JPH07310899A - 低温貯槽のポンプバレル架構構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポンプバレル本体とは別個に立体トラス支持
架構を設け、この架構よりのスリーブ継手にポンプバレ
ルを支持させ、熱影響による軸方向変位を拘束すること
のないポンプバレル架構構造を提供することにある。 【構成】 連結部材６により内槽側板２ａに連結支持し
た立体トラス支持架構１，１０を内槽底板上に立設支持
し、又は内槽屋根より懸垂支持し、該立体トラス支持架
構１，１０とは別個に、この立体トラス支持架構１，１
０に設けた複数組のスリーブ４に、上部を内槽屋根構に
吊架連結したポンプバレル５を夫々上下スライド可能に
挿入支持せしめたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、低温貯槽のポンプバレ
ル架構構造の改善に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、ＰＣ外槽と鋼製内槽とからなる
ＰＣＬＮＧ貯槽などの地上式平底円筒型貯槽において、
内槽内に貯溜せるＬＮＧなどの低温液化液を、防液提の
機能を兼備せるＰＣ外槽のプレストレスコンクリート構
造からなる側板を貫通させたパイプより払い出しするこ
とは防液堤の機能上好ましくない。そこで、ＰＣＬＮＧ
貯槽などにあっては、ポンプバレルを使用して低温液化
液をポンプアップし、内槽屋根構から払い出しする方式
が多用されている。そして、従来のポンプバレル架構構
造としては、図５に示すように、複数本のポンプバレル
自体を支持架構の弦材として利用したものや、更に剛性
を高めるために斜材（トラス）を配置したポンプバレル
架構が知られている。（例えば、特開平５−１１８４９
８号公報参照）

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このようにポンプバレ
ルを支持架構の弦材として利用することは、剛性が高め
られ耐地震対策などとしての効果は認められるにして
も、複数のポンプバレル間に生じる大きな温度差による
応力変形を許容することはできない。その理由は、屋根
構に吊架支持されているポンプバレルの一部はＬＮＧな
どの低温液化液に接触し、残部はガス雰囲気中にあり、
複数のポンプバレルのうち１本を液の払出し運転に使用
すると、このポンプバレルの全体が低温液化液に接触す
ることから熱影響をうけて縮み、他の払出し運転してお
らないポンプバレルとの間に熱変形による応力荷重が生
じ、トラス構造結合部に影響を及ぼすという不都合があ
るし、この熱変形による応力荷重の発生は液位が下がる
程大きくなり、更にその影響は大きい。

【０００４】本発明の目的は、ポンプバレル本体とは別
個に立体トラス支持架構を設け、この架構よりのスリー
ブ継手にポンプバレルを支持させ、熱影響による軸方向
変位を拘束することのないポンプバレル架構構造を提供
することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】従来技術の課題を解決す
る本発明の構成は、連結部材により内槽側板に連結支持
した立体トラス支持架構を内槽底板上に立設支持し、又
は内槽屋根より懸垂支持し、該立体トラス支持架構とは
別個に、この立体トラス支持架構に設けた複数組のスリ
ーブに、上部を内槽屋根構に吊架連結したポンプバレル
を夫々上下スライド可能に挿入支持せしめたものであ
る。

【０００６】

【作用】ポンプバレル本体とは別個に剛性の高い立体ト
ラス支持架構を設け、この支持架構に対して設けたスリ
ーブにポンプバレルを挿入支持することにより、ポンプ
バレル相互間に大きな温度差が生じる場合でも、このポ
ンプバレルの軸方向変位を立体トラス支持架構自身が拘
束しないことから、熱変形による応力荷重の対応が容易
で、安全性の高いポンプバレルが得られる。

【０００７】

【実施例】次に、図面について本発明実施例の詳細を説
明する。図１は本願発明の説明図、図２はポンプバレル
に内接する構造の立体トラス支持架構の平面図、図３は
図２の要部の一部切欠正面図、図４はポンプバレルに外
接する構造の立体トラス支持架構の平面図である。

【０００８】図１，図２に示す１は、水平弦材１ａ，垂
直弦材１ｂと斜材（トラス）１ｃとからなり、平面形状
が正三角形をした立体トラス支持架構であって、該立体
トラス支持架構１は内槽２の底板（図示略）上に立設さ
れているか又は内槽２の屋根（図示略）から懸垂支持さ
れている。また、前記立体トラス支持架構１を構成する
水平弦材１ａより更に外側方にリブ材３を延設し、この
リブ３の交点には、同一軸線上に段設されたスリーブ４
が付設されており、この各スリーブ４列に、上部を内槽
屋根構（図示略）に吊架支持したポンプバレル５を夫々
上下スライド可能に挿入支持せしめたものである。ま
た、図１，図３に示すように、前記内槽２の側板２ａに
一端を固定したアーム材６の他端を、前記スリーブ４の
外側上下に設けたリング４ａ間に溶接固定し、ポンプバ
レル５及び立体トラス支持架構１を支持する。尚、この
アーム材６は全てのスリーブ４に対応させる必要はな
く、図に示すように適当間隔毎に設ければ充分である。
また、前記スリーブ４とこれに挿入されるポンプバレル
５との間には、内槽屋根構がＬＮＧなどの低温液化液の
熱影響により伸縮する挙動を吸収しうる程度の間隙を設
けることは勿論のことである。図１〜３は、立体トラス
支持架構１を三角形状に配設したポンプバレル５の中央
部位に内接した例を示している。

【０００９】図４は、前記ポンプバレル５の外側に立体
トラス支持架構１０を外接した構造を示している。垂直
弦材１０ｂを平面形状が正六角形の頂点となるように配
設し、この垂直弦材１０ｂ間に水平弦材１０ａを多段的
に段設するとともに、各水平弦材１０ａ間に斜材（図示
略）を斜設結合して前記立体トラス支持架構１０を構成
したものである。そして、１本おきの前記水平弦材１０
ａの内側方中央に対応する部位にスリーブ４を段設する
とともに、この各スリーブ４と、前記水平弦材１０ａの
両側端部に設けた両垂直弦材１０ｂとをリブ材３にて連
結し、前記スリーブ４列に、上部を内槽屋根構に吊架支
持せるポンプバレル５を上下スライド可能に挿入支持す
るようにしたものである。

【００１０】

【発明の効果】上述のように本発明の構成によれば、次
のような効果が得られる。 （ａ）ポンプバレルと別個に立体トラス支持架構を構成
し、該立体トラス支持架構に設けたスリーブに対して内
槽屋根構に吊架支持せるポンプバレルを上下スライド可
能に挿入支持せしめたので、低温液化液の払い出し運転
に際し、ポンプバレルの相互間に大きな温度差が生じ、
この温度差により各ポンプバレル間に熱変形による応力
荷重が発生しても、支持架構によってポンプバレルの軸
方向変位が拘束されることがなく、その対応が容易であ
る。 （ｂ）立体トラス支持架構は、地震やクールダウン時に
おける内槽の熱変形に充分に耐えることができるととも
に、これら地震やクールダウン時における立体トラス支
持架構の熱変形がポンプバレルに及ぼすことがなく、安
全性の向上が合理的に図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願発明の説明図である。

【図２】ポンプバレルに内接する構造の立体トラス支持
架構の平面図である。

【図３】図２の要部の一部切欠正面図である。

【図４】ポンプバレルに外接する構造の立体トラス支持
架構の平面図である。

【図５】従来例の説明図である。

【符号の説明】

１ 内接型の立体トラス支持架構 １ａ 水平弦材 １ｂ 垂直弦材 １ｃ 斜材（トラス） ２ 内槽 ２ａ 内槽側板 ３ リブ材 ４ スリーブ ４ａ リング ５ ポンプバレル ６ アーム材 １０ 外接型の立体トラス支持架構 １０ａ 水平弦材 １０ｂ 垂直弦材

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 連結部材により内槽側板に連結支持した
   立体トラス支持架構を内槽底板上に立設支持し、又は内
   槽屋根より懸垂支持し、該立体トラス支持架構とは別個
   に、この立体トラス支持架構に設けた複数組のスリーブ
   に、上部を内槽屋根構に吊架連結したポンプバレルを夫
   々上下スライド可能に挿入支持せしめたことを特徴とす
   る低温貯槽のポンプバレル架構構造。