JPH07313163A - 生体触媒による連続反応方法 - Google Patents

生体触媒による連続反応方法

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JPH07313163A
JPH07313163A JP11111794A JP11111794A JPH07313163A JP H07313163 A JPH07313163 A JP H07313163A JP 11111794 A JP11111794 A JP 11111794A JP 11111794 A JP11111794 A JP 11111794A JP H07313163 A JPH07313163 A JP H07313163A
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reaction
biocatalyst
substrate
tank
immobilized
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JP11111794A
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Inventor
Takaya Hayashi
隆哉 林
Masaharu Mukoyama
正治 向山
Koichi Sakano
公一 阪野
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Immobilizing And Processing Of Enzymes And Microorganisms (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 生体触媒を用いて連続的酵素反応により基質
を有用物質に転換する方法において、酵素活性を長期間
安定に維持するための方法及び装置を提供する。 【構成】 前記反応のために(1)生体触媒を収容した
完全混合型反応槽と、(2)固定化生体触媒を充填した
充填塔又は流動層型反応器とを用い、反応速度が高く発
熱量が多い酵素反応の初期反応を(1)において行うこ
とにより温度の上昇を防止して酵素の欠活を防止し、
(2)において酵素反応を完結する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、微生物菌体あるいは
その破砕物、酵素などの生体触媒と基質とを反応させて
種々の有用物質を製造する方法において、反応を効率よ
く実施するための方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその問題点】微生物、酵素などの生体触
媒は高い基質特異性を有すること、常温常圧下で効率よ
く触媒反応が進むことから、近年、各種有用物質の生産
に利用されている。また、酵素又は酵素活性を有する微
生物菌体を反応の溶媒に不溶の担体に結合又は担体で包
括的に包むことあるいは限外ろ過膜などで仕切ることに
よって実質的に反応系外に出ないようにすることによっ
て、生体触媒とし、これを反応器に充填し、ここに基質
液を連続的に供給することによって反応を行い、流出し
た反応液から種々の方法によって生成物を回収すること
が行われている。
【0003】しかしながら、生体触媒を用いる反応にお
いては、長期間の反応によって反応の活性が低下するこ
とによって、反応器から流出した液中の残存基質濃度が
上昇していき、生成物の純度や製造コストなどを考えた
場合、ある一定期間反応を行ったのちに、生体触媒を交
換する必要があるのが現状である。このような活性低下
は生体触媒がタンパク質より構成されており、反応熱、
液のpH変化、反応液濃度、液中の不純物などの因子によ
り変性をうけやすい以上避けることができないことであ
り、生体触媒の活性低下がよりおこりにくい反応方法や
装置の開発が求められている。
【0004】とくに生体触媒による反応が発熱反応の場
合、生体触媒の活性や安定性の低下がおこりやすいた
め、活性低下を避けるために反応熱の除去が行いやすい
反応器を使用するなどの設備的な工夫が必要である。固
定化生体触媒を用いて有用物質を生産する方法は触媒と
生成物の分離が容易であり、又触媒をくりかえし利用で
きるなどの技術的な特徴を有しており、生体触媒による
連続反応に有利な反応態様とされている。
【0005】しかしながら、固定化生体触媒を円筒型反
応器や流動層型反応器に充填して反応に用いる場合、効
率よく冷却するのが困難であり、冷却が不十分であると
生体触媒の反応活性あるいは生体触媒の寿命が低下して
しまう問題点を有している。特に反応量が大になると反
応に伴う発熱量も大になり、それだけ、反応器内の温度
制御が困難であり、生体触媒の活性低下あるいは安定性
の低下をもたらす可能性が大きくなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、特に
反応の初期段階における温度等の条件管理を適切に行う
ことによって、生体触媒の活性を長時間安定に維持しな
がら、酵素反応を十分に行うための方法及び装置を提供
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明において、上記問
題点を解決するために、生体触媒を用いる連続反応方法
の開発について鋭意検討を行った結果、生体触媒を加え
た完全混合型反応槽と固定化生体触媒を充填した充填塔
または流動層型反応器からなる2個以上の反応器を使用
し、かつ生体触媒を加えた完全混合型反応槽を用いて反
応を行い、得られた反応物を含む濾液を固定化生体触媒
を充填した充填塔または流動層型反応器に導通して反応
を完結させることにより、反応槽のサイズが小型化し、
また反応系内での発熱など生体触媒の活性あるいは安定
性の低下につながる因子の制御が容易にできることを見
いだし、本発明を開発するに至った。
【0008】従って本発明は、生体触媒を用いる酵素反
応により基質を有用物質に連続的に転換することにより
有用物質を生成せしめる方法において、 (1)完全混合型反応槽において、生体触媒と、基質を
含んで成る基質反応液とを完全混合状態で反応せしめる
ことにより、該基質の一部分を有用物質に転換して、生
体触媒と未反応基質と有用物質とを含んで成る中間反応
液を得; (2)前記中間反応液を生体触媒と、未反応基質と有用
物質とを含んで成る中間基質反応液とに分離し、そして
該分離された生体触媒は前記工程(1)において再使用
し;そして (3)前記中間基質反応液を、固定化生体触媒を充填し
た充填塔又は流動層型反応器に導通することにより該中
間基質反応液中の未反応基質を有用物質に転換して、有
用物質を含んで成る最終反応液を得る; 段階を含んで成る方法、を提供する。
【0009】本発明の1つの態様によれば、前記工程
(2)の分離を、完全混合型反応槽の出口において濾過
により行い、未反応基質と目的物質とを含んで成る中間
反応基質液を完全混合型反応槽から、取り出す。本発明
の他の態様によれば、前記工程(2)の分離を、中間反
応液を完全混合型反応槽から取り出した後に行い、分離
された生体触媒は該完全混合型反応槽に返還して工程
(1)において再使用し分離された中間反応基質は段階
(3)において使用する。本発明の1つの態様によれ
ば、工程(1)における反応が発熱反応であり、前記完
全混合型反応槽中の反応液の温度を冷却により一定に維
持する。本発明の1つの態様によれば、工程(1)にお
ける完全混合型反応槽中の生体触媒が固定化生体触媒で
あり、また工程(3)における充填塔又は流動層型反応
器中の固定化生体触媒とが同一種類のものである。
【0010】本発明はさらに、連続酵素反応装置におい
て、(1)生体触媒を収容した完全混合型反応槽であっ
て、該生体触媒と、基質を含有する基質媒体とを混合し
て該基質の一部分を有用物質に転換するためのもの、
(2)前記生体触媒と、前記(1)により得られる中間
反応媒体とを分離する手段、(3)固定化生体触媒を充
填した充填塔又は流動層型反応器であって、前記中間反
応媒体中の未反応基質を有用物質に転換させるためのも
の、を有する装置を提供する。本装置の1つの態様によ
れば工程(1)における完全混合型反応槽中の生体触媒
が固定化生体触媒である。また本発明の好ましい態様に
よれば、前記完全混合型反応槽が攪拌機を備えた槽又は
エアーリフト攪拌槽である。本発明の好ましい態様によ
れば、前記分離手段が、濾過器又は遠心分離機である。
【0011】
【発明の効果】本発明によると、高濃度基質が流入する
第1反応器では基質濃度が高いために反応速度も大き
く、そのため発熱量も大きくなり、また液のpHの変化な
ど生体触媒の失活につながる因子も大になるが、完全混
合型反応槽のため、温度制御、pH制御など各種生体触媒
の活性あるいは安定性の低下につながる因子の制御が充
填塔または流動層型反応器などよりも行いやすい特徴を
有する。
【0012】しかし、完全混合型反応槽のみを用いて反
応を完結させるには反応効率が悪く、また反応設備が大
型になり、汎用性に乏しいなどの問題点があった。そこ
で、完全混合型反応槽で反応を完結させずに、反応生成
物と原料が混合した反応途中の反応液を固定化生体触媒
を充填した充填塔または流動層型反応器に流入し、反応
を完結させることにより上記問題が解決されることを見
いだした。
【0013】この場合には、固定化生体触媒を充填した
充填塔または流動層型反応器に流入される反応液は基質
濃度が低い溶液であるために、発熱量も小さくなり、従
って、温度制御が容易になるとともに発熱などに伴う生
体触媒の活性の低下あるいは安定性低下を防ぐことがで
きる特徴を有する。またpHなどの生体触媒の活性低下に
つながる反応槽中の液の変化も小さくなる。また反応途
中の液を流通させるために反応時間を短縮できるかある
いは充填する生体触媒の量を小さくすることができる。
【0014】
【具体的な説明】以下に本発明の実施態様を説明する
が、本発明はかかる実施態様のみに限定されるものでは
ない。本発明において用いられる完全混合型反応槽と
は、例えば、攪拌機を備えたいわゆる攪拌槽で、液中の
あらゆる化合物濃度が完全に一様になるように完全混合
して反応を行う装置である。あるいは、気体の吹き込み
により攪拌を行う、いわゆるエアーリフト型反応槽であ
ってもよい。上記反応槽は単一の反応槽でもよいし、複
数の反応槽を直列に、あるいは並列に連結したものでも
用いることができる。また必要に応じて、反応槽の連結
部に貯溜槽を設けることも可能である。
【0015】また反応槽にはジャケットや冷却コイルな
どを装備する事によって冷却できるようにする方が望ま
しい。また反応槽の間に熱交換器を挿入することも可能
である。上記完全混合型反応槽における反応に用いられ
る生体触媒は基質原料との反応に使用できるものであれ
ばいずれも使用可能である。この場合、生体触媒は微生
物菌体をそのまま用いることもできるし、超音波、摩
砕、凍結融解、酵素処理などにより物理的または生化学
的に処理して破砕した菌体破砕物、および菌体もしくは
菌体破砕物あるいは菌体より抽出した酵素をポリアクリ
ルアミド、アルギン酸、κ−カラギーナンなどの適当な
天然系高分子、あるいは合成高分子を担体として固定化
して用いることも可能である。
【0016】該反応槽での反応にあたって、反応槽内の
反応条件は、用いる生体触媒の活性と安定性を考慮して
設定すればよいが、生体触媒の活性と安定性にかかわる
条件としては、例えば、反応温度、反応液のpH、基質濃
度および種類、生成物の濃度および種類、攪拌速度、反
応時間、などがあげられる。完全混合型反応槽での反応
は、例えば、この反応槽に基質媒体を連続的に導入し、
同じ速度で、該反応槽から中間反応液を取り出すことに
より行うことができる。但し、この操作は連続的である
必要はなく、例えば基質媒体の導入と中間反応媒体の取
り出しとを、同時に、又は時間差をもって、間欠的に行
うこともできる。
【0017】中間反応液を、生体触媒と、未反応の基質
及び生成した有用物質を含んで成る中間媒体とに分ける
手段としては、完全混合型反応槽の出口に濾過手段、例
えば濾過膜(フィルター)を設けており、液体のみを完
全混合型反応槽から取り出す方法が用いられる。あるい
は、生体触媒を含む中間反応液を完全混合型反応槽から
一旦取り出した後、これを固液分離してもよい。この場
合の分離手段としては、濾過装置、遠心分離装置等、常
用の固液分離装置を用いることができる。分離された生
体触媒は常用手段、例えばポンプ等により完全混合型反
応槽に返還される。
【0018】完全混合型反応槽で得られた反応生成物を
含む濾液は連続的にあるいは非連続的に固定化生体触媒
を充填した充填塔または流動層型反応器に導通して反応
を完結させる。この充填塔または流動槽型反応器もジャ
ケットや冷却コイルなどの冷却装置を装備したものを用
いる方が望ましい。
【0019】固定化微生物菌体あるいは固定化酵素など
の固定化生体触媒の調整としては公知の方法を採用する
ことができ、また反応槽への充填方法も公知の方法が採
用できる。充填塔または流動槽型反応器の個数は1個で
も、複数でも差し支えなく、反応器の型、容積、流入液
の供給速度、反応温度、固定化生体触媒の種類などによ
って適正な数にすればよい。また、複数の反応槽を用い
る場合、反応槽を直列に連結しても、並列に連結しても
適用可能である。流入液の流通方法も下降流型、上昇流
型のいずれでもよい。
【0020】本発明方法を実施するにあたっては反応進
行率は、上記に説明した完全混合型反応槽からの流入液
の組成(原料、生成物濃度)、固定化生体触媒の量、反
応温度、流速(特に線速度)その他に影響をうけるが、
例えば、カラム法による反応の場合には、充填する固定
化生体触媒の量に従い、流入液の流速を適当に調整する
ことにより反応進行率を100%までに高める至適条件
を見いだすことは容易である。
【0021】以上のごとく、本発明は、生体触媒を用い
る連続反応方法において、有用物質を酵素反応によって
生産する際に、生体触媒を加えた完全混合型反応槽と固
定化生体触媒を充填した充填塔または流動層型反応器か
らなる2個以上の反応器を使用し、かつ完全混合型反応
槽を用いて反応を行い、得られた反応物を含む濾液を固
定化生体触媒を充填した充填塔または流動層型反応器に
導通して反応を完結させることを特徴としているため、
高濃度の基質溶液を小スケールの反応槽で連続的に反応
可能であり、また初期反応時の発熱、pHの変化など生体
触媒の活性、安定性の低下因子の制御が容易に行えるた
め、生体触媒の交換頻度を減らすことが可能である優位
性をもっている。
【0022】
【実施例】以下に本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。なお反応
生成物は、液体クロマトグラフィーにより分析した。実施例1. 2Lジャーファーメンターにフマル酸20
g、リン酸1カリウム1g、硫酸マグネシウム7水塩
0.5g、酵母エキス20g、コーンスティープリカー
20gを水に溶解し、pHをアンモニアで6.8に調節し
た培地1Lを仕込み滅菌した後、別に500ml振盪フラ
スコに同上の培地50mlをいれて培養しておいたEsc
herichia coli ATCC 11303を
接種し、37℃で通気攪拌培養した。
【0023】培地中有のフマル酸が消失した時点で、菌
体培養液に酢酸を加え、pHを5に調整して45℃で1時
間放置後、培養液を遠心分離にかけ、菌体を分離した。
この菌体を1mMの硫酸マグネシウムを含有する50mMの
燐酸緩衝液(pH7)に懸濁させた後、フレンチプレスを
用いて菌体を破砕した。上記緩衝液を用いて全蛋白量5
g/Lの濃度になるように調整した菌体破砕液約1.5
Lにイオン交換樹脂デュオライトA−7(米国ダイヤモ
ンドシャムロックケミカル)0.5Lを添加し、4℃で
24時間、攪拌を行い、イオン交換樹脂に菌体破砕液中
の酵素を吸着させた。イオン交換樹脂1Lあたり14.
3gのアスパルターゼ活性を含む酵素タンパク質が吸着
された。
【0024】L−アスパラギン酸生成連続反応には反応
液として、1L中にフマル酸200g、硫酸マグネシウ
ム7水塩0.2gを含有するフマル酸アンモニウム水溶
液(アンモニア水でpHを8.3に調整)を用いた。攪拌
器を装備した、反応液の入口、出口を設けた、全容50
0mlの外トウ付き完全混合型反応槽に、上記固定化酵素
を100mlいれ、攪拌下で外とうに温水を流通させて反
応温度を37℃に保ちながら、上記反応液を100ml/
hの速度で添加し、同時に当量の反応液をぬきだした。
ついで、第1槽の完全混合型反応槽からの流出液を、温
水を外套に流通させ37℃に保温した。固定化酵素カラ
ム(25φ×500mm、充填樹脂量200ml)に100
ml/hの速度(流速S.V.=0.5)で通液した。
【0025】第1反応槽の流出液と第2反応カラムの流
出液を適宜サンプリングし、液中に残存したフマル酸濃
度と生成したL−アスパラギン酸の濃度を測定した結果
を下にしめす。
【0026】
【表1】
【0027】実施例2.アシネトバクター タルタロゲ
ネス(Acinetobacter tartarog
enes ATCC 31105)を1L当たり、シス
エポキシコハク酸2ナトリウム5g、硫酸アンモニウム
3g、リン酸1カリウム1.5g、リン酸2ナトリウム
1.5g、硫酸マグネシウム・7水塩0.5g、硫酸鉄
・7水塩10mg、塩化カルシウム・2水塩10mg、硫酸
マンガン・4水塩20mg、酵母エキス0.1gを含有す
る液体培地(pH6.2)100mlに接種し、30℃、2
4時間振盪培養し、これを上記と同組成の培地3Lを仕
込んだ5Lジャーファーメンターに接種して30℃で通
気攪拌培養を行った。培地中の有機酸濃度が0.1%以
下に低下した時点で培養液を遠心分離し、菌体を分離し
た。この菌体を50mMの燐酸緩衝液(pH7)に懸濁させ
た後、フレンチプレスを用いて菌体を破砕した。
【0028】上記緩衝液を用いて全蛋白量5g/Lの濃
度になるように調整した菌体破砕液約1.5Lにイオン
交換樹脂デュオライトA−7(米国ダイヤモンドシャム
ロックケミカル)0.5Lを添加し、4℃で24時間、
攪拌を行い、イオン交換樹脂に菌体破砕液中の酵素を吸
着させた。イオン交換樹脂1Lあたり18.8gの加水
分解活性を含む酵素タンパク質が吸着された。
【0029】L−酒石酸生成連続反応には反応液とし
て、1L中にシスエポキシコハク酸を200g含有する
シスエポキシコハク酸2ナトリウム水溶液(pH8)を用
いた。攪拌器を装備した、反応液の入口、出口を設け
た、全容500mlの冷却コイル付き完全混合型反応槽
に、上記固定化酵素を100mlいれ、攪拌下で冷却コイ
ルに30℃の温水を流通させて反応温度を30℃に保ち
ながら、上記反応液を100ml/hの速度で添加し、同
時に当量の反応液をぬきだした。ついで、第1槽の完全
混合型反応槽からの流出液を、温水を外套に流通させ3
0℃に保温した。固定化酵素カラム(30φ×500m
m、充填樹脂量300ml)に100ml/hの速度(流速
S.V.=0.33)で通液した。
【0030】第1反応槽の流出液と第2反応カラムの流
出液をサンプリングし、液中に残存したシスエポキシコ
ハク酸濃度と生成したL−酒石酸の濃度を測定した結
果、2週間連続運転の結果、第1槽流出液中の生成L−
酒石酸濃度と残存シスエポキシコハク酸濃度はそれぞれ
78.2%,20.9%であり、第2槽流出液中の生成
L−酒石酸濃度と残存シスエポキシコハク酸濃度はそれ
ぞれ99.6%,0.35%であった。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:01) (C12P 13/20 C12R 1:19)

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生体触媒を用いる酵素反応により基質を
    有用物質に連続的に転換することにより有用物質を生成
    せしめる方法において、 (1)完全混合型反応槽において、生体触媒と、基質を
    含んで成る基質反応液とを完全混合状態で反応せしめる
    ことにより、該基質の一部分を有用物質に転換して、生
    体触媒と未反応基質と有用物質とを含んで成る中間反応
    液を得; (2)前記中間反応液を生体触媒と、未反応基質と有用
    物質とを含んで成る中間基質反応液とに分離し、そして
    該分離された生体触媒は前記工程(1)において再使用
    し;そして (3)前記中間基質反応液を、固定化生体触媒を充填し
    た充填塔又は流動層型反応器に導通することにより該中
    間基質反応液中の未反応基質を有用物質に転換して、有
    用物質を含んで成る最終反応液を得る;段階を含んで成
    る方法。
  2. 【請求項2】 前記工程(1)(2)の生体触媒を固定
    化して用いる請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記工程(2)の分離を、完全混合型反
    応槽の出口において濾過により行い、未反応基質と目的
    物質とを含んで成る中間反応基質液を完全混合型反応槽
    から取り出すことを特徴とする請求項1〜2に記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 前記工程(2)の分離を、中間反応液を
    完全混合型反応槽から取り出した後に行い、分離された
    生体触媒は該完全混合型反応槽に返還して工程(1)に
    おいて再使用し、分離された中間反応基質は段階(3)
    において使用する、ことを特徴とする請求項1〜2に記
    載の方法。
  5. 【請求項5】 工程(1)における反応が発熱反応であ
    り、前記完全混合型反応槽中の反応液の温度を冷却によ
    り一定に維持することを特徴とする請求項1〜4のいず
    れか1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 工程(1)における完全混合型反応槽中
    の固定化生体触媒と、工程(3)における充填塔又は流
    動層型反応器中の固定化生体触媒とが同一種類のもので
    ある、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記反応がアスパルターゼまたはアスパ
    ルターゼ活性含有物を用いたフマル酸からのL−アスパ
    ラギン酸の製造反応である請求項1〜6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記反応が酒石酸エポキシターゼまたは
    酒石酸エポキシターゼ活性含有物を用いたシスエポキシ
    コハク酸からのL−酒石酸の製造反応である請求項1〜
    6に記載の方法。
  9. 【請求項9】 連続酵素反応装置において、 (1)生体触媒を収容した完全混合型反応槽であって、
    該生体触媒と、基質を含有する基質媒体とを混合して該
    基質の一部分を有用物質に転換するためのもの、 (2)前記生体触媒と、前記(1)により得られる中間
    反応媒体とを分離する手段、 (3)固定化生体触媒を充填した充填塔又は流動層型反
    応器であって、前記中間反応媒体中の未反応基質を有用
    物質に転換させるためのもの、を有する装置。
  10. 【請求項10】 前記装置(1)(2)の生体触媒を固
    定化して用いる請求項9に記載の装置。
  11. 【請求項11】 前記完全混合型反応槽が攪拌機を備え
    た槽又はエアーリフト攪拌槽である、請求項9〜10に
    記載の装置。
  12. 【請求項12】 前記分離手段が、濾過器又は遠心分離
    機である、請求項9〜10に記載の装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998015641A1 (fr) * 1996-10-04 1998-04-16 Rhodia Chimie Preparation d'une composition comprenant une substance thermosensible et un compose thermoreticulable et utilisation de ladite composition

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WO1998015641A1 (fr) * 1996-10-04 1998-04-16 Rhodia Chimie Preparation d'une composition comprenant une substance thermosensible et un compose thermoreticulable et utilisation de ladite composition

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