JPH07313400A - 便座及び便蓋の制動装置 - Google Patents

便座及び便蓋の制動装置

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JPH07313400A
JPH07313400A JP10858094A JP10858094A JPH07313400A JP H07313400 A JPH07313400 A JP H07313400A JP 10858094 A JP10858094 A JP 10858094A JP 10858094 A JP10858094 A JP 10858094A JP H07313400 A JPH07313400 A JP H07313400A
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JP
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lid
toilet
toilet seat
pressure receiving
braking device
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JP10858094A
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Inventor
Kenji Muramatsu
健次 村松
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Nidec Instruments Corp
Original Assignee
Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 制動装置の内部圧力を抑え、回動フィーリン
グや起動性に優れ、かつ、組付け性に富む便座や便蓋の
制動装置の提供にある。 【構成】 粘性流体13が封入されたケース体12に便
座4及び便蓋3を起倒自在に支持する入力軸8、入力軸
8と一体回動する保持部材9に設けられ、粘性流体13
内を回動する受圧部14、便座4及び便蓋3の倒れ方向
Cへの回動時に受圧部14と係合する弾性部材15,1
6、便座4及び便蓋3の回動方向に形成され、同便座及
び便蓋が倒れ方向へ回動する時に受圧部14の回動角度
に応じてその断面積が減少する粘性流体流路17、受圧
部14に設けられ、便座4及び便蓋3の起立方向Oへの
回動によって開く開放弁18、受圧部14に設けられ便
座4及び便蓋3の倒れ方向への過大な回動時に弾性変形
する減圧部19、ケース体12内に設けられた空室20
に圧力吸収部材21とを備える制動装置1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回動自在に支持された
便座や便蓋の一方向への回動時に制動を与える制動装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】回動自在に支持された便座や便蓋を閉じ
方向へ回動するときに制動を掛ける制動装置は、広く知
られている。例えば、グリスやオイルの中で便座や便蓋
の支持軸と一体回転する回動部材を回動させて、その抵
抗で制動力を発生させる剪断方式の制動装置や、回動部
材にオリフィスを設け、倒れ方向への回動時にはオリフ
ィスを閉じて回動部材とケースとの隙間を通過するオイ
ルの抵抗によって制動力を発生させ、起立方向への回動
時にオリフィスを開いて起立方向への制動力を軽減する
オリフィス方式の制動装置がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、オイル等の
粘性流体を用いる制動装置においては、オイル漏れ、す
なわちシール性が一番問題であり、オイルを封入するケ
ース内の内部圧力が低い方が好ましい。しかしながら、
上述したオリフィス方式のものでは、回動部材への制動
力を回動部材とケースの隙間のみで管理しているので、
回動部材が一定速度で回動する分には問題ないが、過大
な力がかかって回動速度が上昇するとケース内の圧力が
急激に上昇してオイル漏れの原因となることがある。一
方、剪断方式のものでは、オイルやグリスの粘性によっ
て略制動力が決まってしまうことから、ある程度の制動
力を得るには粘性の高いものが必要となり、このように
粘性を高くすることは、便座や便蓋の回動フィーリング
や起動性の低下につながるいう問題を残している。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、請求項1記載の
発明では、粘性流体が封入されたケース体に便座及び便
蓋を起倒自在に支持する入力軸と、上記入力軸と一体回
動する保持部材に設けられ、上記粘性流体内を回動する
受圧部と、上記便座及び便蓋の倒れ方向への回動時に上
記受圧部と係合する弾性部材と、上記便座及び便蓋の回
動方向に形成され、同便座及び便蓋が倒れ方向へ回動す
るとき、上記受圧部の回動角度に応じてその断面積が減
少する粘性流体流路と、上記受圧部に設けられていて、
上記便座及び便蓋の起立方向への回動によって開く開放
弁と、上記受圧部に設けられていて、上記便座及び便蓋
の倒れ方向への過大な回動時に弾性変形する減圧部と粘
性流体が封入されるケース体内に設けられた空室に圧力
吸収部材とを備える。請求項2記載の発明では、弾性部
材を入力軸と同軸上にないバネで構成し、請求項3記載
の発明では、同バネを複数設け、同圧縮スプリングを隔
てる仕切り部を受圧部に設けた。請求項4記載の発明で
は、ケース体に形成される固定孔と、上記固定孔に対応
すると共に、同固定孔との対応部位から外れた部位にお
いて上記ケース体内と連通する蓋体に形成される抜孔と
を有し、上記ケース体への粘性流体の注入後に上記固定
孔と抜孔とを互いにずれた位置に置いて蓋体とケース体
とを密着させることを特徴とする。請求項5記載の発明
では、ケース体の外周に凹凸部を形成し、同凹凸部が形
成されたケース体の外周と合う形状に内部が形成された
取付け部材に上記ケース体を収容して便器に固定した。
【0005】
【作用】請求項1記載の発明によると、便座及び便蓋が
倒れ方向へ回動すると、入力軸と一体回動する保持部材
の受圧部が粘性流体内で回動されてオリフィスの断面積
を徐々に減少させながら弾性部材と係合し、便座及び便
蓋の回動に制動が与えられる。便座及び便蓋が起立方向
へ回動すると、受圧部に設けられた開放弁が開いて、便
座及び便蓋の起立方向への回動時に受圧部にかかる圧力
が減圧される。請求項2記載の発明によると、便座及び
便蓋が倒れ方向へ回動すると、入力軸と同軸上にないバ
ネと粘性流体とによりその方向への回動が緩衝される。
請求項3記載の発明によると、複数設けられるバネは、
受圧部に形成される仕切り部により仕切られるので、伸
縮時において互いに干渉しない。請求項4記載の発明に
よると、ケース体に形成した固定孔と蓋体に形成した孔
とを互いにずれた位置に置いて蓋体とケース体とを密着
させることで、ケース体に連通する孔部からケース内の
余分な空気やオイルが抜け、その状態で上記蓋体を回転
して上記固定孔と孔部との位置を合わせてねじ止め固定
することで、ケース内の内部圧力を低減できる。請求項
5記載の発明によると、凹凸部が形成されたケース体の
外周と合う形状に内部が形成された取付け部材に収納し
てケース体を便器に固定するので、便座及び便蓋が開閉
しても取付け部材の内部形状によりケース体の連れ回り
が規制される。
【0006】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を用いて説明
する。図1,2において、符号1は便器2の便蓋3と便
座4とを起倒自在に支持して、倒れ方向への回動に制動
を与える制動装置1を示す。制動装置1は、取付け部材
としてのカバー5内に装着され、カバーに形成されるフ
ランジ部5aをねじ6で便器2に設けられるナット部6
Aと締結して便器2の上面端部に装着される。ここで
は、便蓋3と便座4に個別の制動装置1を用いるが、こ
れらは同一構成であるので、図2において左方に位置す
る制動装置1を例に取って説明を続ける。
【0007】左方に位置する制動装置1には、図3に示
すように、便座4に取付けられるヒンジ7が入力軸8に
よって起倒自在に支持される。この入力軸8には、その
先端側に切殺部8aが設けられており、制動装置1内に
設けられる保持部材としての回転体9の支持孔9aに圧
入される。便蓋3は、カバー本体5Bの側面に設けられ
た支持軸10にヒンジ11を介して回動自在に支持され
るが、ここでは、制動装置1の干渉を受けない。便蓋3
及び便座4は、図1に符号Eで示す全開位置から符号F
で示す閉位置までの間で回動される。この全開位置は1
35°に設定されている。なお、図2の右方に位置する
制動装置1においては、便座4のヒンジ7が支持軸10
に支持され、便蓋3のヒンジ11が入力軸8によって制
動装置の回転体9に支持される。
【0008】カバー5は、カバー本体5Bとカバー蓋5
Aから構成されている。カバー本体5Bの内部は、制動
装置1の外装を構成するケース12の外観形状と略同型
に形成されており、制動装置1を収納することで同装置
の回り止めがなされる。カバー本体5Bの開口面には、
小孔5bとねじ孔5cが複数形成されている。カバー蓋
5Aには、入力軸8が挿通される孔5Cと、小孔5bに
挿入される突起5d及びねじ孔5cに対応する取付孔5
eがそれぞれ形成されており、制動装置1を本体内部に
収容した後、突起5dを小孔5bに挿入してカバー本体
5Bとカバー蓋5Aとを合わせ、図示しないねじを取付
孔5eからねじ孔5cに捩じ込んでユニット化してい
る。ここではカバー本体5Bとカバー蓋5Aとを別体と
しているが、カバー本体5Bに対してカバー蓋5Aをヒ
ンジ等で開閉自在に取れ付けて双方を一体化しても良
い。
【0009】制動装置1は、図4,図5に示すように、
その外装を構成するケース12内に、入力軸8が挿入す
る回転体9に設けられた受圧部14、矢印Cで示す便座
4の倒れ方向への回動時に受圧部14と係合する入力軸
8と同軸上に配置されない弾性部材としての圧縮コイル
スプリング15,16、便座4の回動方向に形成され、
同便座4が倒れ方向へ回動するとき、受圧部14の回動
角度に応じてその容積が減少する粘性流体流路17、受
圧部14に設けられていて、矢印Oで示す便座4の起立
方向への回動によって開く開放弁18、受圧部14に設
けられていて、便座4の倒れ方向への過大な回動時に弾
性変形する減圧部としての安全弁19、回転体9とケー
ス12の内周面12aとによって形成され、粘性流体と
してのオイル13が注入される空間20、空間内に設け
られる圧力吸収部材21とを備える。ケース12には、
蓋22が複数のねじ23で固定される。
【0010】ケース12は、図5,図7に示すように、
有底円筒状に形成されていて、その外周面にねじ23が
螺合されるねじ孔12bを有する凹凸部としての複数の
膨張部12cが形成されている。カバー本体5Bの内部
は、この膨張部12cが設けられたケース12の外観形
状と合う形状に形成されている。ケース12の上面に
は、円周溝24が形成されていて、この溝24には、ゴ
ム材で構成されるOリング25が装着される。ケース1
2の底部には、図6に示すように、凹部12dと粘性流
体流路17が形成されている。粘性流体流路17は、便
座4の回動方向に延びる円弧状の溝であって、矢印C方
向に進むに連れてその深さを図8に示すように、徐々に
浅くなるように形成されている。
【0011】また、粘性流体流路17の始端17aは、
図1に示す便座4の開角度αが90°近辺に位置すると
きの受圧部14の位置に設けられている(図17b参
照)。ケースの内周面12aには、図4,図6に示すよ
うに、空間20をU字型とする突部12Dが内面に向か
って形成されている。この突部12Dには、固定孔とし
てのねじ孔26が設けられている。突部12Dの一側1
2Da側には、圧力吸収部材21が配設固定されてい
る。圧力吸収部材21は、スポンジ状のゴム材であっ
て、空間20内のオイル13が熱により膨張すると、収
縮してオイル13の膨張を吸収するようになっている。
【0012】蓋22は、ケース12の形状と略同型に形
成されていて、図5,図9,図10に示すように、ねじ
孔12bとの対向部位に取付孔22bが、ねじ孔26と
の対向部位に抜孔27がそれぞれ形成されている。抜孔
27は、蓋22をケース12に対してずらして接合させ
たときに、空間20上に位置するように配設されてい
る。蓋22中央には開口22aが形成され、蓋22の下
面には円周溝24に係合する周状突部22cがケース1
2に向かって形成されている。
【0013】回転体9は、図4,図5に示すように、蓋
の開口22aとケースの凹部12dとに、その上端9b
と下端9cとをそれぞれ回転自在に支持されている。上
端9bには、図11,図12に示すように、凹部9dが
形成されていて、この凹部9dに図5に示すようにゴム
製のOリング28が装着されて、開口22aのシール性
の確保が行われている。また、回転体9は、その外周面
9Aをケース内の突部12Dに摺接可能な円柱状に形成
されている。
【0014】外周面9Aには、内周面2aに向かって突
出する受圧部14と、圧縮コイルバネ15,16を隔て
る仕切り部としてのリブ29が形成されている。受圧部
14の外周14aは、内周面2aとの間に僅かな隙間を
持って摺接する円弧状に形成されていて、空間20をオ
イル室20Aとオイル室20Bとに分割している(図
4,図11)。
【0015】受圧部14は、便座4が開位置Eにあると
きに、その一側14bを圧力吸収部材21と干渉し、か
つ、粘性流体流路17から外れる位置に置かれており、
圧力吸収部材21との干渉により便座4の開方向の回転
限界位置を規制している。受圧部14には、軸方向に延
び、互いに連通する2つの空間30,31が形成されて
いる。一側14bには、空間30に連通する流路30A
が、他側14cには、空間31に連通する流路30B
が、それぞれ軸方向に向かって並列して設けられてい
る。流路30A,30Bは、粘性流体流路17よりも回
転体9の回動時におけて通過するオイル流量が多くなる
ように設定されている。
【0016】安全弁19は、図13,14に示すよう
に、断面がコの字で、本体19aに開放弁18によって
開閉される長孔開口19bがその厚み方向に貫通して設
けられている。この長孔開口19bの近傍は、開放弁1
8の外周に合致するように長手方向に向かって曲面とさ
れている。本体19aと一体形成された側部19c,1
9dは、開放弁18と対向する側に向かって湾曲して形
成されており、本体19aとの間に隙間が構成されてい
る。すなわち、本体19aには、長孔開口19bと共に
半円状の開口32が両側に形成されることになる。この
安全弁19は、耐油性に富む弾性材で構成されていて、
図4,5に示すように、湾曲した側部19c,19dを
流路30Aに向かうように空間30に軽圧入される。
【0017】開放弁18は、長孔開口19bより長いピ
ンであって、空間31内に緩嵌されて同空間の底部に形
成される凸部34上に配置される。凸部34は、図15
に示すように、流路30Bの近傍から空間30と空間3
1との間に形成される一対のガイド片33まで延出して
おり、その高さhは、空間30内に安全弁19が位置す
るときの長孔開口19bの位置よりも低く設定されてい
る。また、その幅Lは、ガイド片33の間隔L1よりも
狭く形成されており、凸部34の両側に間隔L1につな
がる流路Rを形成している。
【0018】ガイド片33は、開放弁18の安全弁19
に対する移動を規制すると共に、通常、安全弁19の開
口32を塞ぐようになっている。また、安全弁19の側
部19c,19dは、便座4の倒れ方向への回動時にお
いて、便座4に過負荷が係ると、開放弁18に押されて
安全弁19をガイド片33から離す向きに弾性変形する
ようになっている。
【0019】圧縮コイルスプリング15,16は、図4
に示すように、受圧部14よりも倒れ方向C側に位置す
るオイル室20Bに、その巻方向が同一方向となるよう
にして設けられている。圧縮コイルスプリング15,1
6の一端15a,16aは、倒れ方向Cに位置する突部
14の他側面14Dbにそれぞれ係止されていて、他端
15b,16bは、他側面14Dbと受圧部14の他側
14cとの間で摺動自在となっている。この圧縮イルス
プリングの他端15b,16bは、図1に示す便座4の
開角度αが45°程度の時に受圧部14と当接可能な長
さに設定されている。
【0020】このような制動装置1の動作を倒れ方向と
起立方向に分けて説明する。 (倒れ方向の動作)先ず、図1に符号Eで示す全開位置
から符号Fで示す閉位置に向かって手で便座4を回動す
ると、支持軸8が回転されて回転体9が、図16(a)
に示す位置から倒れ方向Cに向かって回動する。する
と、受圧部14が空間20内を倒れ方向Cに向かって移
動し、図17に示すように、オイル室20Bからの圧力
により開放弁18が安全弁の長孔開口19bを塞ぐ方向
に移動される。この状態は、便座4が閉位置になるので
続く。従って、オイル室20B内に位置するオイル13
が、受圧部14と粘性流体流路17とが係合するまで
は、粘性流体流路17を通ってオイル室20Aに向かっ
て流れる。
【0021】次に、便座4が開角度90°を過ぎると自
重によって倒れ、図16(b)に示す状態にあった受圧
部14が図16(c)に向かって回動する。この区間で
は、受圧部14が粘性流体流路17に係合するので、倒
れ方向への回動が進むにつれて流路断面が小さくなりの
で、受圧部14の移動に伴うオイル13の通過量が除々
に少なくなり、ケース12内の圧力が上昇し、受圧の圧
力により便座4の回動に制動をかける。
【0022】図1に示す便座4の回動がさらに進んで、
図16(c)に示す状態にあった受圧部14が図16
(d)に示す閉位置に向かって回動するこの区間では、
既に粘性流体流路17は閉じられると共に、受圧部14
に圧縮コイルスプリング15,16の他端15b,16
bが当接し、同コイルバネ15,16を押し縮めながら
回動されるので、オイル13はケースの内周面12aと
受圧部14との僅かな隙間からのみ流れ、受圧部14に
は高い抵抗とコイルバネ15,16の弾性力が加わり、
その回動動作にさらなる制動がかけられる。
【0023】従って、図1に示す便座4の回動初期であ
る図16(a)から図16(b)への回動区間では、オ
イル13の抵抗だけで便座4を制動するので、倒れ方向
Cへの起動性が良い。また、回動中期を示す図16
(b)から図16(c)への回動区間では、粘性流体流
路17によるオイル抵抗が増加し、さらに、回動後期で
ある図16(c)から図16(d)への回動区間では、
オイル13の抵抗にコイルバネ15,16の弾性力が加
わることで、高い制動力を確保することができる。よっ
て、オイルやグリス等の粘性だけに頼っている剪断方式
の制動装置に比べオイル13の粘性を低減させることが
でき、ケース12内の圧力の上昇を抑えることができ
る。
【0024】また、便座4の回動に過大な負荷、例え
ば、起立位置Eから強制的に閉位置Fに向かって回動さ
せるような場合、受圧部14にかかるオイル13の抵抗
が増す。この抵抗、すなわち、ケース12内の内部圧力
が一定以上になると、図19に示すように、開放弁18
が安全弁19さらにを強く押すことになる。すると、安
全弁19の側部19c,19dが弾性変形して、ガイド
片33と安全弁19との間に間隔Xが形成されて流路R
と開口32が連通される。よって、倒れ方向Cに位置す
るオイル室20B内のオイル13が流路30B、流路
R、開口32から流路30Aを経てオイル室20Aに流
り込み負荷時の内部圧力の上昇が抑えられる。
【0025】(起立方向への動作)便座4が図1に示す
閉位置Fから全開位置Eに向かって回動されると、受圧
部14が図16(d)から図16(a)に向かって、す
なわち起立方向Oに向かって回動すると共に、それに伴
い圧縮コイルスプリング15,16も伸びる。受圧部1
4が起立方向Oに回動すると、図18に示すように、起
立方向Oに位置するオイル室20Aの圧力が上昇して、
開放弁18が安全弁の長孔開口19bから離される向き
に移動されて安全弁19が開口される。すると、オイル
13が流路30Aをから長孔開口19bから空間31内
に流れ、流路30Bを経てオイル室20Bに流れ、起立
方向Oへの回動に伴う受圧部14への抵抗が低減する。
【0026】つまり、開放弁18は、起立方向への回動
により容易に開弁し、粘性流体流路17よりも、回動時
に通過するオイル流量が多くなるように設定された流路
30A,30Bで起立方向に位置するオイル室20Aか
らオイル13抜くので、便座5の起立方向への回動抵抗
には、倒れ方向への回動抵抗に比べ小さくなり、軽くス
ムーズに便座4を開位置に戻すことができる。
【0027】このように、便座4の倒れ方向への回動制
動を、オイル13と圧縮コイルスプリング15,16で
発生させるので、オイル13の粘性とコイルスプリング
15,16のバネ力の組合せで制動力の調整をすること
ができ、オイル13に粘性の高いものを使用しなくても
済む。また、オイル室20A側に圧力吸収部材21を配
置し、かつ、便座4の起立位置にあるときに受圧部14
と干渉させるので、オイル13の温度上昇によるケース
12内の圧力が上昇すると、変形して上昇した圧力を吸
収するので、ケース12内圧力の上昇を防止できると共
に、全開位置に達した便座4の回動力を吸収でき、便座
4をばたつかせることなく、全開位置に保持できる。な
お、本実施例では、図2において左方に位置して便座4
のヒンジ7を支持する制動装置1を用い説明したので、
便座4の起倒動作のみを示したが、構成を同一とする図
2において右方に位置する制動装置1に支持される便蓋
3の起倒動作の場合でも同様の作用を生じることには変
わりがない。
【0028】さらに、本実施例では、開放弁18をピン
状のものとしたが、図20に示すように、安全弁19の
長孔開口19bより長い接触面180aを有するブロッ
ク状の開放弁180とすることもできる。この場合、接
触面180aを形成された凸部180Aを、ガイド片3
3の間隔L1内に緩嵌可能な大きに形成して挿入し、同
凸部180Aから流路30Bに向かって延び、凸部18
0Aの幅より幅広のコの字状アーム180Bをそれぞれ
長手方向に設ける。この場合、安全弁19が開弁された
ときのオイルの流れは、長孔開口19bから突起180
B,180Bの間に位置する凸部の側面180Cを通っ
て流路30Bへとなる。
【0029】本実施例における制動装置1は、入力軸8
と支持軸10とを図2に示すように個別に設けている
が、図21に示すように、回転体9とケース12を貫通
させて入力軸8’を挿通させて1軸とすることもでき
る。この際、開口するケース12下面は、上面側と同一
構成とし、蓋23aと同一構成の底蓋22’をねじ2
3’でケース12下面に締結する。また、回転体9の下
端9bを支持する開口22’aと下端9bとの間にOリ
ング28’を装着し、底蓋23’とケース12下面との
間にもOリング25’を装着してシール性を確保する。
さらに、本実施例では、便器2に制動装置1を装着した
が、自動洗浄機能を有する便器においては、洗浄ユニッ
トに装着しても良い。
【0030】ここで、制動装置1の組付け手順の一例を
図4,図5を用いて説明する。
【0031】まず、ケース12の空間20内に圧縮コイ
ルバネ15,16をその巻き方向を同一方向として重ね
て入れ、圧力吸収部材21を突部14Dの一側12Da
に装着する。次に、回転体9の受圧部14の空間30,
31に安全弁19と開放弁18とをそれぞれ落とし込ん
で入れてOリング28を段部9dに装着した後、ケース
12に入れる。この時、回転体9に形成されるリブ29
の上下に圧縮コイルバネ15,16を位置させること
で、同バネの伸縮時における重なりを防止できる。
【0032】回転体9がケース12に入ったら、Oリン
グ25を円周溝24に装着し、オイル13を入れる。こ
こでは、粘性の緩いシリコンオイルを注射器状器具を使
ってケースの空室20にOリング25の上方液面がくる
までたっぷり注入する。この時、オイル13に気泡が多
く含まれているようなら脱泡し、蓋22を図22に示す
ように、矢印Aで示すケース12のねじ孔26に対し
て、抜孔27をずらして載せ、蓋22を押してケース1
2に密着させる。すると、抜孔27は、図4におけるオ
イル室20Bの上方に位置しているので、同オイル室か
ら余分なオイル13や空気が抜孔27を通ってケース1
2が排出される。
【0033】オイル抜きを行なったあとは、図22にお
いて、矢印Aで示す位置にある蓋22を矢印B方向に反
時計回りに回転させて各ねじ孔を合わせ、蓋22をケー
ス12に締結して最後に油分を取るために洗浄する。
【0034】このように、安全弁19や開放弁18を開
口30,31に落とし込むことで回転体9に装着できる
と共に、ケース12内の余分なオイル13や空気を抜い
てから蓋22をケース12に締結するので、蓋22をケ
ース12に締結するときのケース12からの反発力が低
減され、組付け性が容易とある。また、圧縮コイルバネ
15,16をリブ29で仕切るので、バネの他端15
b,16b側を固定したなくも良く取付け性が良い。
【0035】
【発明の効果】以上、請求項1,2記載の発明によれ
ば、ケース内部の過剰な圧力上昇を抑えるので、制動装
置のオイル漏れのおそれを低減することができると共
に、便座及び便蓋への制動を、便座及び便蓋の倒れ方向
への回動角度に応じてその容積が低減する粘性流体流路
と入力軸と同軸上に位置しないバネとの組合せで調整で
きるので、回動フィーリングや起動性に優れた制動装置
とすることができる。請求項3記載の発明によれば、バ
ネが受圧部に形成される仕切り部により仕切られて伸縮
時において互いに干渉しないので、ケース体に対して装
着し易いと共に、バネの支持構造を簡素化でき、コスト
の低減を図ることができる。請求項4記載の発明によれ
ば、ケース体に連通する抜孔からケース内の余分な空気
やオイルを抜いて、蓋体を回転させて蓋とケース体とを
締結するので、ケース内の内部圧力を低減でき、蓋のケ
ース体への取付が容易となって作業性の向上につなが
る。請求項5記載の発明によれば、凹凸部が形成された
ケース体の外周と合う形状に内部が形成された取付け部
材に収納してケース体を便器に固定するので、便座及び
便蓋が開閉しても取付け部材の内部形状によりケース体
の連れ回りが規制され、制動装置を安定して固定でき、
便座及び便蓋の開閉時のがき付きを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である便座及び便蓋の制動装
置の便器への装着例を示す側面図である。
【図2】制動装置と便蓋及び便座の取付け状態を示す平
面視図である。
【図3】制動装置を収容するカバーの分解斜視図であ
る。
【図4】本発明の制動装置の構成を示す平面視図であ
る。
【図5】図4に示す制動装置の断面図である。
【図6】ケース体の構成を示す平面図である。
【図7】図6に示すケース体の断面図である。
【図8】粘性流体流路の展開図である。
【図9】ケース体に装着される蓋の平面図である。
【図10】図9に示す蓋の断面図である。
【図11】保持部材の構成を示す平面図である。
【図12】図11に示す保持部材の断面図である。
【図13】開放弁と安全弁の斜視図である。
【図14】図13に示す安全弁の正面図である。
【図15】受圧部の構成を示す一部破断した斜視図であ
る。
【図16】(a)は便蓋及び便座が全開位置にあるとき
の制動装置内の状態を示す動作図、(b)は便蓋及び便
座が開角度90°近辺に位置するときの制動装置内の状
態を示す動作図、(c)は便蓋及び便座が開角度45°
近辺に位置するときの制動装置内の状態を示す動作図、
(d)は便蓋及び便座が閉位置に位置するときの制動装
置内の状態を示す動作図である。
【図17】便蓋及び便座の倒れ方向への回動における安
全弁と開放弁の動作を示す拡大図である。
【図18】便蓋及び便座の起立方向への回動における安
全弁と開放弁の動作を示す拡大図である。
【図19】便蓋及び便座の倒れ方向への回動に過負荷が
かかったときの安全弁と開放弁の動作を示す拡大図であ
る。
【図20】開放弁の変形例と安全弁の構成を示す斜視図
である。
【図21】ケース体の変形例を示す断面図である。
【図22】ケース体からのオイルを抜くときの動作を示
す平面視図である。
【符号の説明】
1 制動装置 2 便器 3 便座 4 便蓋 5 取付け部材(カバー) 8 入力軸 9 保持部材(回転体) 12 ケース体 12c 凹凸部(膨張部) 13 粘性流体(オイル) 14 受圧部 15,16 弾性部材(圧縮コイルスプリン
グ) 17 粘性流体流路 18 開放弁 19 減圧部(安全弁) 19b 長孔開口 20 空室(オイル室) 21 圧力吸収部材 26 固定孔(ねじ孔) 27 抜孔 29 仕切り部(リブ) 32 開口 C 倒れ方向 O 起立方向

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粘性流体が封入されたケース体に便器の便
    座及び便蓋を起倒自在に支持する入力軸と、 上記入力軸と一体回動する保持部材に設けられ、上記粘
    性流体内を回動する受圧部と、 上記便座及び便蓋の倒れ方向への回動時に上記受圧部と
    係合する弾性部材と、 上記便座及び便蓋の回動方向に形成され、同便座及び便
    蓋が倒れ方向へ回動するとき、上記受圧部の回動角度に
    応じてその断面積が減少する粘性流体流路と、 上記受圧部に設けられていて、上記便座及び便蓋の起立
    方向への回動によって開く開放弁と、 上記受圧部に設けられていて、上記便座及び便蓋の倒れ
    方向への過大な回動時に弾性変形する減圧部と、 上記ケース体内に設けられた空室に圧力吸収部材とを備
    える便座及び便蓋の制動装置。
  2. 【請求項2】上記弾性部材は、入力軸と同軸上にないバ
    ネであることを特徴とする請求項1記載の便座及び便蓋
    の制動装置。
  3. 【請求項3】上記入力軸と同軸上にないバネを複数設
    け、同バネを隔てる仕切り部を上記受圧部に設けたこと
    を特徴とする請求項2記載の便座及び便蓋の制動装置。
  4. 【請求項4】上記ケース体に形成される固定孔と、上記
    固定孔に対応すると共に、同固定孔との対応部位から外
    れた部位において上記ケース体内と連通する蓋体に形成
    される抜孔とを有し、上記ケース体への粘性流体の注入
    後に上記固定孔と抜孔とを互いにずれた位置に置いて蓋
    体とケース体とを密着させることを特徴とする請求項1
    記載の便座及び便蓋の制動装置。
  5. 【請求項5】上記ケース体の外周に凹凸部を形成し、同
    凹凸部が形成されたケース体の外周と合う形状に内部が
    形成された取付け部材に上記ケース体を収容して便器に
    固定した請求項1記載の便座及び便蓋の制動装置。
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