JPH07299408A - 塗布装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コート剤掻取り部材の裏面側に回り込んだコ
ート剤を確実に除去できる塗布装置を提供する。 【構成】 長尺紙１の表面にコート剤Ｃを厚さ一様に塗
布する塗布装置である。この塗布装置は、長尺紙１のコ
ーティング面に接触又は近接するコート剤掻取り部材３
のナイフ部３ａと、長尺紙１をコート剤掻取り部材３に
対して相対的に移動させる搬送ローラ２と、コート剤掻
取り部材のナイフ部３ａのうちコート剤溜まり部に面す
る側の裏面側に設けた圧電素子４とを有している。圧電
素子４の超音波振動によりナイフ部３ａの裏面側に回り
込んだコート剤Ｃを吹き飛ばしてそれが液滴となって残
るのを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ロール紙その他の被塗
布材にコート剤を塗布する塗布装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば、紙の上にコート剤を塗布して原
反を作製する塗布装置として、従来、図３に示す装置が
知られている。この装置では、長尺紙５１を搬送ローラ
５２によって搬送することにより、掻取り部材としての
コンマコータ５３に対して長尺紙５１を相対的に移動さ
せる。そして、コンマコータ５３の下端ナイフ部５３ａ
によってコート剤Ｃを掻き取ってそれを長尺紙５１の上
に一様に塗布する。ナイフ部５３ａの裏面側にはスリッ
ト吸引部材５４が設けられている。

【０００３】このスリット吸引部材５４は、図４に示す
ように、吸引口５５を備えていて、図示しない真空ポン
プによってその内部の空気が吸引口５５を通して外部へ
吸引される。この空気吸引により、ナイフ部５３ａの裏
面側に回り込んだコート剤を吸い取ることにより、コー
ト剤の落下による原反不良の発生を防止する。

【０００４】従来の塗布装置として、図５に示す装置も
知られている。この装置では、ナイフ部５３ａの裏面側
にワイパー５６を設け、そのワイパー５６を図６に示す
ように長尺紙５１に対して上下又は左右に移動させるこ
とにより、ナイフ部５３ａの裏面側に回り込んだコート
剤を掻き落とす。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の塗布装置では、ナイフ部の裏面側に回り込んだコート
剤の除去が不完全であった。本発明は、その問題点を解
消するためになされたものであって、コート剤掻取り部
材の裏面側に回り込んだコート剤を確実に除去できる塗
布装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明に係る塗布装置は、被塗布材にコート剤を塗
布する塗布装置であって、被塗布材のコーティング面に
接触又は近接するコート剤掻取り部材と、コート剤掻取
り部材を被塗布材に対して相対的に移動させる搬送手段
と、コート剤掻取り部材のうちコート剤溜まり部に面す
る側の裏面側に設けられた振動要素とを有することを特
徴としている。

【０００７】被塗布材の材質や形状は特定のものに限定
されず、ロール状の長尺物や、シート状の物等といった
各種の材料を適用できる。コート剤の材質も特定のもの
に限定されない。コート剤掻取り部材の形状も特定のも
のに限定されないが、例えばナイフ部を備えたコンマコ
ータや、板形状のワイパー等が考えられる。

【０００８】コート剤掻取り部材を被塗布材に対して相
対的に移動させる搬送手段は、コート剤掻取り部材の側
を移動させるもの、あるいは被塗布部材の側を移動させ
るもののどちらであっても良い。また、その構造も種々
考えられるが、被塗布材として長尺物を適用する場合に
は、その長尺物を掛け渡した状態で回転する搬送ローラ
を搬送手段として用いることができる。

【０００９】振動要素としては高周波振動又は超音波振
動する任意の要素を用いることができ、例えば圧電素子
を用いることができる。

【００１０】

【作用】搬送手段の働きによってコート剤掻取り部材と
被塗布材とを相対的に移動させる。そして、コート剤掻
取り部材の上流位置にコート剤溜まりを形成する。コー
ト剤溜まりを形成するコート剤は、掻取り部材と被塗布
材との間を通って被塗布材の上へ一様に供給される。こ
うして、掻取り部材の下流側に搬出された被塗布材の上
にコート剤が一様に塗布される。振動要素は、コート剤
掻取り部材のうちの被塗布材に近い部分を振動、望まし
くは超音波振動させ、この振動により、その掻取り部材
の裏面側に回り込んだコート剤を吹き飛ばして除去し、
そのコート剤が塗布処理終了後の被塗布材の上へ落下す
ることを防止する。

【００１１】

【実施例】図１は、本発明に係る塗布装置の一実施例を
示している。この塗布装置は、被塗布材としての長尺紙
１を掛け渡した状態で回転する搬送ローラ２と、搬送ロ
ーラ２に対向して配置されたコート剤掻取り手段として
のコンマコータ３とを有している。コンマコータ３の下
端にはナイフ部３ａが設けられ、そのナイフ部３ａの先
端は長尺紙１の表面に接触又は近接する。

【００１２】長尺紙１は搬送ローラ２によって駆動され
てコンマコータ３に対して相対的に移動するが、その移
動方向に関してコンマコータ３の上流側にコート剤Ｃの
溜まり部が形成される。ナイフ部３ａの裏面側には振動
素子としての圧電素子４が固着され。その圧電素子４に
高周波電源５が電気的に接続されている。

【００１３】本実施例の塗布装置は以上のように構成さ
れているので、搬送ローラ２によって駆動されて移動す
る長尺物１がコンマコータ３のナイフ部３ａの下を通る
とき、コート剤Ｃの溜まり部から一定量のコート剤Ｃが
長尺物１の上へ送り出され、長尺物１の上に一様な厚さ
で塗布される。この塗布作業が行われる間、圧電素子４
へ高周波電圧が印加されて圧電素子が超音波振動して表
面弾性波が起こり、これにより、ナイフ部３ａの裏面側
（図の右側面側）に回り込んだコート剤がそのナイフ部
３ａから強制的に吹き飛ばされて除去され、そのため、
コート剤Ｃが液滴となってナイフ部３ａに残ることが防
止される。その結果、コンマコータ３の下流側へ搬送さ
れた長尺紙１の上にコート剤Ｃが落下することがなくな
って、不良品の発生が防止される。

【００１４】圧電素子４の周波数を高くすると弾性波は
弱くなり、周波数を低くすると弾性波は強くなる。実際
の稼働時には、長尺紙１の表面に悪影響を及ぼさないよ
うな周波数を選ぶことになるが、望ましくは２０ｋＨｚ
〜１００ｋＨｚ程度の周波数に設定する。

【００１５】図２は、本発明に係る塗布装置の他の実施
例を示している。この実施例が図１に示した実施例と異
なる点は、コート剤掻取り部材としてコンマコータ３に
代えて板状の掻取り部材６を用いたことである。この実
施例では、搬送ローラ２によって搬送される長尺紙１が
掻取り部材６と当て部材７との間を通過する間に、その
長尺紙１の上にコート剤Ｃが一様に塗布される。

【００１６】掻取り部材６の裏面側に圧電素子４を固着
し、その圧電素子４の働きによって掻取り部材６を超音
波振動させてコート剤Ｃを掻取り部材６から除去するこ
とは、図１の実施例の場合と同じである。

【００１７】以上、好ましい実施例をあげて本発明を説
明したが、本発明はその実施例に限られることなく、請
求の範囲に記載した技術的範囲内で種々に改変できる。

【００１８】

【発明の効果】請求項１記載の塗布装置によれば、コー
ト剤掻取り部材の裏面側へコート剤が回り込んだとして
も、超音波を発生することにより、コート剤を吹き飛ば
してコート剤の液滴が形成されることを防止する。これ
により、コート剤が処理後の被塗布材の上に落下するこ
とを防止する。

【００１９】請求項２記載の塗布装置によれば、コート
剤掻取り部材の構造を複雑化することなく超音波振動を
発生できる。

【００２０】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る塗布装置の一実施例を示す正面図
である。

【図２】本発明に係る塗布装置の他の一実施例を示す正
面図である。

【図３】従来の塗布装置の一例を示す正面図である。

【図４】図３に示す塗布装置の要部を示す図である。

【図５】従来の塗布装置の他の一例を示す正面図であ
る。

【図６】図５に示す塗布装置の要部を示す図である。

【符号の説明】

１ 長尺紙（被塗布材） ２ 搬送ローラ（搬送手段） ３ コンマコータ（コート剤掻取り部材） ４ 圧電素子（振動要素） ６ 板状掻取り部材 ７ 当て部材

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 被塗布材にコート剤を塗布する塗布装置
   において、被塗布材のコーティング面に接触又は近接す
   るコート剤掻取り部材と、コート剤掻取り部材を被塗布
   材に対して相対的に移動させる搬送手段と、コート剤掻
   取り部材のうちコート剤溜まり部に面する側の裏面側に
   設けられた振動要素とを有することを特徴とする塗布装
   置。
2. 【請求項２】 請求項１記載の塗布装置において、振動
   要素は圧電素子であることを特徴とする塗布装置。