JPS6350405B2

JPS6350405B2 -

Info

Publication number: JPS6350405B2
Application number: JP56189093A
Authority: JP
Inventors: Yukio Ishida; Koichi Shimamura
Original assignee: Sumitomo Metal Industries Ltd
Current assignee: Nippon Steel Corp
Priority date: 1981-11-27
Filing date: 1981-11-27
Publication date: 1988-10-07
Also published as: JPS5891131A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は冷延コイル焼鈍装置、特に冷延コイル
加熱用の雰囲気ガスの流れの方向を変更した冷延
コイル焼鈍装置に関する。

冷延コイル、すなわち冷間圧延により得られた
コイルは加工硬化のために加工性が劣化してい
る。一般には、これを焼鈍して鋼質を軟化させ、
加工性を高めている。かかる冷延コイルの軟質化
焼なまし方式は冷間圧延工程からの冷延コイルを
連続して焼鈍工程に送り、これを連続して焼鈍す
る方式と、一度巻取つた冷延コイルをバツチ式で
焼鈍する方式とがある。バツチ方式で行なう場
合、冷延コイルを炉床に数段（３〜４段）積み、
これにインナカバー次いでアウタカバーを被せ、
アウタカバーに取付けたバーナで直火または間接
加熱（ラジアントチユーブ）によりインナカバー
に熱を伝える。インナカバーに伝えられた熱は内
部の雰囲気ガスを加熱し、この加熱された雰囲気
ガスが、コイル外周側を上向きに流れ、一部は頂
部から一部は途中コイル外周側からコイル内周側
に向かい、次いでコイル中心の空間部分を下向き
に吸引されて循環している。

第１図に従来のバツチ式焼鈍炉を略式断面図で
示す。図中、バツチ式焼鈍炉１は炉床２に数段
（３〜４段）積んだ冷延コイル３（図示例では３
段）を覆うインナカバー４並びにアウタカバー５
から構成される。上記コイル間には対流板６が設
けられており、炉床２に設けた循環フアン７によ
つて循環させられる雰囲気ガスはまずコイル外周
側とインナカバーとで構成する環状空間部８を上
向きに流れ、一部はコイル頂部からコイル中心の
空間部分９に流れるが、大部分は対流板６の部分
からコイル内周側に向かつて流れる。このように
して加熱雰囲気ガスはコイル外周側からコイル内
周側に向かつて流れる。コイル頂部からの雰囲気
ガス流れを制限するため、多くの場合、コイル頂
部にはオリフイス板１０が設けられている。符号
“Ｍ”は循環フアン用のモータを示す。

ところで、このような従来装置にあつては加熱
源はアウタカバーに設けたバーナ１１であるため
コイルへの熱伝達はアウタカバー、インナカバ
ー、雰囲気ガスそしてコイルへの順に行なわれ
る。しかしながら対流板を流れる雰囲気ガスのガ
ス速度（ｖ）は第２図に略式で示す通りその水平
断面での放射方向において均一でなくバラツキが
非常に大きい。第２図は各方向のガス速度を円座
標にプロツトしたもので、グラフが円に近い程、
各方向のガス速度が均一であることを表わす。こ
のようなガス速度分布は各対流板においてもそれ
ぞれ異なり、特にコイル外径が異なると外周側方
向での圧損が変わるので対流板への流れ速度が各
段毎に更に変わる。また、コイル積み時センター
がづれると圧力抵抗が円周方向で変るのでこれに
よつても放射方向でのガス速度のバラツキが生じ
る。したがつて、コイル全体の均一加熱は行なわ
れず、一部過熱部が生じるなど問題があつた。

ところで、前述のように、第１図に示す従来装
置にあつては、アウタカバーに設けたバーナから
は直火または間接加熱（ラヂアントチユーブ）に
よりインナカバーに熱を伝える。一方、インナカ
バー内では雰囲気ガスが第１図に矢印で示すよう
に循環しておりインナカバーで加熱されてから対
流により対流板を加熱し、そしてこの対流板を通
じ熱がコイルに伝わる。

しかしながら、このような従来装置では、雰囲
気ガスはインナカバーとの対流で主に加熱される
が、前述のように対流板の構造、コイル径等によ
りインナカバー内でのガス流れが変るので雰囲気
ガス温度にバラツキが生じる。一般にコイル上段
は高くなる傾向がある。その外、雰囲気ガスの温
度制御ができないため、冷延コイルの材質に応じ
た厳密な温度管理ができない。また、コイル外周
方向からはインナカバーよりの輻射により伝熱す
るのでオーバーヒートし焼付けを起こすことがあ
り、特に焼鈍コイル頂部又は上段コイルは偏熱に
より焼き付け等不良品がでる。

かかる従来装置の欠点を除去すべく本発明者
は、さきに雰囲気ガスの間接熱交換方式による冷
延コイルの焼鈍装置を完成した。（特願昭56−
152024号）本発明はかかる新規な冷延コイルの焼鈍装置を
さらに改良せんとするものであつて、しかも本発
明はそのような装置にのみ制限されるものではな
く、より一般的に従来装置について実施すること
によつてもすぐれた効果を得ることのできる冷延
コイル焼鈍装置を提供せんとするものである。

ここに、本発明は；冷延コイルを積重ねる炉床と、それぞれ対流板
を介在させて積重ねた冷延コイルを取り囲むよう
に該炉床上に配置させたインナカバーと、さらに
該インナカバーを取り囲むように該炉床上に配置
させたアウタカバーと、前記インナカバー内を循
環して冷延コイルを加熱する雰囲気ガスをインナ
カバーおよびアウターカバーの外部において加熱
する雰囲気ガス加熱手段と、前記雰囲気ガス加熱
手段で加熱された雰囲気ガスを、インナカバー内
の冷延コイルの中心の空間部分においては上向き
に供給するとともに該冷延コイルの外周側におい
ては下向きに吸収して前記雰囲気ガス加熱手段に
環流させる雰囲気ガス循環装置と、前記空間部分
を上向きに流れる加熱雰囲気ガスを前記対流板に
沿つてコイル内周側からコイル外周側に向つて分
散させる、前記対流板に設けたガスデフユーザ装
置とから構成される冷延コイル焼鈍装置である。

このように本発明によれば、冷延コイル加熱用
の雰囲気ガスは、従来とは逆にコイル内周側、対
流板、そしてコイル外周側へと流れるため、しか
も各対流板の中心孔にガスデフユーザ装置を設け
て雰囲気ガスの上方向およびコイル外周側への分
散を均一にしたため、コイルの加熱は、水平方向
のみならず垂直方向においても均一にしかも迅速
に効率的に行ない得るようになつた。さらに冷延
コイル加熱用の雰囲気ガスを外部に設けた熱交換
器内で加熱する方式を採用する場合、任意の所要
温度が確保出来、またその温度も正確に制御可能
となる。また雰囲気ガスとコイル加熱温度との差
を大きくすることも可能となり、そうすれば焼鈍
時間の短縮が可能となる。

本発明に係るガスデフユーザ装置は、各対流板
によるコイル内周側からコイル外周側に向うガス
流れが各段の対流板の全体にわたつて可及的に均
一になるものであれば特に制限はされないが、一
般には対流板の中心孔に設けたオリフイスから構
成されるものであつてよい。当業者には直ちに理
解されるようにオリフイスの形状を各段毎に適宜
変更することによつて各対流板に等しいガス速度
の雰囲気ガスを供給でき、したがつて各対流板全
体にわたつてガス流れを均一にできる。また、変
更例としてはこのガスデフユーザ装置は各対流板
の中心孔の大きさを順次変えることによつて構成
されてもよい。いずれにしても、各対流板に等し
いガス速度の雰囲気ガスを供給できるものであれ
ば適宜形状のものを使用できる。なお、対流板そ
れ自体の構造は従来のものであつてもよい。

雰囲気ガス循環装置はフアンおよびその駆動機
構から構成されるが、本発明にあつては、従来装
置と比較して雰囲気ガスの流れ方向を逆にしたも
のであるから、従来装置を使用する場合には、フ
アンの取付位置を逆にするだけでよい。

本発明をさらに図面によつて説明する。

以下の説明において、雰囲気ガスの外部間接加
熱方式を採用する装置によつて本発明を説明する
が、本発明は必ずしもそれに制限されるものでは
なく、従来の装置一般についても適用可能である
ことは容易に理解されよう。

第３図は本発明に係る装置の略式断面図であ
る。図中、第１図と同一の部材には同じ符号を付
けて示してある。炉外に設けた間接熱交換器２０
にはバーナ２１が設けられており、このバーナに
よる燃焼熱によつて雰囲気ガス（一般にはN₂や
H₂のようなガス）が加熱される。この雰囲気ガ
ス加熱用の熱交換器に雰囲気ガスを循環フアン２
２により送つて所定温度に加熱後、雰囲気ガス循
環路２３を経て炉内に送られ、冷延コイル３の中
心の空間部分２４を流れ、この空間部分２４に装
置してガスデフユーザ装置、図示例では対流板６
に設けたオリフイス２５によつてこのコイル内周
側からコイル外周側に流れが分散され、その間コ
イルに伝熱し、コイル外周側を下向きに吸引され
再び循環フアン２２で熱交換器２０に再循環して
再加熱される。雰囲気ガスの流れ方向は図中矢印
で示す。第４図は上記ガスデフユーザ装置を構成
する対流板６とオリフイス２５の部分拡大図であ
る。

燃焼排ガス２６は、熱交換器２０からアウタカ
バー内の環状導路２７に送られ、更に、燃料燃焼
用空気２８並びに新しく供給される雰囲気ガス２
９とそれぞれ熱交換器３０，３１によつて熱交換
後排出される。燃料供給路３２からの燃料は必要
により、前記燃焼排ガスにより予熱したものを利
用してもよい。

第５図に本発明による、対流板の断面の放射方
向における雰囲気ガスのガス速度（ｖ）を円座標
にプロツトして示す。本発明によれば各対流板に
おいてこのようにほぼ円形のグラフが得られるこ
とからも分かるようにいずれの方向にもほぼ均一
なガス流れが得られることが分かる。

このように、本発明によれば雰囲気ガスを水平
方向のみならず垂直方向にも均一に流すことがで
きるため、コイルへの熱伝達を高くすることがで
きる。例えば雰囲気ガス温度を750〜780℃で供給
したときの昇熱時間と最冷点温度との関係を第６
図にグラフで示す。本発明による加熱曲線は白
丸、点線で表わす。図示データは第３図に示す装
置を使つて冷延コイルを４段に積重ねて加熱した
ときに得たもので、最冷点の測定点は、第７図に
略式側面図で示したコイル側面のマーク○×で示し
た地点である。図中、符号４１は冷延コイル、４
２は対流板である。

一方、従来例は第１図に示す装置を使つて同じ
く冷延コイルを４段に重ねて加熱した場合を示す
もので、同じく第７図の○×で示した地点における
昇温速度を、図中、黒丸、点線で示す。いずれの
場合も雰囲気ガスの温度は同一で、流量も一定と
して、冷延コイルの加熱効率を比較したものであ
る。

図示結果からもわかるように、コイルの目的加
熱温度を630℃とすると、本発明によれば焼鈍時
の加熱時間は従来例に比べて、図示例では４時間
短縮できた。

更に、雰囲気ガス温度が一定に調節されるため
オーバーヒートによる焼き付けは皆無となり品質
向上を図ることができた。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来の冷延コイル焼鈍装置の略式断
面図；第２図は、従来装置による対流板断面の放
射方向における雰囲気ガスのガス速度を略式でプ
ロツトしたグラフ；第３図は、本発明による冷延
コイル焼鈍装置の略式断面図；第４図は、第３図
に示す対流板およびオリフイスの部分拡大図；第
５図は、本発明に係る装置による対流板断面の放
射方向における雰囲気ガスのガス速度を略式プロ
ツトしたグラフ；第６図は、最冷点温度の時間に
対する関係を示すグラフ；および第７図は、最冷
点温度の測定地点を示すコイルの略式側面図であ
る。１：焼鈍炉、２：炉床、３：冷延コイル、４：
インナカバー、５：アウタカバー、６：対流板、
２１：バーナ、２２：フアン、２３：雰囲気ガス
循環路、２５：オリフイス。

Claims

【特許請求の範囲】

１冷延コイルを積重ねる炉床と、それぞれ対流
板を介在させて積重ねた冷延コイルを取り囲むよ
うに該炉床上に配置させたインナカバーと、さら
に該インナカバーを取り囲むように該炉床上に配
置させたアウタカバーと、前記インナカバー内を
循環して冷延コイルを加熱する雰囲気ガスをイン
ナカバーおよびアウターカバーの外部において加
熱する雰囲気ガス加熱手段と、前記雰囲気ガス加
熱手段で加熱された雰囲気ガスを、インナカバー
内の冷延コイルの中心の空間部分においては上向
きに供給するとともに該冷延コイルの外周側にお
いては下向きに吸引して前記雰囲気ガス加熱手段
に環流させる雰囲気ガス循環装置と、前記空間部
分を上向きに流れる加熱雰囲気ガスを前記対流板
に沿つてコイル内周側からコイル外周側に向つて
分散させる、前記対流板に設けたガスデフユーザ
装置とから構成される冷延コイル焼鈍装置。