JPH072983A - ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法 - Google Patents

ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法

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JPH072983A
JPH072983A JP14735893A JP14735893A JPH072983A JP H072983 A JPH072983 A JP H072983A JP 14735893 A JP14735893 A JP 14735893A JP 14735893 A JP14735893 A JP 14735893A JP H072983 A JPH072983 A JP H072983A
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acid
hydroxy
solvent
reaction
vessel
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JP14735893A
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Mineo Kobayashi
峰生 小林
Hiroyuki Ito
洋之 伊藤
Yoshitsugu Jinno
嘉嗣 神野
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ヒドロキシカルボン酸類を触媒の存在下、あ
るいは非存在下有機溶媒の存在下で脱水重縮合してポリ
ヒドロキシカルボン酸を製造する方法において、槽型反
応機で重縮合反応を行い、得られたポリヒドロキシカル
ボン酸の反応液を、薄膜型蒸発装置に供給し、濃縮した
ポリヒドロキシカルボン酸を再び上記の槽型反応機に戻
す一方、該薄膜型蒸発装置より留出する溶媒を乾燥剤で
処理するか、あるいは、蒸留精製した後、再び反応機内
に戻すポリヒドロキシカルボン酸の製造方法。 【効果】 生分解性ポリマーとして有用な高分子量のポ
リヒドロキシカルボン酸をヒドロキシカルボン酸からの
直接脱水重縮合において、より短時間で目標の高分子量
の目的物を得ることができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医療用材料や汎用樹脂
代替の生分解生ポリマ−として有用なポリヒドロキシカ
ルボン酸の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリヒドロキシカルボン酸は機械的性
質、物理的性質、化学的性質に優れている上に、他に害
を与える事なく自然環境下で分解され、最終的には微生
物によって水と炭酸ガスになるという生分解性の機能を
有しており、近年医療用材料や、環境保全の観点から汎
用樹脂代替等、様々な分野で注目されており、今後もそ
の需要が大きく伸びることが期待されている。
【0003】通常、ポリヒドロキシカルボン酸の製造方
法としては、ヒドロキシカルボン酸例えば、乳酸、グリ
コ−ル酸の場合は、脱水二量化し一旦環状二量体を得た
後、各種触媒の存在下、開環溶融重合する事で高分子量
のポリマ−が得られる事が知られている。この方法は、
環状二量体であるラクチド、またはグリコリドの製造に
際して多大の労力と費用を必要とするため経済的でな
い。また、ヒドロキシカルボン酸の種類によっては、環
状二量体を形成しないものもあり、この場合はこの方法
は使用できない。
【0004】一方、ヒドロキシカルボン酸及びそのオリ
ゴマ−から直接脱水法によって、ポリヒドロキシカルボ
ン酸を得る方法が幾つか開示されている(特開昭59−
096123号、特開昭61−028521号)。しか
しながら、これらの方法では得られる該ポリマ−の固有
粘度は約0.3dl/g程度が限界で十分な機械物性を
有さず、その用途、目的によっては使用できない。
【0005】また、本出願人はさきにヒドロキシカルボ
ン酸、またはそれらのオリゴマ−を、不活性ガス雰囲気
中、触媒の存在下、有機溶媒中、共沸脱水し、この際留
出する溶媒を乾燥剤で処理した後、再び系内に戻す方法
により、平均分子量が少なくとも30000以上のポリ
ヒドロキシカルボン酸を得る方法を出願した(特願平3
−336820)。しかしながら本方法に於いても、平
均分子量120,000以上のポリヒドロキシカルボン
酸を得るには還流下17〜50時間を要しており、効率
的とはいえない。
【0006】乳酸やグリコール酸等のヒドロキシカルボ
ン酸の直接重縮合反応は、二塩基酸と多価アルコールに
よるエステル化反応と同様に逐次反応であり、反応時間
と共に分子量は増大する。ただし、この反応は可逆的反
応であり、副生する水が反応系内に存在すると、加水分
解作用により重縮合体の分子量の低下をまねく。したが
って、生成する水を系外へ除去することが高分子量のポ
リ乳酸やポリグリコール酸等を得るために必要となる。
反応混合物から水を除去する手段としては、溶媒を留出
させて、水を同伴または共沸させる方法が採られ、溶媒
の留出量を可能な限り多くすることにより生成した水を
より多く且つより速やかに系外へ除去することができ
る。
【0007】ところで、重縮合反応は、これまで、撹拌
翼を備えた槽型反応機を用いて行っていた。溶媒を留出
させるためには、反応機内部への熱の供給が必要である
が、一般的な方法としては、反応機ジャケットまたはコ
イルによる外部加熱が挙げられる。しかし、重縮合反応
が完結に近づくにしたがって、反応混合物の粘性が極め
て高くなってくるため、熱伝導性が悪くなり、溶媒の留
出量が著しく減少し、副生水などの低沸点物を反応混合
物から効率よく除去することが困難になるという問題点
があった。
【0008】その対策としては、撹拌速度を高める機械
的方法、外部加熱の温度を高める方法、減圧下または不
活性ガスの吹き込み下に反応を行う方法等がある。しか
し、撹拌速度には限界があり、また、反応機の外部加熱
の温度を上げすぎるとポリマーおよび触媒の熱劣化をま
ねくという問題点がある。また、不活性ガスを吹き込む
場合には、不活性ガスと反応物との接触効率が低いこと
や、また、槽型反応機においては、減圧度を高めた場合
にも、スケールアップに伴う反応物の液深の増大の為
に、期待された程の溶媒留出効果が得られないという問
題点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、ポリヒ
ドロキシカルボン酸を工業的に効率よく、容易にしかも
安価に製造し得る直接脱水重縮合法に関し鋭意検討した
結果、本発明を完成するに至った。本発明者は、上記の
如き従来技術の問題点に鑑みて種々検討を重ねた結果、
槽型反応機で重合を行いながら、薄膜蒸留装置を用いて
溶媒の留出量を増加させることにより、低沸成分を効果
的に除去することができ、より短時間の反応で、より高
分子量のポリヒドロキシカルボン酸を得られることを見
いだした。
【0010】即ち、本発明は、ヒドロキシカルボン酸類
を触媒の存在下、あるいは非存在下有機溶媒の存在下で
脱水重縮合してポリヒドロキシカルボン酸を製造する方
法において、上記混合物を、撹拌翼を備えた槽型反応機
において重縮合反応を行いながら、留出する溶媒を乾燥
剤で処理するか、あるいは、蒸留精製した後、再び反応
機内に戻すいっぽうで、上記重縮合反応で得られたポリ
ヒドロキシカルボン酸の反応液を、薄膜型蒸発装置に供
給し、溶媒、水などの留出物を蒸発させ濃縮したポリヒ
ドロキシカルボン酸を再び上記の槽型反応機に戻しなが
ら、留出する溶媒を乾燥剤で処理するか、あるいは、蒸
留精製した後、再び反応機内に戻すことを特徴とするポ
リヒドロキシカルボン酸の製造方法に関するものであ
る。
【0011】本発明で使用されるヒドロキシカルボン酸
の具体例としては、以下のものが上げられる。グリコ−
ル酸、乳酸、2−ヒドロキシブタノイックアシッド、2
−ヒドロキシペンタノイックアシッド、2−ヒドロキシ
ヘキサノイックアシッド、2−ヒドロキシヘプタノイッ
クアシッド、2−ヒドロキシオクタノイックアシッド、
2−ヒドロキシ−2−メチルプロパノイックアシッド、
2−ヒドロキシ−2−メチルブタノイックアシッド、2
−ヒドロキシ−2−エチルブタノイックアシッド、2−
ヒドロキシ−2−メチルペンタノイックアシッド、2−
ヒドロキシ−2−エチルペンタノイックアシッド、2−
ヒドロキシ−2−プロピルペンタノイックアシッド、2
−ヒドロキシ−2−ブチルペンタノイックアシッド、2
−ヒドロキシ−2−メチルヘキサノイックアシッド、2
−ヒドロキシ−2−エチルヘキサノイックアシッド、2
−ヒドロキシ−2−プロピルヘキサノイックアシッド、
2−ヒドロキシ−2−ブチルヘキサノイックアシッド、
2−ヒドロキシ−2−ペンチルヘキサノイックアシッ
ド、2−ヒドロキシ−2−メチルヘプタノイックアシッ
ド、2−ヒドロキシ−2−メチルヘプタノイックアシッ
ド、2−ヒドロキシ−2−エチルヘプタノイックアシッ
ド、2−ヒドロキシ−2−プロピルヘプタニックアシッ
ド、2−ヒドロキシ−2−ブチルヘプタノイックアシッ
ド、2−ヒドロキシ−2−ペンチルヘプタノイックアシ
ッド、2−ヒドロキシ−2−ヘキシルヘプタノイックア
シッド、2−ヒドロキシ−2−メチルオクタノイックア
シッド、2−ヒドロキシ−2−エチルオクタノイックア
シッド、2−ヒドロキシ−2−プロピルオクタノイック
アシッド、2−ヒドロキシ−2−ブチルオクタノイック
アシッド、2−ヒドロキシ−2−ペンチルオクタノイッ
クアシッド、2−ヒドロキシ−2−ヘキシルオクタノイ
ックアシッド、2−ヒドロキシ−2−ヘプチルオクタノ
イックアシッド、3−ヒドロキシプロパノイックアシッ
ド、3−ヒドロキシブタノイックアシッド、3−ヒドロ
キシペンタノイックアシッド、3−ヒドロキシヘキサノ
イックアシッド、3−ヒドロキシヘプタノイックアシッ
ド、3−ヒドロキシオクタノイックアシッド、3−ヒド
ロキシ−3−メチルブタノイックアシッド、3−ヒドロ
キシ−3−メチルペンタノイックアシッド、3−ヒドロ
キシ−3−エチルペンタノイックアシッド、3−ヒドロ
キシ−3−メチルヘキサノイックアシッド、3−ヒドロ
キシ−3−エチルヘキサノイックアシッド、3−ヒドロ
キシ−3−プロピルヘキサノイックアシッド、3−ヒド
ロキシ−3−メチルヘプタノイックアシッド、3−ヒド
ロキシ−3−エチルヘプタノイックアシッド、3−ヒド
ロキシ−3−プロピルヘプタノイックアシッド、3−ヒ
ドロキシ−3−ブチルヘプタノイックアシッド、3−ヒ
ドロキシ−3−メチルオクタノイックアシッド、3−ヒ
ドロキシ−3−エチルオクタノイックアシッド、3−ヒ
ドロキシ−3−プロピルオクタノイックアシッド、3−
ヒドロキシ−3−ブチルオクタノイックアシッド、3−
ヒドロキシ−3−ペンチルオクタノイックアシッド、4
−ヒドロキシブタノイックアシッド、4−ヒドロキシペ
ンタノイックアシッド、4−ヒドロキシヘキサノイック
アシッド、4−ヒドロキシヘプタノイックアシッド、4
−ヒドロキシオクタノイックアシッド、4−ヒドロキシ
−4−メチルペンタノイックアシッド、4−ヒドロキシ
−4−メチルヘキサノイックアシッド、4−ヒドロキシ
−4−エチルヘキサノイックアシッド、4−ヒドロキシ
−4−メチルヘプタノイックアシッド、4−ヒドロキシ
−4−エチルヘプタノイックアシッド、4−ヒドロキシ
−4−プロピルヘプタノイックアシッド、4−ヒドロキ
シ−4−メチルオクタノイックアシッド、4−ヒドロキ
シ−4−エチルオクタノイックアシッド、4−ヒドロキ
シ−4−プロピルオクタノイックアシッド、4−ヒドロ
キシ−4−ブチルオクタノイックアシッド、5−ヒドロ
キシペンタノイックアシッド、5−ヒドロキシヘキサノ
イックアシッド、5−ヒドロキシヘプタノイックアシッ
ド、5−ヒドロキシオクタノイックアシッド、5−ヒド
ロキシ−5−メチルヘキサノイックアシッド、5−ヒド
ロキシ−5−メチルヘプタノイックアシッド、5−ヒド
ロキシ−5−エチルヘプタノイックアシッド、5−ヒド
ロキシ−5−メチルオクタノイックアシッド、5−ヒド
ロキシ−5−エチルオクタノイックアシッド、5−ヒド
ロキシ−5−プロピルオクタノイックアシッド、6−ヒ
ドロキシヘキサノイックアシッド、6−ヒドロキシヘプ
タノイックアシッド、6−ヒドロキシオクタノイックア
シッド、6−ヒドロキシ−6−メチルヘプタノイックア
シッド、6−ヒドロキシ−6−メチルオクタノイックア
シッド、6−ヒドロキシ−6−エチルオクタノイックア
シッド、7−ヒドロキシヘプタノイックアシッド、7−
ヒドロキシオクタノイックアシッド、7−ヒドロキシ−
7−メチルオクタノイックアシッド、8−ヒドロキシオ
クタノイックアシッド等の脂肪族ヒドロキシカルボン酸
が挙げられる。これらは単独でも或は二種以上混合して
用いてもよい。特に好ましく用いられるヒドロキシカル
ボン酸は、乳酸、グリコ−ル酸、3−ヒドロキシブチリ
ックアシッド、4−ヒドロキシブチリックアシッド、3
−ヒドロキシバレリックアシッド、またはそれらの混合
物である。
【0012】本発明方法では前述のヒドロキシカルボン
酸から誘導されるオリゴマ−を原料として用いることも
出来る。そしてそれらは一種または二種以上の混合物と
して用いてもよい。
【0013】これらヒドロキシカルボン酸及びそれらの
オリゴマ−の中には光学活性炭素を有し各々D体、L
体、D/L体の形態をとる場合があるが、本発明に於い
ては、その形態に何等制限はない。
【0014】本発明方法では、重合触媒の添加は目的と
するポリマ−の重合度(固有粘度、分子量)によって添
加したり、しなかったり任意に選択することが出来る。
低分子量のポリマ−を製造する場合(固有粘度が約0.
3未満)は、触媒を添加してもしなくても目的とするポ
リマ−を容易に得ることが出来る。一方、高分子量(固
有粘度が約0.3以上)のポリマ−を製造する場合は、
反応時間(反応速度)の関係上触媒を用いる方が好まし
い。
【0015】本発明で用いる触媒としては、元素周期律
表I、II、III、IV、V族の金属、或はそれらの
塩または水酸化物、酸化物が挙げられる。
【0016】例えば亜鉛、錫、アルミニウム、マグネシ
ウム、アンチモン、チタン、ジルコニウム等の金属。酸
化錫、酸化アンチモン、酸化鉛、酸化アルミニウム、酸
化マグネシウム、酸化チタン等の金属酸化物。塩化亜
鉛、塩化第一錫、塩化第二錫、臭化第一錫、臭化第二
錫、フッ化アンチモン、塩化亜鉛、塩化マグネシウム、
塩化アルミニウム等の金属ハロゲン化物。水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグ
ネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化
鉄、水酸化コバルト、水酸化ニッケル、水酸化銅、水酸
化セシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、
水酸化リチウム、水酸化ジルコニウム等の金属水酸化
物。硫酸錫、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウム等の硫酸塩。
炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸カルシウム等の炭酸
塩。酢酸錫、オクタン酸錫、乳酸錫、酢酸亜鉛、酢酸ア
ルミニウム、乳酸鉄等の有機カルボン酸塩。トリフルオ
ロメタンスルホン酸錫、p−トルエンスルホン酸錫等の
有機スルホン酸塩等が挙げられる。
【0017】その他、ジブチルチンオキサイド等の上記
金属の有機金属酸化物またはチタニウムイソプロポキサ
イド等の上記金属の金属アルコキサイドまたはジエチル
亜鉛等の上記金属のアルキル金属。およびダウエック
ス、アンバ−ライト等のイオン交換樹脂等が挙げられ
る。その使用量は、上記ヒドロキシカルボン酸またはそ
れらのオリゴマ−の0.0001〜10重量%が用いら
れる。
【0018】本発明の方法においては、有機溶媒中脱水
重縮合反応を行う。用いられる有機溶媒としては、芳香
族炭化水素類、エ−テル系芳香族炭化水素類が挙げられ
る。
【0019】芳香族炭化水素類としては、トルエン、キ
シレン、ナフタレン、ビフェニル、クロロベンゼン、o
−クロロベンゼン、m−クロロベンゼン、p−クロロベ
ンゼンなどが挙げられる。エ−テル系芳香族炭化水素類
としてはアルコキシベンゼン類、ジフェニルエ−テル類
が挙げれれる。
【0020】アルコキシベンゼン類としては、アニソ−
ル、エトキシベンゼン、プロポキシベンゼン、ブトキシ
ベンゼン、ペントキシベンゼン、2、4−ジメトキシベ
ンゼン、2−クロロメトキシベンゼン、2−ブロモメト
キシベンゼン、4−クロロメトキシベンゼン、4−ブロ
モメトキシベンゼン、2、4−ジクロロメトキシベンゼ
ン等が挙げれれる。
【0021】ジフェニルエ−テル類としては、ジフェニ
ルエ−テル、4、4’−ジメチルジフェニルエ−テル、
3、3’−ジメチルジフェニルエ−テル、3−メチルジ
フェニルエ−テル等のアルキル置換ジフェニルエ−テ
ル。4、4’−ジブロモジフェニルエ−テル、4、4’
−ジクロロジフェニルエ−テル、4−ブロモジフェニル
エ−テル、4−メチル−4−ブロモジフェニルエ−テル
等のハロゲン置換ジフェニルエ−テル。4−メトキシジ
フェニルエ−テル、4、4’−ジメトキシジフェニルエ
−テル、3、3’−ジメトキシジフェニルエ−テル、4
−メチル−4’−メトキシジフェニルエ−テル等のアル
コキシ置換ジフェニルエ−テル。ジベンゾフラン、キサ
ンテン等の環状ジフェニルエ−テル等が挙げられる。こ
れらは一種または二種以上の混合物で用いてもよい。
【0022】槽型反応機は、垂直回転軸と、この回転軸
に取り付けられた撹拌翼とを具備し、中粘度から高粘度
の物質に適した形式のものを使用するのが好ましい。具
体的な例としては、住友重機械工業(株)製の「マック
スブレンド」、「スーパーブレンド(同芯2軸型撹拌
槽)」、日立制作所(株)製の「ねじり格子翼」、三菱
重工業(株)製の「アドバンス リボン リアクタ(A
R)」、「バーチカルコーン リアクタ(VCR)」、
ニッセン(株)製の「ビスター」等が挙げられる。
【0023】薄膜蒸発装置としては、伝熱係数が大き
く、薄膜を形成して低沸点物を効果的に除去することが
でき、高粘度あるいは超高粘度の濃縮物質を強制的に下
方へ移送させる構造をもつものが好ましい。具体的な例
としては、神鋼パンテック(株)製の「エクセバ」、桜
制作所(株)製の「エバオレーター」、日立制作所
(株)製の「コントロ」等がある。
【0024】槽型反応機における重縮合反応および薄膜
蒸留装置における低沸点物の除去は、常圧下に行って
も、減圧下に行っても何れでも構わない。減圧下に行う
場合には、真空ポンプを接続する。重縮合反応は不活性
ガスの吹き込み下及び/または減圧下に撹拌を行う。不
活性ガスとしては、窒素、アルゴン等が例示される。
【0025】槽型反応機および薄膜蒸留装置の加熱は、
外部ジャケットに熱媒体を使用して行う。反応温度は有
機溶媒の使用の有無、有機溶媒を使用するときはその溶
媒の沸点により異なり、また、生成ポリマ−の熱安定性
によっても異なるが、好ましくは50〜250℃、より
好ましくは100〜200℃である。50℃未満では反
応速度が遅く経済的でない。また250℃を越える温度
ではポリマ−の劣化を生じたり、得られる製品の品質を
悪化させることがあるため好ましくない。
【0026】本発明方法では、重縮合中の熱劣化による
着色を抑えるために着色防止剤を添加して重縮合を行っ
ても良い。使用される着色防止剤としては、リン酸、リ
ン酸トリフェニル、ピロリン酸、亜リン酸、亜リン酸ト
リフェニル等のリン化合物が好ましい。その添加量は、
ポリマ−に対して0.01〜5重量%、より好ましくは
0.5〜2重量%である。0.01重量%未満では着色
防止効果が小さくなり、5重量%以上では、さらなる着
色防止の効果は薄く、重合度が上がらないことがある。
【0027】図中、1は垂直回転軸と、この回転軸に取
り付けられた撹拌翼および加熱ジャケットを備えた槽型
反応機であり、これに原料のヒドロキシカルボン酸、溶
媒、触媒を仕込み、撹拌しながら反応を行う。反応は、
脱水、オリゴマー化および重合の3つの行程から成る。
まず、脱水およびオリゴマー化においては留出液の殆ど
は水であるから、コンデンサー2で冷却して系外へ除去
する。次の重合においては、溶媒を留出させ、コンデン
サー2で冷却し貯槽4に回収する。また、重合反応と同
時に、反応混合物を薄膜蒸留装置3へ送液ポンプ6によ
り連続的に供給して溶媒を留出させ、コンデンサー2で
冷却し貯槽4に回収する。濃縮物は反応機1へ戻す。回
収した溶媒は含水しているので、乾燥剤を通して水を除
去した後、反応機1へ戻す。また、乾燥剤を使用する代
わりに、蒸留によって水分を除去し、反応機1へ戻して
もよい。図の反応装置は、留出した溶媒が、乾燥剤を充
填したカラム5を通り、反応機1に戻るようになってい
る。乾燥剤がカラム5に充填できないものであれば、留
出した溶媒を別の反応機で乾燥剤の存在下、還流脱水し
て一部を留出させ、重縮合反応を行っている反応機1に
戻す等の方法で行うことができる。
【0028】このようにして,槽型反応機で重縮合反応
を行う際に、薄膜蒸留装置を使用することにより反応混
合物の単位処理量当たりの蒸発表面積を大きくすると,
溶媒留出量が増加し,重縮合により生成する水を効率よ
く除去することができるので,ポリヒドロキシカルボン
酸の重縮合を短時間で行うことができる。
【0029】
【実施例】以下,実施例によりさらに詳しく説明する。
なお,ポリマーの分子量は,ゲルパーミエイションクロ
マトグラフィー(カラム温度40℃)により,ポリスチ
レン標準サンプルとの比較で行った。(以下,ポリスチ
レン換算と略す。) 実施例1 撹拌翼,ジャケット,温度計及び留出管を備え付けた5
00lグラスライニング製槽型反応機に,90%L−乳
酸(水分10%含有)112.5kg(1125 mo
l),錫粉末0.405kg(3.4mol)及びジフ
ェニルエーテル236kgを装入し,ジャケットを14
0℃に加熱し、撹拌しながら130℃/160〜130
mmHgで6時間かけて水分を留去した.その後,ジャ
ケット温度を150℃に上げ、140℃/110〜10
0mmHgで25時間かけて乳酸のオリゴマー化を行っ
た。得られたオリゴマーを引き続き,130℃/20〜
15mmHgで20時間重縮合させ,平均分子量128
000のポリ乳酸−ジフェニルエーテル溶液(約25重
量パーセント)を得た。その際、反応機の留出液はコン
デンサーで冷却して溶媒貯槽に回収し,40kgの4A
−モレキュラーシーブを充填した塔を通して乾燥した
後、反応機へ戻るようにした。この時、反応機のジャケ
ット温度は150℃に保った。重縮合反応を行ういっぽ
うで、重合液を流速160kg/hで送液ポンプにより
反応機から、伝熱面積1m2をもつステンレス製の薄膜
蒸留装置へ供給し、濃縮物は再び反応機へ戻るようにし
た。薄膜蒸留装置のジャケット温度は160℃に設定し
た。ジフェニルエ−テルを15mmHgで留出させ、留
出液は上記と同一のコンデンサーで冷却して溶媒貯槽に
回収し,上記のモレキュラーシーブ充填塔を通して乾燥
した後、反応機へ戻るようにした。反応液のラップ分析
を行い,分子量を測定した.溶媒留出量および分子量の
経時変化を表1に示す。
【0030】比較例1 重縮合反応を行う際に,薄膜蒸留装置を使用せずに反応
機ジャケットのみで加熱すること以外は,実施例と同様
の仕込み及び方法で行った.反応機ジャケットの温度は
150℃に設定した。反応液のラップ分析を行い,分子
量を測定した.溶媒留出量および分子量の経時変化を表
1に示す。50時間重縮合させ,平均分子量12600
0のポリ乳酸−ジフェニルエーテル溶液(約25重量パ
ーセント)を得た。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】本発明方法は、ヒドロキシカルボン酸ま
たはそれらのオリゴマ−から直接脱水重縮合により高分
子量の該ポリマ−を工業的に、短時間に、且安価に得る
ことを可能とする方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の好ましい方法の模式図の一例であ
る。
【符号の説明】
1.槽型反応機 2.コンデンサー 3.薄膜蒸留装置 4.溶媒貯槽 5.乾燥剤充填塔 6.送液ポンプ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒドロキシカルボン酸類を触媒の存在
    下、あるいは非存在下有機溶媒の存在下で脱水重縮合し
    てポリヒドロキシカルボン酸を製造する方法において、
    槽型反応機で重縮合反応を行い、得られたポリヒドロキ
    シカルボン酸の反応液を、薄膜型蒸発装置に供給し、濃
    縮したポリヒドロキシカルボン酸を再び上記の槽型反応
    機に戻す一方、該薄膜型蒸発装置より留出する溶媒を乾
    燥剤で処理するか、あるいは、蒸留精製した後、再び反
    応機内に戻すことを特徴とするポリヒドロキシカルボン
    酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 ヒドロキシカルボン酸が、乳酸、グリ
    コ−ル酸、3−ヒドロキシブチリックアシッド、4−ヒ
    ドロキシブチリックアシッド、3−ヒドロキシバレリッ
    クアシッド、またはそれらの混合物であることを特徴と
    する請求項1記載のポリヒドロキシカルボン酸の製造方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003105073A (ja) * 2001-09-27 2003-04-09 Asahi Kasei Corp 脂肪族ポリエステルの製造方法
US6660803B1 (en) 1999-07-09 2003-12-09 Daikin Industries, Ltd. Method of preparing (perfluoroalkyl) ethyl acrylic esters and methods of preparing copolymers using said esters
JP2016516870A (ja) * 2013-04-26 2016-06-09 ザイレコ,インコーポレイテッド ポリマーへのヒドロキシ−カルボン酸の加工処理

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