JPH07313398A - 洋式トイレ用便座 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 便座の横ずれやガタツキを防止して、足腰が
不自由な高齢者が安定して使用できると共に、保守や修
理を不要にした洋式トイレ用便座を提供するものであ
る。 【構成】 ボウル状の便器１の上に、Ｏ形の便座２を開
閉支持部４で開閉自在に取付けた洋式トイレ用便座にお
いて、前記便座２の底面に、便器１のリム７に着脱自在
に係合するコ字形の横ずれストッパー６ａ、６ｂを突設
したことを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は便座の横ずれ防止構造を
改良した洋式トイレ用便座に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、洋式トイレは腰かけた姿勢で楽に
使用できることから普及してきており、特に高齢者や病
人などにとっては膝にかかる負担が少なく使用しやすい
利点がある。従来の洋式トイレは例えば図６に示すよう
に、ボウル状の便器１の上に、０形の便座２が開閉自在
に取付けられ、更にこの上に蓋３が開閉自在に取付けら
れている。通常の家庭では便座２を支持する開閉支持部
４が損耗して横ずれやガタツクことは少ないが、老人ホ
ームや病院など足腰が不自由な高齢者が入院している施
設のトイレでは、短期間に便座２が横ずれやガタツキし
てしまう問題がある。

【０００３】健常者が便座２に座る時には、腰を上方か
ら下ろして座ることができるので、便座２を支持する開
閉支持部４に横方向の力が加わらず損傷する事がない。
しかしながら足腰が不自由な高齢者が便座２に座る時に
は、先ず便座２の端側に腰をかけ、壁に手を当てて身体
を支えながら便座２の上に座ったまま横にずれて中央側
に移動して使用していた。このように便座２の手前側で
横方向にずらす力が作用するため、陶器で製造された便
器１とプラスチックで成型された便座２とを連結する支
点となる開閉支持部４に横方向の大きな力が加わり、数
か月で開閉支持部４が損傷して便座２の支持が不安定に
なってしまう問題があった。

【０００４】このように横ずれやガタツキした状態にな
った便座２に、足腰が不自由な高齢者が座ると更に不安
定な状態となり安心して使用できず、トイレを汚す原因
にもなっていた。このため老人ホームや病院などでは、
頻繁に開閉支持部４を修理しなければならず、この作業
が職員の大きな負担となっていた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記欠点を除
去し、便座の横ずれやガタツキを防止して、足腰が不自
由な高齢者が安定して使用できると共に、保守や修理を
不要にした洋式トイレ用便座を提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の請求項１記載の
発明は、ボウル状の便器の上に、Ｕ形または０形の便座
を開閉自在に取付けた洋式トイレ用便座において、前記
便座の底面に、便器のリムに着脱自在に係合する横ずれ
ストッパーを突設したことを特徴とするものである。更
に請求項２記載の発明は、前記横ずれストッパーがコ字
形またはＬ字形に形成されていることを特徴とするもの
である。

【０００７】

【作用】本発明の洋式トイレ用便座は、便器の上に倒し
て重ねると、便座の底面に取付けた横ずれストッパー
が、便器のリムに嵌合して横ずれしなくなる。このため
足腰が不自由な高齢者が便座に座る時に、先ず便座の端
側に腰をかけ、この上に座ったまま横にずれて中央側に
移動しても、便座と便器とは横ずれストッパーで連結さ
れているので横移動を防止することができる。このため
便座を支持する開閉支持部に無理な横方向の力が加わら
ないので、ここが損傷せず便座のガタツキも防止でき、
長期間に亘って安定して使用することができる。

【０００８】

【実施例】以下本発明の一実施例を図１ないし図３を参
照して詳細に説明する。図１に示すようにボウル状の便
器１の上に、０形の便座２が開閉支持部４で開閉自在に
取付けられ、更にこの上に蓋３が開閉支持部４に開閉自
在に取付けられている。前記便座２の裏面には、４個の
クッションマット５…が間隔をおいて接合され、左右両
側のクッションマット５、５の中間に夫々コ字形の横ず
れストッパー６ａ、６ｂが下方に向かって取付けられて
いる。この横ずれストッパー６ａ、６ｂは図３に示すよ
うに、便器１のリム７の幅より少し広い間隔でコ字形に
金属板を折曲したものである。

【０００９】この横ずれストッパー６ａ、６ｂは図２に
示すように、便座２の湾曲形状に沿って側面を湾曲させ
たプラスチック板８にビス９、９で接合し、このプラス
チック板８を図１に示すように便座２の底板２ａに両面
接着テープで接合したものである。

【００１０】上記構造の洋式トイレ用便座２は図３に示
すように、便器１の上に倒して重ねると、便座２の底面
に取付けたコ字形の横ずれストッパー６ａ、６ｂが、便
器１のリム７に嵌合して、便座２が横ずれしなくなる。
このため足腰が不自由な高齢者が便座２に座る時に、先
ず便座２の端側に腰をかけ、壁に手を当てて身体を支え
ながら便座２の上に座ったまま横にずれて中央側に移動
しても、便座２と便器１は横ずれストッパー６ａ、６ｂ
で連結されているので移動しない。

【００１１】従って便座２を支持する開閉支持部４に無
理な横方向の力が加わらないので損傷せず便座２のガタ
ツキも防止でき、長期間に亘って安定して使用すること
ができる。なお図１に示すように便座２を持ち上げて男
性が小用をたす時には、コ字形の横ずれストッパー６
ａ、６ｂが便器１のリム７から容易に外れて開閉するこ
とができる。

【００１２】図４は本発明の他の実施例を示すもので、
横ずれストッパー10ａ、10ｂは金属板をＬ字形に折曲し
て形成し、これをプラスチック板８にビス９、９で接合
し、このプラスチック板８、８を便座２の底面に両面接
着テープで接合したものである。この場合、Ｌ字形の横
ずれストッパー10ａ、10ｂは、互いに内向きに対向さ
せ、その間隔を便器１のリム７の幅より少し広く設定し
て、両ストッパー10ａ、10ｂの間で便器１のリム７をそ
の両側から支持するようにしたものである。この構造で
は、Ｌ字形の横ずれストッパー10ａ、10ｂが別個に形成
されているので、便器１のリム７の幅にあわせて調整す
ることができる。

【００１３】なお上記実施例では便座２として、底面に
底板２ａを取付け内部にヒーターを内蔵した暖房便座に
適用した場合について示したが、図５に示すように底板
２ａのない通常の便座２にも適用することができる。こ
の便座２はコ字形の横ずれストッパー６ａをプラスチッ
ク板８の底面に接合し、このプラスチック板８の上面の
両側に嵌合溝11、11を一体に形成し、この嵌合溝11、11
に便座２の両端を嵌合させて接着剤で固定したものであ
る。

【００１４】なお上記実施例では、便座２として０形の
ものに適用した場合について示したがＵ形の便座でも良
く、また横ずれストッパーの取付位置は、便座２の左右
両側だけでなく、手前側にも取付けた構造でも良い。

【００１５】

【発明の効果】以上説明した如く本発明に係る洋式トイ
レ用便座によれば、便座の横ずれやガタツキを防止し
て、足腰が不自由な高齢者が安定して使用できると共
に、修理を不要にして職員の負担を少なくすることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例による便座を起こした状態を
正面上方から示す洋式トイレの斜視図である。

【図２】図１に示すプラスチック板に取付けた横ずれス
トッパーを底面側から示す斜視図である。

【図３】便器に便座を重ねて横ずれストッパーがリムに
嵌合した状態を示す断面図である。

【図４】本発明の他の実施例によるＬ字形の横ずれスト
ッパーを便座の底面に取付けた状態を底面側から示す斜
視図である。

【図５】本発明の異なる他の実施例による、横ずれスト
ッパーがリムに嵌合した状態を示す断面図である。

【図６】従来の洋式トイレを示す斜視図である。

【符合の説明】

１ 便器 ２ 便座 ２ａ 底板 ３ 蓋 ４ 開閉支持部 ５ クッションマット ６ａ 横ずれストッパー ６ｂ 横ずれストッパー ７ リム ８ プラスチック板 ９ ビス 10ａ 横ずれストッパー 10ｂ 横ずれストッパー 11 嵌合溝

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ボウル状の便器の上に、Ｕ形または０形
   の便座を開閉自在に取付けた洋式トイレ用便座におい
   て、前記便座の底面に、便器のリムに着脱自在に係合す
   る横ずれストッパーを突設したことを特徴とする洋式ト
   イレ用便座。
2. 【請求項２】 横ずれストッパーがコ字形またはＬ字形
   に形成されていることを特徴とする請求項１記載の洋式
   トイレ用便座。