JPH0730908U - 化粧用コンパクト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 道具を必要とせず円滑、確実にしかも軽く容
易にドラムを押上げ交換できるドラム交換構造を備えた
化粧用コンパクトを得る。 【構成】 化粧品皿１に角形のドラム７を交換可能に格
納した化粧用コンパクトにおいて、化粧品皿１の底壁４
上面とドラム７底部間に間隙を設けると共にこの底壁４
に円形孔５を開孔し、前記間隙に、円形孔５を介し底部
外面から操作できる回転皿２を回転可能に配し、この回
転皿２周縁部上面に、上面を回転方向に徐々に低下傾斜
するテーパー面９とした押上げ用の突起10をドラム７辺
部外面に添わせ隆設し、回転皿２の回転で突起10をドラ
ム７の角部に入り込ませドラム７を徐々に押上げるよう
にした構成。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は携帯用の小形の化粧用コンパクトに関する。

【０００２】

【従来の技術】

この種コンパクトは説明するまでもなくよく知られており、その基本形は化粧 品を充填した化粧品皿の上面部に片開きの蓋を設け、この蓋と化粧品皿の前部遊 端側間をフック係合の止め金で旋錠可能とし、全体を小形扁平に形成し携帯に便 利な形状としたものであり、そして通常、化粧品はドラムに充填し、このドラム を化粧品皿の化粧品室に交換可能に格納し、化粧品の消耗に対応できる詰替え方 式を採用している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

この種コンパクトで、化粧品を使い盡すとドラムを新たなものと交換すること になるが、このドラムは音を発したりしないよう極力隙間を小さくして化粧品室 に格納されるので、取外しが意外に面倒である。

【０００４】 そこで、周知のように、従来は化粧品皿の底に小孔を開け、この小孔からピン を差し込んでドラムを押上げる方法を採用しているが、この方法は押上げ個所が 点なので押上げられるドラムが傾き易く、円滑に押上げることがむずかしい。し かもピンなどの道具が不可缺であり、ピンは紛失したり仕舞い忘れたりすること が多く、不便でもある。この押上げは、操作が軽く容易であることも肝要である 。

【０００５】 本考案は、道具を必要とせず円滑、確実にしかも軽く容易にドラムを押上げ交 換できるドラム交換構造を備えた化粧用コンパクトを得るにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】 本考案の化粧用コンパクトは、角形の化粧品室３を凹設し、この化粧品室３部 の底壁４に円形孔５を開孔し、化粧品室３に、底壁４との間に間隙を設けて化粧 品６を充填した角形のドラム７を交換可能に格納した化粧品皿１と、底面中央部 に前記円形孔５に遊嵌される操作用のコック８を垂下形成して前記化粧品皿１の 底壁４上面に回転可能に載置され、かつ周縁部上面の前記ドラム７の辺部に添う 位置に、上面を回転方向に徐々に低下傾斜するテーパー面９とした押上げ用の突 起10を隆設した回転皿２とを備え、この回転皿２を所定方向に回転操作すると突 起10がドラム７の角部下底に入り込みこのドラム７を徐々に押上げるようにした 構成のものである。

【０００７】

【作用】

上記において、常時は図１ｃのようにドラム７は回転皿２の上面に乗った状態 で化粧品皿１の化粧品室３に格納され、そして回転皿２周縁部上面の突起10は図 ２のようにドラム７の辺部に添った状態にある。

【０００８】 化粧品６を使い盡しドラム７を交換するときは、コック８により回転皿２を所 定方向に回転操作すればよい。

【０００９】 すると、この回転操作で、回転皿２周縁部上面の突起10は周方向に回動し、こ の回動で図３のようにテーパー面９がドラム７の角部下底に入り込み、このドラ ム７を徐々に押上げる。よってこの後、ドラム７をつまんでとり出し、化粧品６ が充填された新らしいドラム７と交換すればよい。

【００１０】

【実施例】

以下図面を参照して一実施例を説明する。各図において、１は左右方向が長め の角形の化粧品皿で、この化粧品皿１には図示左側半部に角形の化粧品室３が、 右半部には図では明示してないがパフ室が凹設形成され、化粧品室３には化粧品 ６を充填した角形のドラム７が交換可能に格納されている。このドラム７はやや 浅形で、従って底面と化粧品皿１の底壁４上面との間には間隙がある。

【００１１】 化粧品皿１は外皿１ａと内皿１ｂとで形成している。内皿１ｂは、頂板11の内 部周縁からは化粧品室３、パフ室を形成する内側壁12を垂設し、外部寄り周縁か らは嵌合用壁13を垂設し、頂板11周縁部を外皿１ａ頂部に乗せ嵌合用壁13を外皿 １ａに内嵌して組込み、化粧品皿１を形成している。

【００１２】 なお、14は内皿１ｂの内側壁12内面に設けた係合突起で、ドラム７を化粧品室 ３に格納したときこのドラム７外面の係合凹溝15に係合し、ドラム７を緩みなく 押える役目をしている。

【００１３】 16は蓋で、化粧品皿11の後端部にヒンジで結合されて片開き可能に取付けられ 、前端部の図示しない可動側フックが化粧品皿１前端面の固定側フックに係合し て閉蓋状態が旋錠できるようになっている。17は周知の解錠用押釦で、この押釦 17を押込むと蓋16前部を押上げてフック係合を外し、開蓋できる。

【００１４】 ここで、本考案では、前記化粧品皿１のドラム７部分の底壁４にこのドラム７ の中央部に位置する円形孔５を開孔し、この円形孔５を利用してドラム７底面部 の底壁４上面に回転皿２を回転可能に配設する。

【００１５】 回転皿２は、図１ｂ、図２に示すように、ドラム７より幾分大きなサイズの角 形の基板18の角部を大きく丸くカットし、この基板18の裏面中央部から操作用の 円板形のコック８を垂設し、また基板18周縁の４辺部上面にドラム７の辺部の下 部外面に添うドラム押上げ用の突起10を隆設しており、コック８を円形孔５に遊 嵌し、基板18を底壁４上面にドラム７底面との間の間隙を利用して回転可能に載 置される。

【００１６】 前記突起10は、横に寝かせた三角錐状のもので、上面を回転方向側に、内面を 内方側に徐々に低下傾斜するテーパー面９としたものである。

【００１７】 この構成において、常時は図２のように各突起10は角形のドラム７の各辺部の 下部外面に添った状態にある。ここで、ドラム７を交換するときは回転皿２を底 部のコック８により所定方向に回転すればよい。

【００１８】 すると、図３のように突起10はそれぞれドラム７の角部下底に入り込み各角部 を徐々に押上げるので、ドラム７は偏ることなく全体が平衡して上方に押上げら れる。よって、この後ドラム７をつまんでとり出し、新らしいドラムと交換すれ ばよい。

【００１９】 上記実施例では、押上げ用の突起10を４方に配置し、ドラム７の４つの角部を 同時に押上げるようにしたが、この突起10は３個でも、また２個としドラム７の 斜めに対抗した角部を押上げるようにしてもドラム７を平衡に偏ることなく押上 げることができる。勿論、押上げ時ドラム７は偏るが１個の突起10でも押上げは 可能である。

【００２０】

【考案の効果】

上記したように、本考案では、化粧品皿１の底壁４と格納した角形のドラム７ 底面間に設けた間隙に、底部外面からコック８を介し回転操作できる回転皿２を 配設し、この回転皿２上面周縁部に、上面を回転方向に徐々に低下傾斜するテー パー面９とした押上げ用の突起10をドラム７辺部に添わせ隆設し、ドラム交換時 には回転皿２を回転させて突起10をドラム７の角部下底に入り込ませて徐々に押 上げるようにしたので、道具を必要とせず円滑、確実にドラム交換ができる。し かも操作はコック８による回転操作なので、交換操作は軽く容易である。

【００２１】 また突起10を２個以上配置すれば、ドラム７全体を平衡的に偏ることなく押上 げることができ、押上げは一層円滑かつ容易となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】一実施例を示し、ａは底面側から見た全体の外
形斜視図、ｂはドラムと回転皿を離して示した外形斜視
図、ｃは要部の縦断面図である。

【図２】同実施例の回転皿の常時位置を示し、ａは上面
図、ｂは正面図である。

【図３】ドラム押上げのため回転皿を回動した場合の上
面図である。

【符号の説明】

１ 化粧品皿 ２ 回転皿 ７ ドラム ８ コック ９ テーパー面 10 押上げ用の突起

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 角形の化粧品室３を凹設し、この化粧品
   室３部の底壁４に円形孔５を開孔し、化粧品室３に、底
   壁４との間に間隙を設けて化粧品６を充填した角形のド
   ラム７を交換可能に格納した化粧品皿１と、底面中央部
   に前記円形孔５に遊嵌される操作用のコック８を垂下形
   成して前記化粧品皿１の底壁４上面に回転可能に載置さ
   れ、かつ周縁部上面の前記ドラム７の辺部に添う位置
   に、上面を回転方向に徐々に低下傾斜するテーパー面９
   とした押上げ用の突起10を隆設した回転皿２とを備え、
   この回転皿２を所定方向に回転操作すると突起10がドラ
   ム７の角部下底に入り込みこのドラム７を徐々に押上げ
   るようにした化粧用コンパクト。