JPH0729830U - アルミニウム電解コンデンサ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 アルミニウム電解コンデンサのコンデンサ製
造段階において、外装スリ−ブの陰極表示帯を逆加工す
ることによって生じるセット実装時の逆電圧印加の危険
を防止し、より安全なアルミニウム電解コンデンサを実
現させる。 【構成】 極性を有するアルミニウム電解コンデンサの
外装スリ−ブにおいて、該スリ−ブの陰極表示帯の一部
もしくは陰極表示帯印刷に該当する裏面部分もしくは該
コンデンサのケ−ス部分に磁性処理を施した磁性テ−プ
を貼り付けることを特徴としている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はアルミニウム電解コンデンサに関するものであり、外装スリ−ブもし くは該コンデンサのケ−スに磁性テ−プを貼り付けることにより、セットの実装 時での極性逆実装防止を図ったものである。

【０００２】

【従来の技術】

近年アルミニウム電解コンデンサに対しての安全性が従来にも増して要求され つつある。これは今まで一般民生用にしか用いられなかったアルミニウム電解コ ンデンサがスイッチング電源やインバータ回路などの産業機器分野にまで用いら れ、それが一般家庭まで普及しつつあることと、セットの小型化に伴いアルミニ ウム電解コンデンサも小型化指向となり安全に関してはより厳しくなってきてい ることが背景にある。このアルミニウム電解コンデンサのような有極性の電子部 品を逆実装した場合、電極から発生するガスによりコンデンサの内部圧力が高ま り、発熱や発火に至る場合がある。

【０００３】 アルミニウム電解コンデンサにあっては従来まで外装スリ−ブに陰極表示帯を 印刷などにより設け陰極外部電極端子であることを表示しているのが一般的であ る。コンデンサの製造段階で外装スリ−ブの加工が逆になった場合、すなわち外 装スリ−ブの極性逆不良が市場に流出しこの状態でセットに実装され通電された 場合はコンデンサの逆実装となり、電極から発生するガスによりコンデンサの内 部圧力が高まり、発熱や発火に至る事例がみられ、時によってはショートして発 火し、燃焼してしまう場合すらある。

【０００４】 一方においてアルミニウム電解コンデンサの製造段階における外装スリ−ブの 極性逆不良防止の検討も行われているが、ほとんどの場合光センサにより極性を 感知し検出する方式が一般的と考えられる。 しかしながらこれらの方法ではアルミニウム電解コンデンサの種類によって外 装スリ−ブ色と印刷色の組み合わせが多種多様に存在する中にあって陰極表示帯 を感知する必要があるため光センサでは充分その機能を果たすことが難しい状況 下にある。 又、実際にコンデンサを製造する場合、ロット毎に光センサの微調整などが必 要となり工程上非常に煩雑となるばかりか、極性逆品の検出精度に関しても非常 に不十分なものになってしまうという欠点があった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

解決しようとする課題はアルミニウム電解コンデンサに逆電圧印加など過電流 が流れる因子が加わらないようコンデンサ製造段階で確実に外装スリ−ブの極性 逆加工を防止するアルミニウム電解コンデンサを実現することにある。加えて工 程導入が容易となるアルミニウム電解コンデンサである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記の課題を解決するために各種検討した結果見いだされたものであ る。本考案の骨子は、陰極外部電極端子に対し、外装スリ−ブの陰極表示帯をこ れに合わせスリ−ブ加工し、この極性確認時に陰極表示帯の一部もしくはケ−ス と外装スリ−ブ間に磁性テ−プの貼り付けを施し、これを磁気センサにより感知 し極性逆を確実に感知できるようにしたものである。 すなわち、極性を有するアルミニウム電解コンデンサの外装スリ−ブにおいて 、該スリ−ブの陰極表示帯の一部もしくは陰極表示帯印刷に該当する裏面部分、 もしくは陰極に該当するケ−ス部分に磁性処理を施した磁性テ−プを貼り付ける ことを特徴としたアルミニウム電解コンデンサの製造方法である。

【０００７】

【作用】

従来までの光センサ方式は、外装スリ−ブ色と印刷色の組み合わせにより、陰 極表示帯を光センサで感知するときそのコントラストにより、状況によっては確 実に感知しない場合もあり得る。また微妙なコントラストの調整をロット変更の 都度実施しなければならず確実とは言えないが、本考案法によればロット変更の 都度センサの設定を操作することなく磁性を感知した場合は確実に感知し検出す る。 又、従来の光センサ方式と異なり外装スリ−ブへの印刷色や印刷状態に影響を 受けることはない。更に陰極表示帯の一部に磁性テ−プの貼り付けが施されてい るだけなので音響用などの用途のコンデンサであっても差し支えない。

【０００８】

【実施例】

図１に本考案の具体的実施例を示す。図１は外装スリ−ブが施されたアルミニ ウム電解コンデンサを示しこの陰極表示帯の一部もしくはケ−スと外装スリ−ブ 間に磁性テ−プの張り付け処理を施し磁気センサで感知するものである。１は塩 化ビニ−ル等の材料で出来た外装スリ−ブであり２はその表面に所定の事項が印 刷されている。３は２に含まれる陰極表示帯である。４は３の一部に施された磁 性テ−プ部分である。５は磁性処理した部分を感知する磁気センサである。

【０００９】

【考案の効果】

本考案により製造したアルミニウム電解コンデンサのスリ−ブ逆不良の発生は １０００万個中皆無であった。又、コンデンサ製造工程での磁気センサの感知及 び検出も確実であることが確認出来、本考案の工業的、実用的価値は大なるもの である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のアルミ電解コンデンサの極性感知の説
明図である。

【符号の説明】

１ 外装スリ−ブ ２ 所定事項印刷表示 ３ 陰極表示帯 ４ 磁性テ−プ部分 ５ 磁気センサ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 極性を有するアルミニウム電解コンデン
   サの外装スリ−ブにおいて、該スリ−ブの陰極表示帯の
   一部もしくは陰極表示帯印刷に該当する裏面部分、もし
   くは陰極に該当するケ−ス部分に磁性処理を施した磁性
   テ−プを貼り付けることを特徴としたアルミニウム電解
   コンデンサ