JPH07310127A - 線材コイルの加熱方法 - Google Patents

線材コイルの加熱方法

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JPH07310127A
JPH07310127A JP10258294A JP10258294A JPH07310127A JP H07310127 A JPH07310127 A JP H07310127A JP 10258294 A JP10258294 A JP 10258294A JP 10258294 A JP10258294 A JP 10258294A JP H07310127 A JPH07310127 A JP H07310127A
Authority
JP
Japan
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wire rod
rod coil
coil
gas
wire
Prior art date
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Pending
Application number
JP10258294A
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English (en)
Inventor
Yoji Toki
洋司 土岐
Yoshihiro Kuroki
義博 黒木
Sadao Hiramatsu
貞夫 平松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
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Publication date
Application filed by Daido Steel Co Ltd filed Critical Daido Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】線材コイルをごく短時間のうちに均一に昇温す
ることが可能な加熱方法を提供する。 【構成】線材コイルの一方の端に塞ぎ板を当ててこの端
を塞ぎ、他方の端より燃焼ガスを吹込んで線材コイルの
内部に前記燃焼ガスを強制対流させて線材コイルに伝熱
することにより、600℃未満の温度まで加熱し、次い
で、線材コイルを高温の保護ガス(RX+N2 )で充満
された熱処理炉に移し、この熱処理炉内において前記線
材コイルの一方の端を塞ぎ板で塞ぎ、他方の端より高温
の前記保護ガスを吹込みつつ加熱する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、線材コイルの熱処理に
際する線材コイルの加熱方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、線材コイル、特に、軸受鋼、ばね
鋼、機械構造用合金鋼などの特殊鋼線材に対して球状化
焼鈍、軟化焼鈍などの熱処理を行うに際しては、非脱炭
性ガスまたは不活性ガスなどの保護ガスを用いた雰囲気
加熱を行って高温加熱による線材の酸化、脱炭を防ぐこ
とが行われ、例えば、図4に示すような構造をもつ加熱
炉を用いて行っていた。
【0003】図4に示す加熱炉1は、炉体2の下部側に
設けた炉床3の上に線材コイル4をそのコイル軸方向が
上下の向きとなるように載置し、線材コイル4の上方に
加熱用のラジアントチューブ5を設けるとともに線材コ
イル4の下方にも加熱用ラジアントチューブ6を設け、
上方のラジアントチューブ5の上方には撹拌扇7を設け
た構造をもつ。そして炉体2の内部には(RX+N2
ガスのような保護ガスが充満されており、ラジアントチ
ューブ5および6によって線材コイル4を加熱するに際
しては、撹拌扇7を回すことによって矢印Aの方向に高
温の保護ガス流が形成されるようにしている。
【0004】上述のような加熱炉を用いた従来の線材コ
イル4の加熱方法では、ラジアントチューブ5および6
によって加熱され、かつ、撹拌扇7によって撹拌された
高温の保護ガス流が図4の矢印Aの方向に形成されるの
で、線材コイル4の内径側表層部分および外径側表層部
分は比較的急速に加熱される。しかし、線材コイル4の
線材束の内部は高温のガスの流通が不十分であるため昇
温が遅れ、線材コイル4の表層部と内部とでは大きな温
度差が生じ、線材コイル4の全体を均一に加熱するため
には長時間の加熱を要する。
【0005】RXガスを含む保護ガス中で加熱する場
合、昇温に長時間を要すると、線材表面が浸炭された
り、スーティングが発生して線材コイルの運搬時等に崩
れを起こしたり、熱処理後の酸洗において脱スケール性
を害するなどの問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のごとき
現状に鑑みてなされたもので、その目的とするところ
は、線材コイルの熱処理における加熱に際して、前記線
材コイルをごく短時間のうちに、しかも、均一に昇温す
ることが可能な加熱方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の線材コイルの加熱方法は、線材コイルの一
方の端に塞ぎ板を当ててこの端を塞ぎ、他方の端より燃
焼ガスを吹込んで線材コイルの内部に前記燃焼ガスを強
制対流させて線材コイルに伝熱することにより、前記線
材コイルを600℃未満の温度まで20℃/min以上
の昇温スピードで加熱し、次いで、少なくとも還元ガ
ス、中性ガスまたは不活性ガス中で線材コイルを加熱す
る手段と前記還元ガス、中性ガスまたは不活性ガスを循
環する手段とを備えた熱処理炉内において前記線材コイ
ルの一方の端に塞ぎ板を当ててこの端を塞ぎ、他方の端
より、高温の還元ガス、中性ガスまたは不活性ガスを吹
込みつつ線材コイルを加熱することを特徴とする。
【0008】
【作用】本発明の線材コイルの加熱方法によれば、上述
したように、まず、線材コイルの一方の端が塞ぎ板によ
って塞がれ他方の端より燃焼ガスが吹込まれて生じる線
材コイル内部の燃焼ガスの強制対流によって線材コイル
の内外および上下間の温度差は最小に保たれながら加熱
される。
【0009】燃焼ガスを生成する燃料としては、プロパ
ンなどの気体燃料、重油などの液体燃料、石炭粉末など
の固体燃料の何れでもよい。燃料を燃焼効率の最もよい
状態で燃焼させることによって、経済的かつ急速に線材
コイルを加熱することができる。線材コイルの一方の端
に当てる塞ぎ板は、他方の端から吹込まれる燃焼ガスが
線材コイルの空洞部を通り抜けることを妨げ、燃焼ガス
流が線材コイルの内部に進入してコイル内部の線材に伝
熱することを助ける。これによって、線材コイル内外お
よび上下間の温度差は最小となり、線材コイル各部の急
速な加熱が可能となる。
【0010】燃焼ガスによる線材コイルの加熱温度の上
限を600℃未満とすることによって、熱処理終了後の
線材コイルの酸洗における脱スケール性の劣化が防止さ
れる。さらに、加熱する鋼種によっては線材コイルの加
熱温度の上限を600℃未満とすることによって脱炭の
発生が防止される。本発明の線材コイルの加熱方法にお
いては、線材コイルは、燃焼ガスによる加熱に次いで、
還元ガス、中性ガスまたは不活性ガス中で所定の温度ま
で加熱される。この際、線材コイルの一方の端に塞ぎ板
を当ててこの端を塞ぎ、他方の端より、高温の還元ガ
ス、中性ガスまたは不活性ガスを吹込みつつ加熱する。
塞ぎ板は、他方の端から吹込まれる高温の還元ガス、中
性ガスまたは不活性ガスが線材コイルの空洞部を通り抜
けることを妨げ、これらのガス流が線材コイルの内部に
進入してコイル内部の線材に伝熱することを助けること
によって、線材コイル内外および上下間の温度差は最小
となり、線材コイル各部の急速な加熱が可能となる。な
お、線材コイルは還元ガス、中性ガスまたは不活性ガス
中において加熱されるので、600℃以上の高温加熱に
おける脱炭の発生が防止される。
【0011】また、熱処理炉内での加熱に際して、例え
ば、還元性ガス中で加熱するとき、線材コイルの表面で
の脱炭や浸炭を防止する場合には各々の温度に見合った
CO/CO2 のガスバランスで加熱されるが、線材コイ
ルの内外や上下における温度差が著しく大きいとコイル
内部が低温であるためにそこでは一酸化炭素COの分解
反応が生じる。その分解生成物であるCが線材の表面に
付着していわゆるスーティングや浸炭を生じさせると線
材コイルの品質を低下させたり、表層における潤滑性の
増大により荷崩れを生じさせたりする原因となることが
ある。本発明の線材コイルの加熱方法によれば、線材コ
イル内部の温度差は小さいものとなり、一酸化炭素の分
解反応は阻止されるようになって、線材コイルの品質低
下や荷崩れが防止される。
【0012】
【実施例】以下、本発明の線材コイル加熱方法について
実施例によって具体的に説明する。本実施例では、ま
ず、図1に示す予熱装置11の予熱室12内において線
材コイル14を燃焼ガスによって、最も高い温度に加熱
される部分の温度が550℃となるまで加熱した。その
後、直ちに図2に示す急速加熱炉21に移して700℃
まで加熱した。
【0013】図1に示すように、予熱装置11における
予熱室12の内部には線材コイル14がそのコイル軸が
上下方向となるようにローラ上に載置されるとともに線
材コイル14の上端はエアシリンダ19によって昇降可
能に支持される塞ぎ板13によって塞がれており、予熱
室12の下部には前記線材コイル14の空洞部に連通す
る燃焼ガス送給管15が設けられている。燃焼ガス送給
管15に接続したガス送給管17より送給されたガスと
空気供給管18より送給された空気との燃焼により発生
した高温の燃焼ガスは、送風機37によって燃焼ガス供
給管15に送られ、さらに燃焼ガス送給管15に導かれ
て線材コイル14の空洞部に至る。
【0014】線材コイル14の上端には塞ぎ板13が設
置されているため線材コイル14の空洞部に至った高温
の燃焼ガスは線材コイル14の内径側から外径側に向け
て線材コイル14の内部で強制対流することとなり、こ
の強制対流による伝熱によって線材コイル14が加熱さ
れる。なお、線材コイル14を加熱したのちの燃焼ガス
は予熱室12の上部に設けられた燃焼ガス流出口16よ
り流出する。
【0015】図2は予熱装置11で予熱した線材コイル
14を目標加熱温度まで加熱するための急速加熱炉21
であって、その内部はラジアントチューブ25、26に
よって加熱された保護ガスによって充満されている。ロ
ーラ23の上に塞ぎ板22が置かれその上に線材コイル
14が、そのコイル軸が上下方向となり、かつ、線材コ
イル14の下端は塞ぎ板によって閉塞されるように載置
される。
【0016】送風機27によって導気管29の吸込口2
8より吸込まれた保護ガスは線材コイル14の空洞部の
上端に位置して設けられた吹出口30から吹出されて線
材コイル14の空洞部に導かれる。線材コイル14の空
洞部の下端は塞ぎ板22によって塞がれているため線材
コイル14の空洞部に至った高温の保護ガスは線材コイ
ル14の内径側から外径側に向けて線材コイル14の内
部で強制対流し、この伝熱によって線材コイル14が加
熱される。なお、線材コイル14はその側面に位置する
ように設けられたラジアントチューブ26および線材コ
イル14の下端の下方に位置するように設けられたラジ
アントチューブ25による放射伝熱によっても加熱され
る。
【0017】図3に本発明の方法によって線材コイルを
加熱した結果を示す。実施例1では線材コイル14とし
ては鋼種SUJ2、線径7.0mm、コイル単重2to
nのものを用いた。予熱装置11における燃焼用ガスと
してはLNGを用いた。線材コイル14内を通過する燃
焼ガスの平均流速は2.2m/秒と推定された。急速加
熱炉21における保護ガスとしては(RX+N2 )ガス
を用いた。送風機27によって送られて線材コイル14
内を通過する保護ガスの平均流速は1.1m/秒と推定
された。
【0018】図3には比較例1として図4に示す従来の
加熱炉によって実施例1の場合と同様な線材コイル14
を加熱したときの昇温曲線を示した。図3から明らかな
ように、線材コイル14の中で最も早く昇温する部分の
昇温状況は実施例1と比較例1との間に大差はないが、
最も早く昇温する部分の温度は、実施例1においては比
較例1に較べて著しく早く上昇していることが判る。
【0019】表1は予熱装置11における最高加熱温度
を変えて加熱し、急速加熱炉21で熱処理したのちの酸
洗による脱スケール性を調べた結果である。酸洗は65
℃の11%硫酸水溶液で行った。予熱装置11における
加熱温度が600℃以上となると熱処理後の酸洗時の脱
スケール性が損われることが判る。
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】以上のように、本発明の線材コイルの加
熱方法によれば、線材コイルの熱処理における加熱に際
して、比較的経済的に前記線材コイルをごく短時間のう
ちに、しかも、均一に昇温することが可能となり、線材
コイルの内外ないし上下における組織や特性のばらつき
を低減することができるという著しく優れた効果がもた
らされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における線材コイルの予熱方法
を示す概要図である。
【図2】本発明の実施例における線材コイルの急速加熱
方法を示す概要図である。
【図3】本発明の実施例における線材コイルの加熱状況
を示す温度−時間特性図である。
【図4】従来の加熱炉の構成を示す説明図である。
【符号の説明】 11 予熱装置 12 予熱室 13 塞ぎ板 14 線材コイル 15 燃焼ガス送給管 16 燃焼ガス流出口 17 ガス送給管 18 空気供給管 19 エアシリンダ 20 ローラ 21 急速加熱炉 22 塞ぎ板 23 ローラ 27 送風機 28 吸込口 30 吹出口 37 送風機

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 線材コイルの一方の端に塞ぎ板を当てて
    この端を塞ぎ、他方の端より燃焼ガスを吹込んで線材コ
    イルの内部に前記燃焼ガスを強制対流させて線材コイル
    に伝熱することにより、前記線材コイルを600℃未満
    の温度まで20℃/min以上の昇温スピードで加熱
    し、次いで、少なくとも還元ガス、中性ガスまたは不活
    性ガス中で線材コイルを加熱する手段と前記還元ガス、
    中性ガスまたは不活性ガスを循環する手段とを備えた熱
    処理炉内において前記線材コイルの一方の端に塞ぎ板を
    当ててこの端を塞ぎ、他方の端より、高温の還元ガス、
    中性ガスまたは不活性ガスを吹込みつつ加熱することを
    特徴とする線材コイルの加熱方法。
JP10258294A 1994-05-17 1994-05-17 線材コイルの加熱方法 Pending JPH07310127A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100876936B1 (ko) * 2007-03-08 2009-01-09 주식회사 에스제이케이 배치식 열처리 장치용 가소로

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100876936B1 (ko) * 2007-03-08 2009-01-09 주식회사 에스제이케이 배치식 열처리 장치용 가소로

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