JPH07298894A - 枯草菌菌株による蛋白分泌の方法 - Google Patents

枯草菌菌株による蛋白分泌の方法

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JPH07298894A
JPH07298894A JP30163592A JP30163592A JPH07298894A JP H07298894 A JPH07298894 A JP H07298894A JP 30163592 A JP30163592 A JP 30163592A JP 30163592 A JP30163592 A JP 30163592A JP H07298894 A JPH07298894 A JP H07298894A
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Akira Nakayama
章 中山
Koichi Kawamura
晃一 川村
Hiroaki Shimada
浩章 島田
Izumi Mita
泉 三田
Akiko Akaoka
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 所望の蛋白を効率よく分泌生産させることが
出来る枯草菌の宿主−プラスミド系を用いて異種蛋白を
分泌生産させる。 【構成】 枯草菌の菌体外の中性プロテアーゼまたは/
および菌体外アルカリ性プロテアーゼの活性を低下させ
た株の染色体に、バチルス・アミロリキファシエンス由
来の菌体外プロテアーゼ産生促進遺伝子を導入すること
により、残存する菌体外プロテアーゼ活性をさらに低下
させた枯草菌菌株MT−430株へ、バチルス・アミロ
リキファシエンス由来の菌体外プロテアーゼ遺伝子また
はそれに由来するDNA塩基配列に所望の蛋白をコード
する遺伝子を結合して構築した発現・分泌用組換えDN
ApPGH427を導入して所望の蛋白を分泌生産させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は所望の蛋白を高効率で分
泌生産させることが出来る枯草菌菌株を用いて蛋白を高
効率で分泌生産させる技術に関する。
【0002】本発明は更に特に菌体外中性プロテアーゼ
または/および菌体外アルカリ性プロテアーゼの活性を
低下させた枯草菌にバチルス属由来のプロテアーゼ産生
促進遺伝子を導入して得られる蛋白分解活性が親株と比
しさらに低下した宿主菌株と、プロテアーゼ遺伝子また
はそれに由来するDNA塩基配列に所望の蛋白の遺伝子
を結合して構築した組換えDNAを組み合わせることに
より所望の蛋白を高効率で分泌生産させる方法に関する
ものである.
【0003】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】近年組み
換えDNA技術により微生物を宿主として異種遺伝子を
発現させ、所望の異種遺伝子産物を生産することが可能
となった。宿主菌として通常、大腸菌、枯草菌等の細菌
あるいは酵母などが一般的に用いられている。近来、物
質生産の観点から異種蛋白を培養液上清中に分泌生産さ
せる試みが広く検討されているが、この場合の宿主微生
物としては元来プロテアーゼ、アミラーゼ等を菌体外に
多量に分泌生産する性質を有するバチルス属細菌が好ま
しいと考えられている。特にバチルス属細菌のなかでも
枯草菌は、遺伝学的・生化学的・分子生物学的・応用微
生物学的知見が多く得られておりかつ安全性も高いため
注目を集め、これにより異種蛋白の菌体外分泌のための
宿主−組換えDNA系をつくる努力がなされている。し
かしながら枯草菌を宿主として異種蛋白を分泌する試み
は、異種蛋白が特に高等真核生物由来のものである場合
その分泌量は極めて少ないため未だ産業的実施の見地か
らは充分なものとなっていない。この原因は、枯草菌宿
主中で真核生物由来の異種蛋白をコードする遺伝子から
のメッセンジャーRNA合成量は充分多いにも拘らず、
メッセンジャーRNAを翻訳することで出来る蛋白の分
泌量が少ないことから真核生物由来の異種蛋白は細胞内
あるいは分泌時に宿主枯草菌により分解されることによ
るとされている(参考文献1)。従来の知見からは、枯
草菌宿主菌株としては異種蛋白の分解防止のために菌体
外プロテアーゼ活性を低下させた株が望ましいと考えら
れるが、そのようにしてもこれまでに報告されている実
験結果からは未だ充分な量の高等真核生物由来の異種蛋
白を分泌することが出来る枯草菌菌株は知られていな
い。例えばパルヴァらは、菌体外プロテアーゼ活性を低
下させた枯草菌宿主を造成し、α−アミラーゼの分泌シ
グナルをコードする塩基配列のうしろにヒトインターフ
ェロン−α遺伝子を結合した組換えDNAを該宿主に導
入し、その結果得られた形質転換株を用いた研究で、イ
ンターフェロンを培地1L当たり105 単位分泌してい
る。この値はインターフェロン−αが培地1L当たり1
mg程度分泌されたことを示すが、α−アミラーゼ自身
の分泌量に比べると低い値となつているのである(参考
文献2)。またカワムラおよびドイによって中性プロテ
アーゼおよびアルカリ性両菌体外プロテアーゼ活性を低
下させた枯草菌DB104株の造成が報告されている
(参考文献3)。一方本発明者らは、中性・アルカリ性
両菌体外プロテアーゼ活性を低下させた菌株を宿主とし
てヒトインターフェロン−β、ヒト成長ホルモンを枯草
菌系で分泌生産した結果では、該株を用いているにもか
かわらずそれらの分泌量は期待する程多くなくそれぞれ
培地1L当たり10mg、30−50mgであり、しか
も培養時間の経過に伴い生産された異種蛋白が急激に分
解してしまうことを認めている(参考文献4)。このよ
うに単に菌体外アルカリ性、中性プロテアーゼ活性を低
下させた枯草菌を異種蛋白分泌用宿主としただでは所望
する高等真核生物由来の異種蛋白の充分な蓄積をなし得
ないのである。
【0004】
【課題を解決するための手段】この点に鑑み本発明者ら
は検討を重ねた結果、既に本発明者らによりプロテアー
ゼ産生促進遺伝子(参考文献5)として単離された遺伝
子を、菌体外プロテアーゼ活性を低下させておいた枯草
菌に導入した場合は、蛋白分解活性の指標となるカゼイ
ン寒天培地上のハロー形成が予期に反し逆に抑制される
ことを見出し特許請求の範囲に記載の本発明を完成し
た。
【0005】実施例に示した本発明の効果を要約して述
べると、プロテアーゼ産生促進遺伝子を染色体中に有
し、菌体外中性プロテアーゼまたは/および菌体外アル
カリ性プロテアーゼの活性を低下させてある枯草菌へ、
ヒト成長ホルモン遺伝子をプロテアーゼ遺伝子のプロモ
ーター及びプレプロペプタイドコーディング領域に由来
するDNA塩基配列の下流に結合して構築した組換えD
NAを導入し、かくして得られた形質転換株を用いて、
培地1L当り200mgのヒト成長ホルモンを分泌生産
させることに成功している。そしてこの量は、親株であ
る菌体外アルカリ性・中性両プロテアーゼ活性を低下さ
せたのみの菌株を宿主とした場合の5〜10倍にも及ん
でいる。
【0006】以下本発明を詳細に説明する。バチルス属
細菌の菌体外プロテアーゼ産生促進遺伝子としては遺伝
学的な解析からその存在が知られている pap(参考文献
6)、sacQ(参考文献7)、hpr (参考文献8)等があ
る。本発明に用いるプロテアーゼの産生を促進する遺伝
子としてはこれら既知のものであっても新たに遺伝子組
換えの手法により単離されたものであっても、菌体外プ
ロテアーゼ活性を低下させた枯草菌に導入された場合に
カゼイン−寒天培地上でのハロー形成を親株であるプロ
テアーゼ欠損株に比し低く抑制するものであればよい。
実施の容易さからは遺伝子組換えの方法で単離されたも
のは即ちそのDNA塩基配列を手中に有する訳でより好
ましい。そして、その様なものの例として既に本発明者
らがバチルス・アミロリキファシエンス( B. amyloliq
uefaciens )からプロテアーゼ産生促進遺伝子として単
離するのに成功しているDNA塩基配列が特に好適に用
いられる(参考文献9)。
【0007】プロテアーゼ産生促進遺伝子を染色体DN
A中に導入して枯草菌形質転換体を造成するには該プロ
テアーゼ産生促進遺伝子のDNA塩基配列と枯草菌染色
体DNAの塩基配列の相同性を利用した通常の遺伝子的
組換えの方法を用いればよい。またそれ以外の方法でも
染色体DNA中にプロテアーゼ産生促進遺伝子を導入せ
しめることが可能であれば如何なる方法でもよい。
【0008】菌体外中性または/およびアルカル性プロ
テアーゼの活性を低下させた枯草菌はニトロソグアニジ
ン等の変異剤処理、UV照射、γ−線照射による変異処
理法あるいは遺伝子組換えの手法で得たプロテアーゼ遺
伝子を in vitro で欠失させ再度枯草菌中に導入する方
法およびそれらを組み合わせた方法で得ることが出来
る。遺伝子組換えの方法はより合目的に該プロテアーゼ
遺伝子自身に欠失を起こすことが出来る点でより好まし
い。なおこのような方法で造成した菌体外中性プロテア
ーゼまたは/および菌体外アルカリ性プロテアーゼの活
性を低下させた枯草菌菌株に上記のプロテアーゼ産生促
進遺伝子をプラスミドに含まれている状態あるいは染色
体に存在する状態で導入した場合、驚くべきことに導入
前に残存していたプロテアーゼ活性が導入により抑制さ
れることは、本発明の端緒として本発明者らにより見出
されたものである。
【0009】上記の如くに得たプロテアーゼ産生促進遺
伝子を染色体DNA中に有する枯草菌を宿主として所望
の異種蛋白を分泌生産するためにはバチルス属細菌の菌
体外プロテアーゼ遺伝子の発現・分泌を司どる領域、即
ちプロモーター、プレプロペプタイドコーティング領域
の下流に所望の異種蛋白をコードする遺伝子あるいはそ
れを含むDNA塩基配列を結合して構築した組換えDN
Aを該宿主中へ導入すればよい。ここで用いることので
きる組換えDNAとしては、本発明者らは既にヒトイン
ターフェロン−β分泌用の pPIF25 (参考文献10)等
を構築している。
【0010】バチルス・アミロリキファシエンス由来の
菌体外プロテアーゼ遺伝子としては、例としてバチルス
・アミロリキファシエンスの菌体外中性プロテアーゼ、
菌体外アルカリ性プロテアーゼ等を挙げることが出来
る。
【0011】上記の発現・分泌の為の組換えDNAを、
プロテアーゼ産生促進遺伝子が染色体DNA中に存在す
る枯草菌宿主に導入するには通常のプロトプラスト形質
転換法で実施可能である。
【0012】かくして得られた形質転換株を用い所望の
蛋白を得るにはその菌株を通常の方法で液体培養すれば
よい。
【0013】培養液からの所望の蛋白の調製は通常の方
法で培養上清から回収精製をおこなえば実施可能であ
る。特に本発明の方法を用いれば真核生物由来の異種蛋
白を枯草菌を宿主として従来達し得なかったレベルで分
泌生産出来るものであり、所望の蛋白の回収、精製はよ
り容易となるものである。
【0014】
【実施例】以下本発明を具体例で説明するが本発明はこ
の例により何ら限定されるものではない。
【0015】実施例1菌体外プロテアーゼ産生促進遺伝子を染色体DNA中に
有する枯草菌形質転換体の造成 菌体外中性プロテアーゼおよびアルカリ性プロテアーゼ
両者を欠損させた枯草菌 MT-400 株(FERM BP-1078)は、
その菌体外蛋白分解活性が野性株に比し5%以下となっ
ているものである。MT-400 株の染色体DNAへのプロ
テアーゼ産生促進遺伝子の導入は以下のように行った。
まず、バチルス・アミロリキファシエンスのプロテアー
ゼ産生促進遺伝子を含むプラスミド pNP181 (参考文献
11)を有する枯草菌 MT-0181株(FERM BP-343 )から
Gryczanらの方法に従い pNP181 を調製した。調製にあ
たっては1LのLB培地を用いて30℃で12時間培養し
た菌体を使用した。得られたプラスミドの一部は制限酵
素切断部位を調べ、このプラスミドが pNP181 であるこ
とを確認した。次に Saitoらの方法(参考文献15)に
従い MT-400 株のコンビテント細胞を調製した。得られ
たコンビテント細胞を含む培養液500μlに上述した
pNP181 を0.5μl添加し、37℃で1時間培養し
た。1時間後にその培養液500μl全量をカナマイシ
ン(5μg/ml)を含有した20mlのLB培地に添
加し、37℃で12時間培養した。その後菌体を遠心分
離で回収し、得られた菌体を20mlの Schaeffer胞子
形成培地(参考文献12)に添加して37℃で24時間
培養をつづけた。 その培養液の1.5mlをとり出し
70℃で10分間加熱後、104 倍、105 倍、106
倍に希釈し、TBAB培地(Difco 社製)に各希釈液100
μlをプレーティングした。このものを37℃で一夜培
養して得られたコロニーをTBAB培地およびカナマイシン
5μg含有TBAB培地に植継ぎ37℃で15時間培養し
た。
【0016】TBAB培地では生育し、カナマイシン含有TB
AB培地では生育しなかったコロニー200個を選びカゼ
イン培地(参考文献13)に植え37℃で60時間培養
した。60時間後にコロニーのまわりに形成されたハロ
ーの大きさを調べた結果、ひとつのコロニーを除いて全
部のコロニーのまわりに明確なハローが生じていた。ハ
ローを生じていない株( MT-430 と命名)をペンアッセ
イブロス(Difco 社製)を用いて液体培養すると、対数
増殖期の菌体は長く伸長する特徴を示した。この特徴は
pNP181 を有する枯草菌に普遍的にみられるものであ
る。 また pNP181 を有する MT-400 株は同様にハロー
を形成せず菌体の伸長をみせること、更にMT-430株(微
工研条寄第1079号、FERM BP-1079)にはプラスミドが存
在しなかったことから、MT-430株の染色体には pNP181
に含まれているプロテアーゼ産生促進遺伝子が存在する
ものと判断した。
【0017】またMT-430株の染色体DNAを用いて菌体
外プロテアーゼについては野性株である枯草菌を形質転
換すると大型のハローをカゼイン培地上に形成する形質
転換株が得られることを利用した遺伝学的解析によって
もプロテアーゼ産生促進遺伝子がMT-430株の染色体DN
Aに存在することが明らかとなった。
【0018】実施例2プロテアーゼ遺伝子にヒト成長ホルモン遺伝子を結合し
たヒト成長ホルモン分泌用組換えDNAのMT-430株への
導入 ヒト成長ホルモン分泌用組換えDNAとして B. amylol
iquefaciens の中性プロテアーゼ遺伝子のプロモータ
ー、プレペプタイドコーディング領域およびそれに続く
プロペプタイドコーディング領域の一部(21アミノ酸
をコードする63ヌクレオチドより成る)を有するDN
A塩基配列(配列表の配列番号:1)の下流に成熟ヒト
成長ホルモンをコードするDNA塩基配列を含むDNA
フラグメントを結合した phGH427(図1)を用いた。ph
GH427は既に本発明者により構築されていた B. amyloli
quefaciens 中性プロテアーゼクローン pNP150 (参考
文献14)の中性プロテアーゼ遺伝子のプレプロペプタ
イドコーディング領域中に存在する制限酵素 PvuI切断
部位からエキソヌクレアーゼ Bal31で加水分解して得
たDNAフラグメントにヒト成長ホルモン遺伝子を含む
DNAフラグメントを結合して構築したものである。pN
P150 は枯草菌 MT-0150株(微工研条寄第0150号、 FERM
BP-425) から常法に従い調製した。ヒト成長ホルモン
遺伝子の全DNA塩基配列は既に報告されているもので
あり、本実施例においては化学合成で得たヒト成長ホル
モン遺伝子を含むDNAフラグメントを使用した。phGH
427 のMT-430株への導入はプロトプラスト法に従い実施
した。得られたカナマイシン耐性形質転換株を50株選
び、その培養上清への成長ホルモンの分泌の有無を酵素
免疫測定法および免疫二重拡散法を用いて検定した結果
その全てが成長ホルモンを分泌生産していることが判明
した。尚、上記検定にはLB培地で30℃15時間振盪培
養した培養液の上清を用いた。得られた組換えDNAph
GH427を含むMT-430株(微工研条寄第1080号 FERM BP-10
80)を用いて次に成長ホルモンの菌体外分泌生産につい
て検討した。
【0019】実施例3組換えDNAphGH427 を含むMT-430株を用いたヒト成長
ホルモンの分泌生産 組換えDNAphGH427 を含むMT-430株および対照として
MT-400株にphGH427 を実施例2で述べたところと全く同
様にして導入した組換えDNAphGH427 を含むMT-400株
の両者を2倍濃度のLB培地(100ml)を用いて30
℃で17時間振盪培養した。17時間後の培養液から全
量の菌体を高速遠心分離により回収しその全部を新鮮な
2倍濃度のLB培地に懸濁し30℃で振盪培養を継続し
た。8時間後に組換えDNAphGH427 を含むMT-430株お
よび組換えDNAphGH427 を含むMT-400株の培養液濃度
(A660)はそれぞれ9.86および10.00であっ
た。また培養上清のpHはそれぞれ8.06、7.98で
あった。この培養上清を用いて酵素免疫測定法により培
地中の成長ホルモン濃度を測定した結果、MT-430株を宿
主とした場合は培地1L当り205mg、MT-400株を宿
主とした場合は培地1L当り30mgであった。免疫二
重拡散法の結果から組換えDNA phGH427を含むMT-430
株および組換えDNAphGH427 を含むMT-400株の分泌す
る成長ホルモンはヒト下垂体由来のものと区別できなか
った。また組換えDNAphGH427 を含むMT-430株を17
時間培養して得た上清100μlにトリクロル酢酸を添
加して得た沈澱を30μlのサンプルバッファーに再溶
解してSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動に供試
して培養上清中の蛋白を解析した結果、該培養上清に存
在する蛋白の20%〜30%が成長ホルモンであること
が判明した。
【0020】
【発明の効果】以上の結果からMT-430株およびプロテア
ーゼ遺伝子を用いた異種蛋白分泌用組換えDNAの組合
わせで得られる宿主−プラスミド系は、これまで達し得
なかった多量の異種蛋白の分泌生産を可能としているこ
とが示された。
【0021】(参考文献一覧) 1.Ulmanen.l.(1985) J.Bacteriol.,162 176-182 、Ya
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85. 15.Saito.H.et al,(1961),J.Gen.Appl.Microbiol,7
,243-252,
【0022】
【図面の簡単な説明】
【図1】phGH427 の構造を示す図である。
【符号の説明】
斜線部 中性プロテアーゼ遺伝子に由来する部分 Pm プロモーター prepro プレプロペプタイドコーディング領域に由来
する部分 hGH ヒト成長ホルモン遺伝子を含むDNAフラグ
メント
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:144 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA 起源 生物名: バチルス アミロリキファシエンス(Bacillus
amyloliquefaciens) 存在位置:1-114 配列の特徴 1-81 S sig peptide 82-114 S pepide 配列 1 5 10 15 Met Gly Leu Gly Lys Lys Leu Ser Ser Ala Val Ala Ala Ser Phe Met GTG GGT TTA GGT AAG AAA TTG TCT AGT GCT GTA GCC GCT TCC TTT ATG 48 20 25 30 Ser Leu Thr Ile Ser Leu Pro Gly Val Gln Ala Ala Glu Asn Pro Gln AGT TTA ACC ATC AGT CTG CCG GGT GTT CAG GCC GCT GAG AAT CCT CAG 96 35 40 45 Leu Lys Glu Asn Leu Thr Asn Phe Val Pro Lys His Ser Leu Val Gln CTT AAA GAA AAT CTG ACG AAC TTT GTA CCG AAG CAT TCT TTG GTG CAA 144
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C12P 21/02 C12R 1:125) (C12N 1/21 C12R 1:125) (C12N 15/09 C12R 1:07) C12R 1:07) (72)発明者 三田 泉 千葉県茂原市六ツ野2785番地ノ1 (72)発明者 赤岡 彰子 千葉県茂原市長清水24番地

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】枯草菌の菌体外中性プロテアーゼまたは/
    および菌体外アルカリ性プロテアーゼの活性を低下させ
    た株の染色体に、バチルス・アミロリキファシエンス由
    来の菌体外プロテアーゼ産生促進遺伝子を導入すること
    により、残存する菌体外プロテアーゼ活性をさらに低下
    させた枯草菌菌株へ、バチルス・アミロリキファシエン
    ス由来の菌体外プロテアーゼ遺伝子またはそれに由来す
    るDNA塩基配列に所望の蛋白をコードする遺伝子を結
    合して構築した発現・分泌用組換えDNAを導入して所
    望の蛋白を分泌生産させる方法。
  2. 【請求項2】バチルス・アミロリキファシエンス由来の
    菌体外プロテアーゼ遺伝子またはそれに由来するDNA
    塩基配列がバチルス・アミロリキファシエンス由来の中
    性プロテアーゼ遺伝子であることを特徴とする請求項1
    に記載の方法。
  3. 【請求項3】バチルス・アミロリキファシエンス由来の
    菌体外プロテアーゼ遺伝子またはそれに由来するDNA
    塩基配列に所望の蛋白をコードする遺伝子を結合して構
    築した発現・分泌用組換えDNAを枯草菌のプロテアー
    ゼ欠損株の染色体に、バチルス・アミロリキファシエン
    ス由来の菌体外プロテアーゼ産生促進遺伝子を導入する
    ことにより、菌体外プロテアーゼ活性を低下させた枯草
    菌菌株が組換えDNAphGH427を含むMT−43
    0株であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
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