JPH0729238A - 光記録の再生方法 - Google Patents

光記録の再生方法

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JPH0729238A
JPH0729238A JP16996493A JP16996493A JPH0729238A JP H0729238 A JPH0729238 A JP H0729238A JP 16996493 A JP16996493 A JP 16996493A JP 16996493 A JP16996493 A JP 16996493A JP H0729238 A JPH0729238 A JP H0729238A
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JP16996493A
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Fumiyoshi Kirino
文良 桐野
Fumio Kugiya
文雄 釘屋
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】使用環境温度やレーザーパワー等の記録条件が
変動しても常に安定した一定の再生出力が得られる磁気
超解像技術を用いた光記録の再生方法を実現すること。
また、それを実現する超高密度光磁気記録媒体及び光磁
気記録装置を提供すること。 【構成】予め基準となる信号をディスクの一定の領域へ
記録しておき、その時の再生信号振幅やC/N等の値を記
憶させておき、ディスクをローディングした時や装置起
動時にこの基準となる信号を再生して、基準値と比較
し、再生時の温度変化による磁気特性の変化分をキャン
セル(温度補償)するように再生レーザーパワーを好ま
しい条件に制御して再生する。すなわち、使用環境温度
やレーザーパワーの変動を検出し、その結果を用いてレ
ーザーパワー或いはパルス幅等を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザー光を用いて記
録、再生、或いは消去を行なう光記録の再生方法に係
り、特に、超高密度でしかも高信頼性を有する光磁気記
録に好適な再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の高度情報化社会の進展により、高
密度でしかも大容量なファイルメモリーへのニーズが高
まっている。光記録は、これに応えるメモリーとして注
目されている。最近では、これまでのコンパクトディス
クや追記型光ディスクに加えて、書換え可能な光ディス
クとして光磁気記録が実用化されてきた。
【0003】さらに最近では、より高性能化を目指し
て、多くの研究機関で研究開発が進められており、その
一つに記録密度の更なる向上をあげることができる。こ
の高密度記録を実現するための技術として、ディスク及
び装置の両面から研究が進められており、その一つに磁
気超解像法が知られている。
【0004】磁気超解像法では、記録膜として磁気的に
結合した磁気特性の異なる2種類の磁性膜が用いられ
る。記録再生用のレーザ光(再生光)が入射する側には
再生層が、その背面にはユーザー情報が記録されている
記録層が形成されている。そして、常温では光が入射す
る側にある再生層には、ユーザー情報が記録されている
記録層の磁化状態は転写されない。これに対して再生光
を照射すると、照射された部分の磁性膜(再生層)の温
度が上昇するために、磁気特性の温度変化により記録層
の磁化状態が再生層に転写される。それにより記録層に
記録してある情報が、再生層の磁気光学効果に基づいて
再生できる。ここで、再生光が照射されていない再生層
の部分は磁気転写されていないので、情報は再生されな
い。この効果は、トラック方向とディスクの半径方向に
対するクロストークを大きく抑制できるので、分解能を
大きく増大させることができる。
【0005】なお、この技術に関連するものとしては、
例えば、エス・ピー・アイ・イー、第1499巻、オプチカ
ル・データ・ストレージ、'91、第209頁〜第215頁〔SPI
E 1499 Optical Data Strage '91 209-215〕が挙げられ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術では、使用環境温度やレーザーパワー等の記録条
件が変動すると、磁気転写が完全に機能しなかったり、
記録膜の温度が高くなり十分な磁気光学効果が得られな
い場合があったり、一定の分解能が得られないことがあ
る等の課題があった。
【0007】例えば、使用環境温度が変化した場合で
は、気温が高くなると、記録膜の温度が高くなるので、
レーザーパワーが一定と考えると、磁気転写が生じる部
分の面積が大きくなり、トラック方向、或いはディスク
の半径方向、または両方向のクロストークが増大すると
いう問題が生じる。
【0008】その結果、目的とする一定の再生信号出力
が得られない、クロストークによりエラーやノイズの原
因となる場合がある等、高信頼性を有する光磁気ディス
クが得られない場合があった。この他、記録再生用のレ
ーザーパワーが変動した場合も、課題は先の使用環境温
度が変動した場合と同じであった。超高密度光記録の実
現にとって、安定した記録再生ができること、特に、磁
気超解像技術を用いた光記録実現においては安定した再
生ができることが必要であった。
【0009】そこで、本発明の目的は、記録や再生に先
立ち、使用環境温度やレーザーパワー等の記録条件の変
動を検出することにより、常に安定した再生を可能とす
る改良された光記録の再生方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、かかる磁気超解像技術を用
いた光記録の再生方法を実現するための記録媒体及び超
高密度記録再生を実現するための光磁気記録装置を提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を実現するため
に、光の入射側に設けられた再生層と、その背面に設け
られ情報が記録されている記録層との少なくとも2層の
磁性層を有する光磁気記録媒体を用い、再生光を再生層
に照射することによる磁気特性の変化に基づいて、記録
層に記録されている記録磁区(情報)を再生層に転写し
て情報を読み出すに際し、記録層の予め定められた領域
に、標準温度条件下で基準信号を記録しておき、再生時
にこの基準信号を一定時間間隔で再生し、その時の再生
基準信号振幅を計測することにより、得られた信号振幅
と標準温度条件下で入力した基準信号振幅とを比較し
て、その差を補償(低減)するように再生光であるレー
ザーパワーを制御し、再生時における外部温度による磁
気特性の変化分を除去、低減して常時一定の安定した再
生出力が得られるようにしたものである。
【0011】すなわち、磁気超解像法による光記録の再
生方法において、再生時の外部温度条件により影響を受
けた磁気特性の変化分を、予め記録層に入力した基準信
号を再生し、その出力信号振幅を計測して当初の基準信
号の振幅と比較し、その信号出力差(入力時の基準信号
からの”ずれ”分)に基づいて、当初の基準信号の振幅
と同レベルもしくはそれに近いレベルの信号が再生され
るように再生光であるレーザーパワーを制御して再生時
に温度補償するものであり、これにより常時好ましい条
件下で再生できるようにしたものである。
【0012】更に具体的に説明すると、信号振幅のわか
っているドメインを再生して、ある一定の信号振幅が得
られるようにパワーを較正することにより、使用環境温
度変動など磁性膜の温度変化が補正できる。ここで用い
る2層の磁性膜を有する光磁気記録媒体は、先に述べた
ように磁気転写を用いた磁気超解像技術であり、この2
層の磁性膜が互いに磁気的に結合した膜を用いている。
その場合、先の制御を行なう場合に重要なのが、如何に
安定に記録した情報を再生するかであり、そのために本
発明は重要であることがわかる。
【0013】すなわち、光磁気記録は環境温度など磁性
膜の温度の変化に対して非常に敏感で、高密度記録を実
現するためには、最終的には磁性膜の温度の変化をつか
むことが重要である。これは、特に、温度変化により再
生信号出力が変動すると、マーク長記録を行なう場合に
も、また、ピットポジション記録を行なう場合にも、ノ
イズやエラーの原因となるので注意しなければならな
い。
【0014】再生時には、隣接している記録ドメインに
よる光学的な干渉を生じない範囲に転写するように再生
のためのレーザーパワーを制御することが好ましい。例
えば、再生レーザーパワーが増加すると、記録した情報
の転写が広い範囲で起こるので、隣に記録してあるドメ
インも転写により再生されてしまうので、クロストーク
が生じる。特に、超高密度記録を実現するために、ビッ
ト間隔をつめて記録するので、クロストークの低減が課
題である。そこで、磁気転写される部分の面積を制御す
ることが重要である。
【0015】ところで、光磁気記録媒体に記録された情
報を再生するのに、レーザ光として微小パルスの集合体
よりなるマルチパルスを用いる事が有効である。それ
は、磁気転写したい領域を任意に制御するためである。
すなわち、マルチパルスを用いることにより、主にパル
ス幅を制御することにより、実効的なスポット径を制御
できるので、結果として磁性膜上の温度分布を制御でき
る。特に、磁気転写が行なえる領域、任意の周方向の長
さや半径方向の長さが得られるので、限られた領域のド
メインのみを再生できる。
【0016】ここで、例えば、記録時に標準より大きい
ドメインが記録層に形成された場合、通常の手法ではト
ラック方向やトラック間のクロストークによりエラーや
ノイズを発生する。しかし、本発明の再生方式を用いる
と、このようなドメインに対しても、再生層に転写され
る面積は記録層に記録されているドメインサイズに依存
しないで一定にできるので、クロストーク等は発生しな
い。
【0017】ところで、光磁気記録媒体に予め標準とな
る情報(基準信号)を記録しておく位置としては、少な
くともディスクの最も内側のトラックと最も外側のトラ
ック及び両者の中間のトラックであり、さらに優位には
これら3点の結果を用いてこの間にあるトラックの再生
条件を決定することが好ましい。回転数一定で駆動して
いる光記録装置では、ディスク位置により記録条件が異
なり、しかもディスク位置により線形で変化するとは限
らないからである。これは、ディスクの積層構造や用い
ている材料により異なるので、代表的な位置でディスク
特性を測定して、その他の位置での記録条件はその位置
を挟む点からの外挿により決定する。しかし、熱的に最
も厳しいのは、ディスクの最内周であり、その点を考慮
すると光磁気記録媒体に予めモニタ用の情報を記録して
おく位置として、少なくとも最内周近傍のトラックに基
準信号を設ける必要がある。そして、光磁気記録媒体の
情報領域へユーザー情報を記録するのに先立って、予め
記録してある基準信号を再生して、その結果により記録
条件を決定する。
【0018】本発明が最も効果があるのは、記録マーク
のエッジの部分に情報を記録するマーク長記録方式を用
いた場合である。なお、マーク長記録方式による場合、
基準信号の短パターンの長さを1としたとき、長パター
ンの長さはその4〜5倍程度が実用的である。この他、
光磁気記録媒体に情報領域へユーザー情報を記録するの
に、円形ドメインを形成して、その信号を復調するのに
形成した記録ドメインの中心位置を検出するいわゆる"
ピットポジション記録方式"へも適用できることはいう
までもない。
【0019】光磁気記録媒体の好ましい磁性膜の厚みと
しては、再生光の波長において、少なくとも2層よりな
る磁性膜を透過する膜厚とすることが信号出力対雑音比
の観点から望ましい。これは、カー(Kerr)効果(反射
光を検出)以外にファラデー(Faraday)効果(透過光
を検出)の両効果を併用できるからである。
【0020】この場合、光入射側と反対側に光反射層を
設けても、また、光入射側と反対側にある記録層を反射
膜として併用しても良い。その場合、光入射側の層(再
生層)を光が透過する膜厚とすれば良い。このように、
磁気光学効果を増大させることが有効であることはいう
までもない。光磁気記録媒体に予め記録しておく情報
(基準信号)として、用いる変調方式において最も高い
記録密度のパターンを記録することが好ましい。この最
密パターンの場合、情報を再生するのが最も厳しい条件
だからである。
【0021】なお、光磁気記録媒体に基準信号を入力す
るタイミングとしては、光磁気記録媒体が完成した時点
で製造メーカー側が入力しておくのが実用的であるが、
ユーザー側で情報の記録再生時に予め入力してもよい。
あるいは、ユーザーデータを記録した時に、基準パター
ンを記録しておき、再生する時にそのパターンを最初に
再生して基準信号と比較する方式を用いてもよい。
【0022】この光記録の再生方法を実現するための光
磁気記録装置としては、温度補償手段として、光磁気記
録媒体に予め入力する基準信号と同一の信号を取り込み
格納するメモリー部と、この格納された信号振幅を基準
として再生時に実測した基準信号の振幅を比較し、その
ずれ量に基づいてレーザビームの照射出力を制御する手
段とを有していることが必要である。例えば、再生時の
環境温度が、基準信号の入力時の温度よりも高い温度条
件の場合には、無制御で再生すると振幅が大きくなり、
逆に低い温度条件の場合には小さくなる。そこで、再生
出力が一定の値になるよう前者の場合には、ビーム強度
を低下させ、後者の場合には逆に上昇させて照射するよ
うにレーザビームを制御する。このように基準信号を再
生し、それをモニタして適切な照射条件にレーザ光を制
御する手段を備えていることが不可欠となる。
【0023】
【作用】本発明によれば、光磁気記録媒体(ディスクと
略称)の所定の位置へ予め基準となるモニタ信号を記録
しておき、ユーザー情報の記録や再生或いは消去に先立
ってこの基準信号を再生し、得られた信号振幅が一定の
値になるようにレーザーパワーを制御することで、環境
温度変動やレーザーパワーの変動による影響をキャンセ
ルできるので、安定した記録再生が可能になるので、超
高密度記録を実現できる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面にしたがって
詳細に説明する。 〈実施例1〉 (1)光磁気記録媒体の作成 図1は、本実施例において試作したディスクの断面構造
を示す模式図である。なお、実際にはディスクの両面に
光磁気記録媒体が設けられているが、この図は説明を単
純化するためにその一方の面の断面構造を示している。
【0025】凹凸の案内溝を有するガラス、もしくはプ
ラスチックス製の直径5.25″サイズの基板1上に、ま
ず、窒化シリコン膜2を75nmの膜厚にスパッタ法により
形成した。次に、3層よりなる磁性膜3を形成した。ま
ず、再生層3-1として、GdFeCo膜を20nmの膜厚にスパッ
タ法により形成した。次に、交換結合制御層3-2とし
て、GdTbFeCo膜を12nmの膜厚に形成した。そして、最後
に、記録層3-3としてTbFeCo膜を50nmの膜厚にスパッタ
法により形成した。
【0026】ここで、情報を書き込む磁性膜3の特性
は、まず再生層3-1が、キュリー温度:Tc>300℃、保磁
力:Hc=0.1kOe(希土類元素リッチ、この例ではGd)であ
る。交換結合制御層3-2は、キュリー温度:Tc=120℃、
保磁力:Hc<0.1kOe(希土類元素リッチ、この例ではGdT
b)である。また、記録層3-3は、キュリー温度:Tc=220
℃、保磁力:Hc>10kOe(希土類元素リッチ、この例ではG
d)である。
【0027】次に、再び、窒化シリコン膜4を150nmの
膜厚にスパッタ法により形成した。記録媒体の作製に
は、途中真空を破ることなく連続的にスパッタ法にて順
次成膜し積層した。このようにして作製した光磁気記録
媒体の表面を紫外線効果型樹脂5によりコートした。そ
して、記録媒体を有する面同志が向き合うように2枚の
ディスク基板1を位置合わせし、紫外線を照射すること
により両者を紫外線効果型樹脂5で接着し、張り合わせ
た。
【0028】(2)基準信号の入力 このディスクの最内周(半径r=30mm付近)、中周付近(r=4
5mm付近)、そして、最外周(r=60mm付近)に、それぞれ最
短パターンと最長パターンの繰返しのパターンを基準情
報として記録した。その模式図を図2に示す。ここで、
基準信号を入力する変調方式としては、マーク長記録方
式である(1,7)RLL方式を用いた。記録層に基準信号を記
録したドメインの最短パターンの長さは0.75μm、最長
パターンの長さは3.2μmとし、長/短パターンの比は
4倍強とした。なお、この比は実用的には4〜5倍が好
ましいことを確認している。ここでは基準信号の記録方
式としてマーク長記録方式の例を示したが、前述のピッ
トポジション記録方式が好ましいことは云うまでもな
い。
【0029】ディスクの回転数は3000rpm、用いたレー
ザーの波長は680nm、再生のパワーは1.2mW、ゾーンCA
V方式をそれぞれ用いて記録した。その時の再生信号振
幅は、最内周位置において、最短パターンが380mVであ
り、最長パターンが950mVであった。また、ドメインサ
イズは幅が0.45μm、長さが最短パターンが0.45μm、最
長パターンが2.3μmである。また、ドメイン間隔はそれ
ぞれドメイン長と同一にした。これは、25℃における値
で、標準条件としてディスク及び記録再生装置にメモリ
ーとして記録した。
【0030】(3)光記録の再生試験結果 このディスク及び記録再生装置を50℃の環境中に放置し
た。ディスクを駆動し、先のメモリーへ記録した標準条
件(基準信号)を読みだし、その情報をもとに、ディス
クの基準となる情報が記録されている領域を再生し、そ
の時の信号振幅を測定した。
【0031】その結果、まず、標準条件(再生パワー1.
2mW)にて再生したときの基準信号の信号振幅は、最長
パターンが1030mV(標準条件では950mV)で、最短パタ
ーンが403mV(標準条件では380mV)であった。これは磁
性膜3の温度が、基準信号入力時の25℃から再生時には
50℃と高くなったために、磁気転写が行なえる領域が広
くなったためであると考えられる。
【0032】そこで、比較のためにテスト再生を行なう
ことなく(1,7)RLL変調方式における最短パターンの繰返
しを記録し、それを再生すると、キャリア対ノイズ比(C
/N)は39dBであった。これに対して、テスト再生を行な
い信号振幅の出力を標準条件と同じになるように再生パ
ワーを0.85mWに制御した。つまり、温度上昇により磁気
特性が変化し振幅が増大した分に相当する再生パワーを
0.35mW(=1.2mW−0.85mW)低減した。そして、先と同
一のパターンを記録して、それを再生すると、キャリア
対ノイズ比(C/N)は45dBであった。このように、予めテ
スト再生して、再生のレーザーパワーを好ましい値に制
御することにより、標準条件と同じ領域のドメインを磁
気転写できるので、環境温度に依存しないで安定した再
生が可能になる。
【0033】〈実施例2〉次に、別の実施例について述
べる。本実施例において用いた再生光ビームとして、マ
ルチパルスを用いた。このパルスを用いることにより、
再生時に記録層の情報を再生層へ磁気転写する場合に、
転写する領域を任意に選択できる。特に、微小領域の転
写が可能になるので、クロストークを大きく低減でき、
分解能を大きく向上できる。そこで、図1に示す積層構
造のディスクを用いて、マルチパルスによる再生を試み
た。
【0034】ディスクには予め、先の実施例1と同じ情
報を記録しておいた。すなわち、ディスクの最内周(半
径r=30mm付近)、中周付近(r=45mm付近)、そして、最外
周(r=60mm付近)にそれぞれ、最短パターンと最長パター
ンとの繰返しのパターンを基準情報として記録した。そ
の模式図は図2に示すとおりである。ここで、変調方式
として(1,7)RLL方式を用いた。この変調方式は高密度記
録を行なう上で、S/N(信号対ノイズ比)的に有利であ
る。ディスクの回転数は3000rpm、用いたレーザー光の
波長は680nm、再生のレーザーパワーは1.2mW(連続
光)、ゾーンCAV方式をそれぞれ用いて記録した。そ
の時の信号振幅は、最内周位置で、最短パターンが315m
Vであり、また、最長パターンが890mVであった。また、
ドメインサイズは幅が0.45μm、長さが最短パターンが
0.45μm、最長パターンが2.3μmである。また、ドメイ
ン間隔はそれぞれドメイン長と同一にした。
【0035】この予め記録してある信号をマルチパルス
を用いて再生した。ここで、用いたパルスの形状は、レ
ーザーパワーが1.5mW、パルス幅60nsで、パルスとパル
スの間隔は20nsである。ここで、用いるパルス形状は、
用いる記録媒体の積層構造や構成する材料或いは転写し
たい磁区の幅等により選択すれば良い。マルチパルスを
用いた再生は波長の短いレーザー光を用いるほどに有利
となる。これは、光の波長が短くなるほどパワー密度が
高くなるので、再生時における記録データの破壊を防止
する効果がある。そして、この基準情報が記録してある
部分をテスト再生し、その結果を用いて、再生信号出力
が基準値と等しくなるようにパルス幅やパルスとパルス
の間隔、或いは、再生レーザーパワーを制御すればよ
い。すなわち、平均パワーが常に一定となるように、例
えばパルス幅とパルス間隔とを一定にしてパワーを変化
させるか、もしくはパワーを一定にしてパルス幅とパル
ス間隔とを変化させればよいが、この例では前者の方法
を採用した。
【0036】そして、使用環境温度は25℃で、この温度
を標準条件として、信号振幅を記録再生装置及びディス
クの一定領域へ記録しておいた。再生試験のために、こ
の装置及びディスクを0℃の環境中へ放置した。この条
件にて予めディスクへ記録してある標準データを再生し
た。その結果、最内周位置で、最短パターンが295mV
(標準条件では315mV)であり、また、最長パターンが8
55mV(標準条件では890mV)であった。これは、磁性膜
の温度が低くなったために、磁気転写される領域が狭く
なったためであると考えられる。
【0037】そして、比較のために再生光を標準条件
(この場合、1.5mWのパルスレーザ)のままに設定し、
記録してその情報を再生してキャリア対ノイズ比(C/N)
を測定したところ、43dBであった。また、実施例1と同
様に連続光を再生光に用いた場合のC/Nは41dBであり、
温度変化に対する耐力はマルチパルスの方が向上した。
そして、先の標準条件の再生結果を用いて、信号振幅が
等しくなるようにパルス幅とパルス間隔とは固定し、レ
ーザーパワーを制御(1.5mWから2mWに出力アップ)して、
最短パターンを記録してC/Nを測定した。その結果、標
準条件にて記録したのと同じC/N(=45dB)が得られた。
【0038】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明により所期
の目的を達成することができた。すなわち、使用環境温
度やレーザーパワーの変動を検出し、その結果を用いて
レーザーパワー、或いはパルス幅等を制御することによ
り、環境温度変動やレーザーパワーの変動による影響を
キャンセルできるので、安定した記録再生が可能にな
る。また、微小記録磁区を安定にかつ分解能良く再生で
きる。さらに、超高密度光記録を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ディスクの断面構造を示す模式図。
【図2】ディスクへ記録した基準信号となる最短パター
ンと最長パターンのドメイン形状及び対応する再生信号
波形を示した模式図。
【符号の説明】
1…ディスク基板、 2…窒化シリコン膜、3…
磁性膜、 3-1…GdFeCo層、3-2…GdTbFeCo
層、 3-3…TbFeCo層、4…窒化シリコン膜 5…紫外線硬化型樹脂層。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光の入射側に設けられた再生層と、その背
    面に設けられ情報が記録されている記録層との少なくと
    も2層の磁性層を有する光磁気記録媒体に、光を照射
    し、磁気特性の変化に基づいて記録層に情報として記録
    されている記録磁区を再生層に転写して情報が読み出さ
    れる磁気超解像法を用いた光記録の再生方法において、
    前記記録層の予め定められた領域に、標準温度条件下で
    基準信号を記録すると共に、同一信号情報を記録再生装
    置に格納しておき、再生時に予めこの基準信号をモニタ
    再生し、得られた再生信号振幅を前記標準温度条件下で
    記録した基準信号振幅と比較し、その差を低減するよう
    に再生光の照射パワーを制御するようにして成る光記録
    の再生方法。
  2. 【請求項2】上記標準温度条件下で光磁気記録媒体に入
    力すると共に、記録再生装置に格納する基準信号を記録
    したドメインは、最短パターンの長さを1とすると最長
    パターンのそれは最短パターンの長さの4〜5倍とした
    請求項1記載の光記録の再生方法。
  3. 【請求項3】上記少なくとも2層の磁性層は、互いに磁
    気的に結合して構成されて成る請求項1記載の光記録の
    再生方法。
  4. 【請求項4】上記再生光をレーザー光で構成すると共
    に、隣接している記録ドメインによる光学的な干渉を生
    じない範囲に記録層の情報を再生層へ転写するように再
    生光の照射パワーを制御して成る請求項1もしくは2記
    載の光記録の再生方法。
  5. 【請求項5】上記再生光を、微小パルスの集合体よりな
    るマルチパルスレーザ光として成る請求項1もしくは2
    記載の光記録の再生方法。
  6. 【請求項6】上記基準信号を光磁気記録媒体に記録する
    に際し、ディスクの少なくとも最内周近傍のトラックに
    記録して成る請求項1記載の光記録の再生方法。
  7. 【請求項7】上記基準信号を光磁気記録媒体に記録する
    に際し、ディスクの最も内側のトラックと最も外側のト
    ラック及び両者の中間のトラックの3点であり、これら
    3点の再生結果に基づいてこれら基準信号間にあるトラ
    ックの再生条件を決定するようにして成る請求項1記載
    の光記録の再生方法。
  8. 【請求項8】上記光磁気記録媒体の情報領域へユーザー
    情報を記録するのに先立って、予め記録してある基準信
    号を再生し、その結果に基づいて記録条件を決定するよ
    うにして成る請求項1乃至7何れか記載の光記録の再生
    方法。
  9. 【請求項9】上記光磁気記録媒体の情報領域へユーザー
    情報を記録するに際し、円形ドメインを形成して、その
    信号を復調するのに形成した記録ドメインの中心位置を
    検出するようにして成る請求項1乃至8何れか記載の光
    記録の再生方法。
  10. 【請求項10】上記光磁気記録媒体を構成する少なくと
    も2層の磁性膜は、記録再生光の波長が透過する膜厚を
    有して成る請求項1乃至9何れか記載の光記録の再生方
    法。
  11. 【請求項11】光磁気記録媒体に予め記録しておく基準
    信号として、用いる変調方式において最も高い記録密度
    のパターンを記録して成る請求項1乃至10何れか記載
    の光記録の再生方法。
  12. 【請求項12】光の入射側に設けられた再生層と、その
    背面に設けられ情報が記録されている記録層との少なく
    とも2層の磁性層を有し、再生層に光を照射することに
    より記録層に情報として記録されている記録磁区を再生
    層に転写して情報が読み出される磁気超解像法を用いた
    光磁気記録媒体であり、ディスクの少なくとも最内周近
    傍のトラックに、記録再生時のモニタとして標準温度条
    件下で記録された所定の基準信号を有して成る光磁気記
    録媒体。
  13. 【請求項13】少なくともモニタ信号として光磁気記録
    媒体に標準温度条件下で予め入力する基準信号と同一の
    信号を取り込み格納するメモリー部と、この格納された
    信号振幅を基準として再生時に実測した基準信号の振幅
    とを比較し、そのずれ量に基づいてレーザビームの照射
    出力を制御する手段とで記録再生時の温度補償手段を構
    成し、これを備えた光磁気記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6288992B1 (en) 1997-06-24 2001-09-11 Sharp Kabushiki Kaisah Optical reproducing device and optical memory medium
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US6661744B2 (en) 2001-02-05 2003-12-09 Fujitsu Limited MSR magneto-optical recording medium, recording and reproducing method therefor, and storage unit using MSR magneto-optical recording medium
US7149822B2 (en) 2002-04-23 2006-12-12 Fujitsu Limited Information storage device having internal defragmentation capability

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