JPH07311621A - 機器の総合支援システム、及び同システムが適用される機器の制御装置 - Google Patents

機器の総合支援システム、及び同システムが適用される機器の制御装置

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JPH07311621A
JPH07311621A JP7088756A JP8875695A JPH07311621A JP H07311621 A JPH07311621 A JP H07311621A JP 7088756 A JP7088756 A JP 7088756A JP 8875695 A JP8875695 A JP 8875695A JP H07311621 A JPH07311621 A JP H07311621A
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JP7088756A
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English (en)
Inventor
Masahiro Kayano
雅弘 茅野
Hiroyuki Seki
裕之 関
Hidefumi Mitsunaga
秀文 光長
Katsuhisa Tsuchiya
勝久 土屋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 機器の開発、製造、点検、保守等の各場面で
行われる機器の内部チェック作業を正確かつ容易なもの
とするために、機器の内部状態や動作に直接的アクセス
してこれを容易に観察、測定及び操作することができる
総合支援システムを提供する。 【構成】 機器100に対し複数の外部システム200
〜500が選択的に接続できる。外部システム200〜
500はそれぞれ、機器100の試作品評価の支援、制
御基板の自動検査の支援、製品の自動検査の支援、使用
現場でのメンテナンスの支援を目的としている。機器1
00は、外部システムからリード指令を受けると制御基
板103内の内部情報を外部システムに出力し、ライト
指令を受けると制御基板103内の内部情報を書換え、
また動作指令を受けると特定の制御動作を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、工業生産される各種の
機器について、製造工場における製品の開発、評価、検
査及び調整、並びに使用現場における製品の点検、保守
及び修理などの諸作業を、容易且つ高精度に行えるよう
にするためのコンピュータを活用した総合支援システム
と、この総合支援システムを実用的なものとするために
その機器が具備すべき制御装置とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】出願人が取り扱う一品目である給湯機を
例にとり以下説明する。給湯機を開発し、製造し、使用
場所に設置し、点検し、保守する各場面において、作業
者は給湯機の内部状態や動作をそれぞれの目的の範囲で
チェックし評価する必要がある。例えば、製品の開発過
程では、試作品についてその動作や機能を調べ評価し
て、改良改善の必要性を判断しなければならない。ま
た、製造ラインでの検査過程では、出来上がった製品の
性能や品質が規定の許容範囲内にあるか否かをチェック
しなければならない。また、使用現場での設置工事や保
守点検においては、正常に動作するか、故障や不具合は
無いか、もし不具合があればその原因は何か等を検査し
なくてはならない。
【0003】従来、これらの各場面において、作業者は
それぞれの目的に応じた道具や方法を使って給湯機の内
部状態や動作を調べている。しかし、いずれの場面でも
従来のやり方は、給水温度や出湯温度等のように給湯機
の外部に現れる状態や動作を観察、測定又は操作してみ
ることにより、給湯機の内部状態や内部動作を推測す
る、という手法に大きく依存している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、給湯機に
関して従来行われている内部チェック方法は、給湯機の
内部状態や動作に直接アクセスするのではなく、外部的
な状態や動作を通じて間接的にアクセスするという側面
を多く持っている。その主たる原因の一つは、給湯機自
体がそうした直接的な内部アクセスを可能にする機能を
もっていない点にある。
【0005】こうした事情から、従来は、給湯機の内部
状態や動作を詳細かつ正確にリアルタイムでキャッチし
て的確な評価を下す、ということは非常に困難である。
また、それが技術的には可能であっても、複雑で高価な
設備を必要とするため、現実的には無理である。特に、
使用現場で行う設置工事や保守点検の場面では、簡易な
器具しか使えないから、完全に不可能である。
【0006】こうした問題は、給湯機に限らず他の種々
の機器にも共通に存在している。特に、マイクロプロセ
ッサにより制御される最近の電子制御式の機器では、外
部からはその動作や状態が窺い知れないブラックボック
ス部分が多く、そのため内部チェックの困難性は格別に
顕著となっている。しかし、電子制御式の機器が主流と
なった今日、この問題に対して抜本的解決を与えること
は、製造者にとっても、そのサービスを受けるユーザに
とっても非常に有益なことである。
【0007】従って、本発明の主たる目的は、機器の開
発、製造、点検、保守等の各場面で行われる機器の内部
チェック作業を正確かつ容易なものとするために、機器
の内部状態や動作に直接的にアクセスしてこれを容易に
観察、測定及び操作することができる総合支援システム
を提供することにある。
【0008】また、本発明の副なる目的は、このような
総合支援システムを適用できるようにした機器の制御装
置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の側面に従
う機器の総合的支援システムは、機器に関する複数種の
作業を個別に支援するための、機器外部に設けられた複
数の外部システムと、これらの外部システムを択一的に
機器に通信可能に接続しかつ切り離すための接続手段と
を備える。そして、機器と外部システムとの間の通信イ
ンターフェースが、外部システムの全てについて共通化
されている。
【0010】また、本発明の第2の側面に従う機器の制
御装置は、外部システムを接続するための接続手段と、
当該機器の制御に関わる内部情報を保持した内部メモリ
と、この内部メモリから内部情報を読み出して接続手段
へ出力する内部情報出力手段と、この内部情報出力手段
に対し、読み出すべき内部情報を指定するリード情報指
定手段とを備える。
【0011】また、本発明の第3の側面に従う機器の制
御装置は、外部システムを接続するための接続手段と、
当該機器の制御に関わる内部情報を保持する内部メモリ
と、外部システムからのライト指令に基づいて、内部メ
モリ内の内部情報を書換える内部情報書換え手段とを備
える。
【0012】さらに、本発明の第4の側面に従う機器の
制御装置は、外部システムを接続するための接続手段
と、当該機器の状態及び動作を制御する機器制御手段
と、外部システムからの動作指令に基づき、機器制御手
段に特定の動作を実行させる特定動作制御手段とを備え
る。
【0013】
【作用】本発明の第1の側面に従う総合支援システムに
よれば、作業場面に応じた適切な外部システムを機器に
接続し、外部システムと機器との間で通信を行なうこと
ができる。この通信を通じて、その作業に必要な機器の
内部情報にアクセスしたり、機器に対し必要な動作の実
行を指令したりすることにより、その作業が迅速、かつ
容易、かつ正確に行なうことができるようになる。
【0014】本発明の第2の側面に従う機器の制御装置
によれば、機器に外部システムを必要に応じて接続し、
機器の内部メモリに保存されている各種の内部情報の中
から、作業に必要な情報を選択して外部システムに読み
出すことができる。従って、機器の内部状態や内部動作
のチェックが容易かつ正確に行なうことができる。しか
も、内部メモリ内の情報は機器の制御の進行に従って実
質的にリアルタイムで変更されるから、その情報を繰返
し読み出すことにより、機器の状態や動作の進行状況を
実質的にリアルタイムで把握することができる。
【0015】本発明の第3の側面に従う機器の制御装置
によれば、機器に外部システムを接続して、外部システ
ムからの指令で機器内の内部メモリを書換えることによ
り、機器の状態や動作を任意に変更することができる。
従って、任意の条件下で機器の状態や動作を実験するこ
とができる。
【0016】本発明の第4の側面に従う機器の制御装置
によれば、機器に外部システムを接続して、外部システ
ムからの指令で機器に所望の動作を実行させることがで
きる。従って、所望の動作やそれに関連する状態のチェ
ックが簡単に行なえる。
【0017】
【実施例】図1は、給湯機に適用した本発明に係る総合
支援システムの一実施例の全体的システム構成を示す。
【0018】図1において、本システムは、それぞれ異
なる場面での支援を目的とした4つの独立したサブシス
テムを含む。すなわち、評価支援システム200、制御
基板自動検査システム300、製品検査・調整システム
400、フィールド・メンテナンス支援システム500
である。
【0019】これら4つのサブシステム200、30
0、400、500は、それぞれの接続コネクタ20
1、301、401、501を介して給湯機100の接
続コネクタ101と接続でき、この接続を通じて給湯機
100の制御基板103と双方向に通信することができ
る。その際の通信インタフェースは、4つのサブシステ
ム200、300、400、500を通じて共通化され
ている。従って、給湯機100は、その共通化された一
つの通信インタフェースを備えて、これを通じていずれ
のサブシステムとも通信することができる。尚、接続コ
ネクタ101は給湯機100とサブシステム200〜5
00とを通信可能に接続するものであるから、同機能を
果たすものであれば、これに代えて無線局や光通信イン
タフェースなどを用いてもよい。
【0020】以下、上記4つのサブシステム200、3
00、400、500を、給湯機100の内部システム
と区別するために「外部システム」と呼ぶことにする。
【0021】以下、給湯機100及び4つの外部システ
ム200、300、400、500の概略を順に説明す
る。
【0022】給湯機100は、CPUやメモリ等を含む
マイクロコンピュータを搭載した制御基板103を有す
る。この制御基板103には、台所リモートコントロー
ラ105、浴室リモートコントローラ107、図示しな
い各種の温度や流量のセンサ(図示省略)、及び前述し
た接続コネクタ101が接続されている。制御基板10
3は、マイクロコンピュータのプログラムされた機能と
して、リモートコントローラ105、107や各種セン
サからの信号に基づいて給湯機100の燃焼系統や湯水
流系統(いずれも図示省略)を制御するという本来の機
能を備えると共に、外部システムからの指令に従って、
マイクロコンピュータのメモリにアクセしてそこに蓄積
されている給湯機100の内部状態や制御演算のパラメ
ータ等の種々の情報を読み出したり書き換えたり、或い
は指令された制御動作を実行したりする機能を備えてい
る。前者の機能は従来の給湯機も具備する機能であるた
め、この明細書では格別の説明は行わないが、後者の機
能は本発明に深く関わる機能であるため、後に詳細に説
明する。
【0023】評価支援システム200は、給湯機の製品
開発段階における試作品の評価作業を支援することを目
的としている。即ち、このシステム200は、試作品の
試験作業において、給湯機100の内部状態やCPUの
動作などをリアルタイムで把握して、これを可視表示又
は記憶し、それにより、評価できる事項の詳細化、評価
結果の高精度化、及び評価作業の高効率化を図ることを
目的としている。
【0024】図2はこの評価支援システム200のシス
テム構成を示す。
【0025】図2に示すように、このシステム200
は、給湯機100の製品版に付属するリモートコントロ
ーラや各種センサと接続してそれらからの信号をシステ
ムに入力する入力インタフェースボード205、給湯機
100から読み出した情報を記憶するためのディスク記
憶装置207、給湯機100から読み出した情報をグラ
フ形式で記録するペンレコーダ209、及び、ブロック
リード指令を給湯機100に送ったり、上記の各ユニッ
ト205、207、209をコントロールするためのパ
ーソナルコンピュータ211を備えている。これらのユ
ニット205、207、209、211と接続コネクタ
201とが、通信インタフェースユニット203を介し
て通信可能に接続されている。
【0026】再び図1を参照して、制御基板自動検査シ
ステム300は、給湯機100の制御基板103の製造
ラインにおける検査工程の支援を目的としてる。即ち、
このシステム300は、制御基板103の品質を、基板
103内のCPUと本システム300の検査機とが通信
しながら全て自動的に検査することにより、検査時間の
短縮及び高信頼性の確保を図ることを目的としている。
【0027】図3は、制御基板自動検査システム300
のシステム構成を示す。
【0028】図3に示すように、このシステム300
は、基板検査機305を通信インタフェースユニット3
03を介して接続コネクタ301と接続した構成となっ
ている。
【0029】再び図1を参照して、製品検査・調整シス
テム400は、給湯機100の組み立てラインにおける
製品検査工程の支援を目的としている。即ち、このシス
テム400は、製品の比例弁の調整や製品の動作検査を
半自動化することにより、検査要員の削減、検査時間の
短縮、検査結果の信頼性の向上等を図ることを目的とし
ている。
【0030】図4は、製品検査・調整システムのシステ
ム構成を示す。
【0031】図4に示すように、このシステム400
は、給湯機検査機405を通信インタフェースユニット
403を介して接続コネクタ401に接続した構成とな
っている。
【0032】再度図1を参照して、フィールド・メンテ
ナンス支援システム500は、給湯機の使用現場におけ
る設置工事や保守点検の支援を目的としている。即ち、
このシステム500は、設置工事の際に任意の条件を指
定して試運転を行なったり、故障が発生した場合に給湯
機100内のメモリに蓄積されている動作履歴や故障時
の状態を読み出してシステムに記憶したり表示したりす
ることにより、使用現場で行う各種作業の信頼性、精度
及び効率を向上させ、更には、その時に給湯機100か
ら読み出して記憶した情報を後日のアフターケアー等に
活用できるようにすることを目的とする。
【0033】図5はフィールド・メンテナンス支援シス
テム500のシステム構成を示す。
【0034】図5に示すように、このシステム500
は、サービスマンの携帯する電子手帳を通信インタフェ
ースユニット503を介して接続コネクタ501と接続
した構成となっている。電子手帳505には、必要に応
じて、プリンタ507を接続したり、拡張メモリとして
のICカード509を挿入したりすることができる。I
Cカード509を電子手帳505から取り外し、営業所
などに設置したホストコンピュータ511に接続するこ
とにより、ICカード509に記憶した故障情報等をホ
ストコンピュータ511で処理することができる。
【0035】以上4つの外部システム200〜500と
給湯機100との間には、既に述べたように共通の通信
インタフェースが規定されている。この通信インタフェ
ースは、パケットを相互にやり取りするものであるが、
上述した各外部システムの目的が充分に達成できるよう
に、パケットの種類やフォーマット等が取り決められて
いる。以下、この通信インタフェースについて説明す
る。
【0036】外部システム200〜500から給湯機1
00へ送られる指令は、次の3つの機能に大別される。
【0037】(1) リード指令 給湯機の制御基板103のメモリから指令した情報をリ
アルタイムに取り出すための指令。
【0038】(2) ライト指令 制御基板103の持つプログラムやデータの中から指定
したものを変更又は修正するための指令。
【0039】(3) 動作指令 制御基板103に指定した動作を強制的に実行させるた
めの指令。
【0040】図6は、この3つの機能を有した通信プロ
トコルを示すものである。
【0041】図6に示すように、まず、外部システム2
00〜500から給湯機100に対して、指令パケット
601が送信される。この指令パケット601は、先頭
から順に発信元コード、指令コード、指令パラメータ、
照合コード及びチェックサムから構成される。この指令
パケット601を受けた給湯機100では、制御基板1
03が指令コードと指令パラメータとによって指定され
た処理(リード、ライト、動作)を行った後、その結果
として応答パケット603を外部システム200〜50
0に返送する。この応答パケット603は、先頭から順
に、発信元コード、受信コード(=指令コード)、受信
パラーメタ(=指令パラメータ)、照合コード、チェッ
クサム及びデータから構成される。
【0042】図7は、パケット構成の詳細を示す。
【0043】図7に示すように、パケットは基本的に、
発信元コード701、指令(受信)コード703、指令
(受信)パラメータ705、照合コード707及びチェ
ックサム709から構成される。応答パケット603の
場合は、この基本構成の後に、リード又はライトしたデ
ータのパケットが付加される。
【0044】発信元コード701は、指令パケット60
1では外部システム200〜500のコード“5”であ
り、応答パケット603では給湯機100のコード
“A”である。
【0045】指令コード703は、前述した指令の3機
能を示すコードであり、リード指令は“6”、ライト指
令は“A”、動作指令は“5”である。
【0046】指令パラメータ705は、上記3機能の指
令の具体的内容を示すものである。即ち、リード指令の
場合は、リードすべきデータのメモリ内での先頭アドレ
スとそのブロック長とを示す。ライト指令の場合は、ラ
イトすべきメモリ内のアドレスとライトすべきデータと
を示す。また、動作指令の場合は、実行すべき動作内容
を表す予め定めた動作コードを上位バイトで示す。更
に、動作指令においては、その動作の実行結果を確認す
るために、メモリから所望のデータをリードすることが
でき(これを、「動作リード」という)、この動作リー
ドの対象となるデータのコードが下位バイトで示され
る。
【0047】照合コード707は、指令パケット601
と応答パケット603との対応をとるためのコードであ
り、チェックサム709はエラーチェックのための値で
ある。
【0048】応答パケット603の場合は、以上のパケ
ット構成の後にデータが続く。このデータは、リード指
令の場合はリードされたデータであり、ライト指令の場
合はライトされたデータであり、動作指令の場合は動作
リードによりリードされたデータである。
【0049】尚、動作指令には、その特殊な形態として
「簡易リード」と呼ばれる指令が用意されている。これ
は、動作指令において、指令パラメータ705内の動作
コード(上位バイト)を「指令無し」とし、動作リード
のデータコード(下位バイト)でリードしたいデータを
指定したもので、その指定したデータを給湯機100か
ら外部システムへ読み出すための指令である。
【0050】この簡易リード指令と前述した(指令コー
ド“5”の)リード指令(以下、「ブロックリード」と
いう)との相違は、前者はリードしたいデータのコード
を指定するだけですむので指定が容易であるのに対し、
後者はリードしたいデータのメモリ内での先頭アドレス
とブロック長を指定しなければならないので指定が複雑
な点である。一方、簡易リードでは予めコード化された
データのみしかリードできず、かつリードデータの量を
多くしようとしても、限られたデータ長の中で指定でき
るデータコードの数には制限があり、大量のデータリー
ドには適さないが、ブロックリード指令ではどのような
データでも自由にリードでき、かつリードデータの量は
指定されたブロック長によって決定されるので、リード
データ量に制限を受けることはなく、大量のデータリー
ドに適している。更に、簡易リード指令は、機器毎にデ
ータのアドレスが違う場合でも、本体側にデータコード
に対するアドレステーブルを持っていれば対応できるた
め、外部システムのリード指令を機器毎に変える必要が
ないメリットがある。一方、ブロックリード指令は、本
体側がデータコードに対するアドレスをいちいち変換す
る必要がなく、また変換された後の飛び々々のアドレス
からデータを読み込むことなく、連続したアドレスから
一気にデータを読み込むことができるため、高速リード
が可能である。
【0051】従って、簡易リード指令は、例えばフィー
ルド・メンテナンス支援システム500のように、メモ
リ容量や処理能力の比較的劣る電子手帳を用いるが、リ
ードするデータの種類は定型的に決まっており、しかも
リードのリアルタイム性がそれ程厳格には要求されない
ようなシステムに適する。一方、ブロックリード指令
は、例えば評価支援システム200のように、高性能の
パソコンが使用でき、リードするデータは多種多様であ
り、しかも、リアルタイム性が厳格に要求されるシステ
ムに適している。外部システム200〜500は、各々
のリード目的に応じてブロックリード指令及び簡易リー
ド指令を使い分けることができる。
【0052】給湯機100の制御基板103は以上のよ
うな指令を外部システム200〜500より受信する
と、その指令に応じた処理を実行し、応答を外部システ
ム200〜500へ返送する。
【0053】図8は、そのための制御基板103の構成
を示す。
【0054】図8において、通信制御部801は、外部
システム200〜500に対して上述したような通信イ
ンタフェースを提供するものである。外部システム20
0〜500から送られた指令パケットは、通信制御部8
01においてその送信元コードやエラーがチェックされ
た後、その中の指令コードと指令パラメータがデータ解
析部803に送られる。
【0055】データ解析部803は、指令コードに応じ
てブロックリード指令の場合はリード制御部805、ラ
イト指令の場合はライト制御部807、動作指令の場合
は動作制御部809に、それぞれの指令の指令パラメー
タを送る。尚、動作指令の中でも簡易リード指令だけ
は、リード制御部805に送られる。
【0056】リード制御部805は、指令パラメータを
受信すると、ブロックリード指令が簡易かリード指令か
を判別し、後者の場合はデータコードを解読し、そし
て、リードすべきメモリアドレス又はデータを指定して
リード要求をRAM制御部813に送る。またブロック
リードが簡易リードかの区別をデータ作成部811に通
知する。
【0057】ライト制御部807は、指令パラメータを
受信すると、ライト要求フラグをONし、そしてライト
すべきメモリアドレスとデータとを指定してライト要求
をRAM制御部813に送る。
【0058】動作制御部809は、指令パラメータを受
信すると、動作要求フラグをONし、動作コードを解読
し、そして、実行すべき動作内容を指定して動作要求を
RAM制御部813に送信する。
【0059】データ作成部811が、応答パケットに付
加するデータを作成するユニットであり、後述するRA
M制御部813より、リードした又はライトしたデータ
を受信し、これを応答パケットに付加できる形式に整形
して通信制御部801に送る。通信制御部801は、こ
のデータ作成部811から受信したデータと、先に外部
システム200〜500から受信して保存していおいた
指令コードや指令パラメータとを用いて応答パケットを
作成し、これを外部システム200〜500に返送す
る。
【0060】RAM制御部813は、上述した外部シス
テム200〜500との通信を行うユニット群801〜
811と、後述する給湯機制御のための情報処理を行う
ユニット群817〜821と、給湯機100の状態や制
御パラメータ等の給湯機制御に必要な諸情報を記憶した
RAM815との間に介在し、それら3者間のデータの
やり取りを中継するものである。
【0061】即ち、RAM制御部813は、リード制御
部805からリード要求を受けると、RAM815の指
定された記憶エリアよりデータを読み出してデータ作成
部811へ送り、また、ライト制御部807よりライト
要求を受けると、指定されたデータをRAM815の指
定された記憶エリアに書込む。また、動作制御部809
より動作要求を受けた場合は、RAM制御部813は指
定された動作を実行するための指令を関連する給湯機制
御ユニット群817〜821へ送信し、その動作の実行
結果として生じた給湯機の各種状態を関連する給湯機制
御ユニット群817〜821から受信してRAM815
の対応する記憶エリアに書込み、更に、動作リード対象
として指定されたデータをRAM815より読み出して
データ作成部811に送る。
【0062】更に、RAM制御部813は、給湯機制御
ユニット群817〜821が作動して給湯機100の動
作を制御している間は、それらユニット群817〜82
1からの要求に応じてそれらユニット群817〜821
とRAM815との間のデータの入出力も行う。
【0063】入力制御部817は、給湯機制御に必要な
諸情報(設定温度Ts、給水温度Tc、出湯流量QH、出
湯温度TH、リモートコントローラ信号等)を各種セン
サやリモートコントローラから入力するものである。
【0064】主制御部819は、入力制御部817から
の入力情報に基づいて、給湯機の燃焼量や湯水流量やそ
の他給湯機各部の制御を行うための情報処理を実行し、
その処理結果を出力制御部821に送る。
【0065】出力制御部821は、ファン制御部82
3、比例弁制御部825、アクチュエータ制御部827
などを有し、出力制御部主制御部819の処理結果に基
づいて、吸排気ファン829や燃焼量調節用比例弁83
1や燃料オン・オフ用の電磁弁833やイグナイタ83
5やその他諸々のアクチュエータ837を駆動する。
【0066】図9は、以上のように構成された制御基板
103が外部システム200〜500との間で行う通信
の全体動作流れを示す。
【0067】図9に示すように、まず、外部システム2
00〜500からの指令パケットが通信制御部801に
受信されると(ステップ901)、続いてデータ解析部
803において指令の種類が判断される(ステップ90
3)。その結果がリード指令(ブロックリード又は簡易
リード)の場合は、次にブロックリードか簡易リードか
が判別され(ステップ905)、ブロックリードであれ
ばリード制御部805によりリードすべきRAM815
のリードすべき先頭アドレスとブロック長のデータが作
成され(ステップ909)、そしてブロックリード要求
フラグがオンされる(ステップ917)。また、簡易リ
ードであれば、リード制御部805により、動作リード
のデータコードがリードすべきRAM815のメモリア
ドレスに変換され(ステップ911)、簡易リード要求
フラグがオンされる(ステップ919)。尚、簡易リー
ドの際の上記変換は、RAM815内に予め用意したデ
ータコードとメモリアドレスとの間の対応テーブルを参
照して行なわれる。
【0068】ステップ903の結果が動作指令の場合
は、動作制御部809により動作コードが具体的な動作
内容を表す指令に変換され(ステップ913)、動作要
求フラグをオンされる(ステップ921)。
【0069】また、ステップ903の結果がライト指令
の場合は、次にブロックライトが簡単ライトか(リード
の場合と同様に、ブロックライトはライトするメモリア
ドレスを指令パラメータで指定するもの、簡易ライトは
所定のデータコードを指令パラメータで指定するもの)
が判別され、簡易ライトであればライト制御部807に
よりデータコードがライトすべきデータとメモリアドレ
スとに変換され(ステップ915)、その後、ライト要
求フラグ923がオンされる。尚、簡易ライトの際の上
記変換は、RAM815内に予め用意したデータコード
とライトデータ及びメモリアドレスとの対応テーブルを
参照して行なわれる。
【0070】以上の処理の後、RAM制御部813にリ
ード、ライト又は動作要求が送られて、RAM制御部9
25での処理が行われる(ステップ925)。この処理
の詳細は後に説明する。
【0071】RAM制御部813での処理に続いて、デ
ータ作成部811での処理に入る。データ作成部811
では、まず、リードフラグがオンか否かがチェックされ
(ステップ927)、オンの場合にはそれがブロックリ
ードフラグか簡易リードフラグかがチェックされる(ス
テップ929)。その結果、ブロックリードの場合はR
AM制御部813を通じてRAM815より先頭アドレ
スからブロック長分のデータを読み込む(ステップ93
1)。また、簡易リードの場合は、やはりRAM制御部
813を通じてRAM15よりリードアドレスのデータ
を読み込み(ステップ933)、その読み込んだデータ
を簡易リード用の指定形式に変換する(ステップ93
5)。尚、この指定形式とは、例えば電子手帳のような
処理能力の劣る機器にリードデータを返す場合、データ
をそのままの形式で返したのでは処理負担に耐えられな
くなるため、データ内容に応じて予め定めた簡易なコー
ドに変えて返送するようにしており、そのコード形式を
指すものである。
【0072】次に、リードされたデータ又はライトされ
たデータから返信用データが作成され(ステップ93
7)、それが応答パケットの後尾に付加されて外部シス
テム200〜500へ返送される(ステップ939)。
【0073】図10は、前述したRAM制御部925で
の処理の詳細を示す。
【0074】図10に示すように、まず、動作、リー
ド、ライトの各要求フラグがチェックされる(ステップ
1001、1005、1009)。動作要求フラグがオ
ンであれば動作コードが解析され、その結果に基づいて
関連する給湯機制御ユニット817〜821に動作指令
が送られる。またリード要求フラグがオンであれば、R
AM815のリードアドレスからデータが読み出され、
このデータがデータ作成部811へ送られる(ステップ
1007)。また、ライトフラグがオンの場合は、RA
M815のライトアドレスにライトデータが書込まれる
(ステップ1011)。更に、給湯機制御ユニット81
7〜821からの指令があれば、これに基づいてそれら
ユニット817〜821とRAM制御部813との間で
データのやり取りが行われる(ステップ1013)。
【0075】図11は、主制御部819が行う処理の流
れを示す。
【0076】図11に示すように、まず、RAM制御部
813からの動作要求が有るか否かチェックされ(ステ
ップ1101)、動作要求が有る場合は、その要求に基
づいて動作の具体的な内容が判断され(ステップ110
3)、その動作内容を実現するための処理が行われ、そ
の結果が出力制御部821へ送られる(ステップ110
5)。尚、この場合、動作要求の対象が特定の負荷(例
えば、ファン)である場合、その特定の負荷以外の負荷
(例えば、ファン以外の比例弁やその他のアクチュエー
タ)については、入力制御部817からの信号に基づく
通常の制御処理が、動作要求の実行処理と並行して行な
われる。
【0077】一方、動作要求が無い場合は、全ての負荷
について、入力制御部817からの信号に基づく通常の
制御処理が実行される(ステップ1107)。
【0078】尚、動作要求に係る処理については、図1
1に示される処理の他に以下のような処理が可能であ
る。
【0079】 外部からの信号により、動作要求受付
けモードを設定し、動作要求受付けモードが設定されて
いない限り、動作要求に係る動作を行なわないようにす
る。
【0080】これによって、不慣れなサービスマンが誤
操作し、比例弁全開が動作要求され、いきなり熱湯が吐
出するような事態が回避できる。つまり、このような動
作要求の前に動作要求受付けモードを設定する手間が必
要なため、誤操作によりこのような動作要求が受付けら
れることがなくなり、突発的な危険事態の発生可能性を
低くすることができる。
【0081】 動作要求に基づき実現した動作の解除
は、外部から動作解除指令があった時のみならず、外部
からの送信が一定時間途絶えた時に行なうようにする。
【0082】これによって、例えば動作要求によって比
例弁を全開にしたまま放置してしまい、その後通常使用
を行なった際、いきなり熱湯が吐出するというような危
険事態を未然に防止することができる。
【0083】以上、図9〜図11のフローチャートを参
照して説明した処理が給湯機100の制御基板103上
で行われることにより、外部システム200〜500は
給湯機100に対して任意のデータの読み出し、任意の
動作の実行、任意の状態又は制御パラメータはプログラ
ムの変更を実行させるいことができる。しかも、このよ
うな外部システム200〜500からの指令に基づく様
々な処理を並行して、給湯機100の本来の制御処理も
通常に実行される。これにより、外部システム200〜
500の前述した目的が有効に達成されることになる。
【0084】以下、具体的な幾つかのケースを例にと
り、外部システム200〜500を活用して給湯機10
0の状態や動作をチェックする作業を説明する。
【0085】まず、ユーザから給湯機にファンエラーが
発生して使用不能となったというクレームを受けて、サ
ービスマンが現場で対応する場面を想定する。
【0086】サービスマンは、ファン異常をチェックし
なければならないが、その際のチェックポイントは、 a) ファンは回転するか、 b) 回転数は正常か、 c) 異音はしないか、 d) (風量が正常で)燃焼は良好か、 等である。従来は、このチェックを行うために、サービ
スマンはリモートコントロールの運転スイッチを投入
し、設定温度を設定し、水栓を開き、上述したポイント
の確認といった一連の作業を行うことになるが、そのた
めに台所(又は浴室)と給湯機との間を行ったり来たり
しなければならない。
【0087】一方、本実施例によれば、サービスマンは
携帯する電子手帳505(フィールド・メンテナンス支
援システム500)を給湯機100に接続して、電子手
帳505より動作指令を給湯機100に送ることによ
り、所望の動作を実行させ、同時に動作リードによって
チェックに必要な情報を給湯機100内から読み出して
電子手帳505に表示及び記憶させることができる。
【0088】図12は、この時の電子手帳505と給湯
機100との間の情報のやり取りの一例を示す。
【0089】図12に示すように、まず、サービスマン
が電子手帳505に運転オンの操作を入力すると、電子
手帳505が運転オン(“04H”)とファン回転数の
リード(17H)とを指示した動作指令パケットを給湯
機100に送る。給湯機100は、この動作指令に応答
して運転オンを実行すると共に、その時のファン回転数
(例えば、0rpm)をRAMより読み出し応答パケッ
トに付加して電子手帳505も返送して来る。電子手帳
505は、この応答パケットを受けて、「運転オン」と
「ファン回転数」とを表示する。
【0090】サービスマンは「運転オン」表示を確認す
ると、次に、ファン起動の操作を電子手帳505に入力
する。すると、電子手帳505はファン起動(“06
H”)とファン回転数リードとを指示した動作指令パケ
ットを給湯機100に送る。給湯機100は、これに応
答してファンを起動し最低回転数(例えば、1500r
pm)で回転させると共に、そのファン回転数をデータ
として付加した応答パケットを電子手帳505に返送す
る。電子手帳505は、「ファン起動」と「ファン回転
数」とを表示する。
【0091】サービスマンは、「ファン回転数」表示を
見ながらファンの動きをチェックし、もし、そらが正常
であれば、次に最大回転数駆動の操作を入力する。する
と、電子手帳505は最大回転数駆動(“09H”)と
ファン回転数リードを指示する動作指令パケットを給湯
機100に送る。給湯機100はこれに応答してファン
を最大回転数(例えば、4500rpm)で駆動し、そ
のファン回転数をデータとして付加した応答パケットを
電子手帳505に返送うする。電子手帳505は「ファ
ン回転数」を表示し、サービスマンはそれを見て正常か
否かチェックする。
【0092】このようにして、サービスマンは給湯機1
00を前にして全ての作業を行うことができ、しかも、
チェックしたい内容を指定してこれを定量的に認識する
ことができるので、正確な診断を行うことができる。ま
た、現場で速断できないような複雑な事情が給湯機内で
発生しているようであれば、以上のような動作指令を用
いたチェックの結果は勿論、更に、リード指令(ブロッ
ク又は簡易)を用いて関連すると思われる情報を全て読
み出して電子手帳505に記憶させて持ち帰り、営業所
のホストコンピュータ511により詳細な分析を行うこ
とにより、故障原因の正確な究明及びそれに値する適切
な措置の策定などが可能となる。
【0093】次に、第2のケースとして、給湯機の開発
段階において、試作品の出湯温度制御の制御性を測定
し、評価する場面を想定する。
【0094】一般に、主制御部819では、いかなる入
力パラメータの変化に対しても出湯温度THを一定に保
つ為に、フィードバック(FB)演算とフィードフォワ
ード(FF)演算とを行って、両演算結果を組み合わせ
て燃焼量(F)を算出し、比例弁やファンを制御してい
る。
【0095】従来、このような出湯温度制御を確立する
過程では、実験者は実際に入力パラメータを種々に変化
させ、その結果生じた出湯温度THや制御基板の各部の
電圧値などから燃焼量Fを逆算して求め、制御基板のマ
イクロコンピュータ内部で行われている演算過程や各変
数の値を推測し、これらの推測値を頼りに制御演算の諸
側面を1つ1つ改善し確立して行くという手法をとって
いる。
【0096】これに対し、本実施例では、実験者は評価
支援システム200を給湯機100に接続して、入力パ
ラメータを色々変化させつつ、ブロックリード指令を用
いてFF演算値や、FB演算値、更には演算に用いる
P、I、Dの各定数など、時間の経過に伴って変化する
値をRAM815から直接読み出して可視表示すること
ができる。その結果、従来に比較して効率良く、容易に
かつ正確に制御内容を把握し評価し、そしてより良い制
御を確立することが可能となる。
【0097】図13は、このようなケースにおけるブロ
ックリードの一例を示す。
【0098】図13においては、まず、実験者が燃焼量
F、FF演算値、FB演算値、P、I、D各係数等を読
み出すための操作を支援システム200のパーソナルコ
ンピュータ211に入力する。支援システム200は、
これらのデータのブロックリード指令パケットを作成し
て給湯機100に送信する。
【0099】図14はRAM815のマップ例を示すも
のであるが、図示のようにアドレス“F856”から2
56バイトの記憶エリア1401に上述したリードすべ
きデータが存在する場合には、ブロックリード指令パケ
ットの指令パラメータには、先頭番地“F856”とブ
ロック長“256”とが記述されることになる。
【0100】この指令パケットを受けた給湯機100で
は、RAM815の指定された記憶エリア1401の全
データが読み出され、応答パケットに付加されて評価支
援システム200へ返送される。評価支援システム20
0では、このデータはパーソナルコンピュータ211の
ディスプレイに表示され、ペンレコーダ209によりグ
ラフとして描かれ、また、ディスク記憶装置207に記
憶される。
【0101】以上の処理を、充分に短い時間間隔で繰返
すことにより、結果として、時間経過に伴って変化する
制御状態をリアルタイムでかつ定量的に把握できること
になる。
【0102】以上のようなブロックリードに代えて、又
はこれと組み合わせて簡易リードを行うこともできる。
簡易リードが利用できるデータは、予め定められてお
り、それは外部システムからのリード要求が良く発生す
ると予測されるフラグや代表的なデータである。これら
簡易リードが利用可能なデータについては、RAM81
5内の記憶エリアのアドレスとデータコードとの対応を
示したコードテーブルがRAM815内に用意されてお
り、外部システムからはそのデータコードを指定しさえ
すれば、給湯機100内のRAM制御部813がそのコ
ードテーブルを参照してアドレスに変換してデータを読
み出してくれるようになっている。また、RAM815
内では記憶アドレスの変更が行われることがあるが、そ
の場合には、RAM制御部813がコードテーブルのア
ドレスを変更後のアドレスに書換えるようになってい
る。従って、外部システムはそのようなRAM815内
のアドレス変更を意識する必要もない。
【0103】図15は、評価支援システム200におい
て、簡単リードを利用して給湯機100内の諸々のサー
ミスタの値を読み出す時の動作を示す。これは、諸サー
ミスタの値を表示しつつ実験を行いたいような場合に利
用できる。
【0104】図15において、まず、評価支援システム
200より、指令パラメータとして“00H”+“0C
H”を含んだ動作指令パケットが給湯機100に送られ
る。ここで、指令パラメータの“00H”は「動作命令
なし」を意味し、“0CH”は熱交換器サーミスタと沸
騰サーミスタの値のリードを要求する簡易リード指令で
ある。
【0105】このような指令を受けた給湯機100で
は、RAM815より上記両サーミスタの値を読み取
り、応答パケットに付加して返送する。
【0106】次に、評価支援システム200は、沸騰サ
ーミスタと給水サーミスタを指定するコード“0CH”
を含んだ簡易リード指令を送り、その後に、風呂サーミ
スタと給湯サーミスタとを指定するコード“0EH”を
含んだ簡易リード指令を送る。
【0107】このようにして、逐次色々なサーミスタの
データのリードを要求して、これを表示して行くことに
より、実験者はサーミスタの値をリアルタイムで確認し
つつ実験を進めることができる。
【0108】次に、第3のケースとして、開発段階にお
いて、浴槽への湯はりのシーケンスを確認し、そのプロ
グラムの評価を行う場合を想定する。
【0109】例えば、ある自動湯はりのシーケンスで
は、給湯機と浴槽の高低差、浴槽の形状、容積等の湯は
り制御に必要な定数を全て、湯はりのシーケンスの中で
計算、推測、学習するようにアルゴリズムが組み立てら
れている。このような複雑なシーケンスを設計しプログ
ラミングした場合、その動作確認、評価の段階では、内
部の定数、フラグ、学習値等を故意に変更してみて動作
を確認したいという場合が、当然ながら度々生じる。
【0110】一般に、湯はりの初期1回目と2回目以降
とではシーケンスが異なり、初期1回目では上述のよう
な定数を学習し、2回目以降はその学習値を利用するよ
うになっている。そのため、学習内容を変更する場合に
は、従来は、変更の都度、初期1回目のシーケンスを実
際に行って変更値を学習させた後、2回目のシーケンス
を実行するという手法をとらざるを得ない。そのため、
実験にかなりの時間がかかり、非効率的である。
【0111】これに対し、本実施例では、ライト指令を
利用することにより、RAM815内の学習値やフラグ
を自由に書換えられるため、初期1回目のシーケンスを
実行する手間を省くことができ効率的である。しかも、
他のデータや状態を全く変更せずに対象とするデータだ
けを変更できるため、従来の手法に比較し、自由度と精
度の高い実験を行うことができる。
【0112】図16は、評価支援システム200におい
て、ライト指令を利用して湯はりのシーケンスを確認す
る動作例を示す。
【0113】図16において、まず、評価支援システム
200より、湯はり回数(Y)フラグを「2回目」に設
定するためのライト指令パケットを送る。即ち、このパ
ケットの指令パラメータには、Yフラグのアドレス“F
083”を示す値“83”と、2回目を示す値“1”と
が記述されている。
【0114】この指令を受けた給湯機100は、RAM
815内のYフラグを“1”にセットすると共に、Yフ
ラグ=1を示す応答パケットを返送する。
【0115】次に、評価支援システム200は、浴槽サ
イズを2.2平方メートルに変更するためのライト指令
パケットを送信する。即ち、このパケットの指令パラメ
ータには、浴槽サイズのアドレスを示す値“85”と
2.2平方メートルを示す値“220”が記述されてい
る。これを受けた給湯機100では、RAM815内の
浴槽サイズを“220”に書換え、その旨の応答パケッ
トを返送する。
【0116】こうして湯はり回数の設定と浴槽サイズの
変更を行なった後、動作指令を用いて自動スイッチオン
の指示を給湯機100にすることにより、変更された浴
槽サイズの条件下で2回目の湯はりシーケンスが実験で
きる。
【0117】以上の説明から、リード指令、ライト指令
及び動作指令を適切に組合せて用いることにより、外部
システム200〜500の目的に応じた給湯機100の
動作及び状態チェックが容易且つ適切に行えることが、
十分に理解された筈である。
【0118】次に、このような動作及び状態チェックの
機能を最大限に発揮させるために、本実施例で採用され
ている、制御基板103上のRAM815に対するアク
セス方式を説明する。
【0119】図17は、このRAM815に対するアク
セス方式の全体構成を示している。既に図8を参照して
説明したように、RAM815に対するアクセスはRA
M制御部813によって行われる。このRAM制御部8
13は、入力制御部817、ROM841、主制御部8
19、出力制御部821及び外部システム200〜50
0から入力される指令やデータに従って、RAM815
に対するデータの書込みや読出し等のアクセス操作を行
う。ここで、ROM841は、主制御部819による制
御処理で利用される固定的な値を持ったデータ(例え
ば、ファンの最大回転数、最小回転数、風呂保温運転の
インターバル等)が予めプログラムされたもので、通
常、主制御部819に組込まれている。
【0120】RAM815の記憶エリアは、そこに記憶
されるデータの性格によって入力エリア815A、ワー
クエリア815B及び出力エリア815Cの3つに大別
できる。ここで、入力エリア815Aとは、主制御部8
19が行う制御処理に対する入力データが格納されるエ
リアである。また、ワークエリア815とは、主制御部
815による制御処理の途中で生じる中間データが保持
されるエリアである。また、出力エリア815Cとは、
主制御部815による制御処理からの最終的な出力デー
タが格納されるエリアである。
【0121】入力エリア815Aには、入力制御部81
7からのデータ(つまり、リモートコントローラからの
設定データや動作指令や、各種センサからの検出データ
等)、及びROM841から読み出された固定的データ
が書込まれる。そして、この入力エリア815Aのデー
タは、主制御部819へ読み込まれ、これを入力データ
として制御処理が実行される。
【0122】主制御部819が行う制御処理の諸段階で
生じた様々な種類の中間データはワークエリア815B
に書込まれ、そして再びワークエリア815Bから主制
御部819に読み込まれて制御処理の先の段階で利用さ
れる。こうして、制御処理が進められていく。
【0123】制御処理から最終的に得られた出力データ
は、出力エリア815Cに書込まれる。そして、この出
力データは出力エリア815Cから出力制御部821に
読み込まれ、給湯機100のファンや比例弁や各種アク
チュエータの駆動に利用される。
【0124】以上のように、給湯機100内では、どこ
からのデータをRAM815のどのエリアに書込み、R
AM815内のどのエリアのデータをどこへ読出すのか
が、予め固定的に決まっている。
【0125】一方、外部システム200〜500に対し
ては、上記のようなRAM825のエリアに関するアク
セス制限は一切ない。従って、外部システム200〜5
00は、RAM815の3つのエリア815A、815
B及び815Cに自由にアクセスすることができる。つ
まり、3つのエリア815A、815B及び815Cの
どのデータに対しても、リード指令を実行してその値を
読み出すことも、また、ライト指令を実行してその値を
別の値に変えることも、また、動作指令を実行して予め
プログラムされた種々の操作を加えることも自由であ
る。この自由アクセスの機能により、外部システム20
0〜500はその目的に応じた種々の動作及び状態チェ
ックを行うことが可能である。
【0126】以下、図18〜図21を参照して幾つかの
具体例を説明する。
【0127】図18は、入力エリア815Aに対してア
クセスする場合の一例として、浴槽への最初の湯張り動
作において湯張り完了水位を給湯機100が学習する場
合を示している。
【0128】まず、給湯機100における通常の動作を
説明する。この最初の湯張り動作では、給湯機100は
浴槽へ湯を供給しつつ、浴槽と給湯機100とを循環す
る追焚循環配管に設けた圧力センサにより、浴槽の水位
に応じた圧力値を検出している。また、これと並行し
て、追焚循環配管に設けた循環ポンプを運転しつつ、同
じく追焚循環配管に設けた水流センサにより水流の有無
を検出している。圧力センサからの圧力値と、水流セン
サからの水流有無の信号とは共に、入力制御部817を
通じてRAM制御部183に加えられている。この状態
で湯張りが進み、浴槽の追焚循環配管の2つの出口が共
に水没すると、水流センサからの信号が水流有りに切り
替わり、これをトリガとしてRAM制御部183はその
時の圧力値を湯張り完了水位として取り込んでRAM8
15の入力エリア815Aの所定アドレスに登録する。
以後、この学習された湯張り完了水位は主制御部819
による湯張り動作や足し湯動作の湯量制御に利用され
る。
【0129】以上の通常の動作に対して、外部システム
200〜500は次のような操作を加えることができ
る。例えば、上記学習された湯張り完了水位を外部シス
テム200〜500から故意に変更して、主制御部81
9による湯張りや足し湯の湯量制御をチェックしたい場
合、外部システム200〜500は、入力エリア819
A内の湯張り完了水位に対しライト指令を発して、これ
を任意の値に変更すればよい。或いは、対応する動作指
令コードが予め用意されているなら、その動作指令を利
用して入力エリア819A内の湯張り完了水位を別の水
位に変更してもよい。それにより、主制御部819は、
その変更された湯張り完了水位に基づいて湯張り動作や
足し湯動作の制御を実行することになる。
【0130】図19は、RAM815の入力エリア81
5A及びワークエリア815Bに対してアクセスする場
合の一例として、浴湯自動保温のために追焚運転を一定
インターバルで開始する動作の場合を示している。
【0131】まず、給湯機100における通常の動作を
説明する。ROM841には、自動保温モードにおいて
追焚運転を行う時間間隔である保温インターバル、例え
ば8分、が予めプログラムされており、RAM制御部8
13はこの保温インターバルを読み込んでRAM815
の入力エリア815Aの所定アドレスに登録する。主制
御部819は、自動保温モードにおいては、ワークエリ
ア815Bの所定アドレスをタイマとして利用してその
時間値を更新しつつ、その時間値と入力エリア815A
の保温インターバルとを定期的に読み込んで比較し、両
者が一致すると、浴槽温度をチェックして基準より低け
れば追焚運転を行う。このようにして、追焚運転が間欠
的に行われることにより浴槽温度が適温に保たれる。
【0132】以上の通常動作に対し、外部システム20
0〜500は次のような操作を加えることができる。例
えば、自動保温モードにおける追焚運転のインターバル
を外部システム200〜500から故意に変更して、追
焚運転の制御やインターバルの制御等をチェックしよう
とする場合、外部システム200〜500はRAM81
5の入力エリア815A内の保温インターバルを任意の
値に変更することもできるし、或いは、ワークエリア8
15B内のタイマーの時間値を任意の値に変更すること
もできる。例えば、1分程度の短いインターバルで追焚
を繰り返させたい場合ならば、入力エリア815A内の
保温インターバルを1分に書き換えてもよいし、或い
は、ワークエリア815B内のタイマーの時間値を毎回
のインターバル開始時に7分に書き換えてもよい。
【0133】図20は、RAM815のワークエリア8
15B及び出力エリア815Cに対してアクセスする場
合の一例として、ファンの回転数制御の場合を示してい
る。
【0134】まず、給湯機100での通常の動作を説明
する。RAM815の入力エリア815Aには、リモー
トコントローラや各種センサから入力された設定出湯温
度TS、実入水温度TC、給湯流量Q、実出湯温度TH及
び実ファン回転数NRが格納されている。主制御部81
9は、まず、入力エリア815Aから設定出湯温度T
S、実入水温度TC、給湯流量Q及び実出湯温度THを読
み込んで必要燃焼量Fを演算し、この必要燃焼量Fをワ
ークエリア815Bに書込む。次に、主制御部819
は、ワークエリア815Bから必要燃焼量Fを読み込ん
で、これに見合った目標ファン回転数NSを求め、この
目標ファン回転数NSをワークエリア815Bに書込
む。
【0135】次に、主制御部819は、入力エリア81
5Aから実ファン回転数NRを読込み、ワークエリア8
15から目標ファン回転数NSと前回のI演算結果とを
読込み、そして、実ファン回転数NRと目標ファン回転
数NSとの偏差に対するPID演算を行ない(前回のI
演算結果はI演算の初期値として用いる)、そのPID
演算で得られた演算結果によりワークエリア815Bの
I演算結果を更新すると共に、そのPID演算の結果で
ある出力ファン回転数NOUTを出力エリア815Cに書
込む。
【0136】次に、出力制御部821が出力エリア81
5Cより出力ファン回転数NOUTを読込み、これを出力
電圧VOUTに変換してファン駆動回路に出力する。これ
によりファンの回転数が燃焼量に見合うように制御され
る。
【0137】以上の通常の動作に対し、外部システム2
00〜500は次のような操作を加えることができる。
例えば、主制御部819のPID演算プログラムから下
流側の動作をチェックしたい場合には、ライト指令によ
りワークエリア815B内の目標ファン回転数NSをス
テップ状に変更してみて、出力エリア815Cから出力
ファン回転数NOUTを読み出したり、入力エリア815
Aから実ファン回転数NRを読み出す等といった操作が
可能である。
【0138】一方、主制御部819に関係なく、出力制
御部821から下流側のファン駆動回路及びファンの動
作だけをチェックしたい場合には、外部システム200
〜500は、出力エリア815C内の出力ファン回転数
NOUTを任意の値に変更すればよい。例えば、図21に
破線グラフで示すように出力エリア815C内の出力フ
ァン回転数NOUTを例えば1500rpmから4500
rpmにステップ状に立ち上げてみて、入力エリア81
5Aから実ファン回転数NRを読み出すことにより、フ
ァン駆動回路やファンのステップ応答特性を調べる等と
いったチェックが可能である。図21の破線グラフのよ
うな出力ファン回転数NOUTのステップ状の変化は、実
際の給湯機運転では絶対に生じることはなく、実際には
必要燃焼量Fの変化に応じて図21の実線グラフのよう
な変化しか生じないのであるが、外部システム200〜
500からの指令で実際には生じない仮想的な任意の状
況を作り出せることによって、所望の箇所を所望の条件
下でチェックし評価することが可能となる。
【0139】特に、入力エリア815Aに対するデータ
操作は、給湯機全体の動作チェックや、給湯機が置かれ
る環境を任意に変更してその影響をチェックしたい場合
に適している。また、ワークエリア815Bに対するデ
ータ操作は、主制御部819の特定のプログラムのチェ
ックや処理プロセス途中段階以降のチェックなどに適し
ている。また、出力エリア815Cに対するデータ操作
は、負荷の状態を任意に設定してその影響をチェックし
たい場合に適している。
【0140】ところで、以上のように外部システム20
0〜500からRAM815の任意のエリアにアクセス
して任意の状況を作り出し、その状況下で主制御部81
9などを動作させるためには、RAM制御部813にお
いて、外部システム200〜500からRAM815に
書込まれるデータを有効とし、それと競合する入力制御
部817や主制御部819等からの書込みデータを無効
とするような排他制御を行うことが必要となる。
【0141】図22は、この排他制御を行うRAM制御
部815の処理フローを示している。
【0142】まず、外部システムと通信中か否かをチェ
ックし(ステップ2201)、通信中であれば次に外部
システムから入った指令がライト指令か否かをチェック
する(ステップ2202)。ライト指令である場合に
は、ライト指令が指定しているRAM815のアドレス
が入力エリア815A、ワークエリア815B及び出力
エリア815Cの何れであるかをチェックし(ステップ
2203)、入力エリア815Aである場合は、その指
定アドレスに入力制御部817及びROM841からの
データを書込むことを禁止し(ステップ2204)、ま
た、ワークエリア815B又は出力エリア815Cであ
る場合には、その指定アドレスに主制御部813からの
データを書込むことを禁止する(ステップ2205)。
この後、外部システムからのライト指令の指定データを
指定アドレスに書込む(ステップ2206)。
【0143】尚、上記書込み禁止は、例えば、RAM8
15内に特別のテーブルを用意しておき、このテーブル
に書込み禁止にしたアドレスと書込み禁止対象(入力制
御部817、ROM841又は主制御部815)の識別
子とを登録して、RAM制御部813はRAM815に
データ書込みを行う時は必ずこのテーブルを参照して書
込み可能か否かをチェックするような構成によって実現
できる。
【0144】以上の処理により、外部システムからライ
ト指令が来た時は、これと競合する入力制御部817、
ROM841又は主制御部815からの新たなデータは
捨てられ、入力制御部817、ROM841又は主制御
部815が以前に書込んだ旧いデータの上にライト指令
の指定データが上書きされることになる。
【0145】外部システムがライト指令を一旦発する
と、そのライト指令が指定したアドレスは自動的に外部
システムだけが排他的に書込める状態となるが、外部シ
ステムとしては、この書込禁止状態を任意のアドレスに
関し任意の時期に解除したい場合がある。その場合に
は、外部システムはアドレスを指定して書込み禁止命令
を発行することができる。この書込禁止命令は、例えば
動作指令の1つのコードとして用意しておくことができ
る。
【0146】図22に示したRAM制御部813の処理
フローでは、ステップ2207において、外部システム
から書込禁止命令を受けると、その命令が指定したアド
レスの書込禁止を解除する(ステップ2208)。この
書込禁止解除は、例えば、上記テーブルからその指定ア
ドレスの登録を削除することにより行える。
【0147】また、RAM制御部813は、外部システ
ムとの通信が終了すると、RAM815の書込禁止を全
面解除する(ステップ2209)。
【0148】図22に示した処理による排他制御の他
に、次のような方法によっても排他制御を行うことが可
能である。この方法は、RAM制御部813が面倒な内
容の排他制御を行わなくて済むようにしたものである。
【0149】即ち、外部システムからライト指令が来た
場合、RAM制御部813は、入力制御部817、RO
M841及び主制御部815からの書込データは通常通
りにRAM815に書込みつつ、それらのデータとは異
なる場所にライト指令による指定データを書込み、か
つ、そのライト指令による指定データが書込まれた旨の
フラグ又はその指定データのポインタを、入力制御部8
17、ROM841及び主制御部815からの書込デー
タに付しておく。そして、主制御部815又は出力制御
部821からRAM815内のデータの読み出し要求が
来ると、RAM制御部813は、その要求に従ってデー
タを読み出そうとするが、そのデータに上記フラグ又は
ポインタが付されていれば、そのデータは読まずにライ
ト指令の指定データを読んでこれを主制御部815又は
出力制御部821に渡す。
【0150】以上の処理によっても、ライト指令があっ
た場合には、ライト指令の指定データが主制御部819
又は出力制御部821に送られることになる。
【0151】この方法は、図22に示した方法と同様に
ライト指令によって個々のデータの内容を変更する場合
に有効であるが、むしろ、動作指令を用いてより複雑な
操作を行いたい場合、特にデータを動的に変更したい場
合に、一層の有効性を発揮する。
【0152】例えば、図20を参照して説明したファン
回転数NOUTの場合を例にとると、外部システムからの
指令でこのファン回転数NOUTを例えば初期値4000
rpmから1秒おきに100rpmづつ減少させて30
00rpmまで落としたい場合、「ファン回転数NOUT
を初期値から100rpmづつ1秒おきに10回減ら
す」内容のプログラムを動作指令の1コードとして主制
御部819内に予め用意しておいて、外部システムから
その動作指令を送ってそのプログラムを起動させればよ
い。しかし、図22に示したような上書き方式では、主
制御部819からのファン回転数NOUTの書込みが禁止
されてしまうため、この動作指令は実現することが難し
くなってしまう。なぜなら、上書き方式で上記動作を実
現しようとすると、外部システムから1秒おきに個々の
回転数をライト指令で送り込まなければならないが、こ
れは外部システムにとって面倒で困難な処理となるから
である。
【0153】一方、後者の別エリアへの書込方式では、
主制御部819に対し書込禁止が行われないため、外部
システムから初期値4000rpmだけを送り込んで動
作指令により上記プログラムを起動させれば、主制御部
819は最初に初期値4000rpm取り込んだ後、出
力エリア815C内のファン回転数NOUTを初期値から
100rpmづつ1秒おきに減らして更新して行き、所
望の動作を実現することになる。従って、外部システム
としては簡単な指令を1回与えるだけで、データの動的
な変更が可能となる。
【0154】以上、本発明の好適な実施例を説明した
が、本発明はこの実施例以外の種々の態様でも実施する
ことができる。例えば、給湯機以外の種々の機器に関し
ても本発明を適用することが可能である。また、外部シ
ステムの種類や個数は自由に設定できる。
【0155】
【発明の効果】本発明の総合支援システムによれば、機
器の開発、製造、点検、保守等の各場面で行われる機器
の内部チェック作業を正確かつ容易に行なえる。
【0156】また、本発明の機器の制御装置によれば、
上記のような総合支援システムを機器に適用することが
可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】給湯機に適用した本発明に係る総合支援システ
ムの一実施例の全体的システム構成を示すブロック図。
【図2】評価支援システム200のシステム構成を示す
ブロック図。
【図3】制御基板自動検査システム300のシステム構
成を示すブロック図。
【図4】製品検査・調整システム400のシステム構成
を示すブロック図。
【図5】フィールド・メンテナンス支援システム500
のシステム構成を示すブロック図。
【図6】外部システムと給湯機との間の通信プルトコル
を示す図。
【図7】パケット構成の詳細を示す図。
【図8】給湯機の制御基板103の構成を示すブロック
図。
【図9】制御基板103が外部システム200〜500
との間で行う通信の全体動作流れを示すフローチャー
ト。
【図10】RAM制御部925での処理の詳細を示すフ
ローチャート。
【図11】主制御部819が行う処理の流れを示すフロ
ーチャート。
【図12】電子手帳505と給湯機100との間の情報
のやり取りの一例を示すシーケンス図。
【図13】ブロックリードの一例を示すシーケンス図。
【図14】RAM815のマップ例を示すメモリマッ
プ。
【図15】簡易リードの一例を示すシーケンス図。
【図16】ライト指令を利用して湯はりのシーケンスを
確認する動作例を示すシーケンス図。
【図17】RAM815に対するアクセス方式をの全体
構成を示すブロック図。
【図18】外部システムがRAM815の入力エリアを
操作する一例を示す説明図。
【図19】外部システムがRAM815の入力エリア及
びワークエリアを操作する一例を示す説明図。
【図20】外部システムがRAM815のワークエリア
及び出力エリアを操作する一例を示す説明図。
【図21】図20の例における出力ファン回転数NOUT
の変化を示す図。
【図22】RAM制御部813が行う書込の排他制御の
処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
100 給湯機 200 評価支援システム 300 制御基板自動検査システム 400 製品検査・調整システム 500 フィールド・メンテナンス支援システム 103 制御基板 803 データ解析部 805 リード制御部 807 ライト制御部 809 動作制御部 813 RAM制御部 815 RAM 819 主制御部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年5月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図17
【補正方法】変更
【補正内容】
【図17】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図18
【補正方法】変更
【補正内容】
【図18】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図19
【補正方法】変更
【補正内容】
【図19】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図20
【補正方法】変更
【補正内容】
【図20】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図21
【補正方法】変更
【補正内容】
【図21】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図22
【補正方法】変更
【補正内容】
【図22】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 光長 秀文 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 土屋 勝久 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機器に関わる複数種の作業を総合的に支
    援するためのシステムにおいて、 前記機器の外部に設けられた、前記複数種の作業を個別
    に支援するための複数の外部システムと、 前記複数の外部システムを択一的に前記機器に通信可能
    に接続するための接続手段と、を備え、 前記機器と前記外部システムとの間の通信インターフェ
    ースが、前記外部システムの全てについて共通化されて
    いることを特徴とする機器の総合支援システム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のシステムにおいて、 前記機器が、 前記機器の制御装置が取扱う内部情報を保持する内部メ
    モリと、 前記内部メモリ内の内部情報を前記外部システムに出力
    するための内部情報出力手段と、を有することを特徴と
    する機器の総合支援システム。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のシステムにおいて、 前記機器が、前記外部システムから入力した外部情報に
    より前記内部メモリ内の前記内部情報を書換える内部情
    報書換え手段をさらに有することを特徴とする機器の総
    合支援システム。
  4. 【請求項4】 請求項2記載のシステムにおいて、 前記機器が、前記外部システムから入力した指令に従い
    前記制御装置を動作させる制御動作手段をさらに有する
    ことを特徴とする機器の総合支援システム。
  5. 【請求項5】 機器の制御装置において、 外部システムを接続するための接続手段と、 前記機器の制御に関わる内部情報を保持する内部メモリ
    と、 前記内部メモリから前記内部情報を読み出して前記接続
    手段へ出力する内部情報出力手段と、 前記内部情報出力手段に対し、読み出すべき前記内部情
    報を指定するリード情報指定手段と、を備えたことを特
    徴とする機器の制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の制御装置において、 前記リード情報指定手段が、前記外部システムからのリ
    ード指令に基づいて、前記読み出すべき内部情報を指定
    することを特徴とする制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の装置において、 前記リード指令が、前記内部メモリ内のアドレスを指定
    した指令パラメータを含み、 前記リード情報指定手段が、前記指令パラメータにより
    指定されたアドレスを、前記読み出すべき内部情報の前
    記内部メモリ内でのアドレスとして、前記内部情報出力
    手段に指示することを特徴とする機器の制御装置。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の装置において、 前記リード指令が、前記内部情報のコードを指定した指
    令パラメータを含み、 前記リード情報指定手段が、前記指令パラメータにより
    指定されたコードを前記内部メモリ内のアドレスに変換
    し、このアドレスを前記読み出すべき情報の前記内部メ
    モリ内でのアドレスとして、前記内部情報出力手段に指
    示することを特徴とする機器の制御装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の装置において、 前記リード情報指定手段が、前記コードと前記アドレス
    との間の対応テーブルを有することを特徴とする機器の
    制御装置。
  10. 【請求項10】 請求項8記載の装置において、 前記内部情報出力手段が、前記内部メモリから読み出し
    た前記内部情報を簡易なコードに変換し、この簡易コー
    ドを前記外部システムへ出力することを特徴とする機器
    の制御装置。
  11. 【請求項11】 請求項6記載の装置において、 前記リード指令が、前記内部メモリ内のアドレス及び前
    記内部情報のコードのいずれか一方を指定した指令パラ
    メータを含み、 前記リード情報指定手段が、 前記指令パラメータが前記内部メモリ内のアドレスを指
    定している場合は前記アドレスを、また、前記内部情報
    のコードを指定している場合は前記コードを前記内部メ
    モリ内のアドレスに変換してこのアドレスを、前記読み
    出すべき内部情報の前記内部メモリ内でのアドレスとし
    て、前記内部情報出力手段に指示することを特徴とする
    機器の制御装置。
  12. 【請求項12】 機器の制御装置において、 外部システムを接続するための接続手段と、 前記機器の制御に関わる内部情報を保持する内部メモリ
    と、 前記外部システムからのライト指令に基づいて、前記内
    部メモリ内の前記内部情報を書換える内部情報書換え手
    段と、を備えることを特徴とする機器の制御装置。
  13. 【請求項13】 請求項12記載の装置において、 前記ライト指令が、前記内部メモリ内のアドレスを指定
    した指令パラメータを含み、 前記内部情報書換え手段が、前記指令パラメータにより
    指令されたアドレスに保持されている前記内部情報を書
    換えることを特徴とする機器の制御装置。
  14. 【請求項14】 請求項12記載の装置において、 前記ライト指令が、前記内部情報のコードを指定した指
    令パラメータを含み、 前記内部情報書換え手段が、前記指令パラメータにより
    指定されたコードを前記内部メモリ内のアドレスに変換
    し、このアドレスに保持されている前記内部情報を書換
    えることを特徴とする機器の制御装置。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の装置において、 前記内部情報書換え手段が、前記コードと前記アドレス
    との間の対応テーブルを有することを特徴とする機器の
    制御装置。
  16. 【請求項16】 請求項12記載の装置において、 前記ライト指令が、前記内部メモリ内のアドレス及び前
    記内部情報のコードのいずれか一方を指定した指令パラ
    メータを含み、 前記内部情報書換え手段が、前記指令パラメータが前記
    アドレスを指定している場合はそのアドレスに保持され
    た内部情報を、また、前記コードを指定している場合は
    そのコードを前記内部メモリ内のアドレスに変換してそ
    のアドレスに保持された内部情報を書換えることを特徴
    とする機器の制御装置。
  17. 【請求項17】 請求項12記載の装置において、 前記書換えた内部情報を、前記外部システムへ出力する
    情報出力手段をさらに有することを特徴とする機器の制
    御装置。
  18. 【請求項18】 機器の制御装置において、 外部システムを接続するための接続手段と、 前記機器の状態及び動作を制御する機器制御手段と、 前記外部システムからの動作指令に基づき、前記機器制
    御手段に特定の動作を実行させる特定動作制御手段と、
    を備えることを特徴とする機器の制御装置。
  19. 【請求項19】 請求項18記載の装置において、 前記動作指令が、前記特定の動作のコードを指定した指
    令パラメータを含むことを特徴とする機器の制御装置。
  20. 【請求項20】 請求項18記載の装置において、 前記機器制御手段が、前記機器の状態及び動作のうち前
    記特定の動作の対象でない状態及び動作の制御処理を、
    前記特定の動作の実行と並行して実行することを特徴と
    する機器の制御装置。
  21. 【請求項21】 請求項18記載の装置において、 前記特定の動作を実行した結果を前記外部システムへの
    出力する結果出力手段を更に備えることを特徴とする機
    器の制御装置。
  22. 【請求項22】 機器の制御装置において、 外部システムを接続するための接続手段と、 前記機器の状態及び動作を制御する機器制御手段と、 前記機器の状態及び動作の制御に関わる内部情報を保持
    した内部メモリと、 前記外部システムからの指令を受信してリード指令かラ
    イト指令か動作指令かを判別する指令判別手段と、 前記判別されたリード指令に基づいて、前記内部メモリ
    内の前記内部情報を読み出して前記接続手段へ出力する
    内部情報出力手段と、 前記判別されたライト指令に基づいて、前記内部メモリ
    内の前記内部情報を書換える内部情報書換え手段と、 前記判別された動作指令に基づいて、前記機器制御手段
    に特定の動作を実行させる特定動作制御手段と、を備え
    ることを特徴とする機器制御装置。
  23. 【請求項23】 機器の制御装置において、 外部システムを接続するための接続手段と、 前記機器の制御処理を実行する制御手段と、 前記制御処理に利用される諸情報を保持する内部メモリ
    と、 前記外部システムからの所定指令に基づいて、前記内部
    メモリ内の情報を操作する内部情報操作手段と、を備
    え、 前記内部メモリは、前記制御処理に対する入力情報を保
    持する入力エリアと、前記制御処理の途中で生じる中間
    情報を保持するワークエリアと、前記制御処理から最終
    的に出力される出力情報を保持する出力エリアとを有
    し、 前記内部情報操作手段は、前記入力エリア、ワークエリ
    ア及び出力エリアのいずれのエリア内の情報も操作でき
    ることを特徴とする機器の制御装置。
  24. 【請求項24】 請求項23記載の装置において、 前記内部情報操作手段が、前記所定指令に基いて指定さ
    れた情報を前記内部メモリに書込むと共に、その書込ん
    だ情報が排他的に前記制御処理で利用されるための排他
    制御を行うことを特徴とする機器の制御装置。
  25. 【請求項25】 請求項23記載の装置において、 前記内部情報操作手段が、前記所定指令に基づき特定の
    動作を前記制御手段が実行するように前記内部メモリの
    情報を操作することを特徴とする機器の制御装置。
JP7088756A 1994-03-22 1995-03-22 機器の総合支援システム、及び同システムが適用される機器の制御装置 Pending JPH07311621A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100449828B1 (ko) * 1997-07-15 2004-12-10 티엘브이 컴파니 리미티드 설비점검평가시스템및설비관리시스템

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100449828B1 (ko) * 1997-07-15 2004-12-10 티엘브이 컴파니 리미티드 설비점검평가시스템및설비관리시스템

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