JPH07305085A - 水溶性高速切削油組成物 - Google Patents

水溶性高速切削油組成物

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JPH07305085A
JPH07305085A JP10017894A JP10017894A JPH07305085A JP H07305085 A JPH07305085 A JP H07305085A JP 10017894 A JP10017894 A JP 10017894A JP 10017894 A JP10017894 A JP 10017894A JP H07305085 A JPH07305085 A JP H07305085A
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JP
Japan
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oil
cutting
fatty acid
acid
oil composition
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JP10017894A
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Hideo Shibata
英夫 柴田
Hitoshi Shiotani
均 塩谷
Kiyoshi Hasegawa
清 長谷川
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DAIDO KAGAKU KOGYO KK
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
DAIDO KAGAKU KOGYO KK
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、高速切削に耐える潤滑性、表面仕
上げ特性を備え、高圧給油の際に発泡しないアルミニウ
ム及びアルミニウム合金用水溶性高速切削油組成物を提
供することを目的とする。 【構成】 本発明の切削油組成物は、鉱油、有機アミ
ン、脂肪酸、油脂及び乳化剤から成る切削油組成物にお
いて、更に含窒素エステル及び極圧添加剤として脂肪酸
の酸化カルシウム塩と微粒子状炭酸カルシウムとの混合
物を添加して成るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水溶性高速切削油組成
物、更に詳しくはアルミニウム及びアルミニウム合金の
高速切削において使用する水溶性切削油組成物に関す
る。
【0002】
【従来技術とその課題】近年自動車業界においては省エ
ネルギー、即ち低燃費化の観点から車体の軽量化努力が
なされている。その実現手段として、従来の鉄系部品を
軽量なアルミ系部品に代替する動きが盛んになってい
る。
【0003】しかしながら、アルミニウム及びその合金
は、鉄及びその合金に比し、素材自体が高価であるた
め、何らかの方法で価格の低減を計る必要がある。この
ような状況から自動車業界では、アルミ系部品の製造コ
ストを低減する手段として、従来にも増して数倍から数
10倍の高速切削を適用し、上記課題を解決する試みが
なされている。
【0004】その背景にはアルミ及びその合金の強度は
鉄系のそれに比し比較的小さく、切削加工時の抵抗(動
力)が低いこと、また近年の切削機械及び超硬工具、セ
ラミック工具又はボロンナイトライド等の工具表面コー
ティング技術の開発が進み、高速加工に適した技術が生
まれ、高速切削が適用できる基盤が整っていることにあ
る。上記の高速切削加工には、切削抵抗の低減、工具磨
耗の低減による工具寿命の延長、更には切削加工面の仕
上げ面品位の向上が必須であり、従って高速切削加工に
使用される切削油剤の役割は重要である。
【0005】高速切削は、例えばフライス加工では30
00m/分の切削速度、穴空けドリル加工では500m
/分以上の切削速度で加工される。このような高速切削
加工では、切削油剤が切削点に到達し難いため、高圧で
噴射して給油したり、或いは加工機械の主軸の中空部分
を介して切削油剤を高圧圧送し、工具の中心部から噴射
し遠心力を利用して切削点へ給油する方法が採用されて
いる。またドリル加工においては、油穴を付けたドリル
を用い、切削油剤をドリル先端から加工点に噴射すると
共に、切屑を切削油剤の圧力で強制的に排出させる給油
方法が採用されている。
【0006】またこのような高速切削では、加工時に発
生する熱は膨大であるため、不水溶性切削油では冷却性
が不足し、更に火災の危険性、オイルミストや有害ガス
の発生による環境の悪化等が問題となるため、不水溶性
切削油の使用は避けなければならない。一方、水溶性切
削油剤は、その成分として乳化剤を含有しているため、
高圧給油の際に発泡が著しく、そのため切削油自体の機
能である冷却性、潤滑性が著しく損なわれ、極端な場合
には切削不能になる場合もある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な実情に鑑み、高速切削に耐える潤滑性、表面仕上げ特
性を備え、高圧給油の際に発泡しない水溶性切削油剤を
開発すること、更には廃油焼却処分の際に有害物質を発
生しない切削油剤をも開発することを目的として種々の
検討を重ねて来た。その結果、従来の水溶性切削油剤に
含窒素エステルと脂肪酸の酸化カルシウム塩及び微粒子
状炭酸カルシウムの混合物とを添加、配合した場合に、
上記の要望を悉く満足する水溶性切削油剤が得られるこ
とを見い出した。本発明は、斯かる知見に基づき完成さ
れたものである。
【0008】即ち、本発明は、鉱油、有機アミン、脂肪
酸、油脂及び乳化剤から成る切削油組成物において、更
に含窒素エステル及び極圧添加剤として脂肪酸の酸化カ
ルシウム塩と微粒子状炭酸カルシウムとの混合物を添加
したことを特徴とするアルミニウム及びアルミニウム合
金用水溶性高速切削油組成物に係る。
【0009】本発明の切削油組成物に配合される鉱油と
しては、粘度が2〜100cSt(40℃)の精製鉱油
である限り従来公知のものを広く使用でき、例えばスピ
ンドル油、マシン油、冷凍機油、タービン油等が挙げら
れる。本発明では、粘度が4〜50cst(40℃)の
精製鉱油を用いるのが特に好適である。
【0010】本発明の切削油組成物に配合される有機ア
ミンとしては、従来公知のものを広く使用でき、例えば
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタ
ノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプ
ロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−
エチルジエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノー
ルアミン、N−n−ブチルエタノールアミン、N−n−
ブチルジエタノールアミン、N−シクロヘキシルジエタ
ノールアミン、モノ−sec−ブタノールアミン、ジ−
sec−ブタノールアミン等のアルカノールアミン、シ
クロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、シクロ
ペンチルアミン、ジシクロペンチルアミン、1,3−ビ
ス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(ア
ミノプロピル)シクロヘキサン等の環状アミン等を挙げ
ることができる。これらの中でも特にジエタノールアミ
ン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N−シクロヘ
キシルジエタノールアミン、N−n−ブチルエタノール
アミン及びジシクロヘキシルアミンが好適である。斯か
る有機アミンの配合量は、本発明の切削油組成物中に通
常1〜30w/v%程度、好ましくは5〜20w/v%
程度とするのがよい。有機アミンの配合量が1w/v%
より少ないと、切削油組成物のpHが低すぎて機械の鉄
系部品の防錆に支障を来す虞れがあり、逆に30w/v
%より多くなると、該組成物のpHが高すぎてアルミを
腐食したり、皮膚刺激が激しく肌荒れや皮膚炎等を発生
される虞れがあり、いずれも好ましくない。
【0011】本発明の切削油組成物に配合される脂肪酸
としては、従来公知のものを広く使用できるが、その中
でも炭素数12〜18の脂肪族脂肪酸又は脂環式脂肪酸
が好ましく使用できる。斯かる脂肪族脂肪酸としては、
具体的にはラウリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ス
テアリン酸、ナフテン酸、トール油脂肪酸、リシノール
酸、リノール酸、ミリスチン酸、イソステアリン酸等を
例示できる。また脂環式脂肪酸としては、具体的にはp
−tert−ブチル安息香酸等を例示できる。これらの
中でも特にオレイン酸、ナフテン酸及びトール油脂肪酸
が好適である。斯かる脂肪酸の配合量は、本発明の切削
油組成物中に通常0.5〜15w/v%程度、好ましく
は2〜10w/v%程度とするのがよい。脂肪酸の配合
量が0.5w/v%より少ないと、得られる切削油組成
物の潤滑性が乏しくなる傾向となり、逆に15w/v%
より多くしても、より一層の潤滑性効果が発揮されず、
酸を中和するためのアミンの添加量も多量必要となるの
で、経済的に好ましくない。
【0012】本発明の切削油組成物に配合される油脂と
しては、動植物油脂や動植物油脂から得られる脂肪酸の
合成エステルである限り従来公知のものを広く使用で
き、例えば牛脂、パーム油、豚油、ひまし油、なたね
油、大豆油、綿実油、ババス油、ヤシ油、オリーブ油、
サンフラワー油、低融点パーム油、いわし油等の魚油水
素添加物、ペンタエリスリトール牛油脂肪酸エステル、
2−エチルヘキシルアルコールのパーム油脂肪酸エステ
ル、牛油脂肪酸メチルエステル、トリメチロールプロパ
ンオレイン酸エステル、ソルビタンモノオレエート等の
合成エステル等が挙げられる。これらの中でも特にひま
し油、なたね油及びソルビタンモノオレエートが好適で
ある。斯かる油脂の配合量は、本発明の切削油組成物中
に通常0.5〜15w/v%程度、好ましくは3〜10
w/v%程度とするのがよい。油脂の配合量が0.5w
/v%より少ないと、得られる切削油組成物の潤滑性が
乏しくなる傾向となり、逆に15w/v%より多くして
も、より一層の潤滑性効果が発揮されず、経済的に好ま
しくない。
【0013】本発明の切削油組成物に配合される乳化剤
としては、例えば従来公知の非イオン界面活性剤、アニ
オン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤
等を広く使用でき、具体的にはノニルフェノールにエチ
レンオキサイドが3〜17モル付加した化合物、石油ス
ルホン酸ソーダ、N−パルミチル−N,N−ジメチルベ
ンザルコニウムクロライド、N−ヤシアルキル−β−ア
ミノプロピオン酸、ヤシ油脂肪アルコールエチレンオキ
サイド付加物、ポリエチレングリコールモノオレエー
ト、ポリエチレングリコールジオレエート、アルキルベ
ンゼンスルホン酸ソーダ等を例示できる。これらの中で
も特にノニルフェノールにエチレンオキサイドが3〜1
7モル付加した化合物及び石油スルホン酸ソーダが好適
である。斯かる乳化剤の配合量は、乳化剤を配合してい
ない各種の組成に対して最適な乳化状態を示す量であ
り、配合される各種成分の種類や配合量等により異なり
一概には言えないが、概ね1〜10w/v%とするのが
よい。乳化剤の配合量が不足していれば、乳化が不充分
となり水溶性切削油とは成り得ないし、逆に過剰に添加
した場合は、経済的に不利になるのみならず、むしろ乳
化状態を悪くする(乳化しなくなる)場合もあるので、
好ましくない。
【0014】本発明においては、含窒素エステル及び脂
肪酸の酸化カルシウム塩と微粒子状炭酸カルシウムとの
混合物を添加、配合することを必須とする。
【0015】含窒素エステルとしては、窒素を含有して
いる限り従来公知のエステルを広く使用することがで
き、例えば下記一般式(1)、(2)又は(3)で表わ
されるアミノアルコールと炭素数6以上の脂肪酸とのエ
ステル化物が挙げられる。
【0016】
【化2】
【0017】上記一般式(2)及び(3)において、R
1 で示されるアルキル基としては、例えば炭素数1〜1
8程度の直鎖又は分枝鎖状アルキル基を挙げることがで
き、その中でもメチル、エチル、n−プロピル、イソプ
ロピル、n−ブチル等の炭素数1〜4の直鎖又は分枝鎖
状アルキル基が好ましい。アルケニル基としては、例え
ば炭素数2〜18程度の直鎖又は分枝鎖状アルケニル基
を挙げることができ、その中でもエチニル、プロピニ
ル、ブテニル等の炭素数2〜4の直鎖又は分枝鎖状アル
ケニル基が好ましい。アリール基としては、フェニル基
が好ましい。またシクロアルキル基としては、シクロヘ
キシル基が好ましい。
【0018】上記一般式(1)、(2)又は(3)で表
わされるアミノアルコールとしては、具体的にはトリエ
タノールアミン、トリイソプロパノールアミン、アルキ
ルジエタノールアミン、ジアルキルエタノールアミン、
N−n−ブチルエタノールアミン、N,N−ジブチルエ
タノールアミン、N−シクロヘキシルジエタノールアミ
ン等を例示できる。これらの中でも特にトリエタノール
アミン及びトリイソプロパノールアミンが好適である。
【0019】また炭素数6以上の脂肪酸としては、具体
的にはヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸、ラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラ
キン酸、ベヘニン酸、モンタン酸、パルミトオレイン
酸、オレイン酸、エルカ酸、リノール酸、リノレン酸、
イソオクタン酸、イソデカン酸、ヒドロキシステアリン
酸、イソラウリン酸、イソミリスチン酸、イソパルミチ
ン酸、イソステアリン酸等の直鎖状又は側鎖状の飽和乃
至不飽和の天然又は合成脂肪酸を例示できる。これらの
中でも特にオレイン酸及びイソステアリン酸が好適であ
る。
【0020】本発明で用いられる含窒素エステルとして
は、特にトリエタノールアミンのオレイン酸エステル及
びトリイソプロパノールアミンのイソステアリン酸エス
テルが好ましい。
【0021】本発明において、上記含窒素エステルの配
合量は、本発明の切削油組成物中に通常3〜60w/v
%程度、好ましくは5〜40w/v%程度とするのがよ
い。含窒素エステルの配合量が3w/v%より少ない
と、得られる切削油組成物の潤滑性が乏しくなる傾向が
生じ、逆に60w/v%より多くしても、潤滑性が向上
せず、経済的に好ましくない。
【0022】脂肪酸の酸化カルシウム塩は、例えば上記
炭素数12〜18の脂肪族脂肪酸又は脂環式脂肪酸の酸
化カルシウム塩、好ましくは脂肪族脂肪酸の酸化カルシ
ウム塩であり、具体的にはオレイン酸酸化カルシウム
塩、イソステアリン酸酸化カルシウム塩、ラウリン酸酸
化カルシウム塩、ミリスチン酸酸化カルシウム塩、パル
ミチン酸酸化カルシウム塩、ステアリン酸酸化カルシウ
ム塩、リノール酸酸化カルシウム塩、リシノール酸酸化
カルシウム塩等を例示できる。これらの中でも特にオレ
イン酸酸化カルシウム塩及びイソステアリン酸酸化カル
シウム塩が好適である。
【0023】また微粒子状炭酸カルシウムとしては、粒
子径が0.01〜2μm程度の炭酸カルシウムである限
り従来公知のものを広く使用できる。本発明の微粒子状
炭酸カルシウムの粒子径は0.1〜1μm程度が好まし
い。
【0024】本発明では、上記脂肪酸の酸化カルシウム
塩と微粒子状炭酸カルシウムとの混合物を使用する。こ
れらの混合比は特に限定されるものではないが、通常重
量比で前者:後者=99.9:90:0.1〜10、好
ましくは99.5〜92:0.5〜8とするのがよい。
微粒子状炭酸カルシウムの配合比が0.1より小さくな
ると、本発明の所期の効果が発現され難くなり、逆に配
合比が10より大きくなると、給油時にノズル詰まり等
の支障を来すので、いずれも好ましくない。上記混合物
としては、例えば大同化学工業(株)製のダイルブHB
CC−8K等を挙げることができる。また本発明では、
脂肪酸の酸化カルシウム塩と微粒子状炭酸カルシウムと
の混合物を本発明組成物中に通常0.05〜5w/v%
程度、好ましくは0.1〜3w/v%程度の割合で配合
するのがよい。上記混合物の配合量が0.05w/v%
より少なくなると、消泡効果が発現され難くなり、逆に
5w/v%を越えると、切削油組成物中に不溶性の粘稠
物が発生し、機械周りや加工部品に付着し、それが原因
となって加工部品を正確に固定できなくなり、その結果
加工精度が損なわれる虞れがあるので、いずれも好まし
くない。
【0025】本発明の切削油組成物には、更に必要に応
じて従来の塩素系極圧添加剤を配合することもできる。
【0026】本発明の切削油組成物は、上記各成分を配
合し、従来公知の方法に従い容易に調製される。またこ
の切削油組成物の使用に当っては、特に限定がなく、従
来の切削油組成物と同様にして使用することができる。
【0027】
【発明の効果】本発明の切削油組成物は、水溶性である
ため、火災の危険性、オイルミストや有害ガスの発生に
よる環境の悪化等が問題となることはない。しかも本発
明の切削油組成物は、高速切削に耐える冷却性、潤滑
性、表面仕上げ特性等を備え、高圧給油の際に発泡しな
い特徴を有している。更に本発明の切削油組成物は、廃
油焼却処分の際に有害物質を発生させることもない。従
って本発明の切削油組成物は、アルミニウム及びアルミ
ニウム合金用水溶性高速切削油組成物として好適に使用
され得る。
【0028】
【実施例】以下に実施例及び比較例を掲げて本発明をよ
り一層明らかにする。
【0029】実施例1〜6及び比較例1〜3 下記表1に示す配合で各成分を混合して切削油組成物を
調製した。即ち、鉱油を除く各成分を表1に示す割合
(単位:g)で混合し、最後に全体の量が100mlに
なるように鉱油を加えて、各切削油組成物とした。
【0030】
【表1】
【0031】表1において、鉱油としては具体的にはマ
シン油ISOVG10を、有機アミンとしては具体的に
はジエタノールアミンを、脂肪酸としては具体的にはト
ール油脂肪酸を、ノニオン界面活性剤としては具体的に
はノニルフェノールエチレンオキサイド5モル付加物
を、非鉄金属防蝕剤としては具体的にはベンゾトリアゾ
ールを、シリコーン系消泡剤としては具体的にはDK
Q1−1014(ダウコーニング社製)を、防腐剤とし
ては具体的にはソジウムオマジン40%水溶液をそれぞ
れ使用した。また含窒素エステルAはトリイソプロパノ
ールアミンのオレイン酸トリエステル、含窒素エステル
BはN−エチルジエタノールアミンのカプリル酸エステ
ル、含窒素エステルCはN,N−ジブチルイソプロパノ
ールアミンのリシノール酸のエステルである。また、炭
酸カルシウム微粒子の粒子径は0.05〜1μmであ
る。更にオレイン酸酸化カルシウム塩と炭酸カルシウム
微粒子との混合割合は、前者:後者=96.6:4.4
(重量比)である。
【0032】上記で得られた各切削油組成物の潤滑性、
表面仕上げ性及び発泡性を下記の試験法を用いて調べ
た。
【0033】(1)潤滑性(摩擦係数) 試験機としてバウデン形付着滑り試験機[接触様式:摩
擦棒(鋼球)と板の点接触]を用いて摩擦係数を調べ
た。測定条件は次の通りである。
【0034】試験用摩擦棒;摩擦棒:φ6×18mm,
3/16in(4.76mm)JISB 1501鋼球
取付け 鋼球と試験板との接触 試験用摩擦板;アルミ板 JIS H 4101 A1
P1(A1050) 厚さ1.0mm,幅15mm,長
さ100mm 摩擦温度;50℃ 摩擦滑り速度;0.66mm/秒 摩擦距離;30mm 荷重;3000gf 給油方法;摩擦板に塗布。
【0035】(2)表面仕上げ性(仕上げ面粗さ) 図1に示す試験装置を用いた。切削条件は次の通りであ
る。
【0036】試験機械;OKK−RAMO旋盤 チップ;G−10E,SNPR432M ホルダー;SBNR2020W 被削材;A1050(JIS H 4101 A1P
1),最大直径200mm 主軸回転数;最大4000rpm 切削送り(よこ送り);0.1mm/rev 切削油供給量;0.5リットル/分 切削面の最大粗さ(Rmax)を測定し、その値の小さ
いもの程切削性の良好な油剤である。試験方法がアルミ
円板の端面の横送り切削で主軸回転数が一定であるの
で、最外周から中心に向かうに従い切削速度が小さくな
る。従って、250〜500m/分(主軸回転数:80
0rpm)と1000〜2000m/分(主軸回転数:
3200rpm)の2条件で切削を行い、それぞれの切
削速度の範囲内での最大粗さを求めて評価した。
【0037】(3)発泡性(循環発泡試験) 図2に示す試験装置を用いた。試験条件は次の通りであ
る。
【0038】液量;16リットル 流量;80リットル/分 温度;室温 ノズル口径;16.5mmφ ノズル−液面間;40cm 試験液濃度;5%(水道水希釈) タンク;40×50×32cm タンクに16リットルの試験液を入れてポンプにて該液
を循環させる。液面に生成する泡の高さを目視により読
取り、その高さ(cm)が低い程発泡性が少ないとす
る。
【0039】上記実施例1〜6及び比較例1〜3で調製
された各切削油組成物の潤滑性、仕上げ面粗さ及び発泡
性を上記の試験法で調べ、結果を表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】表2から次のことが判る。即ち、比較例1
及び比較例3から、従来の極圧添加剤として塩素化パラ
フィンを配合した場合とオレイン酸酸化カルシウム塩と
炭酸カルシウム微粒子との混合物を配合した場合とで
は、潤滑性(摩擦係数)や高速切削時の最大仕上げ面粗
さに差はなく、従って本発明のオレイン酸酸化カルシウ
ム塩と炭酸カルシウム微粒子との混合物が優れた極圧添
加剤になり得るものであることが判る。また実施例1〜
6の切削油組成物は、含窒素エステル及びオレイン酸酸
化カルシウム塩と炭酸カルシウム微粒子との混合物が配
合されたものであるが、潤滑性、表面仕上げ性及び消泡
性に優れたものであることが判る。更にオレイン酸酸化
カルシウム塩と炭酸カルシウム微粒子との混合物を配合
することにより、消泡剤を添加しなかったり(比較例
2)、シリコーン系消泡剤のみの添加(比較例1)に比
し、消泡性及び消泡維持性が優れていることも判る。
【図面の簡単な説明】
【図1】表面仕上げ性試験に用いる装置の概略図であ
る。
【図2】発泡性試験に用いる装置の概略図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 129:26 133:08) C10N 30:00 A 30:06 40:22 (72)発明者 塩谷 均 大阪府大阪市北区梅田1丁目2番2−1400 号 大同化学工業株式会社内 (72)発明者 長谷川 清 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉱油、有機アミン、脂肪酸、油脂及び乳
    化剤から成る切削油組成物において、更に含窒素エステ
    ル及び極圧添加剤として脂肪酸の酸化カルシウム塩と微
    粒子状炭酸カルシウムとの混合物を添加したことを特徴
    とするアルミニウム及びアルミニウム合金用水溶性高速
    切削油組成物。
  2. 【請求項2】 含窒素エステルが下記一般式(1)、
    (2)及び(3)で表わされるアミノアルコールと炭素
    数6以上の脂肪酸とのエステル化物の少なくとも1種で
    ある請求項1に記載の水溶性高速切削油組成物。 【化1】
  3. 【請求項3】 脂肪酸の酸化カルシウム塩と微粒子状炭
    酸カルシウムとの混合成分比が99.9〜90:0.1
    〜10である請求項1又は請求項2に記載の水溶性高速
    切削油組成物。
JP10017894A 1994-05-13 1994-05-13 水溶性高速切削油組成物 Pending JPH07305085A (ja)

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Cited By (8)

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