JPH0730121B2 - 多糖類、それから主としてなる凝集・バルキング抑制・増粘剤及びその製造方法 - Google Patents

多糖類、それから主としてなる凝集・バルキング抑制・増粘剤及びその製造方法

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JPH0730121B2
JPH0730121B2 JP8742891A JP8742891A JPH0730121B2 JP H0730121 B2 JPH0730121 B2 JP H0730121B2 JP 8742891 A JP8742891 A JP 8742891A JP 8742891 A JP8742891 A JP 8742891A JP H0730121 B2 JPH0730121 B2 JP H0730121B2
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  • Separation Of Suspended Particles By Flocculating Agents (AREA)
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な多糖類、それから
主としてなる凝集・バルキング抑制・増粘剤(以下単に
凝集剤という)及びその製造方法に関し、更に詳しくは
活性汚泥法等による排水凝集処理法、各種の汚濁物質の
処理、各種工業の排水処理分野、都市下水、各種の発酵
液の処理、更には有用物質等の回収利用等、広範囲に渡
り利用が期待される多糖類、凝集剤及びその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】凝集剤は各種工業の進展に伴い、各種工
程及びそれから排出される廃水分野に広く使用されてい
る。凝集剤は一般的に合成高分子系(例えば、ポリアク
リルアミド系等)、無機系凝集剤(例えば、硫酸バンド
等)及び生物系凝集剤に大別される。このうち微生物産
生凝集剤は微生物が生産する物質で他の物質を凝集さ
せ、沈澱(沈降)し易くさせる性能を有する物質であ
る。又、機能面よりとらえると、カチオン系、ノニオン
系、アニオン系の3つに分類することが出来る。従来、
これら合成高分子及び無機系凝集剤は、活性汚泥法等を
用いた廃水処理分野から土木浚渫工事等への清澄処理剤
として多用されてきた。又、上水道、中水道の造水分
野、発酵工業における発酵液と菌体の分離といったダウ
ンストリームプロセッシング分野から、更には食品工業
分野への適用という様に非常に広範囲な分野に渡って凝
集剤の使用は期待されている。この様に、凝集剤の使用
は今日の社会生活に深く組み込まれており、なくてはな
らないものであるが故に、更に今後益々その使途が多岐
に渡り、使用量が増加するものと予想される。この為凝
集剤の使用は環境面、ひいては人間の健康にも直結して
いると考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとしている問題点】しかしながら、
現在広く用いられている合成高分子系凝集剤(例えば、
ポリアクリルアミド)等は、能力や経済性の点で優れて
いるが、安全性及び環境面での問題点も指摘されてい
る。更に、バイオインダストリーにおけるダウンストリ
ームプロセッシングへの適用を考えると、合成高分子系
凝集剤の使用には問題があると考えられる。これらの欠
点を解消及び克服する新規凝集剤の開発は各方面より切
望されており、特に生分解性を持ち安全で且つ二次公害
の恐れの無い生物由来の凝集剤の開発が急務な課題とな
っている。又、排水凝集処理法における活性汚泥方式に
おいて残された最も重要な問題は、処理後の処理水と活
性汚泥との分離であり、処理水と活性汚泥とは沈澱槽で
ある分離領域において活性汚泥が速やかに沈降分離する
ことが望ましいが、分離領域において静置時に糸状菌等
の発生によるバルキング現象やデフロック現象が生じて
活性汚泥の凝集フロック作用が低下し、活性汚泥の沈降
分離が不十分となり、活性汚泥の流出という問題が生じ
る。活性汚泥と処理水との分離を促進させる方法とし
て、カチオンポリマー等の高分子凝集剤や多価金属イオ
ン等の無機凝集剤を使用する方法が知られているが、こ
れらの凝集剤は生物分解性が不十分である為、処理水と
共に放水されることにより環境汚染の問題が派生する。
従って本発明の目的は、これらの問題点を解消及び克服
する為に、生分解性を有し、安全で且つ二次公害の恐れ
のない新規な多糖類を提供し、且つその多糖類を微生物
により製造し、微生物由来の凝集剤を提供することにあ
り、又、排水凝集処理方法において、活性汚泥のバルキ
ング現象を生じることなく効率的に活性汚泥を分離する
ことが出来る凝集剤を提供すると共に、優れた特性を有
する増粘剤を提供することである。
【0004】
【問題点を解決する為の手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、請求項1に記載
の理化学的性質を有する多糖類、該多糖類から主として
なる凝集剤及びその製造方法である。
【0005】
【作用】本発明により、以下に述べるR−3菌群に属す
る微生物が産生する新規な多糖類及びそれから主として
なる凝集剤を提供することができる。そして、この凝集
剤は、安全性、生分解性に優れたものであって、二次公
害を生じないものである。又、この凝集剤は無機塩を添
加することにより、更に優れた凝集効果が得られる。
又、活性汚泥を用いる排水凝集処理方法において、本発
明の多糖類を凝集剤として使用することによって、バル
キング現象の主たる原因である糸状菌の発生が抑制さ
れ、活性汚泥と処理水との分離が効率的となる。
【0006】
【好ましい実施態様】次に好ましい実施態様を挙げて本
発明を更に詳しく説明する。本発明者は、公知の多数の
凝集剤生産菌ロードコッカス・エリスロポレスをフラク
トース培地で培養し、その凝集効果(力値)を測定して
行く過程で、力価が通常の2倍以上上昇する培養液が存
在することを見出した。この培養液には数種の菌が混在
しており、これらの菌の生産物を分離したところ、特に
優れた力価を示す新規な多糖類であることを発見した。
【0007】上記の凝集剤生産菌は、シュウドモナス
属、アシネトバクター属、アグロバクテリウム属、エン
テロバクター属、オーレオバクテリウム属及びオエルス
コビア属からなる群から選ばれる少なくとも1属に属す
る凝集剤生産能を有する菌であり、従来公知のロードコ
ッカス・エリスロポレスKR−256−2、FERM−
PNo. 3923及びロードコッカス・エリスロポレスK
R−S−1、FERM−P No.3530等とは異なる属
に属し、その生産物の凝集能力はこれらの公知菌の2〜
3倍或いはそれ以上である。これらの属のうち、シュウ
ドモナス属、アシネトバクター属、アグロバクテリウム
属、エンテロバクター属、オーレオバクテリウム属及び
オエルスコビア属からなる群から選ばれる少なくとも1
属を含む微生物群を本発明ではR−3と称しているが、
夫々既に微工研寄託第11333号(FERM P-11333)、同
第11334号(FERM P-11334)、同第11335号(FER
M P-11335)、同第11336号(FERM P-11336)、同第1
1337号(FERM P-11337)、同第11357号(FERM P-
11357)及び同第11358号(FERM P-11358)として寄託
されている。上記凝集剤生産新規微生物は、以下の菌学
的性質を有している。
【表1】 表1
【表2】 (表1の続き)
【表3】 (表1の続き)
【表4】 (表1の続き)
【表5】 (表1の続き)
【0008】上記第1表に示す菌学的性質について、細
菌の同定書であるバージー・マニュアル・システマチッ
ク・バクテオロジー第1、2巻(Bergey's Manualof Sys
tematic Bacteriology Volume 1、2)、 (1984 年) で検討
した結果、KYM−1株は同書165頁に記載されてい
るシュウドモナス・フルオレセンスと一致し、KYM−
1株はシュウドモナス・フルオレッセンスと同定し、微
工研寄託第11333号(FERM P-11333)として寄託され
ている。KYM−2株は同書175頁記載のシュウドモ
ナス・セパシアと考えると妥当であり、微工研寄託第1
1334号(FERM P-11334)として寄託されている。KY
M−3株は同書303頁記載のアシネトバクター属細菌
と一致し、微工研寄託第11335号(FERM P-11335)と
して寄託されている。KYM−4株は同書254頁記載
のアグロバクテリウム・レイデオバクターと殆ど記載は
一致するものの、糖の資化性等細かい点で少し異なるの
で同種の近縁類と考えるのが分類学的に妥当であり、本
菌は微工研寄託第11336号(FERMP-11336)として寄
託されている。KYM−5株は同書465頁記載のエン
テロバクター属細菌と属レベルで完全に一致し、微工研
寄託第11337号(FERM P-11337)として寄託されてい
る。KYM−6株は同書1323頁記載のオーレオバク
テリウム属細菌、KYM−7株は同書1489頁記載の
オエルスコビア属細菌と夫々属レベルの記載は一致す
る。KYM−6株は、微工研寄託第11357号(FERM
P-11357)、KYM−7株は、微工研寄託第11358号
(FERM P-11358)として夫々寄託されている。本発明の多
糖類は上記の菌の生産物であり、優れた凝集、バルキン
グ抑制又は増粘活性を有している。
【0009】
【実施例】以下にR−3菌の培養方法の1例と及びその
生産物の理化学的性性質を示す。 培養方法 温度、DO及びpH計を設置した5リットルのジャーフ
ァーメンターに下記の生産培地を3リットル入れ、オー
トクレーブ滅菌した。これに培養液を2%(V/V)接
種し、温度25〜27℃、空気量3リットル/mi
n.、撹拌強度200rpmの条件で1週間培養した。
但し、培養2日目より培養液の粘性が増加したので、撹
拌強度を400rpmに上げた。この間1〜2回/日5
0mlのサンプリングしてセル成長、残留スターチ量、
凝集活性及び粘度を測定した。尚、培養液は500ml
三角フラスコを使用して生産培地で5日間振とう培養し
たものを使用した。液体培地の組成 炭素源(可溶性澱粉、関東化学製) 10g/リットル KHPO 5g/リットル KHPO 2g/リットル MgSO 0.2g/リットル (NHSO 0.5g/リットル NaCl 0.1g/リットル イースト抽出物 0.5g/リットル
【0010】残留スターチ量 ヨウ素−澱粉反応により測定した。20倍希釈培養液に
ヨウ素溶液(I−KI溶液)0.2mlを加え、よく
振とうし、5分間静置後のOD580を測定した。凝集活性 5000mg/リットルのカオリン80mlに10%C
aCl・2HOを10ml加え、20倍希釈した培
養液を1.25ml加え、蒸留水で全体を100mlと
し、pHを8.0〜8.2に調整した。よく振とう撹拌
した後5分間静置し、上澄液のOD550を測定した。粘度 B型回転粘度計(ビスメトロン粘度計)を使用した。サ
ンプルを少量用アダプターに培養液を8〜10ml入
れ、温度26℃で回転数0.3〜60rpmの範囲で測
定した。
【0011】結果 結果を図1に示す。図示の様にセル成長は、培養開始よ
り急激に増加し、24時間後にはほぼ定常状態となり、
その後は若干増加し、3日目以降より僅かに減少した。
残留スターチ量は、培養開始より急激に減少し、48時
間後には殆ど分解されたものと考えられる。傾向として
はセル成長と反比例関係にある。凝集活性は、培養24
時間までは微増であるが、24時間以降は急激に増加
し、72時間後には力値は最高値260となった。粘度
は、経時変化が凝集活性と同様なパターンを示し、24
時間以降は急激に増加し始め、72時間で定常状態とな
った。72時間で粘度は870cpsであった。
【0012】上記の培養液からの多糖類の分離及び物性
測定は以下の如く行った。分離 培養液を蒸留水で5倍に希釈し、28000Gで30分
間遠心分離し、沈殿と上澄液とを分離した。上澄液を容
積で1/5まで減圧濃縮し、2〜3倍量のエタノールを
加えて沈殿させ、10000Gで5分間遠心分離し、沈
殿を集めた。これを蒸留水に再溶解させ、エタノールを
加えて沈殿させ、上記と同様に遠心分離し、これを4回
繰り返した。最後にエタノールで沈殿させたものをエタ
ノール及びアセトンで3回洗浄し、1日減圧乾燥させて
乾燥多糖類を得た。上記の多糖類(500mg)を10
0mlの蒸留水に溶解させ、10000Gで5分間遠心
分離し、上澄液を2%50mlのCPCで沈殿させ、1
0000Gで5分間遠心分離した。上記の沈殿を0.5
Nの食塩に溶解し、2倍量のエタノールで沈殿させ、1
0000Gで5分間遠心分離し、沈殿をエタノール及び
アセトンで5回洗浄後減圧乾燥してCPC沈殿分画の乾
燥多糖類(360mg)を得た。
【0013】物性値 上記多糖類は白色粉末であり、元素分析値(重量%)は
C:40.3、H:6.0、N:<0.1、P:<0.
5、S:<0.01、水溶液pHは7.0〜7.5、特
に7.2で中性(C=0.2重量%溶液)、紫外吸収ス
ペクトルは図2の様に波長240nmから吸光度が急激
に上昇し、波長195nm付近でピークとなる。赤外吸
収スペクトルは図3の様に−OH(2700〜3700
cm−1)、−CH−CO−O−R(エステル結合、
1730、1160cm−1)、−COO(イオン化
カルボキシル基、1600cm−1付近、1400cm
−1付近)、溶媒に対する溶解性は水に可溶、アルカリ
に易溶、メタノール、エタノール及びアセトンに不溶で
あった。呈色反応は、ニンヒドリン反応=−、フェノー
ル硫酸法=+、アンスロン硫酸法=+、カルバゾール硫
酸法=+、エルソン−モルガン反応=−であった。又、
電気泳動によれば図4に示す様に酢酸セルロース膜電気
泳動により物質の単一性が確認された。分子量は2×1
(ゲルクロマトグラフィーによる)、旋光度は
[α] 24=−17〜−15°(C=0.2重量%溶
液)、炭化点は245〜265℃であった。
【0014】以上の如き元素分析、各種呈色反応及び赤
外吸収スペクトルの結果から、本発明の多糖類は有機酸
を構成成分とする酸性多糖類であるものと考えられた
為、以下の方法により構成糖及び構成有機酸の分析を行
った。構成成分の定性・定量分析 (1)構成糖の定性・定量分析 前記実施例によって得られた精製試料をトリフルオロ酢
酸で加水分解した後、構成糖の同定を薄層クロマトグラ
フィー及びガスクロマトグラフィー分析により同定・定
量した。 (イ)薄層クロマトグラフィー分析 試料10mgをネジ付試験管に入れ、これに2Mトリフ
ルオロ酢酸1mlを加え、窒素ガスで封管し、100℃
で4時間加水分解した液を減圧乾固し、この乾燥物を蒸
留水に溶解した試料を、プレート:シリカゲル60
0.5M NaHPOに浸し105℃で1時間、展
開相:イソプロピルアルコール/アセトン/0.1M乳
酸(重量比4/4/2)、検出法:ジフェニルアミン−
アニリン−燐酸の分析条件で、薄層クロマトグラフィー
にかけ、各標準糖と比較し、構成糖を同定した。結果は
下記表2の通りであった。
【表6】 表2
【0015】この結果、精製試料ではRf値0.50と
0.37の2つのスポットが検出され、このスポットは
夫々標準糖のグルコースとガラクトースと一致し、本発
明の多糖類は、構成糖としてグルコースとガラクトース
とを構成成分としていることが明らかとなった。 (ロ)ガスクロマトグラフィーによる分析 薄層クロマトグラフィーによる分析結果より、本発明の
多糖類はグルコースとガラクトースで構成されているこ
とが明らかとなったが、この結果をガスクロマトグラフ
ィーにより確認し、又、定量した。前記の(イ)の如く
加水分解した試料を0.1ml試験管にとり、1昼夜減
圧乾固させ、トリメチルシリル化剤200μlを加え
て、60℃で10分間反応させ、ピリジンで所定濃度に
希釈した。このトリメチルシリル(TMS)誘導体化し
たものをガスクロマトにかけて分析した。その結果を図
8に示す。図8から分かる様に精製試料の加水分解物の
トリメチルシリル誘導体はグルコース及びガラクトース
のシリル化誘導体と一致し、本発明の多糖類がグルコー
スとガラクトースとで構成されていることが確認され
た。構成糖のモル比は、ガスクロマトグラフィーにおけ
る各ピークの面積比より求めた。各構成糖のモル比を出
すに当たり、先ず各規定濃度の各標準サンプルをガスク
ロにかけ、各ピークの面積を求めた。次に精製試料の加
水分解物TMS誘導体をガスクロにかけ、各構成糖のピ
ークを得た。この様にして得られた面積を基にして各構
成糖のモル比を、[構成糖のピーク面積/各標準物質の
ピーク面積×各標準糖のモル数]の式から算出した。
【0016】(2)有機酸の定性・定量分析 分析方法としては、前記の実施例で得られた試料を、先
ず薄層クロマトにかけて分析し、構成成分としての有機
酸を同定した。次にガスクロにかけ、TCLの結果を確
認し且つ定量した。 (イ)薄層クロマトグラフィー分析 試料100mgをネジ付試験管にとり、これに2Nの硫
酸20mlを入れ、窒素ガスで封管し、100℃で2時
間加水分解した後、水酸化バリウムで中和し、遠心分離
で沈殿物を除去した後、減圧濃縮し0.45mmのメン
ブレンフイルターで濾過して試料(濾液)を作成した。
この試料を0.1Nの塩酸でpH2に調整し、エーテル
で抽出し、減圧濃縮し、濃縮物の一部をTCL分析
(A)し、一方、他の濃縮物に2,4−ジニトロフェニ
ルヒドラジン試薬を加え、1時間放置し、遠心分離で沈
殿物を回収し、回収物をエタノールに溶解し、これにつ
いてTCL分析(B)を行って有機酸を同定した。TC
L分析(A)は、プレート:HPTLC(セルロース
254S)、展開相:ブタノール/ギ酸/水(重量比4/
1.5/1)、検出法:キシロール−アニリン試薬の条
件で行った。その結果精製試料では、Rf値0.82と
0.38の2個のスポットが検出され、このうちRf値
0.82のスポットは標準物質であるコハク酸と一致し
たが、Rf0.38のスポットはこの条件では薄く広が
ってしまい同定出来なかった。この未知の有機酸を同定
する為に分析(B)を行った。分析(B)は、プレー
ト:HPTHC(シリカゲル F254)、展開相:アミ
ルアルコール/0.25Nアンモニア(重量比20:
1)の条件で行った。その結果、精製試料のRf値は、
標準物質のピルビン酸のRf値0.12と完全に一致し
た。以上の結果から精製試料には、構成成分としてコハ
ク酸とピルビン酸の2種類の有機酸を含んでいることが
明らかになった。
【0017】(ロ)ガスクロマトグラフィー分析 TCLの分析結果をガスクロマトグラフィー分析により
確認し、又、有機酸を定量した。試料20mgをネジ付
試験管に入れ、これに2Mトリフルオロ酢酸2mlを加
え、窒素ガスで封管し、100℃で4時間加水分解し
た。この加水分解液0.5mlを減圧乾固し、この乾燥
物をメタノールに溶解し、トリメチルシリルジアゾメタ
ンを加え30分間放置し、ヘキサンで所定濃度に希釈
し、ガスクロに注入して分析した。分析結果を図9に示
す。この結果、使用した精製試料の成分として、コハク
酸とピルビン酸の2種の有機酸を構成成分として含んで
いることが確認された。有機酸の構成モル比は、ガスク
ロマトグラフィーにおける各ピークの面積比より求め
た。各構成有機酸のモル比を出すに当たり、先ず各規定
濃度の各標準サンプルのメチル化誘導体をガスクロにか
け、各ピークの面積を求めた。次に精製試料の加水分解
物のメチル化誘導体をガスクロにかけ各有機酸のピーク
を得た。この様にして得られた面積を基にして各構成有
機酸のモル比を、[各構成有機酸のピーク面積/各標準
物質のピーク面積×各標準のモル数]の式から算出し
た。以上の方法により各構成糖及び各構成有機酸を数回
にわたり定量し、モル比を算出した結果、構成組成とし
てグルコース:ガラクトース:コハク酸:ピルビン酸=
4〜7:1:0.2〜1:1.5〜3.5であった。こ
の平均値をとると5.5:1:0.6:2.5である。
【0018】本発明の凝集剤は、以上の如き多糖類又は
該多糖類を含む微生物の培養物又は培養処理物を主成分
とするものであって、培養液そのもの、その濃縮物、濾
液、その濾過残渣、それらの乾燥物等いずれの形態でも
よい。又、上記凝集剤には、カルシウムイオン等のカチ
オン性無機塩を1種以上含有させたり、或いは使用時に
含有させることによって、それらの凝集能を更に向上さ
せることが出来る。この凝集剤の凝集効果を更に促進す
るために併用される無機塩としては水中でカチオンを生
成し得るものが望ましく、好ましくは2価以上の多価カ
チオンを生成し得るものがよく、塩化カルシウム、硫酸
アルミニウム、硫酸マグネシウム、硫酸第一鉄を効果的
に用いることが出来る。しかし、これら併用される無機
塩の添加量は凝集させるべき対象の種類によって決めら
れるのが望ましく一般に特に制約されるものではない。
本発明の凝集剤の対象となるものは特に制約されるもの
ではない。代表的なものを例示すると、粘土の一種であ
るカオリン(白とう土)懸濁液が例示されるが、一般に
は各種の凝集対象に対し好適に実施される。図5に、
5,000mg/リットルのカオリン懸濁液を供試液と
した実験例の結果を示す。本発明の凝集剤は凝集剤添加
量0.2〜10mg/リットルの範囲で優れた凝集活性
を示す。
【0019】本発明の排水凝集処理方法の特徴は、上記
本発明の多糖類を使用にする点であり、適用される排水
は懸濁物を含むいずれの排水でもよいが、特に活性汚泥
を使用する排水凝集処理方法において、活性汚泥と処理
水との分離領域においてバルキングの主たる原因となる
糸状菌の発生及びその増殖が抑えられる。従って本発明
は処理水中において糸状菌が発生し易い排水の処理に特
に有効である。微生物を使用する活性汚泥方式による排
水凝集処理方法自体は周知であり、本発明はこれらの周
知のいずれの排水凝集処理方法においても応用出来るも
のであり、特に限定されない。人工的にバルキングを発
生させた活性汚泥に本発明による凝集剤を添加し、その
バルキング抑制効果を検討した結果を図7に示す。図7
に示す様に本発明の凝集剤を0.05重量%以上添加す
るとバルキング抑制効果を示し、好ましくは0.1重量
%以上添加するとその効果は一層優れる。本発明の好ま
しい実施態様では、活性汚泥と処理水とを分離すべき分
離領域におけるpHを7〜9、特に好ましくは8.0〜
8.5の範囲とすることによって一層優れた力値が得ら
れる。
【0020】一般に高分子物質は増粘作用をもつが、本
発明の多糖類も優れた増粘効果を有する。本発明により
分離された前記多糖類の粉末(サンプル名、AP・R−
3)の濃度による粘度の特性を測定した。本サンプルの
対照としてザンサンガム(SIGMA社製)を使用し
た。サンプルを1%(wt/wt)になるように純水に
溶解した後、0.1〜1%に範囲で純水で希釈した。夫
々の濃度に調整したサンプルについてB型回転粘度計
(25℃、少量用SS−3−ロータ、60rpm)にて
粘度を測定した。結果は図6に示す。本サンプルはザン
サンガムに比べ、明らかに高い粘度特性を持つことが認
められた。
【0021】
【効果】本発明により微生物が産生する新規な多糖類及
びそれを用いた凝集剤を提供することが出来た。そし
て、この凝集剤は、安全性、生分解性が優れたものであ
って、二次公害を生じないものである。又、この凝集剤
は無機塩を添加することにより、更に優れた凝集効果が
得られる。又、活性汚泥を用いる排水凝集処理方法にお
いて、本発明の多糖類を凝集剤として使用することによ
って、バルキング現象の主たる原因である糸状菌の発生
が抑制され、活性汚泥と処理水との分離が効率的とな
る。更に本発明の多糖類は優れた増粘特性を有するもの
であった。
【0022】
【図面の簡単な説明】
【図1】培養液の経時変化を表す図。
【図2】紫外吸収スペクトル
【図3】赤外吸収スペクトル
【図4】電気泳動を示す図。
【図5】本発明の多糖類の凝集活性を説明する図
【図6】本発明の多糖類の濃度による粘度変化を説明す
る図
【図7】本発明の多糖類のバルキング抑制効果を説明す
る図
【図8】ガスクロマトグラフィーによる構成糖の分析結
【図9】ガスクロマトグラフィーによる構成有機酸の分
析結果
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 19/04 C 7432−4B //(C12P 19/04 C12R 1:38) (C12P 19/04 C12R 1:01) (72)発明者 八町 尚史 東京都千代田区鍛冶町1−5−7 環境エ ンジニアリング株式会社内 (72)発明者 松山 秀明 東京都千代田区鍛冶町1−5−7 環境エ ンジニアリング株式会社内 審査官 谷口 博

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の理化学的性質を有する多糖類。 (1)元素分析比(重量%): C:40±2 H:6±1 N:<0.2 P:<0.5 S:<0.1 (2)物質の色:白色 (3)水溶液pH:7.0〜7.5で中性(C=0.2
    重量%溶液) (4)紫外線吸収スペクトル: 波長240nmから吸光度が急激に上昇し、波長195
    nm付近でピークとなる。 (5)赤外線吸収スペクトル −OH 2700
    〜3700cm-1 −CH2 −CO−O−R(エステル結合) 173
    0、1160cm-1−COO- (イオン化カルボキシル
    基) 1600cm-1付近、1400cm-1付近(6)溶媒に
    対する溶解性 水に可溶、アルカリに易溶、メタノール、エタノール及
    びアセトンに不溶。 (7)呈色反応 ニンヒドリン反応 − フェノール硫酸法 + アンスロン硫酸法 + カルバゾール硫酸法 + エルソン−モルガン反応 − (8)構成糖及び構成糖比 グルコース:ガラクトース=4〜7:1(モル比) (9)有機酸及びその含有量 コハク酸:ピルビン酸=0.2〜1:1.5〜3.5
    (ガラクトース1モルに対して) (10)電気泳動: 酢酸セルロース膜電気泳動により物質の単一性が確認さ
    れた。 (11)分子量 2×106 以上(ゲルクロマトグラフィーによる) (12)旋光度:[α]D 24 =−17〜−15°(C=
    0.2重量%溶液) (13)炭化点:245〜265℃
  2. 【請求項2】 シュウドモナス属、アシネトバクター
    属、アグロバクテリウム属、エンテロバクター属、オー
    レオバクテリウム属及びオエルスコビア属からなる群か
    ら選ばれる少なくとも1属に属する菌から得られた請求
    項1に記載の多糖類。
  3. 【請求項3】 KYM1株(FERM P−1133
    3)、KYM2株(FERM P−11334)、KY
    M3株(FERM P−11335)、KYM4株(F
    ERM P−11336)、KYM5株(FERM P
    −11337)、KYM6株(FERM P−1135
    7)及びKYM7株(FERM P−11358)から
    なる群から選ばれる少なくとも1株に属する菌から得ら
    れた請求項1に記載の多糖類。
  4. 【請求項4】 請求項2〜3に記載の微生物を培地に培
    養し、該培養物から多糖類を採取することを特徴とする
    請求項1に記載の多糖類の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の多糖類を有効成分とす
    凝集剤
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の多糖類を有効成分とす
    バルキング抑制剤
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の多糖類を有効成分とす
    増粘剤
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の多糖類を処理系に存在
    させ、活性汚泥と処理水との分離領域において、活性汚
    泥のバルキングを防止することを特徴とする排水凝集処
    理方法。
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