JPH07311510A - 定着装置 - Google Patents

定着装置

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JPH07311510A
JPH07311510A JP12714794A JP12714794A JPH07311510A JP H07311510 A JPH07311510 A JP H07311510A JP 12714794 A JP12714794 A JP 12714794A JP 12714794 A JP12714794 A JP 12714794A JP H07311510 A JPH07311510 A JP H07311510A
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JP
Japan
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roller
release agent
fixing
oil
fixing device
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JP12714794A
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Yuji Kamiya
裕二 神谷
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本出願に係る第1の発明は、分離爪等の部材
によるローラの摩耗を防止し、かつ、温度検出手段等の
検出部に、多量のオイルを付着させることのない定着装
置を提供することを目的としている。 【構成】 送りローラ32に巻き取られ、オイルを含浸
したウェブ30を、押圧ローラ31にて定着ローラ20
に押圧させながら巻き取りローラ33にて巻き取ること
により、定着ローラ20上にオイルを塗布し、さらに、
該ウェブ30を、定着ローラ20の長手方向に外径を変
化させたオイル分布変調ローラ40と、それに圧接する
ように配設されたオイル分布変調加圧ローラ41とで挟
持する。そして、オイル分布変調ローラ40の外径は、
分離爪23が当接する箇所では小径に、温度調節用サー
ミスタ22が接触する箇所では大径となるように設定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法、静電記録
法、磁気写真法等により、普通紙や感光紙等の転写材上
に可視形成されたトナー像を、加熱または加圧して固着
するための定着装置であって、分離爪、温度検出手段、
オイル塗布機構及びクリーニング機構を備えた定着装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、定着ローラ対を通過する転写材を
分離する手段としては、定着ローラ対の少なくとも一方
の転写材排出位置近傍に設置される分離爪装置が、一般
に具備されている。この分離爪は、通常軽圧力にて定着
ローラ対の少なくとも一方に常時接触し、転写材がロー
ラに巻き付くことによるトラブルを防止する目的で取り
付けられている。
【0003】また、定着ローラと転写材との分離を促進
する手段として、定着ローラ対の少なくとも一方に離型
剤たるオイルを塗布するオイル塗布機構が一般的に具備
されている。オイル塗布機構の手段としては、オイルを
内蔵したフェルトをロール状に形成したものや、フェル
トをパッド状に形成したものや、オイルを含浸したウェ
ブを押圧ローラで加圧し、定期的または連続してウェブ
を移送する手段等が実用化されている。
【0004】そして、定着ローラ上に残留したトナーを
クリーニングする手段として、オイル塗布機構と別に、
もしくは、オイル塗布機構も兼ね備えたクリーニング機
構が用いられている。クリーニング機構の手段として
は、上記オイル塗布機構と同じく、フェルトをロール状
に形成したものや、フェルトをパッド状に形成したもの
や、ウェブを押圧ローラで加圧し、定期的または連続し
てウェブを移送する手段等が実用化されている。
【0005】さらに、加熱によりトナーを転写材上に固
着させる定着装置においては、定着ローラ対の少なくと
も一方には、サーミスタ等の温度検出手段が接触加圧さ
れており、所定の温度に調節されるよう、温度制御され
ている。
【0006】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、上
記従来例の分離爪装置は、比較的軽圧力にも拘らず、定
着ローラに接触することで、定着ローラを摩耗させると
いう問題を抱えている。例えば、定着ローラの分離爪の
当接位置以外の場所が約50万枚の耐久性を有していて
も、分離爪当接位置では、約30万枚程度で画像トラブ
ルを引き起こすことがある。この画像のトラブルとは、
定着ローラ上の高離型性層を摩耗研磨することで、高離
型性層がなくなり、トナーが定着ローラに付着して白紙
上にトナー像が付着したり、黒画像上に白抜けが発生す
る、いわゆるオフセット現象と呼ばれるものである。
【0007】この問題を解決するために、転写材がロー
ラに巻き付く場合のみ分離爪を定着ローラに接触する方
法も提案されたが、それではコスト的に高価なものとな
るという問題があった。また、この方法によっても、巻
き付き気味の転写材を無理に引き剥すための反力が定着
ローラにかかり、やがて離型性層を摩耗させるという問
題があった。
【0008】また、温度検出手段に関しては、該温度検
出手段を定着ローラに接触加圧する場合には、定着ロー
ラと温度検出手段の間にオイルが入り込みすぎると、熱
の伝導性や熱容量が変化して測定検出温度に誤差が生じ
る問題が発生している。
【0009】一方、オイル塗布機構またはクリーニング
機構に関しては、次のような問題があった。つまり、ウ
ェブを押圧ローラで加圧し、定期的または連続してウェ
ブを移送する手段は、不連続のウェブを使用するため
に、常に清潔なウェブ表面が現れ、クリーニング性能が
他の手段より優れているため、大型の定着装置でしばし
ば使用されるが、残留したトナーが蓄積されることで、
トナーがウェブをすり抜け、転写材上の画像を汚すとい
うトラブルを引き起こすことがあった。
【0010】このため、ウェブの移送速度を上げること
も考えられるが、この手法によれば、トナーのすり抜け
現象は減少するが、移送速度が速い分、ウェブのトータ
ル寿命が短くなる欠点があり、限界がある。
【0011】本出願に係る第1の発明は、上記問題点を
解決し、分離爪等の定着ローラあるいは加圧ローラと接
触するように配設された部材等によるローラの摩耗を防
止し、かつ、温度検出手段等のローラの表面の状態を検
出する手段の検出部に、多量のオイルを付着させること
のない定着装置を提供することを目的としている。
【0012】また、本出願に係る第2の発明は、上記目
的の他、特に、分離爪によるローラ表面の摩耗が原因と
なるオフセット現象を防止することのできる定着装置を
提供することを目的としている。
【0013】さらに、本出願に係る第3の発明は、上記
目的の他、特に、温度検出手段の検出部におけるオイル
過多が原因となる温度検知不良を解決することのできる
定着装置を提供することを目的としている。
【0014】また、本出願に係る第4の発明は、上記目
的の他、特に、転写材の端部との接触によりローラの摩
耗を防止することのできる定着装置を提供することを目
的としている。
【0015】さらに、本出願に係る第5の発明は、上記
目的達成のため、ローラの長手方向におけるオイルの塗
布量の分布を適宜調節することのできる定着装置を提供
することを目的としている。
【0016】また、本出願に係る第6の発明は、上記目
的達成のため、簡易な構成により、ローラの長手方向に
おけるオイルの塗布量の分布を適宜調節することのでき
る定着装置を提供することを目的としている。
【0017】さらに、本出願に係る第7の発明は、上記
問題点を解決し、オイル塗布機構またはクリーニング機
構におけるトナーのすり抜け現象による画像トラブルを
解消することのできる定着装置を提供することを目的と
している。
【0018】また、本出願に係る第8の発明は、上記第
7の発明の目的の他、より一層クリーニング性を向上さ
せることのできる定着装置を提供することを目的とす
る。
【0019】さらに、本出願に係る第9の発明は、上記
第8の発明の目的の他、クリーニングの際の振動を減少
させることのできる定着装置を提供することを目的とし
ている。
【0020】また、本出願に係る第10の発明は、上記
第7の発明の目的の他、良好なクリーニング性を長期に
渡って発揮することのできる定着装置を提供することを
目的としている。
【0021】
【課題を解決するための手段】本出願に係る第1の発明
によれば、上記目的は、熱源を有して互いに回転自在に
配設され、転写材を挟持搬送することにより転写材上の
可視トナー像を熱または圧力により定着させる定着ロー
ラ対と、該定着ローラ対の少なくとも一方のローラに離
型剤を塗布する離型剤塗布手段とを備えた定着装置にお
いて、上記ローラの長手方向における離型剤塗布量の分
布を変調せしめる手段を備えたことにより達成される。
【0022】また、本出願に係る第2の発明によれば、
上記目的は、定着ローラ対の少なくとも一方のローラに
接触するように配設された転写材の分離爪を備え、離型
剤塗布量の分布を変調せしめる手段は、該分離爪の接触
位置における離型剤塗布量を、他の部分よりも多くする
ように設定されていることにより達成される。
【0023】さらに、本出願に係る第3の発明によれ
ば、上記目的は、定着ローラ対の少なくとも一方の表面
に接触または近接して配設され、該表面の温度を検出す
る温度検出手段を備え、離型剤塗布量の分布を変調せし
める手段は、該温度検出手段の配設位置における離型剤
塗布量を、他の部分よりも少なくするように設定されて
いることとにより達成される。
【0024】また、本出願に係る第4の発明によれば、
上記目的は、離型剤塗布量の分布を変調せしめる手段
は、定着装置の使用可能な最大幅の転写材の端部がロー
ラと接する位置の離型剤塗布量を、他の部分よりも多く
するように設定されていることにより達成される。
【0025】さらに、本出願に係る第5の発明によれ
ば、上記目的は、離型剤塗布量の分布を変調せしめる手
段は、定着ローラ対の少なくとも一方のローラ、または
離型剤塗布手段に当接するように配設され、その当接圧
力がローラの長手方向で異なる当接部材を備えているこ
とにより達成される。
【0026】また、本出願に係る第6の発明によれば、
上記目的は、離型剤塗布量の分布を変調せしめる手段
は、定着ローラ対の少なくとも一方のローラ、または離
型剤塗布手段に接触するように配設され、離型剤を吸収
する吸収部材を備えていることにより達成される。
【0027】さらに、本出願に係る第7の発明によれ
ば、上記目的は、熱源を有して互いに回転自在に配設さ
れ、転写材を挟持搬送することにより転写材上の可視ト
ナー像を熱または圧力により定着させる定着ローラ対
と、該定着ローラ対の少なくとも一方のローラと摺擦し
ながら移動自在に配設されたウェブと、該ウェブを上記
ローラに押圧せしめる押圧ローラとを有した定着装置に
おいて、上記押圧ローラは、上記ウェブを介して当接し
ている上記ローラの回転方向に対し、カウンタ方向に回
転するように設定されており、その回転速度は、上記ウ
ェブの移動速度よりも速くなるように設定されているこ
とにより達成される。
【0028】また、本出願に係る第8の発明によれば、
上記目的は、押圧ローラが、表面が十点平均粗さで10
μm以上の凹凸を有していることにより達成される。
【0029】さらに、本出願に係る第9の発明によれ
ば、上記目的は、押圧ローラが、断面が偏心形状である
ことにより達成される。
【0030】また、本出願に係る第10の発明によれ
ば、上記目的は、ウェブの送り側に張力を加える手段を
有することにより達成される。
【0031】
【作用】本出願に係る第1の発明によれば、定着ローラ
対の少なくとも一方のローラには、離型剤塗布手段によ
り離型剤が塗布されるが、そのローラの長手方向におけ
る離型剤塗布量の分布は、該分布を変調せしめる手段に
より、該長手方向において均一ではなく、他の部分より
も塗布量が多くなる箇所と、少なくなる箇所が存在する
ようになる。従って、例えば、ローラに他の部材が当接
する箇所、あるいは転写材が当接する箇所等の塗布量を
多くし、ローラの表面の状態を検出する手段が配設され
た箇所の塗布量を少なくするような分布とすることによ
り、ローラの摩耗を抑えつつ、検出手段の動作不良を防
ぐ。
【0032】また、本出願に係る第2の発明によれば、
離型剤塗布量の分布を変調せしめる手段により、分離爪
の接触位置における離型剤塗布量を、他の部分よりも多
くするので、分離爪によるローラの摩耗が抑えられる。
【0033】さらに、本出願に係る第3の発明によれ
ば、離型剤塗布量の分布を変調せしめる手段により、温
度検出手段の配設位置における離型剤塗布量を、他の部
分よりも少なくするので、ローラと検出部の間に離型剤
が入り込み過ぎることがなく、熱の伝導性や熱容量の変
化を防いで正確な温度検出が行われる。
【0034】また、本出願に係る第4の発明によれば、
離型剤塗布量の分布を変調せしめる手段により、定着装
置の使用可能な最大幅の転写材の端部がローラと接する
位置の離型剤塗布量を、他の部分よりも多くするので、
該転写材の端部によるローラの摩耗が抑えられる。
【0035】さらに、本出願に係る第5の発明によれ
ば、離型剤塗布量の分布を変調せしめる手段により、定
着ローラ対の少なくとも一方のローラ、または離型剤塗
布手段に、ローラの長手方向における当接圧力が異なる
当接部材を当接させることにより、該長手方向における
離型材の塗布量は、当接圧力が強い部分は少なく、ま
た、弱い部分は多くなる。
【0036】また、本出願に係る第6の発明によれば、
離型剤塗布手段に、離型剤を吸収する吸収部材を接触さ
せることにより、その接触箇所の離型剤の塗布量を減少
させ、一旦離型剤を吸収させた吸収部材をローラに接触
させることにより、その接触箇所の離型剤の塗布量を増
加させる。
【0037】さらに、本出願に係る第7の発明によれ
ば、ウェブを定着ローラ対のいずれかのローラに押圧せ
しめる押圧ローラを、該定着ローラ対のいずれかのロー
ラの回転方向に対し、カウンタ方向に回転させ、その回
転速度を、ウェブの移動速度よりも速くなるようするの
で、クリーニング性が向上し、ウェブと定着ローラ対の
いずれかのローラとの摺接部におけるトナーのすり抜け
を防ぐ。
【0038】また、本出願に係る第8の発明によれば、
表面に十点平均粗さで10μm以上の凹凸を有する押圧
ローラを上記第7の発明のように回転させることによ
り、クリーニング性がより一層向上し、トナーのすり抜
けをより一層確実に防止する。
【0039】さらに、本出願に係る第9の発明によれ
ば、断面が偏心形状の押圧ローラを、上記第7の発明の
ように回転させるので、クリーニング性がより一層向上
するだけでなく、押圧ローラによる振動を防止する。
【0040】また、本出願に係る第10の発明によれ
ば、ウェブの送り側に張力を加える手段により、ウェブ
の送り側に張力を加えるので、上記第7の発明のように
押圧ローラを回転させながらウェブを移送しても、ウェ
ブが必要以上に移送されることがない。
【0041】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
【0042】(第1の実施例)先ず、本発明の第1の実
施例を、図1ないし図9に基づいて説明する。図3は本
実施例における電子写真技術を搭載した複写機の概略図
である。
【0043】図3において、原稿台カバー1とプラテン
ガラス2の間には、原稿が載置されており、該原稿を原
稿照明ランプ3で照明し、各反射ミラー4、5、6とレ
ンズ7、及び反射ミラー8を使って、感光体9に投影さ
せることで、該感光体9上に原稿に対応した像を形成さ
せている。つまり、この感光体9を、予め帯電器10に
より電荷付与させておき、その表面に上記のような原稿
画像に対応した露光を行うことで、上記感光体9上に
は、静電潜像が形成される。そして、現像装置11を用
いて、この静電潜像にトナーを付着させることにより顕
像化を行い、給紙デッキ12から搬送される転写材10
0に、その顕像化されたトナー像を転写分離帯電器13
で転写させる。さらに、この転写材100を、搬送ベル
ト14により定着装置15まで搬送し、該定着装置15
にてトナー像を転写材100上へ固着させ、排紙トレイ
16に出力する。
【0044】このように、本実施例装置には、定着装置
15が配設されているが、本発明による定着装置と従来
の定着装置との違いを明確にするため、先ず、図4に基
づいて、従来の定着装置について説明する。図4に示す
定着装置においては、転写材にトナーを固着させる定着
ローラ20と、バックアップにより転写材及びトナーに
圧力を加える加圧ローラ21が定着ローラ対を構成して
いる。定着ローラ20は、鉄やアルミニウム合金を構造
体の基礎、即ち芯金とし、その表面をシリコーンゴムや
フッ素ゴム等の弾性層や、四フッ化エチレン樹脂(PT
FE)や四フッ化エチレン−パーフルオロビニルエーテ
ル共重合体(PFA)に代表されるフッ素樹脂を単独ま
たは複合した高離型性層を被覆する場合が多い。同様に
加圧ローラ21も芯金上に弾性層や高離型性層を被覆し
て構成される場合が多い。また、熱によってトナーを溶
融する定着装置における一般的な熱源として、ハロゲン
ヒータ(図示せず)と温度検出手段たる温度調節用サー
ミスタ22により定着ローラ20の表面温度は100℃
〜200℃程度に加熱される。そして、定着ローラ20
へ転写材が巻き付かないように分離爪23が設けられて
いる。
【0045】さらに、この定着装置には、離型性を向上
させるべく離型剤たるオイルを塗布するために、離型剤
塗布手段として、不繊布等で構成されたウェブ30と、
このウェブ30を定着ローラ20に当接させる押圧ロー
ラ31とが設置されているが、このウェブ30等は、オ
イルを塗布するだけでなく、定着ローラ20に付着した
オフセットトナーをクリーニングすることも目的として
いる。
【0046】ウェブ30は、送りローラ32に予め巻き
付けられており、徐々に巻き取りローラ33に巻き取ら
れるものである。巻き取りの駆動方法は、専用のモータ
か、または、ソレノイドからのレシプロ運動を回転運動
に切り換えるか、または、定着ローラ20の回転をギア
で減速して得ている。巻き取りのタイミングは、モータ
やソレノイドの場合は、画像の出力毎に行ったり、定着
ローラ20の回転をギアで減速する場合は、連続的に行
われる。
【0047】なお、これらのオイル塗布機構及び分離爪
23は定着ローラ20、加圧ローラ21のどちらにも取
り付けが可能な機構である。
【0048】このような従来の定着装置は、上述の各機
構により、転写材の巻き付き、オフセット等を防止し、
また所定の温度制御により良好な定着動作を行うもので
あるが、定着装置の使用時間の経過に伴い、定着ローラ
20あるいは加圧ローラ21の高離型性層が、とりわけ
分離爪23の当接部分において摩耗や損傷を被るという
悪影響が生じている。図5は、分離爪23の当接位置に
おいて、高離型性層が剥離した場合の出力画像状態を示
す。剥離した部分は芯金や弾性層が露出し、トナーの離
型性が著しく劣化して、転写材上の画像を乱す。図6
は、上記の高離型性層が剥離した場合の出力画像例であ
り、前半部分が高濃度トナー、後半部分が低濃度トナー
を載せた転写材を定着させた場合のものである。高濃度
部分ではトナーが剥ぎ取られ白抜けを生じ、低濃度部分
では剥ぎ取られたトナーが定着ローラの回転と共に汚れ
となって付着する。
【0049】また、温度調整用サーミスタ22は、定着
ローラ20の表面温度を測定するため、定着ローラ20
に接触または、極近傍に設置されるが、オイル塗布機構
からのオイル供給量が多い場合、装置の使用時間の経過
に伴い、サーミスタ22の近傍にオイルが掻き集めら
れ、オイルを伝導して熱が分散する現象が発生する。熱
の分散は、サーミスタ22の検知温度に誤差を生じさせ
る原因となり、定置ローラ22の温度上昇により、定着
ローラ対を比較的早期に痛めたり、周辺部材への熱変形
を生じさせる要因となる。
【0050】そこで、本発明では、分離爪及びサーミス
タ近傍へのオイル供給量が他の部分と異なるように、オ
イル塗布量の分布を変調させる手段を設け、上記問題を
解決している。図1は、本発明によるオイル塗布量の分
布を変調させる手段を説明する断面図であり、オイルを
含んだウェブ30を挟んで、オイル分布変調ローラ対4
0及び41が具備されている。図1の上視図を図2とし
て示す。オイルが含浸されたウェブ30は、予め送りロ
ーラ32に巻き取られており、巻き取り用モータ60及
び駆動力伝達ギア61、62に駆動された巻き取りロー
ラ33によって、画像の出力毎に移送される。
【0051】ここで、送りローラ32に巻き取られてい
るウェブ30は、本来定着ローラ20の長手方向に特別
なオイル分布をもたせるような働きはしない。しかし、
バネ50の加圧力により、当接部材たるオイル分布変調
ローラ40及びオイル分布変調加圧ローラ41でウェブ
30を挟むことで、オイル分布を変調することができ
る。
【0052】このオイル分布変調ローラ40は、定着ロ
ーラ20の長手方向に外径が変化しており、オイル塗布
量を加減することができる。つまり、図2では、外径の
変化を強調して示しているが、外径が細くなった部分に
は、圧力により閉め出された周囲のオイルが集中して流
れ込み、オイル塗布量が多くなる。周囲との外径差とし
ては、0.1〜2mm程度あれば本発明の効果が期待で
きる。逆に外径の太い部分には、オイル分布変調加圧ロ
ーラ41の当接圧力が高くなるため、周囲へオイルが逃
げてオイル塗布量が少なくなる。外径の太い部分の外径
差として、0.1〜0.8mm程度の僅かな量が望まし
い。
【0053】本実施例では、定着ローラ20の長手方向
の位置における分離爪23の当接位置付近(図2におい
てA、B、Cで示す部分)に、オイル塗布量を多くして
いる。定着ローラ20上に塗布されたオイルは、通過す
る転写材にその多くを持ち去られるが、上記各部分にお
けるオイル塗布量を多くすることで、僅かな量ではある
が、定着ローラ20上にオイルが残留し、この残留した
オイルが分離爪23に供給される。従って、分離爪23
と定着ローラ20との間隙に僅かなオイル層が形成さ
れ、分離爪23と定着ローラ20との摩擦係数を低減さ
せる効果がある。その結果、分離爪23による定着ロー
ラ20の摩耗を抑制することができる。
【0054】一方、本実施例においては、定着ローラ2
0の長手方向における温度調節用サーミスタ22の当接
位置付近(D)では、オイル塗布量を少なくしている。
この結果、接触または極近傍に配置された温度調節用サ
ーミスタ22と定着ローラ20との間隙には、オイルが
多量に蓄積されることなく、温度を正確に検知すること
ができる。
【0055】なお、オイル分布変調ローラ40またはオ
イル分布変調加圧ローラ41のどちらか一方は、ゴム材
料等の弾性層を有したローラであり、他方は金属ローラ
であることがオイル分布の変調効果のためには望まし
い。また、オイル分布変調ローラ40とオイル分布変調
加圧ローラ41は、図1及び図2に示した構成の他に
も、オイル分布変調ローラ40とをオイル分布変調加圧
ローラの位置を逆付けして設置しても良い。
【0056】さらに、図7のように、部品の削減を目的
として、オイル分布変調加圧ローラ41を省略した構成
としても良い。図8は、図7における上視図である。ま
た、押圧ローラ31は弾性体で被覆される場合が多いた
め、オイル分布変調ローラ40を直接押圧ローラ31に
当接させることでも、本発明の効果は発揮される。
【0057】図9は、定着ローラ20の長手方向の位置
におけるオイル塗布分布について、従来技術と本発明装
置との差を示したものである。図において、従来技術の
オイル塗布分布は、位置によらず一定であったものが、
本発明では、分離爪23の当接位置(A、B、C)にお
ける塗布分布が急増し、また温度調節用サーミスタ22
の当接位置(D)における塗布分布が減少していること
が分かる。但し、オイル過多となると、転写材画像上に
不均一なムラとして不愉快な欠陥をもたらすため、分離
爪23の当接位置においても多過ぎることは好ましくな
い。従って、分離爪23の当接位置には画像欠陥のない
限りのオイルを供給することが望ましい。
【0058】また、表1は、分離爪23の当接位置にお
ける定着ローラ20の表面に被覆された高離型性材料の
摩耗量を比較したものである。通常高離型性材料として
定着ローラ20の表層を形成しているフッ素樹脂は、分
離爪23の当接位置において、十万枚当たり約4μm程
度摩耗する。この値は、分離爪23が当接していない部
分に比べて2〜3倍の量である。しかし、オイル塗布量
を2倍程度にすると、約2.5μm程度の摩耗量に留ま
っている。つまり、分離爪23の当接部の摩耗による実
質的な耐久枚数も長寿命化することになる。
【0059】なお、本発明は、定着ローラ20のオイル
塗布のみならず、加圧ローラ21のオイル塗布にも使用
することが可能であり、高寿命化に有効な手段となり得
る。また、本発明で用いたオイル分布変調ローラ40
は、ウェブ30の移送速度に従動されるものであるが、
ウェブ30の移送方向に対して逆方向に回転した場合で
も有効であり、あるいは、停止しても良い。停止する場
合には、ローラ形状ではなく、ローラと同じ当接圧力を
有する凹凸のある板状部材であっても良い。このとき、
長手方向での分離爪23の当接位置付近の凹みは0.0
5〜1mmが望ましく、温度調節用サーミスタ22の当
接位置付近の凸部高さは0.05〜0.4mmが望まし
い。
【0060】
【表1】
【0061】(第2の実施例)次に、本発明の第2の実
施例を図10及び図11に基づいて説明する。なお、第
1の実施例との共通箇所には同一符号を付して説明を省
略する。
【0062】第1の実施例では、オイルを含浸したウェ
ブを押圧ローラで加圧して、定期的または連続してウェ
ブを移送するオイル塗布機構において、オイル塗布分布
を変調する機構を有した定着装置について説明した。一
方、本実施例はオイルを内蔵したフェルトをロール状に
形成したオイル塗布ローラについても、本発明を適用し
たものであり、このような場合でも本発明は有効であ
る。
【0063】この構成の断面図を図10に示し、上視図
を図11に示す。図において、オイル塗布ローラ70
は、内部にオイルを含浸させた構成であり、外表面の耐
熱フェルトを伝わり、定着ローラ20及び加圧ローラ2
1にオイルを塗布する役割をもつ。ここで、定着ローラ
20の長手方向に外径の異なるオイル分布変調ローラ4
0をオイル塗布ローラ70に押し当てることによっても
オイル分布が任意に塗布することができる。
【0064】分離爪23の当接位置(A、B、C)と温
度調節用サーミスタ22の当接位置(D)の他に、本実
施例では転写材の最大幅位置近傍(E、F)のオイル分
布も他と異なるようにしている。本実施例における転写
材の最大幅位置近傍とは、A4紙の縦幅である297m
m、または、レター紙の縦幅である279mmの幅を持
つ辺りを指す。最大幅をもつ転写材は比較的多くの枚数
が使用されるため、転写材の最大幅位置付近は他の部分
に比べて転写材の端部による定着ローラ20の摩耗が促
進される傾向がある。しかし、オイル塗布量を増加させ
ると、定着ローラの摩耗が減少することが分かってい
る。例えば、表2に示すようにな傾向があり、通常高離
型性材料として定着ローラの表層を形成しているフッ素
樹脂は、十万枚当たり約3〜5μm程度摩耗するが、オ
イル塗布量を2倍程度にすると、約1〜2μm程度しか
研磨されることはない。つまり、転写材端部の摩耗によ
る実質的な耐久枚数も、2倍以上になる。オイル塗布量
は、消費量の関係から全体的に増加させることは難しい
が、部分的ならば可能である。従って、比較的多量の転
写材の端部が通過する転写材の最大幅位置近傍(E、
F)にオイル塗布分布を増加させることは、定着ローラ
20及び加圧ローラ21の摩耗対策としては非常に有効
である。
【0065】なお、本実施例におけるオイル塗布ローラ
40は、予め内部にオイルを含浸させたものの他に、外
部オイルタンク(図示せず)より塗布ローラ中心付近に
オイルを注入する形式のものであっても良い。
【0066】
【表2】
【0067】(第3の実施例)次に、本発明の第3の実
施例を図12及び図13に基づいて説明する。なお、上
記実施例との共通箇所には同一符号を付して説明を省略
する。
【0068】第1の実施例及び第2の実施例では、オイ
ル塗布装置に、オイル分布変調手段を押し当てる構成を
説明した。一方、本実施例では、オイル塗布装置の下流
側に改めてオイル分布変調手段を有する構成をとってい
る。
【0069】図12は、定着ローラ20へ直接オイル分
布変調ローラ40を押し当てる構成を説明する断面図
で、その上視図を図13に示す。オイル分布変調ローラ
40は、定着ローラ20の回転方向においてオイル塗布
ローラ70の下流側に設置させることで、オイル塗布後
の定着ローラ20上で改めて塗布分布を変更するもので
ある。このオイル塗布ローラ70は、定着ローラ20へ
の当接による摩耗を抑制するために、表面をゴム材料等
の弾性層を有していることが望ましく、かつ、定着ロー
ラ20に従動するか、同程度の回転速度で回転すること
が望ましい。また、第2の実施例と同じく、分離爪23
の当接位置(A、B、C)と転写材最大幅付近(E、
F)には、外径を減少させることで、オイル塗布量を増
加させ、温度調節用サーミスタ22の当接位置(D)に
は、外径を僅かに増加させオイル塗布量を減少させてい
る。
【0070】なお、定着ローラ20に直接オイル分布変
調ローラ40を当接させる場合には、上流のオイル塗布
は、ウェブの移送手段を有したオイル塗布方法であって
もよく、または、パッド状のオイル塗布機構であっも差
し支えない。
【0071】(第4の実施例)次に、本発明の第4の実
施例を図14ないし図17に基づいて説明する。なお、
上記実施例との共通箇所には同一符号を付して説明を省
略する。
【0072】第1ないし第3の実施例では、定着ローラ
の長手方向に対して外径の異なるオイル分布変調ローラ
または凹凸のある板状部材を、ウェブまたはオイル塗布
ローラまたは定着ローラに押し付けることで、任意のオ
イル塗布分布を得ているが、本実施例では、オイル供給
を2系統として、オイル分布を形成するようにしてい
る。
【0073】図14は、本実施例によるオイル分布変調
手段を説明する断面図で、図15はその上視図である。
同図に示すようなウェブ30を、送りローラ32から送
り出し、押圧ローラ30でオイル塗布及びクリーニング
を行い、駆動軸である巻き取りローラ33で巻き取る装
置のみでは、従来通りオイル分布は変調されない。とこ
ろが、フェルト状のオイル吸収部材75の一部を、送り
ローラ32と押圧ローラ31の間の、オイルを充分含浸
しているウェブ30に押し当て、ウェブ内の所定オイル
量の何割かを吸収させ、定着ローラ20に直接塗布する
ことで、オイル分布が変調される。オイル吸収部材75
はウェブ30から吸収する場合には、ウェブ30との接
触面積を大きく取り、定着ローラ20に塗布する場合に
は、分離爪23の当接位置付近にのみ集中してオイルを
供給することができる。なお、オイル吸収部材75は、
巻き取りローラ33からオイルを供給しても同様の効果
が期待できる。
【0074】さらに、図16に示すように、定着ローラ
20に直接塗布するのではなく、ウェブ30上でオイル
分布に変調を加える構成であも良い。図17は、図16
の上視図である。図16及び図17において、オイル吸
収部材75は、一旦ウェブ30からオイルを供給し、改
めて分離爪23の当接位置近傍のオイル塗布直前のウェ
ブ30または押圧ローラ31にオイルを集中して供給し
ている。
【0075】本実施例に示すように、オイル吸収部材7
5を使用することでも、オイル分布を変調することがで
き、定着ローラ20の分離爪23よる摩耗を抑制するこ
とができる。なお、ウェブ以外のオイル塗布機構を有す
る定着装置においても、一旦オイル供給経路を分割し、
改めてオイル変調しつつオイル塗布する構成をとること
でも本発明の効果は発揮される。
【0076】(第5の実施例)次に、本発明の第後の実
施例を図18ないし図19に基づいて説明する。なお、
上記実施例との共通箇所には同一符号を付して説明を省
略する。
【0077】定期的または連続して移送させるウェブ移
送手段を用いたクリーニング装置において、定着ローラ
上に残留したトナーは、本来移送されるウェブに全てを
剥ぎ取られて巻き取りローラに巻き取られるべきであ
る。しかし、図4に示した従来技術によるクリーニング
手段では、定着ローラ20上の残留トナーを全てウェブ
及び押圧ローラで剥ぎ取ることは困難である。ウェブの
移送量は、1枚の画像出力に対して通常0.05mm前
後と非常に遅く、オイル塗布としては充分機能しても、
残留トナーのクリーニング性能には限界があった。ま
た、不連続ウェブを使用した場合、ウェブの交換枚数を
数十万枚とした場合には、移送速度または移送量を遅く
する必要がある。しかも、高濃度のトナーをのせた転写
材ほど、または、トナー固着しにくい転写材ほど定着ロ
ーラ上の残留トナーは多くなる傾向がある。結果とし
て、クリーニングできずにウェブをすり抜け、次回の通
過転写材上の画像を乱したり、加圧ローラ側に付着して
次回の通過転写材の裏面に不快な汚れを発生させたり、
温度調節用サーミスタ周辺に付着して検知温度に狂いを
生じさせたりといったトラブルを引き起こす。
【0078】そこで、本実施例では、押圧ローラ31を
定置ローラ20の回転方向に対して、逆向きに強制回転
させることで、上記の問題を解決している。図18は、
本実施例の回転押圧ローラ31を説明する断面図であ
り、図19はその上視図である。強制回転する押圧ロー
ラ31は、図19に示すように、回転モータ90及び駆
動力伝達ギア91、92により、定着ローラ20に対し
てカウンタ方向に強制回転される。回転速度について
は、ウェブ30の平均移送速度に比べて高く設定されて
いる。具体的には、定着ローラ20の回転速度を400
mm/秒としているが、押圧ローラ31は約500mm
/秒としている。即ち、ウェブ30と押圧ローラ31
は、互いに擦れ合いながら定着ローラ20を清掃するこ
とになる。無論、回転手段は、モータによるもの以外に
も、ソレノイドのレシプロ運動を回転運動に切り換えて
もよいし、定着ローラ20等の駆動を変速して伝達させ
る方法でも良い。また、従来技術と同様、ウェブ30は
モータ60及び駆動力伝達ギア61、62により巻き取
りローラ33を使用して移送されるが、このウェブ移送
駆動に関してもその他の駆動方法を使用しても良い。
【0079】ウェブ30が連続して移送される場合に
も、押圧ローラ31の回転速度はウェブ30の移送速度
に比べて高速に回転させ、ウェブ30を介してトナーを
すり抜けないようにしている。このとき、押圧ローラ3
1の回転によってウェブ30が必要以上に移送されない
ように、送りローラ32には回転規制板80がバネ81
により当接され、適度な張力をウェブ30に与える構成
としている。
【0080】このように、ウェブ30の移送速度に比
べ、速く強制回転させることで、従来技術で課題となっ
ていたトナーのすり抜け現象を効果的に減少することが
可能となっている。
【0081】なお、押圧ローラ31は、通常と同じくゴ
ム材料等の弾性体で構成され、所定の圧力が加わってい
るが、すり抜けを防止し、クリーニング性を向上させる
ためには、図20に示すような凹凸のある断面を有して
いる方が、全く平滑な表面を持つ押圧ローラに比べて有
利である。従って、本実施例では、十点平均粗さRzで
10μm以上の凹凸を表面に有している。クリーニング
性と振動防止の両立のためには、100μm程度の凹凸
が望ましい。また、図21に示すように、中心軸に対し
て偏心させた断面形状を持つ押圧ローラであっても良
い。図では、押圧ローラの長手方向に対して、偏心した
断面が回転するような構成、いわゆる螺旋形状を形成し
ている。このような螺旋形状では、押圧ローラの強制回
転による振動を減少させる効果とウェブで捕集中の残留
トナーをウェブ端部へ押しやり、画像上にすり抜けにく
くする効果があり、クリーニング性が向上する。
【0082】
【発明の効果】以上説明したように、本出願に係る第1
の発明によれば、定着ローラ及び加圧ローラの長手方向
における離型剤の塗布量の分布を変調する手段を有する
ことで、ローラに他の部材が当接して摩耗が発生する位
置付近には、離型剤の塗布量を増加することによりロー
ラの表層の摩耗を防止してオフセット現象の発生を防
ぎ、かつ、ローラ表面の状態を検出する手段の検出部付
近には、離型剤を減少させることにより、検出精度を高
く維持することが可能となる。
【0083】また、本出願に係る第2の発明によれば、
分離爪を備えた定着装置において、離型剤の塗布量の分
布を変調する手段により、分離爪のローラに対する当接
位置の離型剤の塗布量を他の部分よりも多くするので、
ローラ上の高離型性層の摩耗が防止され、白紙上にトナ
ー像が付着したり、黒画像上に白抜けが発生するオフセ
ット現象を発生させることなく、転写材の巻き付きを良
好に防ぐことができる。
【0084】さらに、本出願に係る第3の発明によれ
ば、温度検出手段を備えた定着装置において、離型剤の
塗布量の分布を変調する手段により、温度検出手段の検
出部付近の離型剤の塗布量を他の部分よりも少なくした
ので、ローラと検出部の間に離型剤が入り込み過ぎるこ
とがなく、熱の伝導性や熱容量の変化を防いで正確な温
度検出を行うことができる。
【0085】また、本出願に係る第4の発明によれば、
離型剤の塗布量の分布を変調する手段により、定着装置
に使用可能な最大幅の転写材の端部と接触する位置にお
ける離型剤の塗布量を他の部分よりも多くしたので、比
較的多量に使用される傾向がある最大幅の転写材の端部
による、ローラ表面の摩耗を有効に防ぐことができ、オ
フセット現象の発生を防ぐことができる。
【0086】さらに、本出願に係る第5の発明によれ
ば、ローラあるいは離型剤塗布手段に、ローラの長手方
向における当接圧力が異なる当接部材を当接させたの
で、該当接部材の当接圧力を異ならしめる箇所を、所定
の位置に設定することにより、適宜ローラの長手方向に
おける離型剤の塗布量の分布を調節することができ、ロ
ーラの摩耗防止及び検出手段の検出制度の維持を実現す
ることができる。
【0087】また、本出願に係る第6の発明によれば、
ローラあるいは離型剤塗布手段に、離型剤を吸収せしめ
る吸収部材を接触させたので、簡単な構成で、局所的に
離型剤の塗布量を増減させることができ、ローラの摩耗
防止及び検出手段の検出制度の維持を実現することがで
きる。
【0088】さらに、本出願に係る第7の発明によれ
ば、ウェブを用いたクリーニング装置のクリーニング性
を向上するため、ウェブの押圧ローラを定着ローラ対の
少なくとも一方のローラの回転方向に対しカウンタ方向
で、かつ、ウェブの移送速度に比べ速く強制回転させた
ので、ウェブで捕集されるべき定着ローラまたは加圧ロ
ーラ上の残留トナーを確実に捕集し、該トナーのすり抜
けを防止することができる。従って、定着ローラまたは
加圧ローラの長寿命化とクリーニング性向上により、出
力画像の安定化に貢献することができる。
【0089】また、本出願に係る第8の発明によれば、
上記第7の発明のように押圧ローラを回転させるだけで
なく、押圧ローラの表面に十点平均粗さで10μm以上
の凹凸を形成したので、より一層クリーニング性が向上
し、ウェブで捕集されるべき定着ローラまたは加圧ロー
ラ上の残留トナーをより一層確実に捕集し、該トナーの
すり抜けをより一層確実に防止することができる。
【0090】さらに、本出願に係る第9の発明によれ
ば、上記第7の発明のように押圧ローラを回転させるだ
けでなく、断面が偏心形状である押圧ローラを用いたの
で、クリーニング性を向上させつつ、該押圧ローラによ
る振動を減少させることができる。
【0091】また、本出願に係る第10の発明によれ
は、上記第7の発明のように押圧ローラを回転させるだ
けでなく、ウェブの送り側に張力を加える手段を有する
ので、ウェブのトータル寿命を短くすることなく、良好
なクリーニング性を発揮して、トナーのすり抜けを良好
に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における離型剤塗布量の
分布を変調せしめる手段の断面図である。
【図2】本発明の第1の実施例における離型剤塗布量の
分布を変調せしめる手段の上視図である。
【図3】本発明の第1の実施例における電子写真複写機
の概略図である。
【図4】従来技術における定着装置の概略図である。
【図5】従来技術における画像トラブルの説明図であ
る。
【図6】従来技術における画像トラブルの出力例であ
る。
【図7】本発明の第1の実施例における離型剤塗布量の
分布を変調せしめる手段の他の例を示す断面図である。
【図8】本発明の第1の実施例における離型剤塗布量の
分布を変調せしめる手段の他の例を示す上視図である。
【図9】本発明の第1の実施例における定着ローラの長
手方向の位置における離型剤塗布分布を説明するグラフ
である。
【図10】本発明の第2の実施例における離型剤塗布量
の分布を変調せしめる手段を示す断面図である。
【図11】本発明の第2の実施例における離型剤塗布量
の分布を変調せしめる手段を示す上視図である。
【図12】本発明の第3の実施例における離型剤塗布量
の分布を変調せしめる手段を示す断面図である。
【図13】本発明の第3の実施例における離型剤塗布量
の分布を変調せしめる手段を示す上視図である。
【図14】本発明の第4の実施例における離型剤の吸収
部材を用いた離型剤塗布量の分布を変調せしめる手段を
示す断面図である。
【図15】本発明の第4の実施例における離型剤の吸収
部材を用いた離型剤塗布量の分布を変調せしめる手段を
示す上視図である。
【図16】本発明の第4の実施例における他の離型剤の
吸収部材を用いた離型剤塗布量の分布を変調せしめる手
段を示す断面図である。
【図17】本発明の第4の実施例における他の離型剤の
吸収部材を用いた離型剤塗布量の分布を変調せしめる手
段を示す上視図である。
【図18】本発明の第5の実施例におけるウェブの送り
側に張力を加える手段を示す断面図である。
【図19】本発明の第5の実施例におけるウェブの送り
側に張力を加える手段を示す上視図である。
【図20】本発明の第5の実施例における押圧ローラの
一例を示す断面図である。
【図21】本発明の第5の実施例における押圧ローラの
他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
20 定着ローラ(定着ローラ対を構成するローラ) 21 加圧ローラ(定着ローラ対を構成するローラ) 22 温度調節用サーミスタ(温度検出手段) 23 分離爪 30 ウェブ(離型剤塗布手段) 31 押圧ローラ(離型剤塗布手段) 32 ウェブ送りローラ(ウェブ移送手段) 33 ウェブ巻き取りローラ(ウェブ移送手段) 40 オイル変調ローラ(離型剤塗布量の分布を変調せ
しめる手段、当接部材) 41 オイル変調加圧ローラ(離型剤塗布量の分布を変
調せしめる手段) 70 オイル塗布ローラ(離型剤塗布手段) 75 オイル吸収部材(吸収部材) 80 回転規制板(ウェブの送り側に張力を加える手
段) 81 バネ(ウェブの送り側に張力を加える手段) 100 転写材

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱源を有して互いに回転自在に配設さ
    れ、転写材を挟持搬送することにより転写材上の可視ト
    ナー像を熱または圧力により定着させる定着ローラ対
    と、該定着ローラ対の少なくとも一方のローラに離型剤
    を塗布する離型剤塗布手段とを備えた定着装置におい
    て、上記ローラの長手方向における離型剤塗布量の分布
    を変調せしめる手段を備えたことを特徴とする定着装
    置。
  2. 【請求項2】 定着ローラ対の少なくとも一方のローラ
    に接触するように配設された転写材の分離爪を備え、離
    型剤塗布量の分布を変調せしめる手段は、該分離爪の接
    触位置における離型剤塗布量を、他の部分よりも多くす
    るように設定されていることとする請求項1に記載の定
    着装置。
  3. 【請求項3】 定着ローラ対の少なくとも一方の表面に
    接触または近接して配設され、該表面の温度を検出する
    温度検出手段を備え、離型剤塗布量の分布を変調せしめ
    る手段は、該温度検出手段の配設位置における離型剤塗
    布量を、他の部分よりも少なくするように設定されてい
    ることとする請求項1または請求項2に記載の定着装
    置。
  4. 【請求項4】 離型剤塗布量の分布を変調せしめる手段
    は、定着装置の使用可能な最大幅の転写材の端部がロー
    ラと接する位置の離型剤塗布量を、他の部分よりも多く
    するように設定されていることとする請求項1ないし請
    求項3のいずれかに記載の定着装置。
  5. 【請求項5】 離型剤塗布量の分布を変調せしめる手段
    は、定着ローラ対の少なくとも一方のローラ、または離
    型剤塗布手段に当接するように配設され、その当接圧力
    がローラの長手方向で異なる当接部材を備えていること
    とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の定着
    装置。
  6. 【請求項6】 離型剤塗布量の分布を変調せしめる手段
    は、定着ローラ対の少なくとも一方のローラ、または離
    型剤塗布手段に接触するように配設され、離型剤を吸収
    する吸収部材を備えていることとする請求項1ないし請
    求項4のいずれかに記載の定着装置。
  7. 【請求項7】 熱源を有して互いに回転自在に配設さ
    れ、転写材を挟持搬送することにより転写材上の可視ト
    ナー像を熱または圧力により定着させる定着ローラ対
    と、該定着ローラ対の少なくとも一方のローラと摺擦し
    ながら移動自在に配設されたウェブと、該ウェブを上記
    ローラに押圧せしめる押圧ローラとを有した定着装置に
    おいて、上記押圧ローラは、上記ウェブを介して当接し
    ている上記ローラの回転方向に対し、カウンタ方向に回
    転するように設定されており、その回転速度は、上記ウ
    ェブの移動速度よりも速くなるように設定されているこ
    とを特徴とする定着装置。
  8. 【請求項8】 押圧ローラは、表面が十点平均粗さで1
    0μm以上の凹凸を有していることとする請求項7に記
    載の定着装置。
  9. 【請求項9】 押圧ローラは、断面が偏心形状であるこ
    ととする請求項7に記載の定着装置。
  10. 【請求項10】 ウェブの送り側に張力を加える手段を
    有することとする請求項7に記載の定着装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015228017A (ja) * 2014-05-07 2015-12-17 キヤノン株式会社 画像加熱装置、ヒータ、交換用のベルト、およびベルトの交換方法

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