JPH07292443A - 高強度高靭性溶融めっき鋼線、及びその製造方法 - Google Patents

高強度高靭性溶融めっき鋼線、及びその製造方法

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JPH07292443A
JPH07292443A JP4463595A JP4463595A JPH07292443A JP H07292443 A JPH07292443 A JP H07292443A JP 4463595 A JP4463595 A JP 4463595A JP 4463595 A JP4463595 A JP 4463595A JP H07292443 A JPH07292443 A JP H07292443A
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信彦 茨木
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浩一 槙井
Yasuhiro Oki
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 線材におけるSiの添加効果を最大限まで引
き出し、優れた強度と靭性を達成した溶融めっき鋼線を
提供する。 【構成】 C:0.7〜1.2%,Si:0.5〜2
%,Mn:0.2〜1%,Al:0.02〜0.05
%,N:0.002〜0.015%を夫々含有し、残部
がFe及び不可避不純物からなり、下式(1) の関係を満
足する溶融めっき鋼線である。 TS<33.4×ln([Si])−57.8×ln(D) +310.6 …(1) [Si]:Siの含有量(%) TS:引張強度(kgf/mm2 ) D :線径(mm)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、PC鋼線、亜鉛めっき
鋼撚線、ばね用鋼線、吊り橋用ケーブル等として使用さ
れる溶融めっき鋼線に関し、特にめっき時の強度低下を
抑制しつつSi含有線材の特性を最大限に発揮させて優
れた強度および靭性を有する溶融めっき鋼線及びその製
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】耐腐食性が要求されるPC鋼線や吊り橋
用ケーブル等を製造するに当たっては、高炭素鋼線材に
パテンティング処理行なった後伸線加工し、その後溶融
亜鉛めっき等が施されるのが一般的である。こうした製
造工程を経ることによって、線材の高強度化が図られる
のであるが、最終段階の400℃以上の温度に加熱され
る溶融めっき処理の際に強度が低下してしまうという問
題がある。また伸線によって強度を高めれば高める程、
めっき処理時の強度低下が大きくなる傾向があり、結果
的にめっき鋼線の高強度化は困難であるという問題があ
った。
【0003】高炭素鋼線材の強度を高める手段として
は、鋼材成分中のC含有量を増大するのが最も経済的で
且つ有効な手段であることが知られている。しかしなが
ら、C含有量の増加によって鋼材が過共析組成(C含有
量が0.9%以上)になると、パテンティング処理時に
オーステナイト粒界に沿って脆い初析セメンタイトがネ
ットワーク状に生成する傾向がある。このため、伸線加
工時に初析セメンタイトの割れを起点とする断線が発生
し、伸線加工性が劣化してしまう。特にC含有量が1.
2%以上の過共析鋼では、製造工程や成分を如何に工夫
しようとも、初析セメンタイトを析出させない様にする
ことは不可能であり、従ってC添加だけで高強度化を図
るには限界があった。またCには溶融めっき時の強度低
下を抑制するという作用はなく、添加量に応じためっき
鋼線の高強度化は図れない。
【0004】一方、鋼線に通常含有される元素であるS
iの場合は、パテンティング処理後の鋼線強度を上昇さ
せて伸線後の鋼材強度も上昇させる効果があり、また鋼
線の焼入れ性を向上させて初析セメンタイトの析出を抑
制する効果もある。しかもSiは、溶融めっき時の強度
低下を抑制する作用があり、溶融めっき鋼線の高強度化
には非常に有効な元素である。
【0005】こうした観点から、溶融めっきが施される
鋼線にSiを添加する技術が、これまでも数多く提案さ
れている。例えば特開平4−246125号(従来例
)には、Siを最大1.3%まで添加した鋼線に溶融
めっきを施し、その後矯正およびブルーイングを施すこ
とが開示されている。また特開平4−325627号
(従来例)には、伸線加工量に応じてSi添加量を限
定することが開示されている。
【0006】一方、上記の様な溶融めっき鋼線におい
て、その重要な特性の一つである捻回試験時における縦
割れ発生最高強度は、線材の線径に依存することが知ら
れており、線径が大きくなればなる程その縦割れ発生限
界強度は低下する。こうした観点から、例えば特開平3
−249129号(従来例)には、機械的に矯正を加
えて縦割れの発生を抑制する技術が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例,の技術には、鋼線強度や線径とSi量との関
係については何ら言及されておらず、従ってSiの添加
効果を最大限に発揮させる要件については解明されてお
らず、その技術的改良にはおのずと限界があった。また
従来例の技術は長大吊橋用鋼線の様にめっき後の矯正
が施せない製品に対しては適用できないという欠点があ
る。
【0008】本発明は上記の様な事情に着目してなされ
たものであって、その目的は、線材におけるSiの添加
効果を最大限にまで引き出し、優れた強度と靭性を達成
した溶融めっき鋼線を提供すること、またその製造方法
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すること
のできた本発明に係る高強度高靭性溶融めっき鋼線は、
C:0.7〜1.2%,Si:0.5〜2%,Mn:
0.2〜1%,Al:0.02〜0.05%,N:0.
002〜0.015%を夫々含有し、残部がFe及び不
可避不純物からなり、下式(1) の関係を満足することを
要旨とする(以下、これを第一発明と称す)。 TS<33.4×ln([Si])−57.8×ln(D) +310.6 …(1) [Si]:Siの含有量(%) TS:引張強度(kgf/mm2 ) D :線径(mm)
【0010】或いは本発明に係る高強度高靭性溶融めっ
き鋼線は、C:0.7〜1.2%,Si:0.5〜2
%,Mn:0.2〜1%,Al:0.05超〜0.5
%,N:0.002〜0.008%,O:0.002%
以下(0%を含む)を含有し、残部がFe及び不可避不
純物からなり、下式(2) の関係を満足することを要旨と
する(以下、これを第二発明と称す)。 TS<33.4×ln{[Si]+3 ×([Al] −0.05) }−57.8×ln
(D) +310.6 …(2) [Al]:Alの含有量(%)
【0011】また前記第一,第二発明は、TSについて上
限を定めるものであるが、必要であれば下式(3) に示す
下限条件を満足する様に構成することもできる。 TS>A −50.3×ln(D) …(3) A :定数
【0012】前記定数A は実用強度を考慮して任意に定
め得るものであるが、一般には280.9 とする。より好ま
しくは前記定数A が290.9 、更に好ましくは定数A が30
0.9、より一層好ましくは定数A が310.9 である。また
前記第二発明の高強度高靭性溶融めっき鋼線には、G
e:0.005〜0.02重量%を含有するのが好まし
い。
【0013】加えて、前記第一,二発明の高強度高靭性
溶融めっき鋼線にCu:0.05〜0.5%,Cr:
0.05〜1%,W:0.05〜1%よりなる群から選
択される1種以上を含有するのがより好ましい。更にN
i:0.05〜1%やCo:0.05〜1%を適宜含有
するのが好ましい。更にまたCa:0.001〜0.0
1重量%,REM:0.001〜0.01重量%よりな
る群から選択される1種以上を含有させるのが望まし
い。加えて、他の元素としてV:0.05〜0.5%,
Nb:0.01〜0.2%,Ti:0.01〜0.2%
よりなる群から選択される1種以上含有するのが一層好
ましい。
【0014】また本発明に係る高強度高靭性溶融めっき
鋼線の製造方法は、上記各成分を含有する高炭素鋼線を
熱間圧延し、その後パテンティング処理を行うか、また
は再オーステナイト化後にパテンティング処理を行い、
得られた線材を冷間伸線し、次いで溶融亜鉛めっきを行
うか、または溶融亜鉛合金めっきを行うことを要旨とす
る(以下、これを第三発明と称す)。この際、前記各成
分が第一発明を満足する素材を用い、製造条件を制御し
て前記式(1) を満足させる鋼線を製造するか、或いは、
前記各成分が第二発明を満足する素材を用い製造条件を
制御して前記式(2) を満足させる様に製造することが可
能であるだけでなく、予め定められた製造条件に従うこ
ととし、少なくともSi,Alの含有量を前記式(1) ま
たは(2)を満足する様に設計して行うことも可能であ
る。更にまた前記冷間伸線前の線材が微細パーライトを
主要とする組織を有するものであるのがより好ましい。
加えて冷間伸線後の線径が4〜8mmであるのがより好ま
しい。
【0015】
【作用】本発明は、強度低下に対する抑制効果を持つS
iに着目し、その効果を一層引き出して高強度高靭性の
溶融めっき鋼線を得る様にしたものである。溶融めっき
鋼線は、強度を上げ過ぎると靭性が低下してしまうこと
から、必要な強度と靭性との兼ね合いを念頭において製
造されているが、本第一発明は必要な靭性を保ちつつ、
Siの上記効果が最大限に発揮される様なSi含量を明
らかにしたものである。
【0016】以下に前記式(1) について説明する。図1
は、捻回試験時に縦割れが発生する限界の引張強度(T
S:kgf/mm2)と線径(D:mm)の関係を示すグラフであ
り、種々のSi添加量について調べたものである。尚、
捻回試験は靭性の指標となる試験であり、上述の様に、
引張強度の高い鋼線は靭性が低くなり、従って捻回試験
が不良となり、逆に捻回試験が良好な鋼線は引張強度が
低くなる。図1から明らかな様に、線径が大きくなる
程、強度が低下していることが分かる。一方でSi含有
量が増大する程、強度が上昇していることも分かる。
【0017】そして本発明者らは、線径、強度およびS
i含有量の関係について更に検討したところ、Si添加
効果が最大限に発揮される状態では、Si含有量と強度
および線径の間には前記式(1) で示される様な特定の関
係があることを明らかにした。
【0018】つまり、式(1) における不等号を等号に置
き換えた式はSi含有量に見合った最も高い引張強度が
得られる場合を示し、そのとき得られる強度よりも高い
強度の鋼線を、仮に製造条件を駆使して製造したとして
も、できあがった鋼線は靭性が低下しており有用なもの
とはならない。即ち製造方法を駆使することによって強
度をコントロールすること自体は可能であるが、靭性の
確保を平行的な課題とする限り、単に高強度化を目指せ
ば良いという訳では決してなく、従って高強度化につい
ても自ずと限界があり、前述した様に、Si含有量に見
合った適正上限強度が存在するのである。従って含有さ
れるSi量に見合った効果を発揮させるには(換言すれ
ばSi含有量に見合って許容される最大限の引張強度を
発揮させて有用な鋼線を得るには)、前記式(1) を満足
させることが必要となる。本第一発明はこの条件となる
式(1) の存在を明らかにしたところがポイントである。 TS<33.4×ln([Si])−57.8×ln(D) +310.6 …(1)
【0019】実際に鋼線を製造する場合について次に説
明する。製品としての要求強度TS以上に高強度化を図る
必要がないことから、必要程度の目標強度TSを先ず設定
し、上記式(1) を満足する限度一杯の高い強度を発揮さ
せた場合として上記式(1) の不等号を等号に置き換えて
Si量を算出する。尚この際製品として必要な線径も予
め決められている。線径が可変であれば線径も変数とし
て処理できる。
【0020】この様に式(1) から求められたSi量及び
上記各成分範囲を満足する様に成分設計を行った素材を
使って溶融めっき鋼線を製造する。もし、上記式(1) を
満たさない様な、即ち必要以上に強度を高めた鋼線を製
造した場合は、靭性が劣り、製品として不適切なものと
なる。尚、強度をコントロールする製造条件の例として
は、伸線加工における減面率を変える方法や、パテンテ
ィング条件を種々変えること等が挙げられる。
【0021】次に第二発明について説明する。上記Si
の効果を前記第一発明より一層顕著に引き出し得る添加
元素について鋭意検討したところ、Alが有効であるこ
とを見い出した。即ち、SiとAlを同時添加すること
により、Siの効果を更に引き出した高強度高靭性溶融
めっき鋼線を得ることができるということを見い出した
(第二発明)。
【0022】Alを高濃度に添加すると、Al系介在物
等の為に伸線限界が低下するということは既に知られて
いる。しかし本第二発明では、酸素の低減により酸化ア
ルミニウム等の介在物量を低減することによって、高A
l添加鋼であっても十分な伸線を可能にし、最終的に高
強度高靭性化を達成した。更にCa,REM等による介
在物形態の制御を併用すれば、より一層高Al添加鋼の
伸線性を改善する。
【0023】次に、前記式(2) について説明する。図2
は、線径(D:mm)を一定とした場合において、縦軸に引
張強さ(強度:TS:kgf/mm2)、横軸に[Si]+3 ×([Al]
−0.05) をとり、種々の条件下に製造された鋼線につい
ての捻回試験時に縦割れが発生する限界強度を夫々プロ
ットしたグラフである。△は捻回良好、●及び■は捻回
不良を示し、△及び●は素材として第二発明の成分元素
範囲内の組成のものを用いて製造した鋼線であり、その
製造条件を種々変えて行っている。■の鋼線はAl含量
が第二発明の元素成分範囲よりも少ないものである。
【0024】図2に見られる様に、下式(4) で示される
線を境に捻回の良否が分かれるということを見い出し
た。尚、図2の■はAl量が0.05%以下の場合であり、
Al量が0.05%以上の場合に式(4) の線が存在すること
が分かる。 TS=33.4×[LN{[Si]+3×([Al] −0.05) }-1.73 ×LN
(D)+9.3 ] …(4) 即ち図2のグラフから、式(4) の線より下方の鋼線は捻
回が良好であり、従って靭性が高いことが分かる。
【0025】尚、捻回試験はJIS G-3521,3522 のねじり
試験の方法で、鋼線10本について行った。捻回の良否
判定は、上記鋼線10本の内、捻回試験で1本でも縦割
れが生じた場合を捻回不良とし、縦割れが発生しなかっ
た場合を捻回良好とした。
【0026】図3は、横軸に線径、縦軸に引張強度をと
り、種々の[Si]+3×([Al] −0.05)について、鋼線の縦
割れが生じる限界強度を示すグラフである。即ち[Si]+3
×([Al] −0.05) の夫々について前記式(4) の線を描い
たものに相当する。図3から分かる様に、前記第一発明
と同様に、線径が大きくなる程、強度が低下し、[Si]+3
×([Al] −0.05) の値が増大する程、強度が上昇してい
る。
【0027】図3に示すグラフにおいても、式(4) から
得られる線より下側の鋼線は、捻回試験が良好であり、
該線より上側の鋼線は捻回試験が不良であった。上記式
(4) を変形したものが、前記式(2) であり、前記式(1)
の[Si](Si量)を[Si]+3×([Al] −0.05) に置き換え
たものに相当する。 TS<33.4×ln{[Si]+3 ×([Al] −0.05) }−57.8×ln
(D) +310.6 …(2)
【0028】本第二発明も前記第一発明と同様に、前記
元素成分範囲を満たすと共に、目標とする強度TSから、
式(2) を等式と見なしてSi量及びAl量を算出し、そ
の成分の素材を用いて式(2) を満足する様に溶融めっき
鋼線を製造すれば、AlによってSiの効果を更に大き
く発揮させた高強度高靭性の溶融めっき鋼線が得られ
る。
【0029】次にGeについて述べる。GeもAlと同
様に、Siと同時添加することにより溶融亜鉛めっき鋼
線の高強度化及び高靭性化を達成できる有効な元素であ
り、前記第二発明に更にGeを添加することによって、
より一層高強度高靭性の溶融めっき鋼線を得ることがで
きる。この様に式(1) や式(2) を満足する様な条件設定
を行うことによって、Siの効果を最大限に発揮させる
ことのできた高強度高靭性の溶融めっき鋼線が得られ
る。
【0030】強度TSは式(1) の右辺の値に近づけば近づ
くほど、Siの効果が大きく発揮され、逆に離れるほど
Siの効果があまり発揮されなくなり、従って、Siの
効果を発揮するには式(3) を満たすことが推奨される。 TS>A −50.3×ln(D) …(3) A :定数 次に、本発明で使用する高炭素鋼の成分組成を定めた理
由について説明する。
【0031】C :0.7〜1.2% Cは、鋼材の強度を上げるための有効且つ経済的な元素
であり、C量を増加させるにつれてパテンティング処理
後の強度、伸線加工時の加工硬化量および伸線後の強度
は増大する。従って、C含有量は高い方が有効であり、
本発明では最低の目標強度を確保するため0.7%以上
のCを含有させることが必要である。しかし、C量が多
くなり過ぎると、初析セメンタイトの析出が防止できな
くなって伸線加工時に断線を起こし易くなるばかりでな
く、得られる鋼線の靭延性も悪くなるので、1.2%以
下に抑えなければならない。
【0032】Si:0.5〜2% Siは、脱酸元素として有用ものであり、且つフェライ
トに固溶して顕著な固溶体強化効果を示す他、フェライ
ト中のSiは、伸線後のブルーイングや溶融亜鉛めっき
時の強度低下を低減させる効果も有しており、鋼線の高
強度化に有効な元素である。これらの効果を十分に発揮
させるには0.5%以上含有させなければならない。し
かし、過剰に添加すると、伸線後の鋼線の延性が悪くな
るので、2%を上限として定めた。
【0033】Mn:0.2〜1% MnもSiと同様に脱酸剤として有用な元素であり、ま
た鋼の焼入れ性を高めて鋼線断面内組織の均一性を高め
る作用も有しており、それらの効果は0.2%以上含有
させることによって有効に発揮される。しかし、Mn量
が多くなり過ぎると、Mn偏析を生じて該偏析部にマル
テンサイトやベイナイト等の過冷組織が生成し伸線性を
劣化させるので、1%以下に抑えなければならない。
【0034】Al:第一発明において;0.02〜0.
05% 第二発明において;0.05超〜0.5% Alは脱酸剤として作用し、またNとの複合添加によっ
てオーステナイト粒度の粗大化防止効果を発揮する上で
必要な元素である。従って本第一発明において、この効
果を有効に発揮させる為にAlの下限を0.02%とし
た。逆に過剰に含有させると、AlN量が増大して伸線
性に悪影響を及ぼす様になるので、上限を0.05%と
定めた。
【0035】また、AlはSiと同時添加することで、
溶融めっき後の強度低下を抑制し、溶融亜鉛めっき鋼線
の高強度化に有効に働く。そこで本第二発明において
は、下記の様にN量及びO量を制限することで、Alを
上記0.05%超の様に多量に添加することを可能と
し、上記効果を発揮させている。しかしAlを過剰に添
加してもその効果が飽和し、かえって連続鋳造用ノズル
の詰まりの原因となる等、製造上のトラブルが発生する
恐れがある為、上限を0.5%とした。上記製造上のト
ラブルを起こさせず生産性を良好に保つには、0.2%
を上限とするのがより好ましい。
【0036】N:第一発明において;0.002〜0.
015% 第二発明において;0.002〜0.008% Nは、鋼中でAlと窒化物を生成し、加熱時のオーステ
ナイト粒度の粗大化を防止する作用がある。本第一発明
においては、その効果を有効に発揮させる為0.002
%以上Nを含有させることとした。他方含有量が多くな
り過ぎると、Al窒化物量が増大し過ぎて伸線性に悪影
響が現れてくるだけでなく、固溶Nが伸線中の時効を促
進する恐れが生じてくるので、上限を0.015%とす
る。
【0037】本第二発明においては、Alが窒化物とな
らなず、Siとの共存によるAlの作用を有効に発揮さ
せる為、Nの上限を0.008%とした。下限について
は前記と同様に上記オーステナイト粒度粗大化防止の効
果を有効に発揮させる為、下限を0.002%とした。
【0038】O:0.002%以下(0%を含む) OはAlと反応してAl23 を形成し、介在物となっ
て伸線性を劣化させて伸線限界を低下させるから、Oは
極力少ない方が好ましく、その限界として0.002%
以下とした。
【0039】本発明の溶融めっき鋼線の素材として用い
る高炭素鋼線は、上記の各元素を基本成分とし、残部が
Feおよび不可避純物からなるものであるが、必要によ
って、Ge,Cu,Cr,Ni,Co,W,V,Nb,
Ti等の元素を含有させることも有効である。これらの
元素の成分範囲限定理由は下記の通りである。
【0040】Ge:0.005〜0.02% GeはAlの場合と同様に、Siと同時添加すること
で、溶融めっき後の強度低下を抑制し、溶融亜鉛めっき
鋼線の高強度化に有効に働く。この効果を有効に発揮さ
せるには0.005%以上含有させると良く、一方過剰
に添加してもその効果が飽和し、またGe窒化物量が増
加し過ぎるようになり、伸線性に悪影響を及ぼすから、
上限を0.02%とする。
【0041】Cu:0.05〜0.5%,Cr:0.0
5〜1%,W:0.05〜1% Cu,Cr,Wは、線材の強度を高めるのに有効な元素
である。このうちCuは、析出硬化作用によって鋼材の
高強度化を達成し、こうした効果を発揮させるために
は、0.05%以上含有させる必要がある。しかしなが
ら、過剰に添加すると効果が飽和するだけでなく、粒界
脆化を招き、熱間圧延時に鋼塊表面にひび割れが発生す
る恐れがあるので、上限を0.5%とした。
【0042】Crは、パーライトのラメラ間隔を微細化
し、線材の高強度化だけでなく、伸線加工性を高める作
用があり、それらの効果は0.05%以上で有効に発揮
される。しかし、1.0%を超えると、変態終了時間が
長くなり過ぎて設備の大型化や生産性の低下を招くの
で、1%を上限とする。
【0043】Wも上述の様に線材強度を高める作用を有
しており、その効果は0.05%以上の含有で有効に発
揮される。しかし、含有量が多くなり過ぎると、強度向
上効果が飽和するばかりでなく、延靭性が低下する恐れ
が生じるので、1%以下に抑えなければならない。
【0044】Ni:0.05〜1% Niは、線材強度の上昇には余り寄与しないが、伸線材
の靭性を高める作用があり、その効果はNiを0.05
%以上含有させることによって有効に発揮される。しか
し、Ni量が過剰になると、変態終了時間が長くなり過
ぎて設備の大型化や生産性の低下を招くので、1%を上
限とする。
【0045】Co:0.05〜1% またCoは、初析セメンタイトの析出を抑制するのに有
効であり、その効果は0.05%以上含有させることに
よって有効に発揮される。しかし、その効果は1%で飽
和するので、それ以上の添加は経済的に無駄である。
【0046】Ca:0.001〜0.01%,REM:
0.001〜0.01% CaやREMは、アルミナ介在物等といった伸線にとっ
て有害な介在物の形態を制御して無害化する効果があ
る。この効果を有効に発揮させるには夫々同じく0.0
01%以上添加するのが良く、一方0.01%より多く
添加する場合はコストアップとなるから、夫々上限を
0.01%とした。
【0047】V:0.05〜0.5%,Nb:0.01
〜0.2%,Ti:0.01〜0.2% これらの元素は、鋼中で微細な炭窒化物を形成し、析出
強化により強度向上に寄与すると共に、加熱時における
オーステナイト粒の粗大化を防止する作用があり、それ
らの効果は、それぞれ上記下限値以上含有させることに
よって有効に発揮される。しかし、それぞれ上限値を超
えて含有させると、炭窒化物量が増大し過ぎるばかりで
なく、該炭窒化物の粒子径も大きくなって靭性を悪化さ
せる。
【0048】製造方法としては次の様な工程で製造する
方法が推奨される。即ち、上記成分組成の要件(第一,
二発明)を満たす高炭素鋼線を、熱間圧延後直接パテン
ティング処理し、もしくは再オーステナイト化後パテン
ティング処理することにより、微細パーライトを主体と
する組織とした線材を、冷間伸線し、次に溶融亜鉛めっ
きまたは溶融亜鉛合金めっきを施す(第三発明)。
【0049】尚パテンティング処理を、「熱間圧延後、
もしくは再オーステナイト後」としたのは、下記の理由
からである。即ち、パテンティング処理を行なって、微
細パーライトを得るには鋼線をオーステナイト域へ加熱
した後に、ある冷媒によって所定の温度近傍で恒温的に
パーライト変態を終了させるのであるが、鋼線をオース
テナイト域へ加熱するには、下記(a) ,(b) の2通りの
方法があり、本発明ではいずれの方法をも採用し得るこ
とを示したのである。 (a) 熱間圧延終了後には鋼線はオーステナイト域の温度
に達しており、この温度を利用する。→熱間圧延後直接
パテンティング処理 (b) 通常の鋼線は室温で保管・運搬されている。従っ
て、オーステナイト域へ再度、加熱してパテンティング
を行なう。→再オーステナイト化後パテンティング処理
【0050】尚本発明の溶融めっき鋼線の線径について
は、特に限定するものではないが、線径が4〜8mmのと
きに最もその効果が発揮される。その理由は次の通りで
ある。タイヤコード等の様な細径線材では、製造時の伸
線加工度が高いため、上記の様な中心偏析に伴う初析セ
メンタイトや過冷却組織の存在が伸線加工度に大きな影
響を及ぼすことはない。これに対しPC鋼線等の様に比
較的太径(直径4〜8mm程度)の鋼線材では、製造時
の伸線加工度は細径線材を製造する場合に比べて小さい
が、伸線加工時の変形形態が線材の中心部と表面側で著
しく異なり、且つパテンティング後の線材表面側と中心
部の組織が不均一になり易いため、線材中心部で内部ク
ラックを生じる可能性が高くなる。そのため、線材中心
部の中心偏析に起因する初析セメンタイトの影響を細径
線材よりも顕著に受け易くなる傾向があり、その結果、
伸線加工中の断線頻度も高くなって生産性や歩留低下を
招き、また伸線加工後の線材の靭延性も悪くなる。
【0051】以下本発明を実施例によって更に詳細に説
明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもので
はなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更
を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいず
れも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0052】
【実施例】
<第一発明の実施例>表1に示す化学成分の高炭素鋼を
使用し、熱間圧延して直径11〜14mmの鋼線とした
後、鉛パテンティング処理を行った。このときの鉛パテ
ンティング処理条件は、再加熱950℃×5分→恒温変
態540℃×4分である。次いで、鋼線を目標線径であ
る5.0〜7.0mm(減面率:71.0〜87.2
%)にまで連続伸線した。このとき、ダイス出口で線材
を冷却し、線材温度を170℃以下に保った。その後、
直線加工し、更に440〜455℃で溶融亜鉛めっき処
理を施した。得られた亜鉛めっき鋼線の特性を表2に示
す。尚同一鋼種で強度が違うのはパテンティング処理時
の線径が異なるからである。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】表1,2より次の様に考察できる。まず供
試鋼No. 1及びNo. 6は、夫々C,Mn量が下限値に満
たないため、伸線後の強度が目標値(線径5mmのとき
の目標値:200kgf/mm2 )に達していない。No. 4
は、Cが上限値を超えているため、初析セメンタイトが
多く析出しており、伸線性が悪く伸線途中で断線を生じ
ている。No. 5は、目標線径まで伸線することができ、
強度も目標値に達しているが、Si量が上限値を超えて
いるため、靭性の尺度である破断絞りが低くなってい
る。
【0056】No. 7は、Mn量が上限を超えており、過
冷組織の存在により伸線途中で断線を起こした。No. 8
はAlが不足するため、結晶粒径が粗大化し、LP材の
延性が乏しく、伸線中に断線を起こした。No. 9はAl
量及びN量が第二発明の範囲内であるが、伸線不可とい
う結果となったのは、酸素量を0.002%以下になる
様に厳格な管理をしなかった為、酸素量が過剰となった
ことによる。また多くのAlを添加したので、線材内部
に粗大な介在物(酸化物や窒化物等)が形成され、該介
在物を起点とする内部クラックが発生し、破断絞り値が
低くなっている。
【0057】No. 12は、Cr量が上限値を超えている
ため、変態終了までに長時間を要し、鉛パテンティング
中に変態が完了せず、過冷組織の存在により伸線中に断
線を起こした。No. 19は、Nが上限値を超えているた
め伸線中の時効硬化が著しく、伸線中に断線を起こし
た。No. 2b,3b,11bは、成分組成は本発明の要
件を満足しているが、めっき鋼線の強度が前記式(1) を
満足しておらず、捻回時に縦割れが発生した。
【0058】これに対し、No. 2a,3a,10,11
a,13〜18は、本発明の規定要件を全て満足するも
のであり(但し線径は5.0mm)、いずれも伸線後の
強度、靭性共に非常に優れた値が得られている。
【0059】次に、No. 2c,3cは、線径を7.0m
mとしたときの本発明の要件を満足するものであり、い
ずれも良好な機械的性質を有している。これに対し、N
o. 2d,3dは、化学成分組成は本発明で規定する要
件を満足するが、強度が式(1)式を満足していないので
捻回時に縦割れが発生している。
【0060】<第二発明の実施例>表3に示す化学成分
の高炭素鋼を使用し、熱間圧延して直径11〜14mm
の鋼線とした後、鉛パテンティング処理を行った。この
ときの鉛パテンティング処理条件は、再加熱950℃×
5分→恒温変態540℃×4分である。次いで、鋼線を
目標線径である5mm(減面率:71.0〜87.2
%)にまで連続伸線した。このとき、ダイス出口で線材
を冷却し、線材温度を170℃以下に保った。その後、
直線加工し、更に420〜455℃で溶融亜鉛めっき処
理を施した。得られた亜鉛めっき鋼線の特性を表4に示
す。尚同一鋼種で強度が違うのはパテンティング処理時
の線径が異なり、即ち伸線開始前の線径が異なるので、
伸線における減面率に差が生じるためである。また強度
は、Si,Al以外にも化学成分中の例えばCやCr等
によっても影響を受け、また伸線前の熱処理条件によっ
ても影響を受ける。
【0061】
【表3】
【0062】
【表4】
【0063】表3,4から次の様に考察できる。供試鋼
No. 20は捻回不良となったが、これはAlの添加量が
少ない為に、結晶粒径が粗大化したからである。一方N
o. 43は目標とする線径まで伸線できず、断線を起こ
した。これはAl添加量が多すぎる為である。No. 2
2,25,26は、伸線後の強度が目標に達しておら
ず、これはそれぞれC,Si,Mnの添加量が下限値を
下まわっている為である。No. 23は、初析セメンタイ
トが多く析出し、伸線性が劣化して結果的に伸線の途中
で断線を起こした。これはCが上限値以上に添加されて
いる為である。
【0064】No. 24は、目標線径まで伸線ができ、強
度も目標値を達成しているが、靭性の尺度である破断絞
りが低下している。これはSiが上限値以上に添加され
ているからである。No. 27は過冷組織が存在し、その
為に伸線途中で断線してしまった。これはMnが上限値
以上に添加されているからである。No. 30は、変態終
了までの時間が長くかかって鉛パテンティング中に変態
が終了せず、過冷組織が存在し、その為に伸線中に断線
を起こした。これはCrが上限値以上に添加されている
からである。
【0065】No. 37は伸線中に時効硬化が顕著に現
れ、伸線中に断線したが、これはNが上限値以上の過剰
添加であったからである。No. 38は断線が多発した
が、これはN量が不足しているからである。No. 41
は、断線を起こしたが、これはOが過剰である為、アル
ミナを多く生成したからである。No. 21b,29b,
39bは捻回時に縦割れが発生した。これらの鋼線の化
学成分範囲は本第二発明の成分範囲を満足しているが、
式(2) を満足していない為である。
【0066】No. 21a,28,29a,31〜36,
39a,40,42は、本第二発明に該当する線材であ
り、伸線後の強度,靭性共に良好であり、本第二発明が
優れてることを表す。No. 21a〜21fは成分組成を
同一とし、できあがりの線径を種々変えた場合であり、
これらの結果から、式(2) より求められる理論強度以上
では捻回不良となることが分かり、従って式(2) によっ
て線径と強度,捻回特性の関係が整理できるということ
が分かる。
【0067】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、使
用する鋼材の成分組成を特定すると共に、Si含有量、
引張強度および線径が所定の関係(式(1) )を満足する
ことによって、Siの効果をより高く引き出し、希望す
る高強度高靭性めっき鋼線を得ることができる。また、
AlとSiを同時添加し、Si及びAlの含有量,引張
強度及び線径が所定の関係(式(2) )を満たす様にする
ことによって、Siの効果をより一層高く発揮させ、希
望する高強度高靭性めっき鋼線を得ることができる。こ
れらの鋼線はPC鋼線、亜鉛めっき鋼線、ばね用鋼線、
吊り橋用ケーブル等の素材として最適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一発明における、捻回試験時に縦割れが発生
する限界強度と線径の関係を示すグラフ。
【図2】第二発明における、捻回試験時に縦割れが発生
する限界の強度と[Si]+3 ×([Al] −0.05) の関係を示
すグラフ。
【図3】第二発明における、捻回試験時に縦割れが発生
する限界の強度と線径の関係を示すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 2/38 (72)発明者 隠岐 保博 兵庫県神戸市灘区灘浜東町2番地 株式会 社神戸製鋼所神戸製鉄所内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C:0.7〜1.2%(重量%の意味、
    以下同じ)、 Si:0.5〜2%、 Mn:0.2〜1%、 Al:0.02〜0.05%、 N:0.002〜0.015%を夫々含有し、 残部がFe及び不可避不純物からなり、 下式(1) の関係を満足することを特徴とする高強度高靭
    性溶融めっき鋼線。 TS<33.4×ln([Si])−57.8×ln(D) +310.6 …(1) [Si]:Siの含有量(%) TS:引張強度(kgf/mm2 ) D :線径(mm)
  2. 【請求項2】 C:0.7〜1.2%、 Si:0.5〜2%、 Mn:0.2〜1%、 Al:0.05超〜0.5%、 N:0.002〜0.008%、 O:0.002%以下(0%を含む)を夫々含有し、 残部がFe及び不可避不純物からなり、 下式(2) を満足することを特徴とする高強度高靭性溶融
    めっき鋼線。 TS<33.4×ln{[Si]+3 ×([Al] −0.05) }−57.8×ln
    (D) +310.6 …(2) [Si]:Siの含有量(%) [Al]:Alの含有量(%) TS:引張強度(kgf/mm2 ) D :線径(mm)
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の高強度高靭性
    溶融めっき鋼線であって、下式(3) を満足する高強度高
    靭性溶融めっき鋼線。 TS>A −50.3×ln(D) …(3) TS:引張強度(kgf/mm2 ) D :線径(mm) A :定数
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の高強度高靭性溶融めっ
    き鋼線であって、 更に他の元素として、Ge:0.005〜0.02重量
    %を含有する高強度高靭性溶融めっき鋼線。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の高強度
    高靭性溶融めっき鋼線であって、 更に他の元素として、 Cu:0.05〜0.5%、 Cr:0.05〜1%、 W:0.05〜1%よりなる群から選択される1種以上
    を含有する高強度高靭性溶融めっき鋼線。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の高強度
    高靭性溶融めっき鋼線であって、 更に他の元素として、Ni:0.05〜1%を含有する
    高強度高靭性溶融めっき鋼線。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の高強度
    高靭性溶融めっき鋼線であって、 更に他の元素として、Co:0.05〜1%を含有する
    高強度高靭性溶融めっき鋼線。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の高強度
    高靭性溶融めっき鋼線であって、 更に他の元素として、 Ca:0.001〜0.01%、 REM:0.001〜0.01%よりなる群から選択さ
    れる1種以上を含有する高強度高靭性溶融めっき鋼線。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載の高強度
    高靭性溶融めっき鋼線であって、 更に他の元素として、 V:0.05〜0.5%、 Nb:0.01〜0.2%、 Ti:0.01〜0.2%よりなる群から選択される1
    種以上を含有する高強度高靭性溶融めっき鋼線。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載の高強
    度高靭性溶融めっき鋼線を製造する方法であって、 上記各成分を含有する高炭素鋼線を熱間圧延し、 その後パテンティング処理を行うか、または再オーステ
    ナイト化後にパテンティング処理を行い、 得られた線材を冷間伸線し、 次いで溶融亜鉛めっきを行うか、または溶融亜鉛合金め
    っきを行うことを特徴とする高強度高靭性溶融めっき鋼
    線の製造方法。
  11. 【請求項11】 合金元素の含有量が定められた素材を
    用い、製造条件を制御して前記式(1) または(2) を満足
    させる鋼線を製造する請求項10に記載の高強度高靭性
    溶融めっき鋼線の製造方法。
  12. 【請求項12】 製造条件が定められた方法に従うもの
    とし、少なくともSi,Alの含有量を前記式(1) また
    は(2) を満足する様に設計して行う請求項10に記載の
    高強度高靭性溶融めっき鋼線の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記冷間伸線前の線材が主として微細
    パーライトからなる組織を有するものである請求項10
    〜12のいずれかに記載の高強度高靭性溶融めっき鋼線
    の製造方法。
  14. 【請求項14】 冷間伸線後の線径が4〜8mmである請
    求項10〜13のいずれかに記載の高強度高靭性溶融め
    っき鋼線の製造方法。
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