
許容するチェック弁33, 34が接続されている。なお、ポ
ンプユニット23には、ポンプ23aを駆動するモータ23b
が備えられている。
【0035】前記制御手段24にはマイクロコンピュータ
等が用いられ、この制御手段24は加圧バルブ19および減
圧バルブ21を作動させるソレノイド19a, 21aと、前記
ポンプユニット23のモータ23b とに電気接続される。ま
た、制御手段24には前記車輪速センサ12および加速度検
出器13が電気接続される。
【0036】上記車輪速センサ12は前輪4の回転速度を
検出してその信号を制御手段24に入力するセンサであ
り、加速度検出器13は前輪4のサスペンションストロー
ク方向,即ちフロントフォーク3の伸縮方向への揺動加
速度を検出してその信号を制御手段24に入力するもので
ある。
【0037】アンチスキッド制動時において制御手段24
は、車輪速センサ12および加速度検出器13からの入力を
もとに加圧バルブ19と減圧バルブ21を開閉操作し、ブレ
ーキキャリパ17に加えられる制動圧力を加圧、減圧、保
持の3つのモードで制御する。
【0038】上記加圧モードでは、図2(a) に示すよう
に加圧バルブ19が開弁されて減圧バルブ21が閉弁され
る。これにより、マスターシリンダ18の液圧がブレーキ
キャリパ17に加わり、制動圧力が加圧される。
【0039】また、減圧モードでは、図2(b) に示すよ
うに加圧バルブ19が閉弁されて減圧バルブ21が開弁され
る。このため、マスターシリンダ18の液圧がブレーキキ
ャリパ17に対して遮断されるとともに、ブレーキキャリ
パ17に加えられていた液圧が減圧シリンダ22に逃がさ
れ、制動圧力が減圧される。なお、減圧シリンダ22に逃
がされた作動オイルはポンプユニット23のポンプ23aに
よりマスターシリンダ18側に戻される。
【0040】さらに、保持モードでは加圧バルブ19と減
圧バルブ21が両方とも閉弁されることにより、ブレーキ
キャリパ17に加わる液圧が昇降できなくなるため、制動
圧力が一定に保たれる。
【0041】ところで、図3は加速度検出器13の動作を
示す線図である。この図において、線Wは加速度検出器
13がサスペンションストローク方向へ揺動することによ
って検出する加速度信号を示しており、線Tは加速度検
出器13から制御手段24へ入力される不整路面信号のパタ
ーンを示している。
【0042】自動二輪車1が平坦な路面を走行している
場合は、前輪4のサスペンションストローク方向への揺
動が非常に小さいので、加速度検出器13の加速度信号W
の振幅も小さい。この時、不整路面信号Tは0であり、
制御手段24へは入力されない。
【0043】そして、自動二輪車1が不整な路面を走行
すると、前輪4のサスペンションストローク方向への揺
動が大きくなるため、加速度信号Wの振幅が大きくな
る。この振幅がトリガーレベル±Gを越えた場合、この
点SからΔT時間(例えば500ms)の間、加速度信号W
の振幅がトリガーレベル±Gを越える回数がカウントさ
れ、その数が所定の値を越えると、次のΔT時間は不整
路面信号Tが+となり、この不整路面信号Tが制御手段
24へ入力される。
【0044】不整路面信号Tは、加速度信号Wの振幅が
ΔT時間内にトリガーレベル±Gを所定の回数以上越え
ないと+にはならず、制御手段24には入力されない。
【0045】さて、アンチスキッドブレーキ装置15の制
御手段24は、車輪速センサ12から入力される制動輪速度
信号をもとに制動輪(ここでは前輪4)の加減速度を演
算し、加圧バルブ19と減圧バルブ21を開閉させ、ブレー
キキャリパ17に加えられる制動圧力を前記加圧、減圧、
保持の3モードで制御するとともに、加速度検出器13か
ら入力される前記不整路面信号をもとに路面状態を判断
し、制動輪と路面との間のスリップ率λを変化させなが
らアンチスキッド制動を行う。
【0046】制御手段24は、加速度検出器13からの不整
路面信号が入力されていない場合には、走行路面が平坦
であると判断し、上記スリップ率λを平坦路面向きに、
例えば3〜8%に設定する。また、加速度検出器13から
の不整路面信号が入力されている場合には、走行路面が
不整であると判断し、スリップ率λを不整路面向きに、
例えば8〜20%に設定する。
【0047】図4は、アンチスキッドブレーキ装置15が
アンチスキッド制動を行っている時に自動二輪車1の走
行路面が平坦路面から不整路面に変った場合における制
動輪速度V1の変化を示す線図である。
【0048】この図において、線λmin および線λmax
はスリップ率λの幅を示すラインであり、線Pはブレー
キキャリパ17に加えられる制動圧力の変化を示してい
る。また、線Tは加速度検出器13から制御手段24へ入力
される不整路面信号のパターンを示している。
【0049】なお、線V1上の各点Aは制動圧力の保持
を開始する点であり、点Bは制動圧力の減圧を開始する
点である。また、点Cは点Bにおいて減圧された制動圧
力を再び保持する点であり、点Dは制動圧力の再加圧を
開始する点である。
【0050】走行路面は、図4中に示されている中間線
Mより手前(左側)の部分が平坦路面であり、中間線M
より後(右側)の部分が不整路面である。自動二輪車1
が平坦路面を走行している時、加速度検出器13からの不
整路面信号は0であり、不整路面信号が制御手段24に入
力されないため、制御手段24はスリップ率λを平坦路面
向きの3〜8%に設定する。
【0051】この場合、制動輪速度V1の変動幅が減圧
のしきい値であるλmax (8%)を大きく越えることが
ないため、制動圧力の無駄な加減圧がなく、制動圧力が
高く保たれて車体推定速度V0の減速度も大きくなり、
制動距離が最小限に保たれる。
【0052】また、自動二輪車1が不整路面の走行に移
ると、加速度検出器13からの不整路面信号が+となって
制御手段24へ入力されるため、制御手段24はスリップ率
λを不整路面向きの8〜20%に設定する。
【0053】これにより、不整路面でアンチスキッド制
動を行っているにも拘らず、制動輪速度V1が減圧のし
きい値であるλmax (20%)を越える回数が少なくな
り、無駄な減圧が省かれることで制動圧力が高く保た
れ、車体推定速度V0の減速度が平坦路面を走行してい
る時のように大きくなる。したがって、制動距離が最小
限に保たれる。
【0054】そして、走行路面が再び平坦になると、加
速度検出器13からの不整路面信号が制御手段24へ入力さ
れなくなり、制御手段24がスリップ率λを平坦路面向き
の3〜8%に戻す。
【0055】このように、アンチスキッド制動時におけ
るスリップ率λが走行路面の状態に適合して随時変化す
るため、走行路面の状態が変化しても制動距離が伸びる
懸念がなく、最小限の制動距離で自動二輪車1を安全に
制動することができる。また、減速時における自動二輪
車1の走行安定性を向上させることができる。
【0056】本実施例では、制動輪の揺動加速度を検出
する加速度検出器13をサスペンション機構(フロントフ
ォーク3)のバネ下側に設けたため、路面状態の判定を
精度良く行うことができ、これによってアンチスキッド
ブレーキ装置15の誤作動が確実に防止される。
【0057】なお、制動輪の揺動加速度を加速度検出器
13で検出して制御手段24に入力させる構成が不変であれ
ば、アンチスキッドブレーキ装置15の回路構成を、図2
(a),(b) に示すもの以外の構成にしてもよい。
【0058】ところで、後輪8に設けられているアンチ
スキッドブレーキ装置(非図示)も、後輪8の回転速度
を検出する車輪速センサと、後輪8のサスペンションス
トローク方向への揺動加速度を検出する加速度検出器と
を備えており、この車輪速センサと加速度検出器からの
信号が制御手段に入力されてアンチスキッド制動が行わ
れるようになっている。後輪8用の加速度検出器はスイ
ングアーム7等に設けられる。
【0059】ここで、前輪4のアンチスキッドブレーキ
装置15と、後輪8のアンチスキッドブレーキ装置とを一
系統にまとめ、1つの制御手段を用いて前後輪4,8の
アンチスキッド制御を行うようにしてもよい。
【0060】なお、本発明は自動二輪車に限らず、自動
車等の他車両にも適用することができ、さらに適用され
るブレーキ装置はディスクブレーキに限らず、例えばド
ラムブレーキ等、他形式のブレーキ装置であっても構わ
ない。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るアン
チスキッドブレーキ装置は、制動輪のサスペンションス
トローク方向の揺動加速度を検出する加速度検出器と、
この加速度検出器からの入力によって走行路面が平坦路
面であるか不整路面であるかを判断し、平坦路面である
と判断した場合にはアンチスキッド制動時における制動
輪のスリップ率を平坦路面向きに設定し、不整路面であ
ると判断した場合には上記スリップ率を不整路面向きに
設定してアンチスキッド制御を行う制御手段とを備えて
構成したことを特徴とするものである。
【0062】このアンチスキッドブレーキ装置によれ
ば、アンチスキッド制動時におけるスリップ率が走行路
面の状態に適合して随時変化する。したがって、走行路
面の状態が変化しても制動距離が伸びる懸念がなく、最
小限の制動距離で車両を安全に制動することができる。
また、減速時における車両の走行安定性を向上させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアンチスキッドブレーキ装置を備
えた自動二輪車の左側面図。
【図2】本発明の一実施例を示すアンチスキッドブレー
キ装置の回路構成図であり、(a) は加圧モード、(b) は
減圧モードを示す。
【図3】加速度検出器の動作を示す線図。
【図4】アンチスキッド制動を行っている時に自動二輪
車の走行路面が平坦路面から不整路面に変った場合にお
ける制動輪速度の変化を示す線図。
【図5】スリップ率を3〜8%に設定して平坦路面での
アンチスキッド制動を行った場合における制動輪速度の
変化を示す線図。
【図6】平坦路面用にスリップ率を3〜8%に設定した
ままで不整路面でのアンチスキッド制動を行った場合に
おける制動輪速度の変化を示す線図。
【図7】スリップ率を8〜20%に設定した状態で不整路
面でのアンチスキッド制動を行った場合における制動輪
速度の変化を示す線図。
【図8】スリップ率を不整路面用の8〜20%に設定した
状態で平坦路面でのアンチスキッド制動を行った場合に
おける制動輪速度の変化を示す線図。
【符号の説明】
1 自動二輪車 3 フロントフォーク 4 制動輪である前輪 12 車輪速センサ 13 加速度検出器 15 アンチスキッドブレーキ装置 16 ディスクロータ 17 ブレーキキャリパ 18 マスターシリンダ 19 加圧バルブ 21 減圧バルブ 22 減圧シリンダ 23 ポンプユニット 24 制御手段 V0 車体推定速度 V1 制動輪速度 T 不整路面信号 λ スリップ率

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制動輪のサスペンションストローク方向
    の揺動加速度を検出する加速度検出器と、この加速度検
    出器からの入力によって走行路面が平坦路面であるか不
    整路面であるかを判断し、平坦路面であると判断した場
    合にはアンチスキッド制動時における制動輪のスリップ
    率を平坦路面向きに設定し、不整路面であると判断した
    場合には上記スリップ率を不整路面向きに設定してアン
    チスキッド制御を行う制御手段とを備えて構成したこと
    を特徴とするアンチスキッドブレーキ装置。
JP29723694A 1994-03-31 1994-11-30 アンチスキッドブレーキ装置 Pending JPH07315198A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3549835A1 (en) * 2018-03-16 2019-10-09 Honda Motor Co., Ltd. Vehicle

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3549835A1 (en) * 2018-03-16 2019-10-09 Honda Motor Co., Ltd. Vehicle
US10994800B2 (en) 2018-03-16 2021-05-04 Honda Motor Co., Ltd. Vehicle

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