JPH07310741A - 球面軸受及びその製造方法 - Google Patents

球面軸受及びその製造方法

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JPH07310741A
JPH07310741A JP10367594A JP10367594A JPH07310741A JP H07310741 A JPH07310741 A JP H07310741A JP 10367594 A JP10367594 A JP 10367594A JP 10367594 A JP10367594 A JP 10367594A JP H07310741 A JPH07310741 A JP H07310741A
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Japan
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bush
spherical surface
metal
thin
die
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JP10367594A
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Hiroshi Teramachi
博 寺町
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THK Co Ltd
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THK Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 円滑な回転運動や揺動運動を達成でき、使用
時にかじり等の問題が発生することなく、耐久性に優れ
た球面軸受及びその製造方法を提供する。 【構成】 摺動凸球面5を有する内部部材1と、上記内
部部材を回転及び/又は揺動可能に保持する外部部材2
と、この外部部材に融着され、かつ、上記内部部材の摺
動凸球面に対して摺動可能な摺動凹球面8が形成された
薄肉金属ブッシュ3とを有する球面軸受である。内部部
材の凸球面を薄肉状のブッシュ素体で略々密着状に覆っ
た内部部材を中子として外部部材をダイカスト鋳造し、
その際に外部部材とブッシュ素体とを融着すると共に成
形品の冷却時に外部部材の収縮によりブッシュ素体を締
め付け、内部部材の凸球面に対応する凹球面を有する薄
肉金属ブッシュを形成し、更に内部部材と外部部材との
間に外力を作用させて内部部材の凸球面と薄肉金属ブッ
シュの凹球面との間に微小隙間を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、球面軸受及びその製
造方法に係り、特に円滑な回転運動や揺動運動が得ら
れ、例えば自動車のトランスミッションやステアリング
部、その他各種の自動機器のリンクモーション機構等に
好適に用いられる球面軸受及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の球面軸受としては、例え
ば特開昭64−12118号公報に、樹脂製のライナ本
体とこのライナ本体に埋設した金属製のメッシュ部材と
からなるライナを用い、このライナを内輪外周に略々密
着状に被せ、次いでこのライナの外周に溶融ダイカスト
金属を鋳込み、外輪をダイカスト鋳造すると共にこの外
輪の内周面を上記ライナのメッシュ部材内に部分的に食
い込ませ、次いで冷却後に内輪とライナとの間に外力を
加えて微小間隙を形成し、内外輪の間にはその外輪側に
は強固に固着し、また、その内輪側には微小間隙を有し
て円滑な回転運動や揺動運動を与える球面軸受及びその
製造方法が提案されている。
【0003】しかしながら、このような金属製メッシュ
部材を埋設した樹脂製ライナを使用する球面軸受におい
ては、ライナとして樹脂製のものを使用しているので、
このライナの外周に溶融ダイカスト金属を鋳込んで外輪
をダイカスト鋳造する際に、ダイカスト金属の高温溶湯
により樹脂製のライナ本体が溶融し、この溶融した樹脂
が内輪側に流れ、このためにライナの金属製メッシュ部
材が内外輪の間に露出し、かじり等の原因になる場合が
あった。
【0004】ところで、ライナ外周に溶融ダイカスト金
属を鋳込んで外輪を鋳造する際には、この鋳込まれるダ
イカスト金属の溶湯が内輪側に流出しないようにこの溶
湯をダイカスト金型の湯切り部で確実に湯切る必要があ
る。しかしながら、このような樹脂製ライナではその剛
性が不足し、ダイカスト金型の湯切り部をそのライナの
端部に強固に圧接させることが難しく、ライナ端部と湯
切り部との当接部分に隙間が生じる場合がある。また、
樹脂製ライナがダイカスト金型の湯切り部に当接するそ
の端部で樹脂製のライナ本体が溶融し、この点からもこ
れらライナ端部と湯切り部との当接部分に隙間が生じる
場合がある。そして、これらライナ端部と湯切り部との
当接部分にこのような隙間が生じると、この隙間から溶
湯が内輪側に流出し、内輪側への樹脂の流出と同様に、
かじり等を引き起こす原因になる。
【0005】加えて、上述した樹脂製ライナについて
は、そのライナ本体が樹脂製故にその使用温度が高々1
80℃程度と制限され、しかも、この樹脂が高温で劣化
するという問題があるほか、その製造過程で樹脂製のラ
イナ本体の内部に金属製のメッシュ部材を埋設するとい
う複雑な操作を必要とし、それだけ製造コストが高くな
るという問題もある。
【0006】また、別の球面軸受としては、例えば特公
昭53−12655号公報に記載されているように、先
ず球面体の表面に溶融温度の比較的低い軸受メタル層を
ダイカスト鋳造により形成し、更にこの軸受メタル層の
上に溶融温度の比較的高い球体受部をダイカスト鋳造に
より形成し、この際に軸受メタル層と球体受部との教回
部の一部を一体化せしめ、次いで冷却後に球面体と軸受
メタル層との間に外力を加えて微小間隙を形成し、円滑
な回転運動や揺動運動を与える球面軸受の製造方法が提
案されている。
【0007】しかしながら、この方法においては、球面
体表面上に軸受メタル層をダイカスト鋳造した際に、形
成された軸受メタル層の端部にバリが発生し易く、この
バリが発生すると、このバリが障害になって軸受メタル
層端部とダイカスト金型の湯切り部との間における当接
が不完全になり、結果として軸受メタル層の上に球体受
部をダイカスト鋳造する際における湯切りが不完全にな
って溶湯が球面体表面上に流出し、それがかじり等を引
き起こす原因になっていた。
【0008】また、このように球面体表面に軸受メタル
層をダイカスト鋳造し、次いでその軸受メタル層の上に
球体受部をダイカスト鋳造する方法においては、球体受
部のダイカスト鋳造の際に、先にダイカスト鋳造された
軸受メタル層に球体受部を形成するダイカスト金属の溶
湯が接触すると、両金属の溶融温度差が少ないあるいは
実質的にないために、軸受メタル層が部分的に再溶融
し、この再溶融した軸受メタル層のダイカスト金属に球
体受部の溶湯が部分的に混じり合い、軸受メタル層の当
初の金属特性が失われ、これが原因で使用時に焼き付き
が発生し易く、しかも、このような部分的に異種金属の
混合が生じると、その部分における金属組織の強度が低
下し、初期の耐久性を維持できないという問題もあっ
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者は、
かかる従来の球面軸受及びその製造方法における種々の
問題を解消すべく鋭意研究を重ねた結果、摺動凸球面を
有する内部部材とこの内部部材を回転及び/又は揺動可
能に保持する外部部材との間に、外部部材のダイカスト
鋳造の際に外部部材に融着され、かつ、内部部材の摺動
凸球面に対して摺動可能な摺動凹球面が形成される薄肉
金属ブッシュを介装することにより、上記従来の問題を
解決できることを見出し、本発明を完成した。
【0010】従って、本発明の目的は、円滑な回転運動
や揺動運動を達成することができ、また、使用時にかじ
り等の問題が発生することなく、しかも、耐久性に優れ
た球面軸受及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】すなわち、本発明は、摺動凸球面を有する
内部部材と、ダイカスト鋳造により形成され、上記内部
部材を回転及び/又は揺動可能に保持する外部部材と、
上記外部部材のダイカスト鋳造の際にこの外部部材に融
着され、かつ、上記内部部材の摺動凸球面に対して摺動
可能な摺動凹球面が形成された薄肉金属ブッシュとを有
する球面軸受である。
【0012】また、本発明は、内部部材の摺動凸球面を
薄肉状のブッシュ素体で略々密着状に覆い、この内部部
材とその摺動凸球面を覆うブッシュ素体とをダイカスト
金型内に設置し、このダイカスト金型内にダイカスト金
属の溶湯を射出して上記ブッシュ素体の周囲に溶融ダイ
カスト金属を鋳込み、外部部材をダイカスト鋳造すると
共にこの外部部材と上記ブッシュ素体との間を融着し、
次いでダイカスト金型から内部部材とその摺動凸球面を
覆うブッシュ素体及び外部部材を取り出して冷却し、こ
の冷却時における外部部材の収縮によりブッシュ素体を
締め付けて上記内部部材の摺動凸球面に対応する摺動凹
球面を有する薄肉金属ブッシュを形成し、上記内部部材
と外部部材との間に外力を作用させて内部部材の摺動凸
球面と薄肉金属ブッシュの摺動凹球面との間に微小隙間
を形成する球面軸受の製造方法である。
【0013】本発明において、摺動凸球面を有する内部
部材としては、それが球体であっても、また、外側面が
凸球面の内輪であってもよく、また、その材質について
は、従来よりこの種の球面軸受で用いられているものを
使用することができ、例えばベアリング鋼(高炭素軸受
鋼)等が挙げられる。
【0014】また、この内部部材を保持する外部部材
は、ダイカスト鋳造で製造され、上記内部部材の摺動凸
球面を回転及び/又は揺動可能に保持するものであり、
その材質としては、アルミニウムあるいはその合金等の
アルミニウム系金属や、亜鉛あるいはその合金の亜鉛系
金属等のダイカスト金属が挙げられる。そして、このダ
イカスト金属の溶融温度については、好ましくは、アル
ミニウム系金属の場合570〜750℃であり、また、
亜鉛系金属の場合には420〜450℃であるのがよ
い。
【0015】そして、上記内部部材と外部部材との間に
介装される薄肉金属ブッシュは、上記外部部材のダイカ
スト鋳造の際にこの外部部材に融着され、かつ、上記内
部部材の摺動凸球面に対して摺動可能な摺動凹球面が形
成される。この薄肉金属ブッシュの肉厚については、好
ましくは0.3〜0.8mm、より好ましくは0.4〜
0.6mmである。3mmより薄いと、この外部部材の
ダイカスト鋳造の際における湯切りが不完全になり易い
という製造上の問題が発生し、また、0.8mmより厚
くなると、プレス型等を用いてブッシュ素体を内部部材
の摺動凸球面に密着させるのが難しくなる。
【0016】上記薄肉金属ブッシュを形成するためのブ
ッシュ金属については、外部部材のダイカスト鋳造の際
にこの外部部材に融着させる必要があり、例えば黄銅
〔YBsC1〜YBsC4、溶融点(固相):915
℃〕、鉛黄銅〔溶融点(固相):885℃〕、快削黄銅
〔C3560R、溶融点(固相):885℃〕、鍛造用
黄銅〔溶融点(固相):880℃〕、アルミ黄銅〔溶融
点(固相):935℃〕、リン青銅〔PBC2〜PBC
3、溶融点(固相):880〜950℃〕、アルミ青銅
〔AlBC1〜AlBC2、溶融点(固相):1037
〜1062℃〕等を挙げることができ、好ましくは溶融
温度800〜900℃の銅系金属である。また、ダイカ
スト金属との融着を確実にかつより強固に達成せしめる
上で、より好ましくはダイカスト金属の溶融温度との差
が100〜400℃の範囲内であるのがよい。
【0017】また、この薄肉金属ブッシュは、好適に
は、軸受製造時に薄肉金属ブッシュの中央部内面側周方
向に沿って形成され、使用時に油溝として利用される溝
を有するものである。この溝は、例えば、内部部材の摺
動凸球面を薄肉状のブッシュ素体で略々密着状に覆う際
に、摺動凸球面に金属製薄肉円筒体を被着し、この金属
製薄肉円筒体の両端部をかしめて摺動凸球面に略々密着
させ、このかしめ操作の際にブッシュ素体の中央部内面
側周方向に沿って形成される。
【0018】本発明の球面軸受を製造するに際しては、
先ず、内部部材の摺動凸球面を肉厚0.3〜0.8m
m、好ましくは0.4〜0.6mmの薄肉状のブッシュ
素体で略々密着状に覆う。この際、好ましくは、ブッシ
ュ素体は始めに円筒状に形成しておき、これを所定の長
さに切断し、これを内部部材の摺動凸球面に被着させ、
次いで内部部材の摺動凸球面の片側半分に対応する半型
面と互いに当接する先端当接部に切欠部を有する一対の
プレス型を使用し、上記ブッシュ素体の両端部側から押
圧し、ブッシュ素体の両端部を内部部材の摺動凸球面に
沿ってかしめると共に、このブッシュ素体の中央部内面
側周方向には互いに当接した先端当接部の切欠部が形成
する溝によりこの中央部内面側周方向に沿って溝を形成
する。
【0019】次に、上記内部部材とその摺動凸球面を覆
うブッシュ素体とをダイカスト金型内に設置し、このダ
イカスト金型内にダイカスト金属の溶湯を射出してブッ
シュ素体の周囲に溶融ダイカスト金属を鋳込んで外部部
材を鋳造する。この外部部材のダイカスト鋳造の際に、
ダイカスト金型内でダイカスト金属の高温の溶湯が内部
部材の摺動凸球面を覆うブッシュ素体に衝突し、このブ
ッシュ素体の表面に融着し、冷却された際にはダイカス
ト鋳造された外部部材がブッシュ素体の表面に強固に固
着する。
【0020】このようにして外部部材をダイカスト鋳造
した後、ダイカスト金型から内部部材とその摺動凸球面
を覆うブッシュ素体及び外部部材を取り出し、自然冷却
であるいは必要により強制冷却で冷却する。このように
して冷却すると、冷却時の外部部材の収縮によりブッシ
ュ素体が締め付けられ、これによって内部部材の摺動凸
球面に対応する摺動凹球面を有する薄肉金属ブッシュが
形成される。
【0021】更に、ダイカスト金型から取り出して冷却
後、上記内部部材と外部部材との間に外力を作用させ、
内部部材の摺動凸球面と薄肉金属ブッシュの摺動凹球面
との間に微小隙間を形成し、これらの間で円滑な回転運
動や揺動運動が可能な球面軸受を製造する。
【0022】
【作用】本発明によれば、外部部材と薄肉金属ブッシュ
との間は、外部部材のダイカスト鋳造の際にダイカスト
金属の溶湯が薄肉金属ブッシュの表面に衝突し、その際
にその溶湯の熱によって薄肉金属ブッシュの表面の一部
が溶融し、これによってダイカスト鋳造される外部部材
と薄肉金属ブッシュとが融着し、薄肉金属ブッシュはい
わばその表面で外部部材と焼き付いた状態で固着し、そ
れ故に、薄肉金属ブッシュそれ自体の金属特性が損なわ
れることなく、この薄肉金属ブッシュが強固に外部部材
に固着される。
【0023】
【実施例】以下、添付図面に示す実施例に基づいて、本
発明を具体的に説明する。
【0024】実施例1 図1〜3において、本発明の実施例1に係る球面軸受が
示されている。この球面軸受は、高炭素軸受鋼製の球状
体に軸取付用の貫通孔4を穿設して形成され、外側面に
摺動凸球面5を有する内輪(内部部材)1と、アルミニ
アム合金(JISADC 12)のダイカスト鋳造により形成さ
れ、一端側には上記内輪1を回転及び/又は揺動可能に
保持する内輪受部6と多端側には外部装置に接続するた
めの連結部7とを有するホルダー(外部部材)2と、こ
れら内輪1とホルダー2との間に介装された快削黄銅製
の薄肉金属ブッシュ3とで構成されている。
【0025】また、上記薄肉金属ブッシュ3は、上記ホ
ルダー2のダイカスト鋳造の際にその内輪受部6の内側
面に融着されてこの内輪受部6に固着されており、ま
た、この薄肉金属ブッシュ3には、上記内輪1の摺動凸
球面5に対して摺動可能な摺動凹球面8が形成されてい
ると共に、軸受製造時にその中央部内面側周方向に沿っ
て形成されて使用時には油溝として利用される溝9が形
成されている。
【0026】そして、この実施例1の球面軸受は、次の
ようにして製造される。すなわち、先ず、図4に示すよ
うに、高炭素軸受鋼製球状体に軸取付用の貫通孔4を穿
設して内輪1を製作する。この内輪1には、焼入れ後に
研削仕上げを行い、その摺動凸球面5についてはラップ
仕上げを行う。
【0027】次に、図5に示すように、溶融温度885
℃の快削黄銅(ブッシュ金属)でその内径が上記内輪1
の外径に略一致する厚さ(t)0.5mmの金属製薄肉
円筒体10を形成する。
【0028】次いで、図6に示すように、上記内輪1に
この金属製薄肉円筒体10を、これら内輪1の軸芯とこ
の金属製薄肉円筒体10の軸芯とが一致するように被着
し、次いでこれを一対のプレス型11a、11bの間に
セットする。ここで、これら一対のプレス型11a、1
1bには、それぞれかしめ部12と先端切欠部13とが
形成されていると共に、一方のプレス型11aの中心部
には、内輪1の貫通孔4内に嵌装されてこの内輪1のセ
ンタリングを行うセンタリング部15aと一対のプレス
型11a、11b締め付け時に金属製薄肉円筒体10の
一方の端部を押圧する先端押圧部16aとを有する雄ピ
ストン14aが摺動可能に配設され、また、他方のプレ
ス型11bの中心部には、上記雄ピストン14aのセン
タリング部15aの先端が嵌合する嵌合部15bと一対
のプレス型11a、11b締め付け時に金属製薄肉円筒
体10の他方の端部を押圧する先端押圧部16bとを有
する雌ピストン14bが摺動可能に配設されている。
【0029】そして、一対のプレス型11a、11bの
間に内輪1及び金属製薄肉円筒体10をセットした後、
図7及び図8に示すように、これらプレス型11a、1
1bを締め付け、次いで雄ピストン14aと雌ピストン
14bとを作動させ、これら雄ピストン14a及び雌ピ
ストン14bの先端押圧部16a、16bで金属製薄肉
円筒体10の両端部を押圧すると、かしめ部12より金
属製薄肉円筒体10の両端部がかしめられて内輪1の摺
動凸球面5に略々密着すると同時に、その中央部では上
記先端切欠部13により中央部内面側周方向に沿って溝
9が形成され、金属製薄肉円筒体10をして内輪1の摺
動凸球面5を略々密着状に覆う薄肉状のブッシュ素体1
7に成形する。
【0030】このようにして内輪1の摺動凸球面5を薄
肉状のブッシュ素体17で略々密着状に覆った後、図9
に示すように、内輪1とブッシュ素体17とをダイカス
ト金型18a、18b、18c内に中子として設置し、
これらダイカスト金型18a、18b、18cが形成す
るキャビティ19内に溶融温度580℃のアルミニウム
合金(JIS ADC 12)からなるダイカスト金属の溶湯を射
出し、上記ブッシュ素体17の周囲に溶融ダイカスト金
属を鋳込み、図示外のホルダー2をダイカスト鋳造す
る。
【0031】そして、このホルダー2のダイカスト鋳造
においては、図10に一部拡大して示すように、ブッシ
ュ素体17が厚さ(t)0.5mmを有するため、ダイ
カスト金型18a、18b、18c内に設置した際にこ
のブッシュ素体17の端部がダイカスト金型18a、1
8bの湯切り部20と確実に当接し、ダイカスト鋳造の
際の湯切りが確実に行われるほか、キャビティ19内に
射出されたダイカスト金属の溶湯は、ブッシュ素体17
の表面で冷やされ、そこでホルダー2に成形されてブッ
シュ素体17の表面に融着する。
【0032】また、このようにしてホルダー2がダイカ
スト鋳造され、ダイカスト金型18a、18b、18c
から内輪1その摺動凸球面5を覆うブッシュ素体17及
びホルダー2からなる成形品が取り出されて冷却される
と、ホルダー2は収縮してブッシュ素体17を締め付
け、内輪1の摺動凸球面5に対応する摺動凹球面8を有
する薄肉金属ブッシュ3が形成される。このため、この
薄肉金属ブッシュ3の摺動凹球面8には内輪1の摺動凸
球面5の真球度がよく反映されている。
【0033】次に、ダイカスト金型18a、18b、1
8cから成形品を取り出した後、内輪1とホルダー2と
の間に外力を作用させ、内輪1の摺動凸球面5と薄肉金
属ブッシュ3の摺動凹球面8との間に微小隙間を形成
し、これによってホルダー2の内輪受部6と内輪1との
間が上記摺動凸球面5と摺動凹球面8との間に微小隙間
により回転及び/又は揺動可能な球面軸受が形成され
る。
【0034】この実施例1において、製造された球面軸
受におけるホルダー2の内輪受部6と薄肉金属ブッシュ
3との間は、ホルダー2のダイカスト鋳造の際にその溶
湯の熱により薄肉金属ブッシュ3の表面の一部が溶融し
てこれら内輪受部6と薄肉金属ブッシュ3とが焼き付い
たような状態で融着しており、両者は強固に固着されて
いた。
【0035】実施例2 図11及び図12は本発明の実施例2に係るボールジョ
イントを示すものであり、このボールジョイントは、上
記実施例1の球面軸受と異なり、摺動凸球面5を有する
球体部22と連結部23とを備えた球付きロッド(内部
部材)21と、溶融温度580℃のアルミニウム合金
(JIS ADC 12)のダイカスト鋳造で形成されて球体受部
25と連結部26とを有するホルダー(外部部材)24
と、こりホルダー24のダイカスト鋳造時にその球体受
部25の内側面に融着されて固着された薄肉金属ブッシ
ュ27とで構成されている。
【0036】そして、この実施例2のボールジョイント
は、薄肉金属ブッシュ27を形成するための図示外の金
属製薄肉円筒体が溶融温度885℃の快削黄銅(ブッシ
ュ金属)で厚さ(t)0.5mmに形成されており、こ
の金属製薄肉円筒体を球付きロッド21の球体部22の
摺動凸球面5に装着してから先端切欠部を持たない一対
のプレス型を使用してその両端部をかしめる以外は、上
記実施例1と同様にして製造されたものである。
【0037】この実施例2のボールジョイントにおいて
は、ホルダー2の球体受部25上部と球付きロッド21
の連結部23下部との間にシール部材28が取り付けら
れて潤滑剤ポケット29が形成されていると共に、ホル
ダー2の球体受部25下部には蓋部材30が取り付けら
れて油溜まり部31が形成されている。
【0038】この実施例2においても、実施例1の場合
と同様に、薄肉金属ブッシュ27はホルダー24のダイ
カスト鋳造の際にその球体受部25の内側面に強固に固
着され、また、この薄肉金属ブッシュ27の摺動凹球面
8は球付きロッド21の球体部22の摺動凸球面5の真
球度を良く反映してそれらの間に微小隙間が形成されて
いる。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、円滑な回転運動や揺動
運動を達成することができ、また、使用時にかじり等の
問題が発生することなく、しかも、耐久性に優れた球面
軸受及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の実施例1に係る球面軸受を
示す正面図である。
【図2】 図2は、図1のa−a線断面図である。
【図3】 図3は、図1のb−b線断面図である。
【図4】 図4は、図1に示された内輪の断面図であ
る。
【図5】 図5は、図1に示された薄肉金属ブッシュを
形成するための金属製薄肉円筒体の斜視図である。
【図6】 図6は、内輪に金属製薄肉円筒体を被着して
一対のプレス型にセットする際の状態を示す断面説明図
である。
【図7】 図7は、一対のプレス型を締め付けて内輪に
ブッシュ素体を略々密着状に被せた状態を示す断面説明
図である。
【図8】 図8は、内輪の摺動凸球面をブッシュ素体で
略々密着状に覆った状態を示す断面説明図である。
【図9】 図9は、ブッシュ素体で摺動凸球面が覆われ
た内輪を中子としてダイカスト金型内に設置した状態を
示す断面説明図である。
【図10】 図10は、図9の部分拡大断面説明図であ
る。
【図11】 図11は、本発明の実施例2に係るボール
ジョイントを示す断面である。
【図12】 図12は、図11の部分拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
1…内輪、2…ホルダー、3…薄肉金属ブッシュ、4…
貫通孔、5…摺動凸球面、6…内輪受部、7…連結部、
8…摺動凹球面、9…溝、10…金属製薄肉円筒体、1
1a,11b…プレス型、12…かしめ部、13…先端
切欠部、14a…雄ピストン、14b…雌ピストン、1
5a…センタリング部、15b…嵌合部、16a,16
b…先端押圧部、17…ブッシュ素体、18a,18
b,18c…ダイカスト金型、19…キャビティ、20
…湯切り部、21…球付きロッド、22…球体部、23
…連結部、24…ホルダー、25…球体受部、26…連
結部、27…薄肉金属ブッシュ、28…シール部材、2
9…潤滑剤ポケット、30…蓋部材、31…油溜まり
部。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 摺動凸球面を有する内部部材と、ダイカ
    スト鋳造により形成され、上記内部部材を回転及び/又
    は揺動可能に保持する外部部材と、上記外部部材のダイ
    カスト鋳造の際にこの外部部材に融着され、かつ、上記
    内部部材の摺動凸球面に対して摺動可能な摺動凹球面が
    形成された薄肉金属ブッシュとを有することを特徴とす
    る球面軸受。
  2. 【請求項2】 薄肉金属ブッシュは、軸受製造時にその
    中央部内面側周方向に沿って形成され、使用時に油溝と
    して利用される溝を有する請求項1記載の球面軸受。
  3. 【請求項3】 外部部材を形成するダイカスト金属が溶
    融温度570〜750℃の範囲のアルミニウム系金属で
    あり、薄肉金属ブッシュを形成するブッシュ金属が溶融
    温度800〜900℃の範囲の銅系金属である請求項1
    記載の球面軸受。
  4. 【請求項4】 外部部材を形成するダイカスト金属が溶
    融温度420〜450℃の範囲の亜鉛系金属であり、薄
    肉金属ブッシュを形成するブッシュ金属が溶融温度80
    0〜900℃の範囲の銅系金属である請求項1記載の球
    面軸受。
  5. 【請求項5】 ダイカスト金属とブッシュ金属との溶融
    温度差が100〜400℃の範囲内である請求項1記載
    の球面軸受。
  6. 【請求項6】 内部部材の摺動凸球面を薄肉状のブッシ
    ュ素体で略々密着状に覆い、この内部部材とその摺動凸
    球面を覆うブッシュ素体とをダイカスト金型内に設置
    し、このダイカスト金型内にダイカスト金属の溶湯を射
    出して上記ブッシュ素体の周囲に溶融ダイカスト金属を
    鋳込み、外部部材をダイカスト鋳造すると共にこの外部
    部材と上記ブッシュ素体との間を融着し、次いでダイカ
    スト金型から内部部材とその摺動凸球面を覆うブッシュ
    素体及び外部部材を取り出して冷却し、この冷却時にお
    ける外部部材の収縮によりブッシュ素体を締め付けて上
    記内部部材の摺動凸球面に対応する摺動凹球面を有する
    薄肉金属ブッシュを形成し、上記内部部材と外部部材と
    の間に外力を作用させて内部部材の摺動凸球面と薄肉金
    属ブッシュの摺動凹球面との間に微小隙間を形成するこ
    とを特徴とする球面軸受の製造方法。
  7. 【請求項7】 内部部材の摺動凸球面を薄肉状のブッシ
    ュ素体で略々密着状に覆うに際し、内部部材の摺動凸球
    面に金属製薄肉円筒体を被着し、この金属製薄肉円筒体
    の両端部をかしめて上記摺動凸球面を略々密着状に覆う
    薄肉状のブッシュ素体を形成すると共に、このブッシュ
    素体の中央部内面側周方向に沿って溝を形成する請求項
    5記載の球面軸受の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5653547A (en) * 1994-09-30 1997-08-05 Thk Co., Ltd. Spherical joint with an elastic cap
JP2001276956A (ja) * 2000-03-30 2001-10-09 Somic Ishikawa Inc ボールジョイントおよびそのハウジングの製造方法

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