JPH07305022A - 金属被覆用水性樹脂組成物 - Google Patents

金属被覆用水性樹脂組成物

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JPH07305022A
JPH07305022A JP11950194A JP11950194A JPH07305022A JP H07305022 A JPH07305022 A JP H07305022A JP 11950194 A JP11950194 A JP 11950194A JP 11950194 A JP11950194 A JP 11950194A JP H07305022 A JPH07305022 A JP H07305022A
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JP
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copolymer
meth
acrylate
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aqueous
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JP11950194A
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Inventor
Yoshio Mori
嘉男 森
Shiro Kojima
史郎 児島
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐水性に優れ、加圧スチーム処理を受けた後
でも、硬度が高くかつ加工性に優れる塗膜を形成する水
性被覆組成物の提供。 【構成】 (a)(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキ
ルおよびその他のα,β−エチレン性不飽和単量体から
なる重合体の片末端にラジカル重合性基を有するマクロ
モノマー、(b)N−アルコキシメチル(メタ)アクリ
ルアミド、(c)α,β−エチレン性不飽和カルボン
酸、(d)(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルおよ
び(e)その他のビニル単量体を共重合して得られる共
重合体であり、かつ共重合体中のカルボキシル基を塩基
で中和してなる水性共重合体、並びにアミノ樹脂からな
る金属被覆用水性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属被覆用水性樹脂組
成物に関するものであり、本発明の金属被覆用水性樹脂
組成物は、耐水性、特に耐スチ−ム性に優れており、加
圧スチーム処理をされた後でも硬度が高くかつ加工性に
優れる塗膜を形成し、家電機器または自動車等に用いら
れる鋼板並びに金属缶用の水性塗料として特に有用であ
る。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】金属用塗料、特に清涼飲
料水または加工食品等を包装する金属缶用塗料には、加
熱下での耐水性および加工性等の物性が求められ、従来
かかる金属用塗料としては、加熱硬化によって優れた塗
膜を形成するエポキシ/アミノ系樹脂、アクリル/アミ
ノ系樹脂およびポリエステル/アミノ系樹脂等の有機溶
剤型塗料が用いられていた。しかし、それらの溶剤型塗
料では、塗装時に多量の有機溶剤が大気中に蒸散するた
め、環境汚染および資源浪費等の問題があった。
【0003】そのために、上記溶剤型塗料に代えて、水
を媒体とする水性塗料の採用が検討されているが、従来
の水性塗料では、耐水性に劣り、沸騰水程度の熱水処理
には耐えても、120℃以上の加圧スチームによる処理
(レトルト処理)を受けると、塗膜物性が著しく劣化す
る点で実用に耐えないというのが現状であった。
【0004】上記加圧スチーム処理に耐える水性塗料を
目的とする多数の提案があり、例えば、特開平3−72
577号公報には、(イ)芳香族ビニル単量体および
(メタ)アクリル酸アルキルを主成分とし、分子中にカ
ルボキシル基および水酸基を有する共重合体を塩基で中
和した水性アクリル樹脂、(ロ)水酸基含有ポリオール
および(ハ)アミノ樹脂からなる水性塗料が提案されて
いるが、得られる塗膜の物性はなお実用的に満足できる
水準に至っていない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意検討した結果、カルボキシル基を
有する単量体およびその他の単量体からなる単量体混合
物と、ヒドロキシル基を有する特定のマクロモノマーと
を共重合して得られる、特定の構成の共重合体中のカル
ボキシル基を塩基で中和した水性共重合体およびアミノ
樹脂からなる樹脂組成物が、耐水性に優れ、120℃以
上の加圧スチームによる処理後にも硬度および加工性に
優れる塗膜を形成することを見出し、本発明を完成する
に至った。
【0006】即ち、本発明は、(a)(メタ)アクリル
酸ヒドロキシアルキルおよびその他のα,β−エチレン
性不飽和単量体からなる重合体の片末端にラジカル重合
性基を有するマクロモノマー、(b)N−アルコキシメ
チル(メタ)アクリルアミド、(c)α,β−エチレン
性不飽和カルボン酸、(d)(メタ)アクリル酸ヒドロ
キシアルキルおよび(e)その他のビニル単量体からな
る共重合体であって、上記成分(a)〜(e)に基づく
各単位の合計量を基準にして、成分(a)に基づく単位
が3〜30重量%、成分(b)単量体単位が3〜25重
量%、成分(c)単量体単位が3〜20重量%、成分
(d)単量体単位が5〜20重量%、また成分(e)単
量体単位が5〜86重量%であり、かつ共重合体中のカ
ルボキシル基を塩基で中和してなる水性共重合体、並び
にアミノ樹脂からなる金属被覆用水性樹脂組成物であ
る。
【0007】以下、本発明についてさらに詳しく説明す
る。本発明における塩基による中和前の上記共重合体
は、成分(a)すなわちマクロモノマーに基づく重合体
単位を枝成分とし、他の成分(b)〜(e)からなる重
合体を幹成分とするグラフト共重合体であり、以下中和
前のグラフト共重合体をカルボキシル基含有グラフト共
重合体という。
【0008】本発明における上記成分(a)は、前記の
とおり、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルおよび
その他のα,β−エチレン性不飽和単量体からなる重合
体の片末端にラジカル重合性基を有するマクロモノマー
であり、ラジカル重合性基としては、(メタ)アクリロ
イル基が好ましく、またマクロモノマーの好ましい分子
量は、数平均分子量で2000〜30000である。数
平均分子量が2000未満であると、加圧スチーム処理
後の塗膜における加工性と硬度のどちらか一方が損なわ
れ易い。一方30000を超えると、未反応マクロモノ
マーが共重合体中に多く残り塗膜物性に劣る。なお、本
発明における数平均分子量は、ゲルパーミエーション・
クロマトグラフィーによるポリスチレン換算の数平均分
子量である。
【0009】マクロモノマーの骨格となる重合体におけ
る(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル単量体単位の
好ましい割合は、(a)を構成する単量体単位の合計量
を基準にして5〜40重量%であり、さらに好ましくは
15〜35重量%である。(メタ)アクリル酸ヒドロキ
シアルキル単量体単位の割合が、5重量%未満である
と、得られる水性樹脂組成物が耐水性に劣り、一方40
重量%を超えると塗膜の加工性が劣る。(メタ)アクリ
ル酸ヒドロキシアルキルとしては、(メタ)アクリル酸
ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ
プロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル
および(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル等が挙げら
れる。
【0010】(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルと
共にマクロモノマーの重合体骨格を形成する、他のα,
β−エチレン性不飽和単量体としては、(メタ)アクリ
ル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アク
リル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)ア
クリル酸アルキルエステル、スチレン、α−メチルスチ
レン、p−メチルスチレン等のスチレン誘導体、(メ
タ)アクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル単量体
および(メタ)アクリル酸アルキルアミノエステル等が
挙げられる。
【0011】得られる水性樹脂組成物による塗膜の耐水
性および耐候性の点で、炭素数が4〜8のアルキル基を
有する(メタ)アクリル酸アルキルが好ましく、マクロ
モノマーの重合体骨格における該(メタ)アクリル酸ア
ルキル単量体単位の好ましい量は、その重合体骨格を構
成する全単量体単位の合計量を基準にして、50〜95
重量%である。
【0012】カルボキシル基含有グラフト共重合体にお
ける上記成分(a)に基づく単位の割合は、前記のとお
り、共重合体を構成する各単位すなわち成分(a)〜
(e)に基づく各単位の合計量を基準にして、3〜30
重量%であり、さらに好ましくは5〜20重量%であ
る。成分(a)単位の割合が3重量%未満である共重合
体では、該共重合体から得られる水性共重合体からなる
塗膜が耐水性に劣り、一方30重量%を超える共重合体
では、耐水性と水性化の両立が困難である。
【0013】成分(b)のN−アルコキシメチル(メ
タ)アクリルアミドとしては、N−メトキシメチル(メ
タ)アクリルアミドおよびN−(n−ブトキシ)メチル
(メタ)アクリルアミド等が挙げられ、この成分は塗膜
の架橋密度と架橋速度を高めるのに、特に塗膜の湯中硬
度を高めるのに効果がある。成分(b)単量体単位の割
合は共重合体を構成する各単位の合計量を基準として3
〜25重量%であり、さらに好ましくは5〜20重量%
である。3重量%未満である共重合体では塗膜の架橋密
度が充分ではなく、一方25重量%を超えると塗膜が脆
くなる。
【0014】成分(c)のα,β−エチレン性不飽和カ
ルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロト
ン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸およびイ
タコン酸等が挙げられ、好ましくは、アクリル酸および
メタクリル酸である。成分(c)単量体単位の割合が3
重量%未満である共重合体は、水性化が困難であり、一
方20重量%を超えると塗膜の耐水性が劣る。
【0015】成分(d)の(メタ)アクリル酸ヒドロキ
シアルキルとしては、前記マクロモノマーの成分として
挙げた各種(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルが使
用できる。成分(d)単量体単位の割合すなわちグラフ
ト共重合体における幹成分中の(メタ)アクリル酸ヒド
ロキシアルキル単量体単位の割合は、前記のとおり、全
構成単位の合計量を基準にして5〜20重量%であり、
さらに好ましくは5〜15重量%である。5重量%未満
では得られる水性樹脂組成物の耐水性が劣り、一方20
重量%を超えると塗膜の加工性に劣る。
【0016】本発明におけるカルボキシル基含有グラフ
ト共重合体には、上記成分(d)に由来するヒドロキシ
ル基および前記マクロモノマー中の(メタ)アクリル酸
ヒドロキシアルキル単量体単位に由来するヒドロキシル
基が含まれるが、該共重合体における好ましいヒドロキ
シル基の合計量は、20〜150KOH mg/gであり、よ
り好ましくは40〜100KOH mg/gである。グラフト
共重合体におけるヒドロキシル基の合計量が、20KOH
mg/g未満であると加工性に劣り、一方150KOH mg/
gを超えると耐水性に劣る。
【0017】成分(e)のその他のビニル単量体として
は、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メ
タ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキ
シル等の(メタ)アクリル酸アルキル、スチレン、α−
メチルスチレン等の芳香族ビニル単量体、(メタ)アク
リル酸アルキルアミノエステル等が挙げられ、これらは
単独でまたは2種以上併用して使用できる。
【0018】成分(e)単量体単位の割合は、カルボキ
シル基含有グラフト共重合体の構成単位の合計量100
重量%から、前記成分(a)〜(d)に基づく単位の割
合を差し引いた量であり、具体的には5〜86重量%で
あり、好ましくは〜65重量%である。
【0019】上記重合性成分(a)〜(e)は、公知の
重合方法、例えば後記した実施例に記載されているよう
な重合方法により、いずれの成分もほぼ100%の重合
率で重合できるので、上記構成の共重合体を得るには、
その構成に対応する割合で(a)〜(e)を重合に供す
ればよい。
【0020】上記カルボキシル基含有共重合体の合成法
の概要は、以下のとおりである。すなわち、イソプロピ
ルアルコール、n−ブタノール、イソブチルアルコー
ル、エチレングリコールモノメチルエーテルまたはエチ
レングリコールモノエチルエーテル等を重合溶剤に使用
して、アゾビスイソブチロニトリル等のラジカル重合開
始剤の存在下に60〜150℃で、前記重合性成分をラ
ジカル重合させれば良い。
【0021】上記重合においては、n−ドデシルメルカ
プタン、メルカプト酢酸、チオリンゴ酸、メルカプトエ
タノールおよびメルカプトプロピオン酸等の連鎖移動剤
を適量使用することにより、得られる共重合体の分子量
を調整することができる。本発明におけるカルボキシル
基含有共重合体の好ましい分子量は、数平均分子量で2
000〜15000であり、さらに好ましくは3000
〜15000である。
【0022】つぎに、上記カルボキシル基含有共重合体
中のカルボキシル基を塩基で中和することにより、前記
共重合体を水溶性または水分散性のものに変換する。中
和においては、共重合体中の全カルボキシル基を中和し
ても良いが、必要に応じてカルボキシル基の一部を中和
しても良い。中和の具体的な操作としては、前記重合に
よって得られた共重合体の有機溶剤溶液に、塩基の水溶
液を添加して中和する操作が簡便である。
【0023】塩基としては、モノエタノールアミン、ジ
メチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ト
リエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジメ
チルエタノールアミン等の有機アミンおよびアンモニウ
ム等が使用できる。
【0024】上記操作によって得られた水性共重合体溶
液から、重合溶剤として使用された有機溶剤を減圧下で
留去した後、水を加えることにより、金属被覆に好適な
固形分濃度20〜70重量%の共重合体水性溶液ないし
水性分散液を得る。
【0025】本発明において、上記水性共重合体と併用
されるアミノ樹脂としては、メチルエーテル化メラミ
ン、ブチルエーテル化メラミン等のアルキルエーテル化
メラミン;アルキルエーテル化尿素樹脂;メチルエーテ
ル化ベンゾグアナミンおよびエチルエーテル化ベンゾグ
アナミン等のアルキルエーテル化ベンゾグアナミン等が
挙げられ、これらは単独でまたは2種以上併用して使用
できる。上記アミノ樹脂は、水性樹脂組成物の用途に応
じて選択することが好ましく、食品包装用金属缶等の高
度な耐水性の要求される用途には、アルキルエーテル化
ベンゾグアナミンが適しており、耐候性の求められる自
動車関係の用途には、アルキルエーテル化メラミンが適
している。
【0026】上記アルキルエーテル化メラミン、アルキ
ルエーテル化尿素樹脂およびアルキルエーテル化ベンゾ
グアナミン等は、それらの単量体以外に2量体、3量体
等の多量体も使用できる。またアルキルエーテル化度に
関しては、アミノ基の活性水素原子の全てがアルキルエ
ーテル基に置換されたもの、例えばテトラメチルベンゾ
グアナミン、或いは一部がアルキルエーテル基に置換さ
れたもの、例えばジメチルイミノベンゾグアナミン等も
使用できる。
【0027】本発明の金属被覆用水性樹脂組成物におい
ては、その主成分として用いられる前記水性共重合体
が、前記したアミノ樹脂のいずれに対しても良好な相溶
性を有するために、いずれのアミノ樹脂を選択しても均
一な水性樹脂組成物が得られる。
【0028】アミノ樹脂の好ましい使用量は、前記水性
共重合体の固形分100重量部当たり、10〜80重量
部(アミノ樹脂固形分)である。本発明の金属被覆用水
性樹脂組成物には、上記水性共重合体およびアミノ樹脂
以外に各種塗料用添加剤が配合されても良く、添加剤の
一例としては、エチレングリコールモノブチルエーテル
等の成膜助剤が挙げられる。
【0029】水性共重合体の水溶液ないし水分散液とア
ミノ樹脂を前記割合で混合して得られる樹脂組成物を、
アルミニウム、ステンレス、亜鉛処理鋼板およびその他
の各種処理鋼板ならびにブリキ等の金属基材に塗布した
後、150℃〜220℃で3〜20分程度加熱硬化させ
ることにより、硬化塗膜が形成できる。
【0030】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて、本発明
を更に具体的に説明する。
【0031】<参考例1> (マクロモノマーM−1の合成)メタクリル酸シクロヘ
キシル4.9g、メタクリル酸2−エチルヘキシル5
5.0gおよびメタクリル酸2−ヒドロキシエチル2
5.1gの混合液を調製し、攪拌機、2個の滴下ロー
ト、ガス導入管および温度計の付いたガラスフラスコ
に、上記混合液の1/3、スチレン10.5g、連鎖移
動剤のメルカプトプロピオン酸0.9gおよびトルエン
30gを仕込み、90℃に昇温した。その後、一方の滴
下ロートから、上記混合液の残りの2/3、スチレン
4.5gおよびメルカプトプロピオン酸2.1gを3時
間かけて滴下すると共に、同時にもう一方のロートから
トルエン35.0gに溶解したアゾビスイソブチロニト
リル0.3gを3時間かけて滴下した。
【0032】その後さらに、トルエン35.0gに溶解
したアゾビスイソブチロニトリル0.3gを2時間かけ
て滴下した後、さらに2時間反応を継続させ、末端にカ
ルボキシル基を有する重合体を得た。次いで、上記末端
カルボキシル基を有する重合体の溶液中に、メトキシベ
ンゾキノン0.04g、テトラブチルアンモニウムブロ
ミド2.7gおよびメタクリル酸グリシジル2.2gを
添加して、空気を吹き込みながら、90℃で5時間反応
させた。
【0033】重合体の酸価の減少度に基づき、メタクリ
ロイル基の末端基の純度が99.7%のマクロモノマー
M−1(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによ
るポリスチレン換算の数平均分子量:3300)を得
た。
【0034】(カルボキシル基含有グラフト共重合体の
合成)以下の単量体およびスチレン24.3gを用いて
共重合した。なお、以下の単量体については、それらを
混合して一つの液として用いた。 マクロモノマーM−1 25.0g N−メトキシメチルアクリルアミド(以下NMMAという) 7.5g アクリル酸(以下AAという) 6.7g メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(以下HEMAという) 8.7g アクリル酸n−ブチル(以下BAという) 27.8g
【0035】上記成分の混合液の1/3、スチレン1
7.0g、メルカプトエタノール0.16g、エチレン
グリコールモノブチルエーテル6.3gおよびイソプロ
ピルアルコール14.7gを撹拌機、還流冷却機、2個
の滴下ロート、ガス導入管および温度計を取り付けたガ
ラスフラスコに仕込み、87℃まで昇温した。
【0036】次いで、一方の滴下ロートから、前記混合
液の残りの2/3、スチレン7.3gおよびメルカプト
エタノール0.38gを混合した液を3時間かけて滴下
しながら、同時にもう一方の滴下ロートから、エチレン
グリコールモノブチルエーテル19.2g、イソプロピ
ルアルコール44.8gおよび2,2’−アゾビス(2
−メチルブチロニトリル)(以下ABN−Eという)
0.2gからなる重合開始剤溶液を3時間かけて滴下し
た。その後、さらにエチレングリコールモノブチルエー
テル4.5g、イソプロピルアルコール10.5gおよ
びABN−E0.46gを2時間かけて滴下した。その
後2時間攪拌を続け、カルボキシル基含有グラフト共重
合体を合成した。該共重合体の数平均分子量は9800
であった。
【0037】得られたグラフト共重合体溶液を40℃に
加熱して、減圧下でイソプロピルアルコールを留去した
後、ジメチルエタノールアミン(以下DMEAという)
8.3gおよび蒸留水70gを加え中和した。上記操作
によって、固形分濃度が50重量%で、エチレングリコ
ールモノブチルエーテルを15重量%含むグラフト共重
合体Aの水性液を得た。
【0038】<参考例2、比較参考例1、2>表1に記
載の成分を使用して、参考例1と同様な方法でグラフト
共重合体Bの水性液(参考例2)、グラフト共重合体C
の水性液(比較参考例1)およびグラフト共重合体Dの
水性液(比較参考例2)を得た。なお、表1中、NBM
A、HMA、BMAおよびStは、それぞれN−(n−
ブトキシ)メチルアクリルアミド、メタクリル酸2−エ
チルヘキシル、メタクリル酸n−ブチルおよびスチレン
を表す。
【0039】
【表1】
【0040】<実施例1、2、比較例1、2>参考例
1、2および比較参考例1、2で得られた共重合体水溶
液と、アミノ樹脂を、共重合体固形分100重量部当た
りアミノ樹脂40重量部の割合で配合して、被覆用水性
樹脂組成物を製造した。なおアミノ樹脂としては、各例
ともマイコート106〔ジメチルイミノ型ベンゾグアナ
ミン、三井サイアナミド(株)製〕を使用した。
【0041】上記水性樹脂組成物に、シリコン系レベリ
ング剤、エチレングリコールモノブチルエーテルおよび
水を加えて、有機溶剤量が15重量%で、固形分濃度が
30重量%の水性樹脂組成物とした。この樹脂組成物を
アルミ板上にバーコーターで、膜厚5〜6μmとなる様
に塗布し、200℃で10分間加熱硬化させた。
【0042】得られた硬化塗膜、並びにプレッシャーク
ッカー装置による加圧スチーム処理(130℃のスチー
ム中に30分間放置)後の塗膜について、各種物性を評
価した。結果は表2のとおりである。
【0043】なお表2における塗膜の物性は、いずれも
JIS K 5400に規定の測定法に準じて行った。 a.耐衝撃性:デュポン式衝撃試験(撃芯1/2イン
チ、荷重500g)。 b.密着性:碁盤目テープ法試験法に準じた方法(テー
プ剥離後の塗膜残存率で評価)。 c.硬度:鉛筆引っかき試験の試験機法。 d.湯中硬度:試験板を80℃湯中に3分間浸漬後の湯
中での鉛筆引っかき試験の試験機法。
【0044】
【表2】
【0045】
【発明の効果】本発明の金属被覆用水性樹脂組成物によ
れば、その主成分として使用される水性共重合体とアミ
ノ樹脂の相乗作用により、硬度、耐水性および加工性に
優れる塗膜が金属基材上に形成できる。特に該水性共重
合体中に導入された、架橋性官能基とマクロモノマーの
相乗作用によって、架橋密度の高い強靱な塗膜が形成さ
れるため、スチーム処理後の湯中硬度にも優れた高性能
塗膜が得られ、高耐水、耐スチーム性の高い金属用水性
塗料として最適である。塗布対象物の代表例としては、
飲料水または加工食品包装用金属缶並びに家電機器また
は自動車等に用いられる鋼板等がある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)(メタ)アクリル酸ヒドロキシア
    ルキルおよびその他のα,β−エチレン性不飽和単量体
    からなる重合体の片末端にラジカル重合性基を有するマ
    クロモノマー、(b)N−アルコキシメチル(メタ)ア
    クリルアミド、(c)α,β−エチレン性不飽和カルボ
    ン酸、(d)(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルお
    よび(e)その他のビニル単量体からなる共重合体であ
    って、上記成分(a)〜(e)に基づく各単位の合計量
    を基準にして、成分(a)に基づく単位が3〜30重量
    %、成分(b)単量体単位が3〜25重量%、成分
    (c)単量体単位が3〜20重量%、成分(d)単量体
    単位が5〜20重量%、また成分(e)単量体単位が5
    〜86重量%であり、かつ共重合体中のカルボキシル基
    を塩基で中和してなる水性共重合体、並びにアミノ樹脂
    からなる金属被覆用水性樹脂組成物。
JP11950194A 1994-05-09 1994-05-09 金属被覆用水性樹脂組成物 Pending JPH07305022A (ja)

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JP11950194A JPH07305022A (ja) 1994-05-09 1994-05-09 金属被覆用水性樹脂組成物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0780455A3 (en) * 1995-12-20 1998-03-11 Basf Corporation Coating composition for improving physical characteristics of cured coatings subjected to steam processing

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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