JPH0730354B2 - 高度不飽和脂肪酸含有油脂の粉末とその製造方法 - Google Patents

高度不飽和脂肪酸含有油脂の粉末とその製造方法

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JPH0730354B2
JPH0730354B2 JP1126490A JP12649089A JPH0730354B2 JP H0730354 B2 JPH0730354 B2 JP H0730354B2 JP 1126490 A JP1126490 A JP 1126490A JP 12649089 A JP12649089 A JP 12649089A JP H0730354 B2 JPH0730354 B2 JP H0730354B2
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fat
fatty acid
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保 中村
直延 小川
勝彦 田村
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三協食品工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、高度不飽和脂肪酸含有油脂の粉末とその製
造方法に関する。
(従来の技術) 最近は、魚油等の高度不飽和脂肪酸含有油脂に対する生
理活性が見直され、特に、心筋硬塞や脳硬塞に対する抑
制作用が注目され、高度不飽和脂肪酸含有油脂の利用が
活発になりつつある。
しかし、高度不飽和脂肪酸を含有した油脂は、その脂肪
酸の故に酸化しやすく、極めて不安定なものである。
そこで、従来から高度不飽和脂肪酸を含有した油脂に抗
酸化剤等を含ませてその酸化を防ぎ、安定性の向上を図
っていた。
(発明が解決しようとする課題) 上記のように抗酸化剤を用いた従来のものでは、その酸
化を完全に防止することができず、そのために保存性が
非常に悪いという欠点があった。
また、上記のように抗酸化剤を用いその酸化を防止した
ものであっても、それを粉化することができず、カン油
等のペレット状に固形化することがせいぜいであった。
このように従来では、当該油脂を粉末化できず、その油
性がそのまま残ってしまうので、ベトベトしてその取り
扱いに不便を感じることが多かった。
つまり、従来の高度不飽和脂肪酸を含む油脂では、それ
に対する需要が高まっているにもかかわらず、扱い難い
という欠点と、酸化によって生理活性機能が損なわれる
という欠点とを解消できなかった。
この発明の目的は、油状の物性を粉末に変えることによ
り、取り扱い易さを増すとともに、乳化被膜により、酸
化に対する安定性を強め生理活性を長期にわたり安定化
した高度不飽和脂肪酸含有油脂の粉末とその製造方法を
提供することである。
(課題を解決するための手段) 第1の発明は、カゼイン蛋白分解酵素を作用させ、その
分解度を5〜20%の範囲に加水分解したものを用いて高
度不飽和脂肪酸含有油脂を乳化し、さらに、粉末化した
点に特徴を有する。
第2の発明は、カゼインを溶解、殺菌するとともに、そ
れに蛋白分解酵素を作用させ、その分解度が5〜20%に
達してから加熱して酵素を失活させ、これに高度不飽和
脂肪酸含有油脂を加えて均質機にかけ、その後に、この
乳化液を乾燥して粉末化した点に特徴を有する。
第3の発明は、あらかじめ蛋白分解酵素を作用させて分
解度を5〜20%に調整して粉化したカゼイン部分加水分
解物を温水に溶解し、この溶液と高度不飽和脂肪酸含有
油脂とを混合、乳化し、噴霧乾燥等の方法で粉末化した
点に特徴を有する。
(実験1)エイコサペンタン酸の乳化性 試 料: 油 脂魚油 エイコサペンタエン酸含有油脂 (商品名:D.D.oil 日本水産(株)製) 乳化剤 上記油脂に対して、次の2つの乳化剤を別々に用いて実
験し、その両者を比較した。
カゼインナトリウム 乳蛋白性界面活性剤 なお、この乳蛋白性界面活性剤は、本出願人がすでに提
供した特願昭62−317731号(特開平1−160458号)の明
細書に記載された実施例に基づいて製造したもので、分
解度11.9%、水分3.%酵素処理カゼインである。
方 法 温水150mlと試料油脂50mlを混合して60℃に保温してお
く。これに乳化剤2g(1%添加)ないし16g(8%添
加)を加え、ホモミキサー(日本精機(株)製AM−10
型)を用いて、15000rpmで3分間乳化した。
上記の乳化液を、一旦ピーカーに受けて上層の泡を除い
た後、それを100mlの共栓付メスシリンダ移す。そし
て、このメスシリンダに移した乳化液を、60℃の恒温水
槽中に静置して経時的に観察し、分離する水層の量(m
l)を乳化力とした。
なお、この乳化力の値は分離の程度を示すものであるか
ら、この値の小さい方が乳化性がすぐれていることを示
している。
上記の実験結果を第1表に示す。
(実験2)エイコサペンタエン酸含有油脂の粉化 試 料:油 脂 エイコサペンタエン酸含有油脂 乳化剤 乳蛋白性界面活性剤 配 合: なお、配合1は、それを粉末にしたときの油脂分が50
%、配合2はその油脂分が70%となるようにしたもので
ある。
方 法 乳化剤とデキストリンとを温水に溶解しておき、これに
エイコサペンタエン酸含有油脂を加えて混合し、乳化す
る(圧力200kg/cm2)。この乳化液を小型噴霧乾燥機で
粉化した。
このときの粉化条件は、熱風温度140℃、排風温度78±
℃、ディスクアトマイザーの回転数19000rpm、送液量14
0±10ml/minである。
結 果 配合1のものは良好な粉末となり、配合2のものは少し
付着性があるもののまずまずの粉末をえることができ
た。
なお、この乳化剤は賦形剤としての効果も大きく、増量
すれば粉末の物性はすぐれるが、ここでは経済性を考え
てデキストリンを用いるようにした。したがって、ここ
で用いたデキストリンは増量剤であって、この発明の必
須の構成要素になるものではない。
(実験3)エイコサペンタエン酸含有油脂の酸化安定性
等 試 料:前実験の配合2のエイコサペンタエン酸含有
油脂の粉末 エイコサペンタエン酸含有油脂(原料油) なお、試料として、配合2の粉末を選んだのは、油脂含
量の高い粉末の酸化安定性を比較すれば、配合1の粉末
については、その推定が可能であると考えたからであ
る。
方 法 エイコサペンタエン酸含有油脂の粉末および原料油を40
℃に保温し、風味、色調、POVの経時変化を調べた。
風味は、官能的に比較し、色調は粉末について色差計に
より、また、原料魚油についてはn−Hexaneで5倍に稀
釈し、430nmの吸光度で測定した。さらに、粉末につい
てのPOVはエーテル抽出後に測定し、原料油についてのP
OVはそのまま通常の方法で測定した。
この結果を示したのが表2である。
この表2から、実験3が次のことを示していることが明
らかである。すなわち、エイコサペンタエン酸含有の原
料油では、きわめて酸化されやすく、POVが著しく増加
するとともに、外観や香味の変化も大きいことを示して
いる。
これに対して、エイコサペンタエン酸含有油脂の粉末の
場合には、POVの増加がほとんど見られず、外観や香味
も安定していることが解る。
このように魚油等の極めて酸化を受やすい油脂でも、粉
末化することにより酸化され難くなので、これら油脂の
使用や保管がやりやすくなる。
また、粉末にしているので、使用に際しての混合や充填
等の作業性も非常に良くなる。
しかも、あらかじめ乳化してあるので、水に分散、溶解
しやすく、栄養学的に見ればエイコサペンタエン酸等の
人体への吸収が良い。
さらに、これら粉末の製造に当って、合成乳化剤を使用
していず、健康に対する天然志向にマッチしたものであ
る。しかも、ここで用いた乳化剤は、乳蛋白質を部分加
水分解したものなので、これに由来する生理活性も併て
利用されることとなり、機能性食品として極めて有望で
ある。
実施例 温水1300に乳蛋白性界面活性剤50kg、低デキストリン
160kgを溶解する。これにエイコサペンタエン酸18%を
含む油脂500を混合し乳化する。これを常法により噴
霧乾燥して粉末を得る。
配合に当り、調味量、着香料、着色料を加え、製品の品
位を高めることも可能である。
また、乳化剤として合成乳化剤を併用することもあり得
る。
このようにして取り扱いの容易な魚油粉末等が得られる
魚油等の利用範囲が広まり、利用価値を高めることがで
きる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−115497(JP,A) 特開 昭51−89507(JP,A) 特開 昭57−47395(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カゼインに蛋白分解酵素を作用させ、その
    分解度を5〜20%の範囲に加水分解したものを用いて高
    度不飽和脂肪酸含有油脂を乳化し、さらに、粉末化して
    なる高度不飽和脂肪酸含有油脂の粉末。
  2. 【請求項2】カゼインを溶解、殺菌するとともに、それ
    に蛋白分解酵素を作用させ、その分解度が5〜20%に達
    してから加熱して酵素を失活させ、これに高不飽和脂肪
    酸含有油脂を加えて均質機かけ、その後に、この乳化液
    を乾燥して粉末化してなる高度不飽和脂肪酸含有油脂の
    粉末製造方法。
  3. 【請求項3】あらかじめ蛋白分解酵素を作用させて分解
    度を5〜20%に調整して粉化したカゼインの部分加水分
    解物を温水に溶解し、この溶液と高度不飽和脂肪酸含有
    油脂とを混合、乳化し、噴霧乾燥等の方法で粉末化して
    なる高度不飽和脂肪酸含有油脂の粉末製造方法。
JP1126490A 1989-05-19 1989-05-19 高度不飽和脂肪酸含有油脂の粉末とその製造方法 Expired - Lifetime JPH0730354B2 (ja)

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